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埼玉西武ライオンズが10年ぶりの優勝!

本音を言えば、土曜の本拠地最終戦で決まって欲しかったですねぇ…
日曜の試合でもソフトバンクが勝つように祈ってましたが、それも通じず、
台風24号が列島横断中に優勝が決定、
南では沖縄県知事選の結果が出るなど、
優勝のタイミングが絶妙に悪いのは球団の運命なのか(苦笑)
それでもペナントレースの結果を積み上げた上での優勝ですから、
優勝決定のタイミング云々よりも、やはり優勝できたことが尊いです。

台風通過で十分喜べなかった分は、
クライマックスシリーズと日本シリーズで見せてくれるということで。
クライマックスシリーズでは必ず本拠地胴上げになるわけですし、
今度こそ喜ばしい場面を見せてくれることを期待したいです。


◆ライオンズネタ 埼玉西武ライオンズの優勝の原動力~辻監督と源田選手~
やはり一番大きかったのは、辻監督の采配だったと思います。
昨年から監督に就任し、若手を大胆に起用しながらも、
要所で栗山・中村剛也・松井稼頭央選手らのベテランを配し、
絶妙な匙加減でチームをコントロールしてくれました。
外崎選手を外野で起用することで出番を増やし、内外野兼用のレギュラーとし、
守備評価は高かったものの打撃評価は芳しくなかった源田選手をレギュラー固定、
逆に捕手としての評価が芳しくなかった森友哉選手を捕手で積極的に起用しました。
また、6月まで1割台3本塁打と低迷していた中村剛也選手を、
怪我以外ではスタメンで我慢強く使うことで、後半戦の復帰に繋げました。
投手陣でも昨年実績を積ませた平井投手と野田投手を積極的に起用し、
今年も先発の今井投手を始め、斉藤大・伊藤翔・相内誠・松本投手らを登用、
リーグ最低の防御率が象徴するように、まだ十分に結果は出てはいませんが、
それでも若手にチャンスを与えることで投手陣を活性化させました。

現役時代は『いぶし銀』な職人肌の選手で、
コーチとして仕えてきた野村監督や落合監督も手堅い野球を掲げており、
ともすれば、伊原監督2期政権時のように、噛み合わない可能性も考えられましたが、
辻監督は今のチームに合った野球を選択しながらも、
走塁や守備で不安定だったチームを整え、見事に常勝チームを立て直したと言えます。
その象徴がショートを守る2年目の源田選手です。
辻監督の野球を語る上では外せない選手でしょう。

前述のように、源田選手のアマチュア時代の評価は守備◎で打撃×でした。
社会人のトヨタ自動車では9番を打っていたという話ですから、
ドラフト候補では非常に珍しいくらいに非力な印象の選手でした。
実際に1年目のキャンプでも非力さを露呈し、時間がかかるのではと思われましたが、
辻監督はオープン戦等の実戦で源田選手を積極的に起用し、
オープン戦でもまずまずな結果を残したこともあって、
守備を評価されての9番開幕スタメンとなりました。
すると、そこから打率3割と安定した結果を残し、打順も9番から2番へ移り、
シーズン中盤にやや率を落としたものの、
.270を打ち、フルイニング出場を果たして盗塁王を獲得、新人王に輝きました。
2年目の今年は打球に力強さが増し、内野の頭を超すヒットから外野の間を抜くヒットになり、
2塁打が18本から26本、本塁打も3本から4本と着実にパワーアップしています。
持ち前のスピードにパワーが積み重なっていくのがライオンズの打者の特徴です。

今やリーグ屈指の打者となった秋山翔吾選手も、当初は安打製造機のアベレージ型、
シーズン最多安打を更新した2014年でも14本塁打でしたが、
昨年は25本を打ち、今年も23本マークしています。
外崎選手もどちらかと言えば守備型の選手でしたが、
レギュラー取りとなった昨年は10本塁打をマーク、
今年は18本塁打を放っており、終盤1ヶ月の怪我がなければ20本塁打確実だった程。
小柄な選手でも偏見を廃して、強いスイングを意識させることによって、
打者の長打力が飛躍的に高まるのがライオンズ打線の特徴です。

