04夏の甲子園大会 2日目

第一試合 東海大翔洋(静岡) 10−3 尽誠学園(香川)

(尽)松田(3回2/3)−乃村(2回1/3)−池田(2回)
(翔)川口(9回)
(本)坂下(尽誠・2回表・2ラン)、
   川口(翔洋・3回裏・ソロ)、斉藤(翔洋・3回裏・ソロ)
尽誠学園
東海大翔洋 × 10

東海大翔洋が県予選でも見せなかった長打攻勢で尽誠学園を下しました。
今年は静岡県大会を見る機会がほとんどなかったんですが、
ここまで東海大翔洋打線が爆発したのは記憶にありません。
エースの川口投手を中心に1点ずつ積み重ねていく野球だと思ってたんですが。
二者連続ホームランで勝ちこすとは思ってもいませんでした。
甲子園という大舞台の中、選手がリラックスして試合に臨めたことが大きかったんでしょうね。
普段の試合で発揮される以上の力を呼び出す魔力を甲子園は持っているということですな。

試合展開は尽誠学園が7番坂下選手の2ランで先制するも、
先発の松田投手が四死球でランナーを溜めてしまい失点を重ねてしまうというパターン。
その流れで試合が進んでいき、気付いてみれば東海大翔洋は2回から6回まで2点ずつを加点。
投げてはエースの川口投手がストレートとカーブのコンビネーションでコントロール良く攻めて完投勝利。
終わってみれば東海大翔洋の快勝という形でした。
2回表 尽誠の攻撃
2アウトから川口投手が死球を与えてしまって、2アウト1塁。
ここで7番坂下選手が高めスライダーを捕らえるライトスタンドポール際に飛び込む2ランホームラン!
尽誠学園がホームランで2点を先制します。

2回裏 東海大翔洋の攻撃
1アウトから四球で出塁し、エンドランを敢行するもピッチャーゴロ、
これを尽誠の松田投手が無理して2塁へ送球、ワンバウンドとなってオールセーフ、
フィルダースチョイスとなって1アウト1・2塁となり、次打者も四球で1アウト満塁となります。
ここでバスター打法の9番石坂選手、打球は痛烈なショート強襲タイムリー内安打!
さらに1番岩本選手のセンター犠牲フライで同点に追いつきます。
この後、2番滝本選手が良い当たりを放つもこれはレフト右へのライナー。

3回裏 東海大翔洋の攻撃
先頭の3番川口投手が甘いストレートを捉えるライトスタンドへのソロホームランで勝ち越し!
さらに4番斉藤捕手も外より低めストレートを捉えるレフトポール際への滞空時間の長いホームランを放ち、
4−2と東海大翔洋がリードします。

4回裏 東海大翔洋の攻撃
9番石坂選手・2番滝本選手のヒットでチャンスを作り、
3番川口投手が外角ストレートを捉える左中間突破の2点タイムリー3ベースで追加点を挙げます。
尽誠学園はここで松田投手を諦め、乃村投手にスイッチ。後続をなんとか抑えます。

5回裏 東海大翔洋の攻撃
5番榎本選手が内角ストレートを振りぬく一二塁間突破のヒットで出塁し、
6番兎本選手の所でヒットエンドラン、これが見事成功し、
低めスライダーを捉えるレフト左へのタイムリー2ベース!
さらにバント・死球で1アウト1・3塁として、9番石坂選手がスクイズ成功、この回も2点を追加。

6回表 尽誠の攻撃
川口投手が先頭打者にこの日初めてとなる四球を出してしまい、バントなどで1アウト2塁となるも、
4番宝珠山選手を内角低めストレートで見逃し三振!
5番大西選手がラッキーな内安打で繋ぎ、2アウト1・3塁とするものの、
最後は内角ストレートがズバット決まり見逃し三振!
東海大翔洋の川口投手が要所を締めます。

6回裏 東海大翔洋の攻撃
死球・エラーでチャンスを作り、4番斉藤選手のセンター犠牲フライで追加点。
さらに6番兎本選手のタイムリー2ベースで追加点。この回も2点を追加。

