常葉菊川がベスト4入り
キターーーーーーーーーーーーー! キタキタキターーーーーーーー!!
大願成就!! 今年のドラフトの目玉・中田選手を喰いました!!
センバツ甲子園準々決勝第1試合で、
常葉菊川が中田選手を擁する大阪桐蔭に2-1で勝利しました。
いやー、興奮しましたね~ 最高の勝利ですよ。
静岡県勢としても約30年ぶりのベスト4入り、久々の上位進出です。
一時期はサッカーに押され気味で1回戦敗退が多かったのですが、
近年は1回戦・2回戦突破も珍しくなくなってきていました。
それがついにベスト4入り。
しかも仙台育英・今治西・大阪桐蔭という強豪校を破ってのベスト4、価値があります。
もう常葉菊川旋風といっても良い活躍ぶりでしょう(^^;
この調子で頂点を目指し、頑張ってもらいたいです。
よーし、明日の朝はスポーツ紙を買い込むぞ(笑)
◆センバツ甲子園 準々決勝 第1試合 常葉菊川 2-1 大阪桐蔭
大阪桐蔭の先発は中田投手で、ほぼ予想通りの展開となりました。
唯一、誤算だったのは、序盤の常葉菊川・田中投手の出来。
ストライクゾーンが狭かったこともありますが、
変化球を中心にコントロールがもう少しでした。
ストレートの勢いも1・2回戦に比べると物足りない内容でした。
それでも攻めの投球姿勢は変わることなく、
懐を大胆に攻めたことで、1・2回戦と変わらない好投ができていました。
一方の大阪桐蔭・中田投手は立ち上がりこそ、スライダーが抜けてばかりでしたが、
2回以降は徐々にスライダーが決まり始め、
1回戦よりも良いピッチングをしていたように思います。
ただ球速は140前後出たものの、コーナーを突く制球力はなかったため、
1回戦の佐藤投手・2回戦の熊代投手に比べると楽な部類、
少しでも甘くなると、強い打球を飛ばしまくり。
けれど完全には振り切れていなかったのか、外野の頭を超えることなく、
なかなかヒットが出ませんでした。
また、得意の機動力も、中田投手の素早い牽制・クイックと、
岡田捕手の強肩に阻まれ、2度試みた盗塁はいずれも失敗。
常葉菊川打線も中田投手をなかなか捉えることができていませんでした。
両チームともにチャンスを作りながらも、最後は中田・田中両投手が踏ん張る展開。
非常に重苦しい試合展開でした。
…と、ここまで大まかに説明しましたが、
試合展開を見ていった方が分かりやすいので、試合展開説明を挟みます。
●1回表 常葉菊川の攻撃
中田投手はコントロールが定まらず、2番町田選手に四球を与えるなど不安定な立ち上がり。
強い打球が飛ぶも野手の正面で無失点。
●1回裏 大阪桐蔭の攻撃 ~走塁ミス無失点~
田中投手もこれまでとは違い、全体的にコントロールがもう少し。
生命線である外角の際どいコースをボールと言われ、2番丸山選手に四球を与える不安定な立ち上がり。
注目の4番中田選手との対決は全て内角、しかし外れて四球。
これまでは見られなかったワンバウンドで叩きつける投球が見られるも、
2塁ランナー自重も、1塁ランナーの中田選手が飛び出してしまい、一二塁間で挟殺タッチアウト。
大阪桐蔭の拙攻に田中投手は助けられます。
●2回表 常葉菊川の攻撃
先頭の5番中川選手が四球で出塁し、6番酒井選手が三遊間抜くヒットでノーアウト1・2塁。
ここで強行するもセカンドゴロ併殺。
これで落ち着いたのか8番石岡選手に対してはスライダーの制球が戻り、
外角低めスライダーで空振り三振。中田投手が立ち直りのきっかけを掴みます。
●2回裏 大阪桐蔭の攻撃
6番生島選手に体勢崩しながら一二塁間抜かれるヒットを許すも、
ストレートのコントロールが戻ってきた田中投手が後続を打ちとって無失点。
完全に立ち直ります。
●3回表 常葉菊川の攻撃
2番町田選手が一二塁間抜くヒットで出塁するも、センターへの打球が伸びず無得点。
●3回裏 大阪桐蔭の攻撃 ~スクイズ失敗~
先頭の9番奥村選手に内角ストレートを上手く叩かれて、
3塁線抜かれる2ベースヒットを許し、送りバントでランナー3塁へ。
ここで大阪桐蔭はスクイズを試みるも、
ストレートを打ち上げてしまってキャッチャーフライ、ランナー戻りきれずに併殺。
常葉菊川は大阪桐蔭のスクイズ失敗に助けられます。