今のライオンズはスピードとパワーを兼ね備えた選手が多く、
秋山・源田・浅村・山川・森友哉・中村剛也・外崎・栗山・金子侑の打線は、
1990年頃の辻・平野・秋山・清原・デストラーデ・石毛・安部・伊東・田辺と比べても、
上位・下位の切れ目がなく、スピード感もあって歴代最強の打線だと言えます。


◆ライオンズネタ 強みとなった守備力と補強が効果的だった投手陣
リーグワーストのチーム防御率とリーグワーストの失策数という数字だけを見れば、
ライオンズの守備陣は崩壊している印象を受けるかもしれませんが、
実際はそんなことはなく、逆に守備力に関して言えば、リーグ屈指のものがあります。

失策数を見ると、ファーストの山川選手が14個、
故障を押して強行出場を続けた浅村選手が12個、
ベテランのサード中村剛也選手が9個と多くなってはいますが、
ショートの源田選手が遊撃手としての補殺記録をマーク、
併殺の数も他球団は100前後にも関わらず、137個の併殺を取っており、
打たせて捕る野球が徹底されていたことが分かります。
ショートの源田選手とセンター秋山選手、ライト外崎選手、
レフト金子侑司選手の外野陣は守備範囲が広く、数字以上の好守でチームを支えました。

打たせて捕る野球を体現したのが、阪神から移籍してきた榎田投手でしょう。
球種の豊富な変化球を武器に、ランナーを出しながらも粘り強い投球が持ち味で、
毎試合6回3失点程度にまとめることにより、打線の援護で勝ち星が積み重なり、
阪神時代に達成できなかった二桁10勝をマーク、先発の軸としてチームを支えました。
これがライオンズ打線ではなかったら、見殺しにしてしまったかもしれませんし、
榎田投手自身も1点を惜しんで大量失点してしまうこともあり得たと思います。
そうならなかったのは、高い打線の反発力と、
併殺の取れる守備陣の影響が大きかったように思えます。

最多勝確実の多和田投手もどちらかと言えば打たせて捕るタイプで、
奪三振率の高い菊池雄星投手と今井投手のような本格派タイプではありません。
前半戦怪我で戦列を離れながらも4勝を挙げたウルフ投手も同、
前半戦終盤に怪我をして後半戦投げられなかった7勝のカスティーヨ投手も同、
打たせて捕るタイプの投手の活躍が今年のライオンズの強さになりました。
(誰とは言いませんが、昨オフにFAで移籍した某投手も
 ライオンズなら先発で二桁勝てたと思うんですがねぇ…)


投手陣はやはり誤算の方が大きかったです。
昨年終盤に復帰し、今年はリリーフの一角を期待された高橋朋巳投手が、
キャンプの時点で故障離脱したことで、メジャー移籍した牧田投手の穴を埋められず。
また、左のリリーフとして活躍していた武隈投手が今年は絶不調、
抑えの増田投手もシーズン序盤はなんとか抑えていたものの、中盤以降はサッパリ…
苦労しながらもようやく構築できた昨年からのリリーフ陣が完全に崩壊してしまいました。

それを補ったのが積極的な若手の登用とトレード&外国人補強でした。
リリーフでは、2年目の平井投手と3年目の野田投手が50試合以上登板し、
ルーキーの斉藤大将投手と伊藤翔投手、若手の相内投手や松本投手など、
若い投手を実戦の中で鍛えていきました。
外国人補強では広島を解雇されて独立リーグに居たヒース投手を獲得、
中継ぎで安定感ある投球を見せ、後半戦は抑えに昇格して結果を残しました。
また、駆け込みで獲得したマーティン投手も勝ちパターン継投に加わり、
中日から金銭トレードで獲得した小川投手が失点僅か1の好投を見せるなど、
途中加入の3投手が、不調と故障に悩まされた投手陣を救いました。

本来なら、これだけの投手陣の大手術を行えば、
大出血(黒星)もやむを得ないところなのですが、
そこは史上最強打線の見事な反発力で傷口を最小限に留め、
大きな連敗をすることなく、シーズンを通して安定した戦いができました。
最強の打線を中心にして、投手陣の踏ん張りと首脳陣の立て直し策、
フロントの適切な補強が見事に噛み合い、今年の優勝に繋がったように思えます。

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