土曜に侍ジャパンが船出
第3回ワールドベースボールクラシックに出場する侍ジャパンが強化試合を終え、
いよいよ3月2日土曜日にブラジルとの試合に臨むこととなりました。
心配された打線の方は最後の巨人戦でなんとか面目躍如となり、
多少なりとも本番へ弾みが付いた感じはします。
ただ、一方で4番キャッチャー・キャプテンの阿部選手が膝の違和感で欠場するなど、
不安なニュースもあるなど、まだまだ予断を許さない感じがあります。
ここまでの試合を見ていて一番感じることは、野手の調整が遅れていることですね。
紅白戦とオーストラリア戦を除く、広島・阪神・巨人の試合では、
投手(守り)ではWBC公認球を使用したものの、
攻撃時は相手に配慮して日本の統一球を使用しており、
実際に外野手の頭を抜くかという打球が失速するなど、
さすが統一球という場面もありましたが、シーズン中はそれを打ってるだけに、
各チームの主力打者がそれを打てないというのは、やっぱり調整遅れを感じてしまいます。
原因は調整する試合が少なすぎたのか、それとも打ち込みの時間が足りなかったのか。
そのどちらなのかは分かりませんが、あまり良い調整とは行かなかったようです。
そもそも、福岡で試合をやるのに、なんで阪神と試合をしに大阪まで行ったんでしょう?
開催地の福岡で直前に行える試合数が制限されていたのでしょうか?
それでも地元に利があるのは変わらないわけですから、
できうるならば、最初から最後まで福岡でそのまま試合をやっていた方が、
移動の時間を削減して調整に当てられたはずです。
宮崎の悪天候も影響し、練習や練習試合も少なめになってしまいましたし、
ドーム球場で調整していた方が良かった感じもします。
そんな感じで、選手の調整に若干の不安を残しているものの、
日程的にはブラジル・中国と来て、キューバと来るだけに、
勿論、一発勝負なので相手を侮ることはできませんが、
戦いながら状態を上げていくことも可能なのは、せめてもの救いです。
ブラジルも中国もまだまだ卒のない野球とはいかないようなので、
機動力で相手をかき回していけば、勝機は掴めると思います。
大会を通じてどれだけチームの完成度を高めることができるか、
首脳陣の手腕に注目ですね。
◆侍ジャパン 野手陣の考察
これまでは内川選手一人のチームでしたが、
最後の巨人戦で坂本選手が調子を取り戻し、松田選手の打撃内容も良くなったのは好材料です。
逆に左打者の糸井選手らの状態は一向に上がらず、本番に不安を残しています。
ここまで見ていて誤算なのは、阿部選手の打撃の状態もそうですが、
外野のレギュラーとして計算していた糸井選手と長野選手の調子の悪さでしょうね。
糸井選手はメジャー希望が災いしてトレードになるなど、高い目標を掲げているにも関わらず、
打撃が淡白になっていて、状態が一向に良くならず。
長野選手は外角に強いだけに国際大会に合うと思いきや、ここまでいまひとつ。
33人から外野の俊足コンビを外したのも、糸井選手と長野選手を計算してのことだったので、
ここに来て外野の層が薄くなりつつあります。
内川・中田・角中選手はシーズン中レフトを守ってるんですよね…
敢えて挙げるなら、内川選手がライトの経験もあるぐらいか。ちょっと頭が痛い感じです。
それと2番打者で頭を悩ませているように、小技ができる選手も少ない感じです。
最も小技ができる井端選手は最初から構想外だったようで、代打・守備固めが主で、
本多選手も代走要員という感じですし、そもそもイメージよりも小技は上手くない。
唯一、松井稼頭央選手がフィットしたものの、腰に爆弾を抱えているのが不安。
内川選手を2番にする余裕があればいいんですが、現状はそうではないですし…
巨人戦では角中選手を2番でテストして、初回に送りバントを決めたものの、
へっぴり腰の結果オーライで、成績を見ても犠打が年1回あるかどうかで、
とても小技が向く選手とは思えなかったり…
せめて、もう1試合あれば、井端選手の2番をテストできたりしたのですが…
キャッチャーは去年から言っているように、阿部選手を4番で使うなら外すべきでしょう。
キューバを始め、本大会を勝ち進んでいけば、
強烈なスライディングやタックルが守備陣を襲うのは確実で、
とりわけ接触プレーの多いキャッチャーは体に不安があると務まりません。
今日の試合で阿部選手がマスクを被らない場合も想定できたわけですし、
相川選手か炭谷選手に守備は任せてもらいたいです。
