西武・高山久外野手と阪神・川崎雄介投手がトレード
ついにこの日が来てしまったか…という感じがしますね。
ライオンズファンにとって、高山久選手は思い入れの深い選手で、
西武のドラフトは1998年の松坂大輔投手の入団で大きく変わっていくわけですが、
当時のチームは完全な「投高打低」で、野手の主力は松井稼頭央選手ぐらいで、
和製大砲の獲得が何よりも望まれている時期でした。
その第1弾が高山久選手で、99年のドラフト1位で入団すると背番号1が与えられ、
高卒2年目にはプロ初ホームランをマークするなど、大きな期待をかけていた選手でした。
2000年にはドラフト5位で中島選手を、2001年にはドラフト2位で中村剛也選手、
2002年には自由枠で現横浜の後藤武敏選手を獲得しており、
どれだけ和製大砲の確立に必死だったかが窺い知れます。
そんな形で高い期待をかけられていた高山選手でしたが、外角のボールに弱点を持ち、
そこを集中的に攻められることで実力を発揮できなくなり、次第に出番も減少。
後から入ってきた中島選手や中村選手、栗山選手の台頭もあって、次第に影が薄くなるも、
代打を中心に活躍をし、2010年には自己最多の110試合に出場するなどしましたが、
2011年から導入された統一球の影響を受けて打撃不振に陥り、
若手の秋山選手や熊代選手らの成長もあって、2軍暮らしが続いていました。
いつトレードに出されてもおかしくない状況だっただけに、それほど驚きはありませんが、
思い入れの深い選手だっただけに、寂しさの方が強いです。
坂田選手の左肩脱臼によって、ラストチャンスが来るかなと思いましたが、
1軍に昇格する前に阪神へのトレードが決まってしまいましたね。その点だけは残念です。
ただ、高山選手にとっては大きなチャンスであることは間違いなく、
特に阪神は関本選手が怪我で離脱したことで、右のDH候補がいない状況ですから、
すぐにでもチャンスがやってくる可能性があります。
新天地で活躍する姿をライオンズファンに見せて欲しいですね。
交換相手の川崎投手はオープン戦で対戦した時に好投していた記憶があるのですが、
シーズンに入ると1試合しか登板しておらず、やや不思議な感じもしますが、
ファームの成績を合わせてみると、四球が多いのが少々気になるところです。
それでもスライダーのキレはまだありますし、再生可能と見て獲得に乗り出したのでしょう。
今のチームはリリーフ左腕が不足しており、ウィリアムス投手が故障で抹消中、
松永投手も肩痛で長期離脱になっており、実績のある左腕がいないだけに、チャンスはあります。
両選手の活躍に期待したいですね。
◆ライオンズネタ 先発で結果を残せずに中継ぎへ配置転換された涌井投手
2軍で再調整をしていた岸投手は、巨人戦で勝利こそならなかったものの、
ストレートの力が降格前よりも明らかに増しており、復活の兆しを見せてくれましたが、
逆に先発ローテに残っていた涌井投手は悪化の一途を辿っているようです…
今シーズン、先発投手として仕事を果たせたのは1試合目・2試合目だけで、
以降は6回途中で降板するケースが続き、味方の得点直後に失点してしまったり、
試合中盤に四球等からビッグイニングを作ってしまったりと、
エースとは呼べないプロ未勝利の新人投手のようなピッチング結果となっています。
とりあえず、交流戦で先発投手が足りていることもあって、
渡辺監督は中継ぎへの配置転換で様子を見ることにしたようです。
涌井投手のボールだけを見ていると、そこまで極端に悪いとは感じず、
技術的な問題というよりは精神的な問題と見ていましたが、
これだけ悪い期間が続くということは、やはり技術的にも問題があるのでしょう。
問題があるのはセットポジションであることは間違いないようで、
先日の日曜日の打たれているシーンを見ていると、体重が前に乗っていないというか、
キャッチボールの延長線上のピッチングにしか見えません。
一番分かりやすいイメージは「野球素人の始球式」ですね。
後ろにどっこいしょと体重を傾けるんだけど、前へ体が行かず、ふわっと投げる感覚、
あれが一番近いように見えます。
涌井投手は元々足を高く上げる投手で、その反動を下半身への踏み込みに利用してましたが、
プロ入り後はクイックの関係もあって、ほとんど足を上げなくなったわけですが、
それが下半身の筋力や柔軟性の低下から来るものなのか、
それとも抑えから先発へ再転向したことで、無意識的に「楽」をして投げているのか、
スムーズな体重移動ができず、投球フォームの乱れに繋がっているように見えます。
その意味ではリリーフ転向は良いアイディアだと思います。
まずは先を見据えないで、とにかく1~2イニングを全力で投げることです。
エースとして活躍した投手とはいえ、少しでも手を抜けば掴まってしまうのがプロの世界、
相手打者が誰だとか計算せずに、自分のフォームで全力で投げることが必要です。
それとセットポジションを一時的に改め、クイックを意識せずに、
無理がない程度に足を上げて、フォームが乱れないように調整することも必要でしょう。
あとは精神面の問題ですね。
涌井投手の中で「思ったボールが投げられない自分に対する苛立ち」があるようですが、
それを試合の中で見せてはいけません。
同じくWBCに出場した牧田投手も、昨年とは違って納得いくストレートが行ってないものの、
相手のタイミングを上手く外したりして、先発ローテの軸として頑張っています。
若い大石投手も大学時代のようなスピードこそ出ていないものの、
今持っているストレートのキレで抑え投手として頑張っています。
今後、さらに年を重ねていけば、イメージに体が付いてこないことも増えるでしょうし、
個人的に納得のいかない状態でも、主力投手として結果を残さなければなりません。
「納得のいくボールが投げられない」は言い訳に過ぎず、