7回裏 東海大翔洋の攻撃
2アウトから岩本・滝本選手の連打でチャンスを作るも、3番川口投手が倒れて無得点。

8回表 尽誠の攻撃
5番大西選手のタイムリーヒットで1点を返すも反撃はここまで。
9回は三者凡退に終わって試合終了。東海大翔洋が10−3で勝ちました。


勝敗を分けたのは両チームの守備の安定性だったと思います。
尽誠学園のエース松田投手は変化球のコントロールに苦しみ、
ストレートでカウントを取りに行った所を東海大翔洋打線に捉えられていました。
また失点には四死球やエラー(判断ミス等)が絡んでおり、防げるものもあったはずです。
試合序盤にミスをしてしまって、相手チームを乗せてしまったのが命取りとなってしまいました。
逆に東海大翔洋のエース川口投手はストライク先行のナイスピッチング。
四死球は僅かに2。序盤は無四球でよい立ち上がりを見せていました。
バックもしっかりと守り、派手さは無かったものの堅実な守備で確実にアウトを増やしていたように思います。
守備でリズムを作れたかどうかが、攻撃のリズムにも大きく関わっていき、
こういった大差の試合にしてしまったような気がします。
どんなチームでも守備のリズムが攻撃に関わっているということでしょうね。

負けた尽誠学園は守りのリズムを作れなかった悔いが残ります。
尽誠というと投手を中心としたイメージが強いだけに、もう一度守りの野球を徹底して欲しい所。
もう一度出直しですね。今度出場する時には投手を中心とした守備のチームを見せて欲しいです。

勝った東海大翔洋は最高の勝利だったと思います。
ここまで打つとは想像していませんでした。相手投手が不調だったとはいえ、12安打10得点は立派。
かつての東海大二校のような力強いバッティングを見せていただきました。
ただこれが本来の野球ではないでしょうから、これにおごることなく、
シャープな繋ぎの野球を次の試合では期待したいです。
あとはエースの川口投手の肩の状態次第。
今日は適度に力が抜けていたことが好投に繋がったようですから、次回登板も力まずに投げていって欲しいです。




目立った選手は東海大翔洋の川口投手です。
川口投手は小柄ながらも後ろに溜め込んでから投げ込むテンポいい投球フォーム、
ストレートは125キロ前後〜128ぐらいですがキレがあり、100キロ前後のカーブが武器です。
他にも110キロ台のスライダーも投げていました。
今日はコントロールが安定していたようで、内角をズバッと突くストレートが効果的だったようです。
フィールディングも安定していて、クイックはゆったり気味なものの牽制との区別が付きにくくなかなかに巧み。
打撃でもホームランを含む2安打3打点と大活躍! 野手としてのセンスもありそうです。
次は強打の岡山理大付属が相手ですから、どういったピッチングをするのかに注目したいです。



第2試合 岡山理大付属(岡山) 15−9 桐生第一(群馬)

(桐)渡辺亮(5回0/3)−武藤(1/3)−
 渡辺智(1/3)−坂田(2回1/3)
(理)堀(5回2/3)−楠田(3回1/3)
(本)山田(岡山理大・3回裏・2ラン)、篠崎(桐生一・4回表・2ラン)
桐生第一
岡山理大付 × 15

頑張っている球児の方々には申し訳ないんですが、
こういうプロ野球ばりのバカ試合はプロだけでお腹一杯なので正直勘弁いただけないかと(^^;
両チームとも記録に現われるエラーが4つずつ、それ以外にも多数。
四死球は桐生第一投手陣が計8つ、岡山理大付属投手陣が計3つ。
なんともテンポの悪い試合でした。高校野球では珍しい3時間ゲーム。
2時間以内で終わるのが普通なのでこれは異常というしかありません。
初戦ということでリズムに乗れなかったんでしょうが、少し酷い試合になりすぎましたね。

