英才狂育 Diary過去ログ |
執筆日時 | 2007年09月09日 |
◆ゲームの感想 『英才狂育』 英才狂育は完全な絵買いです。 杉菜水姫氏の絵は、綺麗ながらも、どこか儚さが漂うのが魅力的ですよね。 本当はInnocentGreyの『カルタグラ』『ピアニッシモ』が良かったんですが、 気に入ったヒロインが容赦なく死んでいく辺りに堪える自信がなく断念(苦笑) 具体的には、桜子と綾音なわけですが。 特にピアニッシモはストーリーに惹かれるだけに、綾音が途中退場しなけりゃなぁと… そんなこんなで消去法で英才狂育を選択したわけです。 まずプレイしていて気になるのが主人公の二面性です。 一人称は「僕」、普段は少し気の弱めな感じの優しい先生キャラを演じているのですが、 本性はどうしようもなく歪みきった性格で、 女生徒を自分のモノ(そのままの意味で所有物)にしなければ気がすまない人間で、 とても共感できるような人間じゃありません。 シナリオの展開としては、序盤はヒロインの信頼を勝ち取り、 中盤に裏切って凌辱・写真で脅迫、 後半はヒロインが調教を受け入れ始め、事後承諾がが完成する~という形で純愛(?)エンド。 流れ的にはヌル調教ゲーマー向けにできてはいるんですけど、 あまりの主人公の鬼畜っぷりに引きます。 それだけ鬼畜になった理由が納得いくものだったら、また印象が変わってくるんですけど… 蓋を開けてみれば、「えっ? その程度で?」とか思ってしまうシロモノ。 確かに捻くれるかもしれませんが、「あ~そうね~」ぐらいに流してしまう説得力の低さ。 青春ドラマで言えば、「甘ったれんな、この小僧!」と叫んでグーパンチするような理由です。 とにかく根が子ども、ひたすら根がガキです。この主人公は。 ガキだから裏切りが怖い、ガキだから自分の言うことを聞く人形でなければ怖い。 極度の人間不信と臆病さを隠しながら、鬼畜に調教に励む様は滑稽に映ります。 ヒロイン達カワイソ過ぎ。 これはDespair Witchの感想でも簡単に触れたことですが、 こういった凌辱・調教ゲームをプレイする上で私が重視するのは「その結果」です。 ヒロインを道端で咲く綺麗な花に例えるとするならば、 その花を折って家に持ち帰ることが凌辱・調教ゲームの流れだと思うわけです。 つまり、一番綺麗な段階が花を折る瞬間なわけで、その後は萎れる一方(人格崩壊)。 中には押し花をしたりして、その花の綺麗さを保とうとすることもありますが、 それはもうやはり贋物であって、花を折る時の綺麗さはもうそこにないのです。 本当にしたかったことは、そのままの花の綺麗さを持ち帰りたかったことであるはずなのに、 自分のしたことはその花の綺麗さを奪うことだった、 それが凌辱・調教ゲームの大体の流れです(エロ重視でシナリオ完全無視もありますけど)。 この流れには3つのパターンが考えれて、 1つは「花を折るまでの過程をとことん描くこと」、 2つ目は「花を折って所有物にすることに満足すること」、 3つ目として「花を折らずに自分のものにすること」、大別すればこんな所でしょう。 英才狂育は2つ目の分類、Despair Witchは3つ目の分類になります。 私自身の嗜好で言えば、3つ目が好きなわけで、 1や2はどうしても「それでその後どうすんのよ?」と思っちゃわけでして、どうにも肌が合いません。 勿論、3は絵に描いた餅のようなものですから、現実味がないという欠点がありますが、 本来の理想からすれば、3になるんじゃねーのと思うわけでして。 3で現実味がある展開は、自分のものにしたと思いながらも、 自分が相手のものにさせられているという展開でしょうか。 『凌辱学園』の静流シナリオがそんな感じでしたかね。 まぁ、そんな分類はどうでもいいわけですが、 英才狂育の主人公はどうにも受け入れ難いものでした。 ただ売りである絵やHぃシーンは満足いく出来でした。 ヒロイン達は少し地味かなという印象があるものの、 この絵とゲームの雰囲気からすれば、これぐらいの自己主張の弱さで終わっていて良かったかと。 下手に感情移入しすぎると、ゲーム展開上、微妙な気分になってきますから(^^; ただ昔のゲームなだけに画面サイズは640×480、ちょっと今では小さく感じます。 最低でも800×600は欲しい。絵が良いだけにこの点は残念でした。 システム面の不安定さは修正ファイルで解消されますが、 一部音楽がぶっ壊れていて、まともに再生されない欠点が残ってます。 壊れているといっても、途中までいくと最初に戻ってしまうというバグなわけですが。 プレイしている時は気付き難いと思いますが、 一旦気になりだすともうどうしようもなく気になるわけでして、この点は残念でした。 |
<評価点> | ||||||||||||||||||||||||
※属性※ 「学園凌辱モノ、鬼畜外道、CG美麗」 ※一言コメント※ 「絵以外に見るべきところはない」 |