「今投げられるボールでどう抑えるか」を大事にして投げていって欲しいです。
勿論、日頃から納得のいくボールを投げるための努力は必要ですが、
試合が始まってしまえば、それは二の次で、打者との勝負が主眼になるのですから、
マウンド上で自分自身のイメージと戦うのだけは止めて欲しいです。
それとリリーフに配置転換したことによる涌井投手のモチベーション低下が気になります。
もし、リリーフに配置転換しても、先発の時と状況が変わらないようなら、
ブルペン陣の強化どころか、チームの雰囲気をもぶち壊しかねません。
現状では余程の修正がない限りは先発復帰は難しいと思われ、
交流戦帰還終了後に一度先発に戻すでしょうが、そこで結果が出なければ、決断の時でしょう。
このまま先発を断念してリリーフで生きていくことを決断するか、他球団への移籍を直訴するか。
先発でもリリーフでも結果が出なければ2軍に行かざるを得ず、
既に昨年までのようなエース待遇の立場でもなくなってきているだけに、
与えられた場所でしっかりとした結果を残してもらいたいです。
当面はDHが使えない試合があるので、ビハインドの展開の第2先発として起用しつつ、
リリーフ定着なら8回を任せ、サファテ投手と大石投手の間に置くことが理想ですね。
◆ニュースネタ 波紋を呼ぶ橋下共同代表の発言とそれを擁護する石原代表
先日の従軍慰安婦発言から騒動を呼んでいる橋下大阪市長ですが、
何が問題となっているのかを正しく理解していない感じがします。
米軍統治下でアメリカ軍兵士が買春をしていたとか、そういう問題ではないわけで、
甚だ見当違いの弁明しか行っていません。
要は、シビリアンコントロールで軍を指導すべき政治的立場の人間が、
軍人の買春・売春を認めるような発言をしたことが問題なわけです。
軍隊といえども、買春・売春が全くないということはありえませんが、
軍隊に必要なのは「統率」であり、「略奪行為」を禁じ、
相手の命を奪うことによる「恐怖」で統治するのではなく、
治安の安定という恩恵によって「統治」するのが、軍隊にとって最も大事なことです。
ですから、当然、軍を指導すべき人間が買春・売春を奨励し、
略奪行為を暗に認めることは言語道断であり、それは軍隊の規律度・モラルに影響します。
ですから、橋下共同代表の発言は「日本の恥」となってしまったわけで、
あんなことを公に言ってしまうバカな政治家のいる国なら、
過去に従軍慰安婦や南京大虐殺のような略奪行為をしてもおかしくない、そう思われちゃいます。
そこが問題であることに気づかず、他の国もやっているではないかでは恥の上塗りで、
喋るだけで恥ずかしさが増すだけ、国際的な恥さらしです。バカの所業ですよ。
同じ維新の会の石原代表が、太平洋戦争が「侵略」ではないと主張していますが、
それを決められるのは日本人ではありません。
実際、どういう理屈でそう主張しているのか知る由もありませんが、
おそらく東南アジア地域を含めて西欧列強の帝国主義政策による植民地支配が理由で、
国際的に認められた政府がなかったことを理由としているのでしょうが、
それのみで「侵略」を決めるというのはいささか強引過ぎるでしょう。
それは完全に侵略する側の理屈であって、スペインがインカ帝国を滅ぼしたのと同じでしょう。
問題は武力侵攻された側がどう捉えるかで、個別の国家の事情で決まるのではなく、
国際的秩序の中で「侵略」行為は定義されなければなりません。
そういう意味では、第一次世界大戦後の軍縮の流れを破り、
国際的秩序を破って植民地政策を推し進めた罪は変わることがないわけですから、
やはり日中戦争・太平洋戦争を「侵略」ではなかった、とするのは無理があります。
…にも関わらず、声高にそれを主張する日本維新の会はどうかしていると思わざるを得ず、
同じ流れを受け継いでいる自民党を含めて、危険な存在である点は変わらないように思えます。
そんな感じで書いていたら、「侵略の定義」について書かれた記事が出てきました。
こちら
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130520-00025060/
国連できちんと定められているのに、無視ですか。
安倍将軍様や石原代表にとっての学問的議論というのは、
国内の一部の人間、例えば先の自衛隊の田母神氏のような人達の議論を言うのでしょう。
国内の議論以外はシラネーヨということで、
中国や北朝鮮のような国内情勢重視の政治スタンスは同じようですね、情けない。
外交下手では済まされないような大失策をやってのけてくれています。
◆ニュースネタ 飯島内閣官房参与の訪朝の結果は…?
小出しに情報は出てきていますが、未だにまとまった情報はないようで…
気になるのは「拉致問題」しか出てきていないということですよね。
北朝鮮の立場からすれば、「核問題」を巡る国際的包囲網からの脱出、
経済的援助が是が非でも欲しいところでしょうから、
先代以前の問題である「拉致問題」の解決は「核問題」に比べれば容易で、
解決を条件に経済的援助や核開発の黙認を要求しても不思議ではありません。
なのに政府からは「拉致問題」と「核問題」がセットで出てこない。
拉致問題が解決しても核問題が解決されなければ、問題解決とならないはずなのに、
そういう言及が全くないことに違和感を感じるというか、怖さを感じてしまいます。
拉致被害者の方々には申し訳ないのですが、
国民の大多数の関心は拉致問題解決よりも核問題にあり、
両方の解決なくして問題進展はありえないです。
「拉致問題」が全て解決したから、経済的援助を与えるでは到底納得できないわけで、
外交戦略として「拉致問題」の解決を先行させるのは分かるものの、
米韓との連携を怠り、「核問題」を置き去りにするようでは、本末転倒に思えます。