簡単な得点経過…さえも面倒。めっちゃ簡潔に。
1回裏 岡山理大付属の攻撃
2四死球でチャンスをもらい、4番石谷選手のサードゴロの間に1点を先制。
続く5番中村選手が詰まりながらもタイムリーを放ち2点目。

2回裏 岡山理大付属の攻撃
エラー・死球でランナーを溜め、1番中島選手のタイムリーで追加点。

3回裏 岡山理大付属の攻撃
ヒット・四球で出たランナーを2本のタイムリーヒットで返し、8番山田選手の2ランホームランで追加点。
序盤3回で7−0の大量リードを奪います。

4回表 桐生第一の攻撃
連打でチャンスを作り、堀投手のエラーなどが絡んで点数を返していき、
4番篠崎選手が打った瞬間それを分かる豪快なセンター左への2ランホームランを放ち一気に同点とします。

6回表 桐生第一の攻撃
大胆な走塁でチャンスを作り、スクイズ・タイムリーヒットで勝ち越し点を挙げます。

6回裏 岡山理大付属の攻撃
連打でノーアウト満塁のチャンスを作り、2番・3番・4番の3連続タイムリーで逆転。
さらに桐生第一投手陣を攻めて代わった投手からヒットや相手エラーで得点を重ね、6点をリードします。

それ以降は岡山理大付属の楠田投手らが頑張ってテンポの速い試合に。
そのまま岡山理大付属が逃げ切って勝利を収めました。


ちょっと試合を見ていて分からなかったのが4回表の岡山理大付属の堀投手の守備なんですよね。
1番半田選手をピッチャーゴロに打ちとった時、2塁ランナーが大きく飛び出してしまったのにも関わらず、
走者を見ながら戸惑って1塁へ送球、これがショートバウンドとなってオールセーフという場面がありました。
この時はただ2塁ランナーを追っかければいいだけなのに…
連打を浴びて頭が真っ白になっていたのかもしれませんね。軽率なプレーでした。
さらにその直後、2番仙田選手を浅いレフトフライに打ち取ったのにも関わらず、
レフトからのバックホームをキャッチャーの手前で強引にカット、しかもしれを大きく弾いてしまうミス、
結局タッチアップしていなかった3塁ランナーが悠々ホームインという場面がありました。
なんかボーっとしていたというか、変なプレーでしたね。
その延長上に篠崎選手の2ランホームランがあるわけで、何ともいえない?なイニングでした。

?と言えば6回表の桐生第一の2点目も?な気分。
6番松井選手のサード右抜くヒットで2塁ランナーが大胆にホームを突くわけですが、
レフトからバックホームの返球が来てタイミングはタッチアウト、
この時にランナーをタッチをかいくぐってランナーホームイン…と確かに見えました。
ただ映像で見てみるとタッチされてから避けているようにも… 主審の位置から見えなかっただけなのかも。
実はアウトじゃなかったのかな〜というプレー。やや判定に疑問が残りました。
結局、岡山理大付属が逆転したので大事に至りませんでしたが…
大きな判定となりかねない所だったので、審判団の方々にはしっかりと見てもらいたいものです。


負けた桐生第一は投手陣の整備が必要不可欠。
積極的な走塁など攻撃面では随所に光るものを見せてくれましたが、
守備ではピッチャーが四死球連発、野手陣はエラー連発と酷いものでした。
もう一度バッテリーを中心とした守りの野球を徹底し、ミスを極力減らすよう努力して欲しいです。
今日の試合を糧とし、良いチームを作り上げて欲しいですね。

勝った岡山理大付属はバッティングの力強さが印象的でした。
各打者がバットが良く振れていたように思います。
問題は桐生第一と同じく守備面。
エースの堀投手は自らのエラーもあって大量失点、調子を一気に崩して降板となってしまいました。
ややコントロールに苦労しそうな投球フォームをしているので、ちょっとやそっとでは直りそうもなし。
荒れ球をどう生かしていくかを考えていかなければいけないと思います。
そういう意味では2番手の楠田投手の好投が救われますね。
楠田投手の好投が岡山理大付属に勝利をもたらしたと思います。
両投手を中心に守備面の確認をしっかりとしてもらいたいです。



