Really?Really! Diary過去ログ

執筆日時 2006年11月26日

◆ゲームの話 『Really? Really!』
およそ1/3は完了した模様です。
セーブ画面に妙なグラフがあったので、何かなと思ったらゲームに進行度っぽいです。
残りがどれぐらいなのか一目瞭然なので、ペースを作りながら進められるのが良いっすね。

…しかしラスト前が怖いな〜(苦笑)
まぁ、別に刺されたり、燃やされたり、埋められたりするわけじゃないんだろうけど。
落とされる程度は覚悟しておかなければいけないのかな。
とか言いつつ、トラウマちっくな展開を期待している辺りに乾杯。
Navelだから、そこまではないんだろうけど。でもねーちん並みは期待してしまう罠。
それ以上いくと楓さんを見ることができなくなっちゃいそうですが。
現在は中学生編をプレイ中、2つの豹変っぷりが凄まじい。
しかし楓に落とされなかったのは残念。別の人物にやられるのは嫌だが、楓ならば…(←病)
ラスト前に期待することにします(^^;

Reallyシステムは今のところ簡単です。
問題はキーワードを手に入れているか、それともまだ手に入れていないかの一点。
同時に3つほど世界が開くので、どこで先にキーワードを拾うかがポイントのようです。
今のところ、ロードしてやり直すほどにキーワードなし状態にはなってはいません。
この先、難易度が上がっていくのかどうかに注目〜

エロは現段階で楓のプリムラと紅女史が。
紅女史、可愛すぎ。
原画さんや声優さんが同じため、Pia3の貴子さんにソックリなんですが、
貴子さんよりもクールキャラなのが余計に来ます。
楓の記憶世界での出来事なのに溺れそう(爆)
記憶の修正そっちのけで紅女史とイチャイチャしちゃいそうな勢いっす。
つーか、記憶世界の出来事なら楓や他のヒロイン連中に気付かれちゃうんじゃ…とか思ったり(苦笑)
あと桜さんの中学時代に萌え。
思春期の甘酸っぱさがHシーン以上にエロスの雰囲気を醸し出しています。
つーか、何あのイベント。主人公死ねと普通に思った(笑)
そら楓さんも記憶の修正をしたくなるというもんです、はい。

というわけで、現段階ではそれなりに面白いです。
最初は微妙な間違いだったものが、活発なネリネが出てきたりと徐々に壊れ始めてますし(笑)
ボリューム面がちょっと心配ですが、現時点では楽しめていま〜す。

執筆日時 2006年11月28日

◆ゲームの話 『Really? Really!』
一部訂正〜 セーブ画面の棒グラフはキーワード収集率の模様です。
進行度と=ではなかったので、訂正させていただきます。

ゲーム2日目、活発ネリネとデレ撫子さんを撃破…
ああ、この甘ったるさにもっと浸っていたかった(爆)
血の涙を流しそうになるぐらいに残念っす(苦笑)
Reallyシステムは子ども時代のがよく分かりませんでした。
持っているキーワードを消去法で選び、適当に撃ったら当たったという感じ。
言われてみれば納得でしたが、なかなか気付きそうで気付かないかも(^^;
ところでツボミ(CV:一色ヒカル)って誰?
カレハ先輩の妹なんでしょうか?
一色さんの声で妹キャラってのは珍しい印象。まぁ、これはこれで良いものですが(爆)

さらに進めて3日目… あー、うん、これいいのかね?(苦笑)
まぁ、「学園」なので明確には定義されないんですが…それにしたってなぁ…
○学生の桜さん、随分とおっとなぁ〜(爆)
…と思いきや、どうやら嘘記憶の模様。なんでこんな嘘記憶を作ったんだ、楓さん(^^;

そしてReallyシステムは4日目に入ると鬼モードに。
間違いは分かるものの、何のキーワードを撃ちこめばいいのかはっきりしません。
逆転裁判とは違い、手元のキーワードが全てということはありませんしから…
3つの世界で同時に詰まったりすると、
どこから先にクリアしてキーワードを拾うべきなのか迷ったりします。
こうなってくると多少のヒントが欲しいかな〜とも思ったり(^^;
もう消去法で削っていって、片っ端からキーワードを打ち込むしか方法なし。
嘘が大きくなりすぎて、どの嘘情報を指摘すればいいのか分からなくなってます。
まぁ、現在は目処が立った感じです。ちょっぴり難しかった気も。

