規制と統制
今日12月1日から改正道路交通法が施行され、
自転車は基本的に左側の路側帯を走らねばならず、
違反者には罰金も科せられるようになりました。
また、国会では特定機密保護法を巡って紛糾しており、
弱体化した野党では歯止めにもならず、自民党のゴリ押しに合っています。
これらの問題を考える上で、
そもそも「規制」って何ぞや、ということについて考えてみようと思います。
その比較対象として挙げたのが「統制」です。
「文民統制」や「報道統制」といった言葉に使われ、英語にすれば“control”、
英語の表す通りで、支配下におき、その範囲においてのみ統制下の人は動けます。
つまり、統制下の人に自由はなく、予め許可されたものだけが自由なわけです。
一方の「規制」は、自由を必要に迫られて制限することを意味します。
「通行規制」が一番分かりやすく、本来は自由に通れる道路であっても、
歩行者天国や道路工事・事故の影響で、安全確保の必要性が高ければ、
規制する必要がある箇所のみを通行止め、
または片道相互通行にして道路交通を規制するわけです。
ポイントは「本来自由」である点と「必要目的があること」、
そして「必要目的を達する上での必要最低限の処置であること」です。
それを自転車の交通規制に関して考えてみれば、
近年の自転車のマナーの悪さは目に余り、自転車による事故の急増は事実で、
また、電動自転車の登場と高齢化によって、比較的ライトな層の運転が増えており、
厳罰化する自動車の飲酒運転に対し、自転車の飲酒運転は甘いなど、
一定の規制をする必要性があることは確かです。
ただ、規制するにしても、規制される側の立場に立って、
不都合が最低限で済むように努めなければなりません。
その点において考えれば、規制範囲は妥当としても、程度の問題が残ります。
例えば、都市部の主要道路を除き、歩道の自転車通行可は半分以上消えており、
それも開始と終了地点にしかないので、歩道通行可を認識するのは難しく、
また、右側に大きい歩道があり、逆に左側は壁・川・崖で危険な場合もあります。
加えて、自動車は左寄り走行や左折時の左寄せを教わっているケースが多く、
道幅の狭い道路の路側帯を走ると接触事故や巻き込み事故が起こる可能性が高く、
交差点近くの路上駐車があれば、回避しようとしての追突の危険性もあります。
現状、地方の多くが道路の左端を自転車が走れる環境整備は行われておらず、
自動車のマナーとの関係においても、成熟した関係ができていません。
そんな状況で杓子定規に当てはめて、左側が危険にも関わらず取締りを行うのは、
取締りのための取締り、要は警察の小遣い稼ぎとみなされても仕方ありません。
早急に自転車交通の整備を行う必要があり、それを行わずに規制が先行するのは、
行政の怠慢であるという批判は免れず、
日本は「自動車優先の道路」を脱却できていないことをさらに印象付けさせます。
国会で審議中の特定機密保護法に関して言えば、これは規制ではなく統制です。
政府はその必要性ばかりを説明するだけ、必要目的は分からなくはないものの、
規制の範囲が曖昧なままで、必要最低限の規制になっておらず、
これでは「情報統制」になっていると言わざるを得ません。
今の自民党は明治憲法の復刻でもたくらんでいるのか、
権利を「天賦の自由」ではなく、「与えられた自由」に置き換えようとしています。
「公共の福祉」論もびっくり、政府が無制限に制限する社会こそが理想、
それこそ敵対意識を強めている中国が理想なのでしょう。近親憎悪かよ(苦笑)
また、自民党にとっての「国民」は「票と金を持つ一部の人間」であり、
例えば日本医師会といった金と票を持った圧力団体こそが日本の「国民」で、
それ以外の金も票も持たない有象無象は「国民」と思っていない節があります。
石破幹事長がブログでデモをテロと変わらないと言ってしまえるのは、
そういう考え方をしているからです。文句ある奴は金か票を持ってこいということ。
ニコニコ動画を使って若年層の支持を伸ばしましたが、
別にニコニコ動画の視聴者たる若年層を大事にしているわけではなく、
新メディアたるニコニコ動画を大事にしているに過ぎません。
だからこそ、特定機密保護法なんていう杜撰な法律が生まれてしまうわけです。
金と票を持つ人間には私たち政治家が情報を教えますよ、
それ以外の有象無象は黙って言うこと聞いてりゃいいんだから情報イランよね?
この法律の本質はそこにあるわけです。
で、自民党だけでなく、そこに乗っかった「みんなの党」にも失望しました。
先に説明したように、規制の法律ではなく、統制の法律ですから、
みんなの党は官僚支配を批判し、それを打破することで支持を集めてきましたが、
その結果は国民に還元するのではなく、自分達の統制下に置く目的のようです。
それでは昔から行われてきた官僚機構と王権の対立と同じことで、
単なる権力闘争でしかなく、私利私欲のための官僚支配打破にしか思えません。
今回の特定機密保護法に賛成したことで「みんな」の党ではなくなってしまい、
「渡辺善美のための党」と化してしまったように思います。
これでさらに野党は弱体化しちゃいますね…
◆ライオンズネタ 片岡・涌井・サファテ・ヘルマン… 来季、大丈夫?
今日、FA宣言していた片岡選手が巨人移籍を表明したとのことです。
もう一人FA宣言している涌井投手は正式に態度を表明していませんが、
ロッテ移籍が有力視されており、
外国人選手のヘルマン選手とサファテ投手も退団が決定的となったとか…
せめて、片岡選手かヘルマン選手、涌井投手かサファテ投手、
それぞれどちらかを残してくれるなら戦力低下を防げたわけですが、
全員失うとなれば、どうすりゃいいのか。
4位からの滑り込み2位の成績でありながら、現有戦力低下、
それで優勝を狙えると本気で思っているのでしょうか?
今季、中島・中村選手の不在を想定しながらも補強を怠り、
または補強しても失敗に終わったことに懲りていないのでしょうか?
そこに横浜を戦力外となったラミレス選手を取りに行くのも理解に苦しみます。
昨年のように大砲不在という状況が想定されるなら、それもアリだと思えますが、
片岡選手とヘルマン選手という足を使える選手がいなくなったわけですから、
そこまで足が速くなくとも、走塁意識の高い選手が必要なわけで、
補強ポイントが全く違うのではないかという気がしてしまいます。
そう簡単に育てて勝つなんて無理ですよ?
ましてや、それができた渡辺監督ではなく、オリックスで失敗した伊原監督です。
戦力が揃っていれば、勝つ野球をしてくれますが、
戦力がない状態でどれだけ上積みを図れるかは正直分からない面があります。
今年の戦力そのままならば、伊原監督で優勝を狙えたと思いますが…
ちょっと今の状況はマズイというか、危機感を覚えますね…
しかし、片岡選手の移籍はショックです… 球団の評価が低かったせいかなぁ…
これで二遊間はレギュラー不在となったわけで、
そんなチームが優勝できた試しがありません。
浅村選手はサードへコンバート予定のようですが、こうなるとセカンドに回した方が…
機動力も落ちるので、金子選手をレギュラーにするしかない状況になりましたが、
その金子選手がどれだけ攻守に安定した成績を残せるのか、
もう神に祈るつもりで金子選手の成長に期待するしかないですね…
託すしかない、ダメなら最下位と割り切ります(苦笑)