「加計ありきは
前川氏の妄想」…というのが自民党側の筋書きだったようですが、
問題発覚当初ならば、その言い訳は通用したかもしれませんが、
今となってそれを言うのは火に油を注ぐだけのように思えるのですが…
妄想なら、なんで昨年に加計理事長と3大臣が会ってるの?
既にあらゆる情報が出ている今では、とても「前川氏の妄想」だけとは思えません。
完全に愚策、全てを隠そうとして却って嘘っぽくなる。
それと、前愛媛県知事の加戸氏は何を代表して出てたんですか?
前回の総理不在の閉会中審査でも出席していて、
報道しなかった朝日と毎日が叩かれる珍事が起きましたが、そもそも誰なの? アレ?
仮に申請者を代表しているのならば、
申請者は今治市であるし、事業主体は加計学園なのだから、
あそこに本当に座っているべきは、今治市長と加計理事長だと思うのですが?
話を聞いていても、ゴニョゴニョと老人特有の昔話を交えた脱線で意味が分からず、
前川氏の妄想と糾弾してましたが、客観的にはあなたの妄想にしか聞こえません。
話も長々と時間をかけただけで実がなかったし、そりゃ記事に仕様がありませんよ。
だって、今、問題になっているのは、森友学園問題とは違ってinputの話ではなく、
outputの話、申請者の問題ではなく、inputのあとの行政の決定過程です。
問題の範疇外の人の話を聞いたところで、「はぁ、ご苦労なさったんですね」で終わり、
全くもって意味ねーじゃんと…
呼んだのは自民党らしいですが… そういう所も「的外れ」なんですよねぇ…
もっとも、そのinputにも疑惑が生じたというのが今回の閉会中審査の収穫でしょう。
今治市の職員が内閣府を訪れたのにも関わらず、「記憶がない」「記録がない」。
昨年の公募前に加計理事長と地方創生・農水・文科大臣の3人と会っていたりと、
申請者側にも疑惑の目が強まってきました。
問題の出口が全く見えないだけに、疑惑の色ばかりが強まっていきそうな印象です。
◆政治ネタ 混迷を深める加計学園問題の閉会中審査
初日の安倍総理の殊勝な姿勢とは裏腹に、
問題の中身における政府側の対応は、記憶にない記録がない同じ答弁の繰り返し…
疑問は全くもって払しょくされないどころか、怪しさしか強まりません。
加計学園問題を巡る対応の拙さは「全否定」にあるわけで、
文科省の内部文書⇒怪文書として全否定⇒実際はありました、に象徴されるように、
今治市の職員が内閣府に行った証拠があるのに、「記憶がない」「記録がない」。
森友学園問題でもそうでしたが、政府側の説明に一連の筋道が見えません。
そこが説明に説得力を欠く最大の理由のように思えます。
政府側は加計学園獣医学部新設が「岩盤規制改革の象徴」と盛んに喧伝してますが、
安倍総理や和泉補佐官らの話が真実なら、その割にはあまりにも手続きが杜撰です。
それほど重要視している案件ならば、規制緩和で決まる1校というのはもの凄く重要なはず。
他の既存の獣医学部と比較しても先進性があることは勿論、
経営にも安定性があり、開学後に着実に実績を残せることが必須の条件です。
それにも関わらず、国家戦略特区諮問会議の議長である安倍総理が、
今年の1月20日まで加計学園の獣医学部申請を知らなかったと言うのは、無関心過ぎます。
どんな新「獣医学部」なのかは非常に重要なわけで、それを示せるのは今治市ではなく、
事業主体である加計学園にも関わらず、今年の1月10日まで表立って登場しない…
これはどう考えても不自然です。
場所である今治市だけで、どうやって規制緩和を判断することができるのか。
構造改革特区時代には加計学園の名前が併記されていて却下の連続で、
国家戦略特区時代になると加計学園の文字が消えて、数回の却下のうちに承認…
それだけ却下が相次いだのならば、特区の中身も当然に問題にされたでしょうし、
中身を実際に作るべき大学が全く登場しなかったというのは、やはり不自然に思えます。
加えて、昨年に加計学園に正式に決まる前日に、
文科省が加計学園の大学新設相談にそれとは別件に相談・返答していたとしても、
それは文科省としてそのまま開学を認められないような杜撰な計画であった証拠であり、
そんな杜撰な計画を翌日に了承してしまう諮問会議も怪しく思えてしまいます。
加えて、そもそも、京都産業大学や加計学園の獣医学部計画に関して審議した記録もなく、
真剣に議論していたのかさえ、疑わしく思えてしまいます。
それって自分の諮問会議のお友達に謝礼や交通費配ってただけじゃねーの?(苦笑)