4日目まで進めると、他キャラのHシーン等はほぼ回収完了という状態に。
あとは楓のエンディングを目指すのみです。
ここまでの感想としては、ぶつ切りになり過ぎて勿体無いかな〜といった印象。
特に新キャラの八重桜関連のイベントはもっと増やしても良かったかなと。
バーベナ学園時代のショートストーリー集と比べると、光陽学園時代のがやや少なめ。
最後はそればかりになるのでしょうが、思った以上にバーベナ学園時代が多いといった印象です。
ここまでは桜よりも亜沙先輩とのラブラブシーンが多いのが少々残念。
もっとも、今回は楓視点もあることにより、
主人公・土見凛が完全に一人のキャラクターとして独立しており、
プレイヤーは凛の視点に立っているというよりは外野から見ている感が強いので、
主人公にくっつきそうでくっつかない桜は自ずと好感度が上がっていくわけですが。
こう、「俺が幸せにしてやる〜」みたいな感じで(爆)
ゲームの内容的にはヒロインになりきれてませんが、
プレイヤーにとっては最萌えヒロイン化してきています(^^;

あと気になったのは物語の前後関係の無さと嘘情報が判然としない点です。
思い出を収集するというストーリーとはいえ、あまりにも前後関係無さ過ぎ。
重要エピソードを早めに持ってくることも必要だったでしょうが、
それ以外のもバラバラにする必要性があったのかなぁと。
あまりにもバラバラにしすぎたせいか、各エピソードに浸る時間がありません。
段々と記憶がごっちゃになっていってしまうというか…
後ろから遡るなら後ろからで、同一時代なら同一時代でともう少し統一しといた方が良かったかも。
それに加えて混乱させるのが、キーワード修正後の嘘事実。
修正して思い出にした〜と思っても、まだそれが嘘情報であるということが3日目以降に出てきます。
Hシーンの関係でそうなったんだと思いますが… なんか混乱を呼ぶだけのような気も。
桜との1回目のHシーンなんかは、「おいおい、ちょっとちょっと」ってな気分で、面食らったぐらい。
流れが分かり難くなってしまったのは、このシナリオの難点です。
それとHシーンがバラバラにあり過ぎ。
基本が一本道ですから、嘘記憶の中で各ヒロインとHシーンをこなす作り…節操なし(苦笑)
それも前述の通り、前後関係がありませんから…体だけの関係に思えること多々。
どうしても強引さが目立ってしまっている感じです。
まぁ、各エピソードは面白いことには面白いし、楽しめてはいるんですけど…
流れがないだけに記憶に残らない、そんな作品になっているのが少々残念ではあります。

とりあえず『SHUFFLE』では伝わり難かった凛と楓の光陽学園時代のエピソードがはっきりし、
楓エンドが補完されれば問題ないっすかね。
それ以外はオマケにしか過ぎないわけですから、気にするだけ損か(苦笑)
そんなわけで、終盤、まったりと進めていきます。

執筆日時 2006年11月29日

◆ゲームの話 『Really? Really!』
4日目〜 ようやく話の核心に。
…しかし思った以上には盛り上がりませんでした。
「SHUFFLEの世界ってのはな、もっと殺伐としているべきなんだよ。
 両隣に住んでいる神族と魔族といつ喧嘩が始まってもおかしくない
 刺すかさされるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。甘ったるいハーレムはすっこんでろ」
…とまでは言いませんけど、これぐらいならSHUFFLE本編に入ってても良かったかなと。
これぐらいなら楓のキャラクターを損ないませんし。
もうちょい殺伐とした雰囲気を醸し出しても良かったんじゃないかと思います。
まぁ、そうしちゃうと謝るどころか自害しそうですが…
なんつーか、生ぬるいサスペンスドラマを見た感じ。
純愛ドラマなら許容範囲ではありますが(それでも修羅場度は低い?)…
変な期待を膨らませすぎました(爆)