●4回表 常葉菊川の攻撃 ~盗塁失敗~
先頭の4番相馬選手がショートゴロエラーで出塁し、
6番酒井選手の一二塁間抜くヒットで1アウト1・3塁として、
1塁ランナースタートの盗塁を仕掛けるも、岡田捕手が3塁ランナーを目で牽制した後に、
素早く2塁へ素晴らしいボールが送球されて悠々タッチアウト。
岡田捕手の守備が中田投手を助けます。
●4回裏 大阪桐蔭の攻撃
先頭の3番山口選手に四球を与えるも、
4番中田選手を内角ストレートで打ちとってファーストフライ。
さらに6番生島選手の一二塁間を抜くかという打球を
セカンド町田選手が飛びついて1塁送球アウトというナイスプレーが飛び出してチェンジ。
中田選手に対する強気な内角攻めが功を奏し、田中投手はこの回を無失点で凌ぎます。
●5回表 常葉菊川の攻撃
1番高野選手があわやホームランかというレフトへの打球が飛ぶもファール、
続いて打った打球もレフトへ良い当たりがが飛ぶも伸びなくレフトフライ。
結局、三者凡退。
中田投手は強い打球を放たれるも、球威が勝っているのか野手の頭を超えず。
●5回裏 大阪桐蔭の攻撃
8番西岡選手に粘られるもショートフライ。
9番奥村選手をショートゴロエラーで出すも、岡田選手のファーストファールフライを、
酒井選手がフェンス際でキャッチしてアウト! ナイスプレー。
田中投手は外角ストレートのボール球で誘うも、
キレがもう少しなのか、大阪桐蔭打線がよく見極めているのか、空振りを奪えず。
球数が多くなってきてはいるものの、随所で内角のストレートが生き、凡フライに打ち取る。
●6回表 常葉菊川の攻撃
2番からの好打順も三者凡退。
●6回裏 大阪桐蔭の攻撃 ~5番堀選手のタイムリーで先制~
先頭の2番丸山選手がヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
ここで4番中田選手に回るも、内角低めボール気味のストレートを強引に振ってセカンドフライ。
しかし5番堀選手が内角から真ん中に入るストレートを
完璧に捉えるライトへのタイムリーヒットが飛び出し、大阪桐蔭が待望の1点を先制します。
●7回表 常葉菊川の攻撃
センター・ライトにフライが飛ぶも伸びなく三者凡退。
●7回裏 大阪桐蔭の攻撃
1点を失って吹っ切れたのか、ここまで苦労していた変化球の制球が良くなり、
カーブ・スライダーで簡単に打者を追い込むナイスピッチング。
2者連続三振を奪うなど、完全に立ち直ります。
●8回表 常葉菊川の攻撃 ~2番町田選手のタイムリーで同点に~
1アウトから9番田中投手の打った打球は右中間を深々と破るスリーベースヒット!
1番高野選手にはスクイズの気配は全くなく強攻策、制球が定まらない中田投手は四球。
ここで2番町田選手が一二塁間を抜くタイムリーヒットを放ち、常葉菊川が同点に追いつきます。
さらに3番長谷川選手の所で、ダブルスチールの積極策に出るも、
これは強肩の岡田選手が3塁に送球して悠々タッチアウト。
長谷川選手の三遊間を抜くかという打球も、サード山口選手に抑えられて勝ち越しはならず。
●8回裏 大阪桐蔭の攻撃 ~4番中田選手の最終打席~
先頭の1番岡田選手を打ち取りながらも、ライト前に落ちるアンラッキーなヒットを許し、
2番丸山選手の送りバントで2塁へ。
3番山口選手はライトフライに倒れ、2アウト2塁のチャンスで4番中田選手に回ります。
1塁が空いた状態も、常葉菊川バッテリーは真っ向勝負を選択。
最初は内角を攻めたもののボールとなり、中田選手の立ち位置が下がったために外も利用。
最後は外角高めボール球のコースに甘い球が行ってしまい、
良い角度でレフトに打球が飛ぶも、伸びなくレフトフライ。
それまでの執拗な内角攻めが功を奏し、得意の外角のゾーンでもミスショットを誘いました。
●9回表 常葉菊川の攻撃 ~8番石岡選手の勝ち越しタイムリー2ベース~
5番中川選手がセカンドゴロエラーで出塁するも、当たっていた6番酒井選手は空振り三振。
2アウト1塁となるも、7番前田選手が甘く入ったストレートを捉えてレフト前ヒット、
さらに8番石岡選手が3塁線を痛烈に抜く打球がギリギリでフェアとなる
タイムリー2ベースとなり、常葉菊川がついに1点を勝ち越します!
