■曹 子桓
名は丕。魏の初代皇帝、文帝。曹操の次男。
演義では周りの文官ともども、曹操以上に酷い扱いを受けている。
実際、後継者争い以降、相当に競争心が高くなったことだけは確からしい。ついでに、根に持つタイプ。

九品官人法の採用や、その他中央集権的な政策などなど、
政治家としての手腕は父・曹操よりも上と言われることもある。
事実、あの広大な魏を引継ぎ、重臣が次々と世を去るなかでも、国を全うさせてたのである。
もっと評価してもいいのでは?

魏の滅亡が早かったことに、彼自身の寿命の短さも考えられるかもしれない。
実際、皇帝としての在位はわずかに6,7年。
その後継の曹叡について、当時の重臣達は知らないことが多すぎて、かなりの戸惑いがあったらしい。
そして、曹叡も寿命は短い。しかもこの2代の間に、曹操以来の重臣のほとんどは死去しており、
世代交代の後期とも言えるべき状況。
それなのに、転換期をしっかりと統率するべき君主がころころと変わってしまうようでは
いかなる国でも斜陽へと一直線である。
2人を取り巻く環境がいささか特殊で、精神的に狼狽しても仕方がないこととはいえ、
もう少ししっかりと道を歩んで欲しかったというのは、魏ファンならずとも思ってしまうことだろう。

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