しかし一番何に突っ込みたいかというと、ネタバレになるのであまりかけませんが、
一番慌てている人に運転させる同乗者の神経が信じられません。
判断ミスもいいとこでしょう。
重なる時には望んでなくとも重なっちゃうんだから、連鎖しないよう最善の注意を払わないと。
ドライバー・同乗者の皆さん、運転時はできるだけ平常心でいられる環境を整えましょう〜

そんでもって、そのまま一気にエンディングへ〜
正ヒロインが楓だったのは分かるんですが、
サブヒロインが亜沙先輩だとは思いもよりませんでした。
私はてっきり桜がサブヒロインだと… いや、まぁ、ユーザー的にはメインヒロインですが(爆)
もうちょい桜が活躍しても誰も文句言わなかっただろうなぁ、とか思ったり。
扱い的にはHシーンある以外はサブヒロインと変わんねーし…
もう少し桜の心理描写が欲しかったっすね。
本心を隠すタイプなだけに、存在感を発揮し切れなかった印象を受けます。

シナリオ全体としての評価は… んー、難しい。
面白くなかったわけではありませんが、
とても一個の独立した作品と呼べるものではなかったことは確かだと思います。
SHUFFLEの楓エンドを補完するためのものでしかなく、それ以上にはなりませんでした。
まぁ、ファンディスクみたいな感じ?
普通のゲーム一本分の値段なので、やや割高感があります。
SHUFFLEの世界が大好きな人、加えて楓もしくは亜沙信者以外の人はやらない方が無難。
間違ってもシア・ネリネ信者はやってはいけません(^^; プリムラなら許容範囲か。
つーか、これやるとむしろ凛信者になりそうな勢いです(爆) 実は女性向け?
一番救ってやりたいと思わせるキャラが凛ですからね。そら、おまえ、我慢しすぎやろと。
普通にボーイズゲー作って、凛をヒーローに据えた方がいいんじゃないかと思えるぐらい(笑)

個人的な感想としてはこんな感じですかね。
テーマ的にはSHUFFLEの楓シナリオと変わってませんし、評価的にはトントン。
SHUFFLEをやってないとこのゲームはできないのですが、
SHUFFLEをやっていると新たに得るものはない、なんとも評価しづらいゲームです。
まぁ、ファンディスクとして見做すのが一番良かろうかと。
そう考えればHシーンの数も16とまあまあありますし、萌え〜な展開を楽しめると思います。
とりあえず、あっしは新ヒロイン・桜を脳内補完して満足しておくことにします(爆)

最後に一言…
クリア後の特典、表情鑑賞モードでのつぼみの強盗スタイル、全く記憶にないんですが。
ボツCG? もう少しつぼみの出番が欲しかったような気も(^^;


以下、ネタバレ感想が続きます(反転させて見てください)

◆ゲームの話 『Really? Really!』ネタバレ感想
最初に書いたように、不満なのは軸になるべき楓の過去が不十分だったことです。
結局、どうして楓があそこまで主人公を憎んだのか、その時に何を思っていたのか、
そしてその憎しみがどう愛情へと変わっていったのかのかが分かりません。
確かに描いてはいたんですが… ちょっとあっさりしすぎていた感は否めません。