なんつーか、所々で指摘されているように、
巨人依存のチームとなった弊害が出ている感じがしますね。
昨年の日本一チームなので、無理もないことなのですが、
1番長野・3番坂本・4番阿部選手という巨人のオーダーに拘り過ぎて、
他のパターンを試す機会が遅れたことは失敗だった感じがします。
こちらも戦いながら模索していく形にならざるを得ないでしょう。
1(三)松田、2(二)松井・井端、3(右)内川、4(指)阿部、
5(遊)坂本、6(左)角中、7(一)中田、8(中)糸井、9(捕)相川
たぶん坂本選手は1番起用となると思うんですが、機動力を全面に出すなら松田選手で。
阿部選手が欠場せざるを得ないなら、3番坂本・4番内川・5番角中選手で。
打線の中心が内川選手であることは間違いないです。
◆侍ジャパン 投手陣の考察
リリーフの森福投手と山口投手、
本大会ではリリーフに回ると予想される牧田投手と攝津投手、
第二先発が予想される杉内投手と能見投手は順調といった感じですが、
それ以外の投手はまだ登板してみないと分からない感じです。
田中投手と前田投手に関しては報道されている通りで、
現段階では大会を通じて調子を上げていってもらうしかないでしょう。
最悪の場合は、田中投手を前回大会のダルビッシュ投手のように抑えにしたり、
前田投手を黒田投手のように中継ぎで起用したりと、
当初のプランとは全く違う使い方も考える必要があると思います。
それ以外の投手は良い球と悪い球がはっきりしていることが多く、
時折、高めに浮く球が強力打線に狙い打たれないか不安が残ります。
昨年11月の親善試合ではボールが低めに集まっていて、
ストライクからボールにする変化球で勝負できていたからいいのですが、
今の状態だとストライクゾーンで勝負する球が多くなっているのが気がかりです。
大会を通じて好調な投手と不調な投手がはっきりしてくるでしょうから、
プラントは関係なしに良い投手を積極的に使う方向で動いてもらいたいです。
特に牧田投手と攝津投手はシーズン中は先発をしているわけですし、
ここ一番では先発で使うことも想定しておくべきでしょう。
ライオンズファンとしては、涌井投手の状態が気がかりなのですが、
阪神戦で投げているのを見ていると、阿部捕手と合っていない印象を受けました。
全体的に変化球の精度よりもストレートの球威が足りていない印象で、
もっと腕を強く振る必要があるのに、変化球中心の組み立てをしたりと、ちぐはぐ。
左打者へのカットボールが陰を潜め、チェンジアップが決まらないために、
スライダー一辺倒とならざるを得ず、苦しいピッチングとなっていました。
左打者の懐へストレートが1球入るだけで楽になるはずなんですが、
ストライクゾーンに決まるストレートで良い球は1球もなく、
惜しくもボールになった3球ぐらいが良かっただけでした。
もう少しストレートが良くなってこないと、本大会での出番はおろか、
シーズンに戻っても活躍でなきないように思えます。
◆ニュースネタ 過剰な(?)体罰問題
浜松商業の野球部で1時間以上グラウンドに正座させたところ、
監督らが体罰として処分されたとのニュースがありました。
まぁ、憲法18条の「何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない。
又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」、
という条文の文言そのままに解釈するならば、
必要のない苦役は全て『体罰』になっちゃうわけですが…
それならば、例えば、罰走としてグラウンドを余分に走らされたり、
罰として掃除当番を割り当てたり、
授業妨害を理由に廊下に立たせる、後ろに立たせるなどの命令、
さらにはクラスメイトの目の前で説教をする行為そのものまでもが、
広い意味での『体罰』として解釈されかねません。
ある意味では、宿題だって必要のない意に反する命令である場合もあり得るわけで、
それさえも禁止せざるを得ないということになりかねません。
どこまでが体罰となり、どこまでが教育となるのか。
暴力行為が体罰になることに争いはないでしょうが、
正座を命じるような間接的行為がどこまで体罰として処分されるべきなのか、
少し考えた方がいいように思います。
正座が体罰となるのは時代の流れなんすかねぇ…正座は苦でも何でもないはずだったのに。