●9回裏 大阪桐蔭の攻撃
5番堀選手からの打順も、ショートライナー・ショートゴロで2アウト。
最後は勝ち越し打を放った石岡選手へのキャッチャーファールフライでゲームセット。
勝敗を分けたのは、何といっても、田中投手と4番中田選手との対決でしょう。
大阪桐蔭が田中投手を打ち崩す可能性があったのは、初回だけでした。
持ち前のコントロールが定まっていない状態だった田中投手を結果的に助けたのが、
中田選手の走塁ミスです。
もしあそこで飛び出していなかったら、四球や連打で得点できていたかもしれません。
そのチャンスを走塁ミスで潰してしまったのは、大阪桐蔭にとって痛かったです。
その後の田中投手は変化球の制球力は7回以降まで戻りませんでしたが、
ストレートの制球力は2回以降に戻り、
内外角を攻める投球で強打の大阪桐蔭打線に自分たちの打撃をさせていませんでした。
2回以降は付け入る隙がなかったといっても過言ではありません。
そして中田選手の最終打席、8回裏2アウト2塁の場面ですよね。
最後に田中投手が投げた外角高めのストレートは、
中田選手にとって明らかなホームランボールでした。
ボールが投じられた瞬間は、「あ、しまった」と思うほどでしたから。
けれど音を聞いて安心、完全な打ち損じで、大きなレフトフライ止まり。
この打ち損じを誘ったのは、1~3打席目までの常葉菊川バッテリーの執拗な内角攻めでしょう。
2回戦では出井投手の内角ストレートをホームランにした中田選手でしたが、
田中投手の対角線上に投げ込まれる威力あるストレートは仕留められませんでした。
中田選手も内角を意識するあまりに、打ち返してやろうという気持ちが強すぎて、
ボール気味の球に手を出して内野フライ、それが3打席目までの形でした。
4打席目はレフトに大きなファールを打ちはしましたが、完全にファールになるコース、
内角攻めに対応するために体を開き気味にボールを迎えてしまい、
得意の高めの甘い球が来ても仕留め切れずにファール、最後はレフトフライという結果。
内角を意識するあまりに、体が開いてしまい、
得意の外角の球までも打てなかった、そういう打席内容でした。
巨人にFA移籍した清原選手がセの内角攻めに苦しみ、外まで打てなくなったのと同じ形です。
それだけ内角を意識付けることができた常葉菊川バッテリーの強気な攻めと、
そこにコントロールすることができた田中投手の制球力の勝利でしたね。
一方の中田「投手」は、正直苦しかったです。
むしろ、よく終盤まで常葉菊川の打線を抑えていたと思うぐらい。
ストレートは140前後、速くて145?(誤計測で150ありましたが明らかにミス)
ストレートの力はあるのですが、ストライクゾーン内でまとまっていただけで、
コースを攻めるようなコントロールはありませんでした。
スライダーも佐藤・熊代投手のものと比べると、一段落ちる感じで、
コーナーに決まらないと厳しいです。
結局、全般的にコントロールがアバウトなため、
常葉菊川の打者は低目を捨ててベルトより上の高さだけで狙いを絞ることができ、
アウトにはなっていたものの、初回から痛烈な打球を何度も飛ばしていました。
アウトになっていたのは、中田投手の球威が勝っていたことと、
高めだったことで打球が上がってしまっていたからなのでしょう。
中盤まではなんとか踏ん張れた中田投手も、疲れの見えてきた8回・9回は、
ストレートが甘く入ることが増え、長打や連打で逆転を許すことになったように思います。
よく粘りはしましたが、内容的にはこうなることを予感させるものでした。
佐藤・熊代投手といった速球派投手から、強打で点数を奪った常葉菊川打線にとって、
現時点の中田投手のストレートは通用しなかったということでしょう。
故障前の高校1年時のストレートが戻ってこなければ、中田投手は厳しいように思います。
ただ勝った常葉菊川は、決して強打のチームだとは思いません。
1・2回戦終わってのチーム打率を見て驚いたんですが、わずか.188(^^;