まず母親の死を受け入れられずに世界を拒絶するようにして眠ってしまった楓、
そこで凛が自分が殺す結果を生み出したのだと嘘を突き、
凛に対する怒り・憎しみの心で楓は目を覚ますことになるのですが、
その割には凛に対する怒り・憎しみの表現が薄っぺらいように思えるんですよね。
目覚めた後の楓の存在意義は、凛に対する怒り・憎しみ→復讐であろうことは想像できるのですが、
楓の取っている行動は単なる拒絶・存在の否定にしかなってないんです。
怒り・憎しみは相手を見ていなければならないのに対し、
拒絶・無視は相手を見る必要がありません。
楓が愛であれ憎しみであれ、常に凛を見ていたとするには前者でならねばならず、
後者であってはならないのに、後者と取られかねない描写ばかりだった気がします。
ぬいぐるみを投げつけた辺りは良かったんですが、
他は階段から軽く突き落とされるぐらいしかありませんでしたし…
階段から突き落とした時に、舌打ちしていたら多少は恐怖も増幅されたんでしょうが、
どうも良い子の仮面を拭い切れていなかった印象が強いです。
夜目覚めたら枕元でカッターナイフを構えていたとかぐらい殺れよ!(爆)
(復讐が完了してしまうと楓の存在意義が消えてしまうので、生かさず殺さずが基本線ですが)
だからどうしても楓の怒り・憎しみの心と、凛の我慢がプレイヤーに伝わってこないんです。
中学生時の回顧描写ではそれらを彷彿させる言葉があるものの、
いかんせん一瞬の描写で終わってしまうため、不十分であったと言わざるを得ないかと。
おそらくSHUFFLEの楓というキャラクターを崩したくなかったんでしょうが…
敢えてその楓を中心に持ってきたのですから、もう少し残忍キャラに崩しても良かったかと。
あれですよ、キン肉マンのラーメンマンやウォーズマンが残虐超人から正義超人になるみたいな。
多少残酷キャラでも、後の更正が好印象ならキャラの魅力は消えんですよ。
楓の場合は後の尽くしっぷりが尋常でないだけに、もっと残酷に崩しても大丈夫だったと思います。

そうやって楓がより強力な憎悪キャラになることで引き立つのが、桜であったはず。
けれど桜はあくまで蚊帳の外。二人の間で挟まれ、戸惑い続ける中立キャラに過ぎませんでした。
過去編の桜の出番が思った以上に少なかったのも、ここらに原因があるように思います。
もっと桜の出番が増える展開にしてもらいたかったです。
あまりにも桜というキャラが弱かった気がします。
光陽学園時代(便宜上、中学時代)の後半では大活躍なんですが、
それ以外はどうも出番が少ない、これはちょっと勿体無かったかなと思いますね。
いくら凛が我慢が得意といっても限度があるわけで、
それには楓の父の支えや、変わらずに接してくれる桜の存在の大きさはあったはず。
そういったエピソードが全てスルーされてしまっている辺りに、
このシナリオの弱さを感じてしまいます。
楓と凛の過去、そして桜の存在という描くべき1本の線があったはずなんですが、
嘘記憶によるご都合シナリオばかりが前面に押し出され、
一番肝心なストーリーが疎かにされてしまったと感じるわけです。
4日目で全てを終わらせるのではなく、4日目の後半からの展開を増幅させた5日目を作り、
じっくりと楓と凛の過去、桜の存在を描くべきでした。
一番大事なシナリオの幹が崩れてしまったのは、明らかな失敗であったと感じます。

だから「SHUFFLEのファンディスクでしかなかった」という評価になるわけです。
超えるチャンスがあっただけに勿体無いです。ご都合主義だけで行き過ぎですよ。
ある意味、『ちょこぱい』とは逆の評価。
バカゲーと思わせてシナリオの幹がしっかりしていた『ちょこぱい』に対し、
楓シナリオの補完という重要テーマを掲げながらバカで終わってしまった『Really〜』、
両方とも期待していたのですが、相反する結果になってしまったのは残念です。
うーむ、Navleは『俺達に翼はない』まで待つしかないのかなぁ… 王雀孫氏に期待。

執筆日時 2006年11月30日

◆ゲームの話 『Really? Really!』簡易レビュー
クリア後は音楽鑑賞モードでひたすら「PETAL PLAY」(桜のテーマ)を聴いてます。
というか、「Petal Play」って、どういう意味なんでしょう?
直訳すると花びら遊び?(^^; 造花でもないし、どんなイメージなんでしょうね。
前半のメロディは癖が強いけれども、後半はまったりとした感じの心地いい曲です。
一番のお気に入りの曲。まぁ、他は使い回しが多かったですしね。
「Cutter Nife」も曲自体は好き。だが場面と合ってたかは激しく謎(爆)
タイトルの印象とは違って、むしろ燃える、何かの決意を感じるような曲なんですよね。
敢えてこの曲を選んだとすれば、何か別の理由があるということなのかな?


