■袁 顕甫
名は尚。袁紹の三男。

「蒼天航路」では、単なる勘違い大将にしか見えない、滑稽な若者として描かれている。
長男ともども、野心と競争心だけは人1倍大きかった模様。
その野心に、袁紹の寵愛と家臣団の権力闘争が拍車をかける。

袁尚支持派は審配・逢紀が中心。
袁譚・袁尚はそれぞれの派閥の御輿となった形だが、完全に郭図に振り回された袁譚と違い、
自分の意思で袁家を撹乱した袁尚の罪は重い。
寵愛を受ける流れで驕慢に膨らんでしまったのは残念である。

非難されるばかりの袁氏だが、乱世において自分の器が測れるかどうかなど、我々に分かるはずはない。
ましてや、今の世の中でさえ、自分の器を超えた範囲で争う人間のほうが多いのである。
「人の振り見て、わが振り直せ…」この言葉が身にしみる。

戻る