« 2020年05月 | メイン | 2020年07月 »

2020年06月12日

日本の政治家に足りない『悲壮感』

昨日も22人の新規感染者が出た東京都ですが、
よく意味が伝わってこなかった『東京アラート』を解除、自粛要請も緩和するという話。
そこで出てきた言葉が「自粛から自衛へ」

……
………ん? 何か政治の責任を放り出しただけじゃねぇの?
店を営業しようが、閉めていようが、感染したら自己責任ということなんでしょうか。
実態はおそらくそうではないはずなのに、言い方が突き放している感じ。

総理官邸よりはマシだったとはいえ、今回のコロナ騒動でも、
小池東京都知事の心ない発言は多かったですし、
安倍総理に負けず劣らず、こちらも世情に疎いというか、
民意が分かってない感が強く出てますよね…
あの都知事選の時の民意を掴んだ小池東京都知事はもう完全に居ないのでしょう。

考えてみるに、他国の指導者と比べて、
日本の政治家に足りていないのは『悲壮感』だと思います。
言葉にすると、むしろ良いことでは?とも思いますが、そこが逆に薄情に見えてしまう。
『国民に寄り添う』という姿勢が一切見えてきません。
実際に政策を見ても、『(餌を蒔いて)国民に寄ってきてもらう』形でしかありません。

結局、自分達が一段上の存在で、実感を持ってコロナ対策に向き合えていない、
自分の家族が今にもコロナウイルスの脅威で死にかかっている、
そういう当たり前の想像力が根本的に欠けているように思えます。
そこが危機感の無さの表れ、というか、どこか他人事にしか捉えられていない感じですよね…
そりゃ、仮にコロナ対策が上手くいったとしても、
それは水槽の管理者として上手くできたに過ぎず、
共に水槽で苦楽を分かち合ったわけではないので、好感度が上がるわけがありません。


◆ニュースネタ 持続化給付金問題に潜むマイナンバー制度の脅威
●こちら 電通に丸投げ、持続化給付金事業に疑惑続々
●こちら 持続化給付金「再々々々委託」

まぁ、はっきり言って、経産省の天下り先、プール金機関だったんでしょう…
あまりにも不自然すぎる。この非常時にあまりにもやり方が露骨過ぎた…

官僚にとって自由に使えるお金というのは、これほど旨みのあるものはなく、
その多くが自分達の利益のために使われるというのが世の常。
そりゃそうでしょう。
余ったお金ができたら、自分に御褒美あげたくなりますよね? それが人情。
補正予算で10兆円も自由に使えるお金を残したら、
緊急時に使うこともなかったので、という理由で私利私欲に走るのは当たり前。
どうせ、第二波・第三波が来れば、追加の補正予算を組まないと無理なので、
予備費を設けていたとしても、それで対応できるとは思えません。
結局、この件と同じで、官僚が私利私欲に使えるお金が増えただけっしょ。
『クールジャパン事業』と一緒のこと。
期待されたアニメ産業等の輸出が一切なく、物産展を海外で開いてただけで、
お金がどこに消えたのかも分からない闇事業ですよ…

話を戻しまして、怖いのは「実際にどこが仕事をしているのか分からない」点です。
個人情報の塊みたいなものだと思うんですが、
その作業をしているのが実際誰だか分からない。
まぁ、普通に考えて委託先に中国系企業があってもおかしくないですよね。
そうなってくると、容易に個人情報が世間に流出するばかりか、
外国へと個人情報が売買されてしまう危険性があります。

そんな政府も把握できていない惨状でありながら、
マイナンバーに銀行口座を紐づけようとか言い出す始末…
そんなの怖くてできるわけないでしょ?
どこの誰に情報が流れていくのかも分からないのに、誰が紐づけるの?
情報管理においてはインターネットなどのデジタル面が注目されがちですが、
実際に情報流出するのはアナログ面、人間が流出させることです。
誰が関わっているのか分からない状況で、
マイナンバー制度が安全安心と言えるのか、言えるわけがありません。