政府側が主張する「岩盤規制改革の象徴」という建前とは裏腹に、
実際の計画は規制を打ち破るような先進性のある計画ではない、杜撰な計画そのもので、
安倍総理自身も大した関心を持っていなかったということになり、
建前と現実の様相が全くもって一致しません。
それは、つまり、「嘘」ということになります。
加計学園ありきで進められた杜撰な審査でなければ説明がつきません。
本当に政府側が加計学園獣医学部に自信を持っているのならば、
既存の大学と比べて、こんなに違っていて、こんなにも素晴らしいのだと説明してください。
総理のお友達だろうがなかろうが、これだけ素晴らしい大学を認めないわけにはいかない、
そう思わせるようなものを国民に示してみれば良いではないですか。
それができていないから「嘘」に思えちゃうんですよ。
◆政治ネタ 稲田防衛大臣の日報隠ぺい問題
報道を見ても、浅い記事だと「隠ぺいを了承」と書かれていて、
深い記事だと「防衛省内の統率ができていない」と書かれており、
同じ問題なのに、見方を変えるだけで結果が異なるややこしい問題です。
改めて、問題を簡潔に整理してみます。、
南スーダン駐在の自衛隊員の日報の情報開示を求められたところ、
「(省内の規約に基づき)原本は破棄された」として陸上自衛隊は拒否しましたが、
このことが国会で取り上げられて追及されたため、防衛省内を調査すると、
「(日報のコピーが)統合幕僚監部に存在した」ことが明らかになりました。
その日報には「戦闘」があった旨が記載されていたものの、
稲田防衛大臣は「戦闘行為という表現は不適切で、武力衝突の言い換え」と発言、
自衛隊派遣のためのPKO5原則が崩れないようにするために、
現場の報告そのものを「解釈」して捻じ曲げる暴挙に出ました。
今回の話はこの後のことで、稲田防衛大臣は特別監察を用いて、
一連の問題の徹底調査を命じたところ、
陸上自衛隊は隠ぺいに関与したとして厳しい処分が、
逆に稲田防衛大臣に関しては一切触れられていないとする「報告結果の予想」が出回りました。
これに怒りを覚えたのか、陸上自衛隊側から「報告した(はず)」と報道機関にリーク、
「稲田防衛大臣も知っていた(はず)」とする報道が出て、大問題になったわけです。
結論から言えば、稲田防衛大臣が知っていたかどうかは分かりません。
陸上自衛隊にあった日報のコピーも、統合幕僚監部にあった日報のコピーも同じモノで、
防衛省内では同じ原本のコピーに過ぎず、敢えて報告する必要性を感じなかった可能性はあります
(とはいえ、最初にマスコミが情報開示を求めた先が陸上自衛隊だったので、
原本破棄したからといって、情報開示を拒否した正当性が崩れかねない大問題なんですが…)。
稲田防衛大臣が報告を受けていたものの、重要視せずに黙殺を黙認したのか、
防衛省のトップの人が報告する必要性を感じずに報告しなかったのかは分かりません。
全体の流れからすれば、組織的隠ぺい」に思えますが、
日報の原本が規約通りに破棄されていて、他の仕事をする上で原本のコピーが見つかったという話なので、
組織的には「隠ぺいする意図はなかった」わけで、
それによって特別監察の重い処分が下されることが予想される陸上自衛隊員が不満に思うことは、
無理からぬことのように思えます。
でも、本質的な問題は「そこ」じゃないんですよね、コレ…
問題なのは、現場の自衛隊員が「戦闘」と書いたことを、
防衛大臣が「解釈」して「武力衝突」と置き換えたこと、そこが問題なんです。
実際にその日報を書いた自衛隊員がどういう意思をもって「戦闘」と書いたのか分かりませんが、
想像するに、PKO派遣のギリギリの状況、もしくは限界点を超えた状況であったと思われます。
それを日報として現場の自衛隊員が報告したのにも関わらず、
トップの防衛大臣が「ギリギリの状況にはない」と言い放つ…それでは任務になりません。
万が一のことが起こった場合でも、戦闘による死傷ではなく事故死で片付けられるのではないか、
まともに任務ができるような状況にしてもらえないのではないか、そういう疑念は消えないはず。
今回の一連の問題は、自衛隊はあくまで職務を遂行にしたに過ぎず、
その報告を受けた防衛大臣なり、政府官邸サイドが「政治判断」で捻じ曲げた、
そこが本当の問題なわけです。
前川氏が加計学園問題で「行政が歪められた」と発言しましたが、
同じことが、より深刻な形で、防衛省・自衛隊にも行われたことが問題なんです。
今回の問題は自衛隊内における「悲鳴」、そういうことなのでしょうね。