今日は昨日のシナリオに関する話をまとめておくことにします。。
正式なレビューを起こすかどうかは気分次第。作れたら作ります(^^;

まずシナリオを評価する上で、評価しやすくするために3つの段階に分けて考えます。
1つが「SHUFFLEのファンディスクとしてのReally?Really!」、
2つ目が「楓シナリオの補完としてのReally?Really!」
3つ目が「一個の独立した作品としてのReally?Really!」です。
当然の如く、それぞれは期待の度合いが異なり、
ファンディスク評価は面白ければ・Hならば何でもアリ、
楓シナリオ補完評価はSHUFFLE楓シナリオとの整合性・具体性が問題となり、
独立した作品としての評価はSHUFFLEを超えられたかどうかを見ていくことになります。

一つ目の「ファンディスク」として評価する場合は、
SHUFFLEキャラを用いたサイドストーリー集という側面から捉えます。
今作は楓シナリオの補完を目的としながらも、多くの「ご都合主義展開」が入っています。
楓が書き換えてしまった嘘記憶によるドタバタ劇、
それは多くのファンディスクにあるドタバタサイドストーリーと同種のものです。
例えば、活発なネリネが登場したり、紅女史や真弓が彼女となるショートストーリーがあったり、
髪の長い亜沙が彼女となるショートストーリーがあったりと展開は様々。
楓の記憶だけあって、主人公の凛はモテモテ状態、中盤はご都合主義的な展開が続きます。
基本は1対1のHですので、ハーレム的要素はないものの、
総計16のHシーンはファンディスクとしても十分な内容だったと思います。
本編ではあり得なかった展開は、前作をプレーした人なら十二分に楽しめたことでしょう。
ファンディスクとしての評価は二重丸。
一本道になっているために、それぞれのエピソードを個別に取り出せないという欠点こそありますが、
内容の面はバッチリだったと思います。

二つ目の「楓シナリオの補完」として評価する場合は、
SHUFFLE楓シナリオでは伝わりづらかった楓と凛の過去が焦点となります。
この点でも大きな問題はなかったと思えます。
それぞれのエピソードがバラバラにあるため、流れが掴みづらく、
プレイヤーの頭を混乱させる恐れこそありますが、
最初の方に光陽学園時代の楓の変化前・変化後を見せることによってプレイヤーを惹き付け、
最後の方で凛の嘘の始まり、そして嘘の終端を交互に見せることにより、
上手くプレイヤーをファンディスクとしてのご都合主義展開から引き離し、
一気に話の中心へと持っていくことができていました。
この基本構成は良かったと思います。
ただ中身が十分だったかといえば、疑問な面もあります。
SHUFFLE楓シナリオで描ききれなかったエピソードはしっかりと描けているのですが、
悪く言えばそれまで、それ以上のものはなかったと言えます。
どうしても楓の凛に対する憎しみの正体、凛の我慢の感情がプレイヤーに伝わってきません。
全体からすれば、「楓シナリオの補完」要素は序盤と最後のみ、明らかにボリューム不足です。
大半を「ファンディスク」要素に使いすぎてしまったために、
完全なシナリオの補完はできなかったようにも思います。
これぐらいの分量ならば、SHUFFLEの楓シナリオ本編に組み込んでも問題なかったのではと思えるほど。
新キャラの桜の重要性もほとんどありませんでしたし、
SHUFFLE楓シナリオの焼き直しの側面は否めなかったように感じます。
評価としては、一応の補完はされている程度、
まだ描写不足だった感は否めず、独立した作品にするのならボリューム不足だったことは否定できません。

