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明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします。
今年は週一の更新…は無理でも、2週間に1回ぐらいは更新したい所です(苦笑)

年末年始のビッグニュースと言えば、
日産の会長であったカルロス・ゴーン氏の逃亡劇でしょう。
年末にゴーン氏はどうしてるんだろうと考えてたら、実は海外逃亡していたとは…
映画みたいな展開に心を躍らせつつも、
逃亡を許した日本の司法制度を情けなくも思ったものの、
冷静に考えてみると、日本にメリットが無いわけでもなく、微妙な所だなぁと…


まず、一番得をしたのは検察でしょうね。
仮にゴーン氏が日本に残り続け、裁判に突入していたら、
無罪放免になっていた可能性が高いからです。
給料を沢山くれと言う社長と、給料を沢山出しちゃう会社、
どっちが悪いかと言えば、出す方ですよねぇ…
結局、日産が認めてしまっている以上、明確に有罪とするのは難しいでしょう。
そう考えていくと、逃亡の危険性を理由に保釈に反対していた検察にとっては、
「それ見たことか」という事態なわけで、
無罪判決で検察バッシングを受けるよりは、断然得をしたと言えます。

当初の目的は、ゴーン氏を逮捕・有罪にすることではなく、
ルノーに日産を吸収合併されないよう会社から追い出すことが主目的ですから、
その目的が達成されている以上、
検察としては(政府からの?)任務完了済という感覚なのでしょう。


次に、どっちに転ぶのか分からないのが日本政府です。
レバノン政府に圧力をかけずにこのまま泣き寝入りしたり、
逆に国交断絶も覚悟して強硬的にゴーン氏を取り返そうとするのは愚策。
ゴーン氏の身柄を求めずに、レバノン政府に貸しを作れるかどうかがポイント。
ゴーン氏の口が真実性を持たないような世論形成ができれば最高です。
政府としても日産の売却防衛という主目的は達しているので、
無理はしないと思いますが、安倍政権は感情的な面が強いので、
「恥をかかされた」と躍起にならないことを祈りたい所ですが…


逃亡したゴーン氏も微妙な立ち位置です。
これが不当な裁判で有罪にされた後ならば、
または、単なる経済犯ではなく刑法犯で命に関わるような話であるならば、
「巌窟王」的な英雄視されてもおかしくない話ですが、
仮に有罪となったとしても、実刑ではなく、罰金刑・執行猶予程度でしょうから、
悪いい方をすれば、勝負をする前に逃げたとも言えなくもありません。
贅沢ができないから逃げたと批判されても言い訳できないでしょう…
そういう人物が日本の人質司法を批判しても説得力を持ちません。
弁護士を中心に、日本の検察の人質司法に対する批判は大きいですが、
今回のゴーン氏の逃亡劇に関して言えば、同情することは難しいように思えます…
つまり、日本に残って裁判で戦っていれば、内部からの批判で済んだのに、
レバノンに逃亡して司法批判をしても、外部からの批判にしかならず、
頑なになるだけで効果は薄いということですね…
非常手段に出た以上、どうあっても感情的反発が先に来ちゃいます。


一方的に損をしたのは、レバノン政府と日本の弁護団です。
レバノン政府としては表向きに逃亡に関与したとは言えませんし、
逆にゴーン氏に同調して日本を批判するわけにもいかない難しい立場です。
レバノン政府にとって、日本の司法制度なんてどうでもいいことですからね。
意味のない外交問題を抱えることになったレバノン政府は対応が難しくなります。
また、ゴーン氏を見捨てれば彼を尊敬する富裕層にソッポを向かれ、
逆にゴーン氏を過剰に保護すれば、国内の庶民層に格差を理由に批判されるわけで、
こちらも対応が難しいところです。
レバノン政府としてはゴーン氏を厚遇もせず冷遇もせずという立場を取らざるを得ません。

また、ゴーン氏の逃亡を把握できなかった弁護団や、
検察の人質司法に反対していた弁護士グループ、
保釈を認めた裁判所にとっては大きな痛手です。
実際に逃亡されてしまった以上、「口だけ」と言われても反論できないからです。
こうなってしまうと、裁判所としても外国人の保釈に関して慎重にならざるを得ず、
逃亡の危険性が以前よりも高まってしまったことは、
日本に住む外国人全体にとってのデメリットになりかねません。

加えて、オリンピックイヤーということで、
テロ対策を重視している空港会社と入管にとってもイメージを下げる出来事となりました。
これではプライベートジェットの手荷物ならば、
武器でも弾薬でも持ち運び放題と思われかねません。
無事にオリンピックを開催するためにも、今回の一件を大きな教訓として欲しいです。


そう考えていくと、日本にとって最も大きな問題は、
ゴーン氏の逃亡をいつ知ったのか、ということでしょうね。
少なくとも、海外メディアに登場する前に事態を把握していたのかどうか。
把握していなかったら大問題ですし、把握して黙っていたならば、その理由が気になります。
おそらく桜を見る会やIR献金問題と共に、国会で質問されるでしょうし、
政府の対応がどうだったのか気になる所ではありますね…


◆スポーツネタ 箱根駅伝は青山学院大学が優勝
話題の中心はむしろ靴の方に…
まぁ、区間新記録が出まくった上に、各学校も好記録が並んだことから、
靴の影響が全くなかったと言えないわけでして… 話題になるのも当然ですかね。
10年前に水泳界を騒がせた『レーザー・レーサー』と同じ形になってしまうのか…
結局、『レーザー・レーサー』は大会での使用が禁止されるに至りましたが、
東京オリンピック以降に同じ対応が取られても不思議ではありません。

スポーツ道具の進化も重要な要素だとは思いますが、
ここまで劇的に影響を与えてしまうようだと悩ましい所ではありますね…
ただ、冬季五輪の方は道具の差さえもスポーツの要素に取り込んでいるだけに、
夏季五輪だけ殊更に話題するのも変だとも思いますが…
やっぱりスポーツと道具の関係は難しいですねぇ…

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