仮に民間委託しなくても結果は一緒。
実際に事務作業しているのは国家公務員や地方公務員ではなく、
雇用の不安定で最低賃金で働かされている期間従業員です。
そんな仕組みで個人情報を集中させていいのか? いいわけがありません。
情報を売った方が真面目に働くよりも儲かるなら、みんなそうするでしょ…
今の日本の雇用情勢からすると、情報の集中化はリスキー過ぎます。


◆スポーツネタ 巨人・坂本選手らが「微陽性」⇒翌日に「陰性」の報道
完全に報道の仕方が悪かったですねぇ…
急に「微陽性」という聞きなれない言葉を使ったことで、
あたかもプロ野球選手が「特別扱い」されているという雰囲気を出してしまいました。
単に「既に感染無症状で終わっていてリスクは低い」と強調したかったのでしょうが、
それが完全に裏目に出てしまいました。
言葉って大事ですよね…

その後は実際にどう対応したいのか分かりませんが、
通常の退院者と同じ取り扱いをしているならば、問題ないと思います。
そこを特別扱いして、無理矢理に開幕OKにするなどの
「捻じ曲げ」が起きてしまうと、とんでもなく炎上しそうですが…
とりあえず、ここまでは慎重な取り扱いをしているようで、一安心。

んー、でも実際にプロ野球を開幕して興味が上がるかというと…
ちょっと難しいかなと思います。
完全に終わった後というなら、娯楽によって勇気づけられると思えますが、
現時点では「現実逃避」の感は否めませんからねぇ…
一人でゲームをやってるなら、ともかくとして、
集団で現実逃避をするのはやっぱり違うかなぁと…
慎重に対応したJリーグとの差がどう出るのか気になる所です。
個人的には7月に入ってからで良かったのではと思います。
そういや、詳しい特殊ルールって決まったんですかね?


●コロナで暴かれる日本的差別
戦後日本の成功理由でもあり、失敗理由でもあるのが、
「お客様は神様」です、という感覚でしょう。
そういう意識が過剰なまでの「おもてなしサービス」を生み出しましたが、
逆に客の方が調子に乗り過ぎて、上記のような暴走結果を生んでいることも事実です。

まぁ、法律的に言えば、「お客様は神様」なんて嘘なんですけどね。
店主は気に入らない客に商品を売る必要はないし、サービスを提供する必要もない。
両者の売る・売らないの意識が一致して初めて商売が成立するわけで、
そこら辺は恋愛と一緒でしょう。
ストーカーしても売らないものは売りませんよ?

とはいえ、そこに差別的意識が絡むとアメリカのように別の問題を生むので、
店側としてはできるだけ平等な取り扱いをするというのは当然のことですが、
客側の「売って当然」「サービス当然」という高慢な意識は改める必要があります。

「お客様は神様です」は間違いです。
「お客もお店も対等な人間です」。
その意識を植え付けることが今の日本人には必要だと考えます。


●失政続きでも政権のしたい放題、まるで敗戦前の日本
その通りだと思います。
今の安倍政権は政策決定の合理性基準が皆無。
休校する合理性もなければ、緊急事態宣言を解除する基準も曖昧、
それぞれをしっかりと説明すれば、国民も納得するのに説明がされない。
思い付きで政策を実行しているだけで、
その政策に至る合理的プロセスが存在していない。
それこそが政策の必要性だと思うのですが、それがまるで議論させないのがこの国です。


緊急事態宣言を解除してから2週間が経とうとしていますが、
ここまでは予想よりも拡大していない印象はあります。
ただ、今日も東京で25人の感染が報告されるなど、落ち着いた印象はありません。
静岡県内でも、昨日、県外で親族と会食した高齢者の感染が報告されるなど、
「どこかで」感染していることは確かなわけで、警戒せざるを得ません。

巨人の坂本選手らの例でも分かるように、
感染しても無症状で済むケースも相当数あることが予想され、
そういった人の感染力も実際には確定していない面もあるので、
他者にうつさないという意識は変わらず必要なように思います。