三つ目が「一個の独立した作品」としての評価、
2つ目の後半部分にもかかってくることなのですが、SHUFFLE本編を超えられたかどうかです。
残念ながらこれは無理だったと言わざるを得ません。
前述の通り、ファンディスク要素以外は楓シナリオの焼き直しに過ぎません。
追加された重要要素として挙げられるのは、
光陽学園時代の亜沙・楓・凛の関係、新キャラ・桜との関係(とりわけ光陽学園後半)、この2点です。
これらのエピソードは楓と凛の絆の強さを現すのには良かったと思いますが、
それ以上の意味は持ちませんでした。
結局、新しい要素、シナリオテーマがあったかといえば、特になし。
あくまで楓の恋慕→憎しみ→愛の流れ、贖罪と愛情の関係を語り直しているだけです。
それらの観点から見ても、プレイヤーにハッキリとは伝わらないもどかしさもあるわけで…
やはり不十分だったという感じは強いです。
もっと楓の憎しみを増幅させて描き、桜の存在を強く押し出した方が新しい作品になったと思います。
ただそれをやってしまうと、SHUFFLEの世界観が壊れる恐れがあるため、諸刃の剣ではありますが…
それでも『Really?Really!』という一個の独立した作品を作ったのならば、
前作を否定しないまでも超えるような勢いを見せても良かったのではないかと思います。
どうしてもSHUFFLEの世界に従属している感は否めませんでした。
新キャラの桜には萌えたものの、シナリオにおける重要度は低く、あまり目立たず…
これなら普通にファンディスクとして売り出した方が良かった気がします。
別会社ではありますが、同一のライターということで、
『はぴねすりらっくす』ぐらいのまとめ方で十分だったのではないかと感じます。
『Fatehollw〜』のようなまとめ方をしようとして散った感は否めず。
一個の独立した作品として評価した場合は、不十分・不満といった出来になるかと思います。

これらの3つの観点をまとめると、
「ファンディスクとしては十分満足であるが、一個の作品としては不満」となります。
SHUFFLE以上にはなり得ませんので注意、
SHUFFLEをプレイした人で、楓・亜沙のいずれかが好きな人、
もしくはプリムラ・真弓・紅薔薇先生が好きな人には、ファンディスクとしてオススメできますが、
シア・ネリネが好きな人やSHUFFLEとは別のものを期待する人にはオススメできません。
いずれにしてもプレイするにはSHUFFLEを先にプレイしていることが前提になるかと思います。

最後になってしまいましたが、この『Really?Really!』の主人公が誰だったのか、
プレイし終わった後に考えておくべきかと思います。
一応の主人公はSHUFFLE同様に「土見凛」です。
けれど本作品は楓の記憶世界の出来事でもあり、
思い出を開放する際には楓の視点でストーリーが振り返られるため、「芙蓉楓」が主人公とも言えます。
しかしプレイヤーから見た際、土見凛も芙蓉楓も明らかに第三者としか感じられず、
二人の記憶・絆の強さを眺める傍観者的要素も強くなっています。
ですから、主人公が一番感情移入できるのは、むしろその他の脇役、
とりわけ凛・楓と最も近い関係にいながら、
彼・彼女に交わることなく通り過ぎてしまった「八重桜」に思い入れが強くなります。
基本的には受け身の立場である被害者(被愛者?)、「土見凛」。
性格的には受け身ながら愛憎の二面で行動する加害者(加愛者?)、「芙蓉楓」。
そしてそれをただ見ていることしかできない傍観者、「八重桜」。
この三者のいずれに共感するかによって、作品の感じ方も変わってくるはずです。
自分がどの立場でストーリーを眺めていたのか考えてみるのも一興かと思います。
3つの立場で眺められる作りを取ったことは、
『Really?Really!』のシナリオを評価する上で重要な要素かもしれません。
私はどちらかというと、「八重桜」の立場で見ることが多かったです。
プレイする機会があれば、三者の立場を考えながらシナリオを見ていってあげてください



 <評価点>

CG シナリオ 音楽 システム ゲーム性 萌え 演出 声優 コスト H度 3要素 総合点数
9点 7点 9点 9点 8点 9点 6点 8点 7点 40点 87点

※属性※
「SHUFFLE!ファンディスク、思い出収集、逆転裁判、亜沙先輩、紅女史」

※一言コメント※
「わりと出来のいいSHUFFLEファンディスク。それ以上でも以下でもない」


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