佐藤・熊代・中田投手と本格右腕を打ち崩してはきましたが、
大阪桐蔭打線のような破壊力があるわけでは決してありません。
何が良いかと言えば、攻撃においても、守りにおいても、狙いが徹底していることです。
常葉菊川打線の1巡目はホント脆いです。3試合ともいずれもチャンス作れず(苦笑)
けれど2巡目から各打者の狙い球が徹底されていて、
狙いに応じたバッティングを各打者ができています。
ランナーが出ても送りバントは用いず、とにかく強打、もしくは機動力。
いずれにしても思い切りのいいプレーで積極的に攻めて行きます。
今日の盗塁失敗の後でも監督が笑顔でいるなど、
積極的なプレーでの失敗は責めないという姿勢がチームを伸び伸びさせているように思います。
バッテリーにもその姿勢は見られ、コーナーを積極的に攻めていってます。
1回戦でリリーフした戸狩投手のピッチングにもそういったことが感じられ、
とにかくチーム全体が積極的で、狙いが徹底しているように思われます。
そこが常葉菊川の強さでしょうね。
もちろんそれを可能にするスイングの速さ、足の速さ、グラブさばき、
コーナーを突く制球力と、基礎的なプレーの高さもあります。
でもそれだけでは甲子園で勝てないわけで、
それを基礎にした上での積極プレーが常葉菊川の強さのように思えます。
このまま守りに入らず、積極的な姿勢を貫いていけば、頂点も見えてくるはず。
この調子で頑張ってもらいたいですね。
負けた大阪桐蔭は、現在の中田投手に頼ってしまうことになった投手力の弱さが課題です。
どの投手もそれなりの力は持ってますが、本当のコントロールがなく、安定感が乏しいです。
投手としての中田選手に頼らない投手陣作りが夏に向けての課題だと思います。
打線は全体的に振り回しすぎの感があります。
田中投手のようなコントロールのいい投手に対して、
綺麗なヒットを望んでいてはなかなか連打など出ません。
汚いヒットでもいいから出塁するんだという嫌らしさが欲しいですね。
私の印象としてはこんな感じでしょうか。
打者としての中田選手は今日の結果の通り。
パワーは素晴らしいですが、技術的にはまだまだといった所でしょう。
別に内角をホームランしなくてもいいと思うんですがねぇ… ポテンでええやんと。
その割り切りができるかどうかだと思います。
◆センバツ甲子園 準々決勝 第2試合 熊本工 5-3 室戸
室戸は最終回追い上げたものの…
それまでの失点が大きすぎたのか、あと一歩届きませんでした。
最後の打者はここまでチームを引っ張ってきた4番森澤投手、
空振り三振に倒れてしまいましたが、
優勝候補・報徳学園を倒すなど、爽やかな旋風を起こしてくれましたね。
残念だったのは3回裏の死球・四球の連続押し出し。
これがなければもっと良い試合になっていたんですが…
森澤投手はあの場面だけ守りに入ってしまったそうです。
これまでは強気な内角攻めをしてきた投手だっただけに、攻めきれなかったのが残念です。
それでもその後はややコントロールが甘かったものの、
立ち直って1失点に抑えましたから、よく頑張ったと思います。
それにしても熊本工は手強いですね。
6回の継投策は思い切った交代だなと思いましたが、結果的にこれが大正解。
室戸の反撃をかわし、チームを勝利に導きました。
左の隈部・今村投手といった安定感ある左腕2人がいて、
打線は1番藤村選手を始め、長打力はそれほどないものの、
積極的な走塁を生かした卒のない攻撃が身上、
常葉菊川と似たチームカラーのように思います。
似たようなチームとの対戦になると、甲子園での経験がある熊本工が有利か。
常葉菊川にとっては難しい相手となりそうですが、
大阪桐蔭を撃破した勢いのまま、積極的な野球を展開してもらいたいです。
熊本工は守備に不安があるようなので、チャンスは必ずあるはず。
準決勝も楽しみです。
最後に室戸の選手に関して、イイ話があったので紹介しておきます。
こちら
こういった形の「野球留学」もあるわけです。
野球を続けられる環境をもっと作っていってもらいたいですよね。