第3試合 横浜(神奈川) 8−2 報徳学園(兵庫)

(横)涌井(9回)
(報)片山(9回)
(本)涌井(横浜・2回表・2ラン)
横浜
報徳

1回戦屈指の好カードの1つは、地力で勝っていた優勝候補:横浜が快勝しました。
試合は投打ともに横浜が圧倒していた印象。
唯一報徳学園が勝っていたのは片山投手の牽制の上手さでしょうか。
巧みな牽制で横浜高校の機動力を封じ、思うような攻撃をさせていませんでした。
ただそれ以外の投攻守いずれも横浜のほうが上でしたね。
やはり今年の横浜高校は強いな、そう思わせるような試合展開でした。

簡単な試合経過。
1回表 横浜の攻撃
3番橋本選手がヒットで出塁するも、2塁盗塁を仲井捕手が刺してアウト!

1回裏 報徳学園の攻撃。
2アウトから涌井投手が死球を与えてしまい、いきなり4番片山投手との直接対決を向かえます。
ここは外角中心に攻めて、最後は低め130キロカットボール(?)で空振り三振! 涌井投手が勝利。

2回表 横浜の攻撃
6番石川選手が低めストレートを上手く捉える3塁線突破のヒットで出塁し、
7番涌井投手が外角甘いストレートを完璧に捉えるレフトスタンドへの2ランホームラン! 横浜が先制します。

2回裏 報徳の攻撃
1アウトから6番池田・7番黒田選手の連続ヒット、送りバントで2アウト2・3塁とするも、
意表を突くセーフティーバントはピッチャー前のゴロ、3アウトチェンジ。

3回裏 報徳の攻撃
1番中本選手がセカンドゴロイレギュラーでライト前に抜けるヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
さらにパスボールでランナー3塁へ進塁(記録はワイルドピッチ)、
ここで3番宮崎選手がスクイズバントを決めて1点を返します。
その後、4番片山投手との2回目の対決。
高めストレートは145キロを計測! ストレートで追い込んだ後、最後は低めスライダーでファーストゴロ。

5回表 横浜の攻撃
先頭の6番石川選手が初球打ちセカンド左への内安打で出塁し、涌井投手が送りバントで2塁へ進め、
7番黒葛原選手のショートゴロで2アウト2塁となった所で、
2塁ランナーの石川選手がディレード気味に前に出て牽制で挟まれるプレー、
二三塁間で挟むものの、片山投手がノータッチでかわされてしまって3塁セーフ、盗塁成功に。
この後、9番愛沢選手が外角スライダーを打って高いバウンドでセンター前へと抜けるタイムリーヒット!
横浜高校が貴重な追加点を挙げます。

5回裏 報徳の攻撃
三者凡退。涌井投手、最後は外角低め一杯の146キロストレートで見逃し三振!

6回表 横浜の攻撃
先頭の2番玉城選手のサードゴロ正面イレギュラーを捕球できずに弾くヒットでランナーが出て、
3番橋本選手が送りバント成功。
ここで報徳学園はサードにキャプテンの佐藤選手を入れ、サードの中本選手をファーストに回します。
この後、2アウト1・2塁となって、6番石川選手が外角スライダーを流すレフト線へのタイムリー2ベースを放ち追加点!
さらに7番涌井投手の高く上がったセカンドフライがセンター前に落ちる2点タイムリーヒットとなって計3点を追加します。

6回裏 報徳の攻撃
この回からキャッチャーにキャプテンの村田選手が入ります。
ここからストレートとスライダーのコンビネーションが強まり、さらにテンポの良いピッチングに。
4番片山選手に対しては内角低め143キロストレートで攻めて、最後はピッチャーゴロ。
5番打者には外角低め143キロストレートで攻め、最後は外角低め一杯145キロストレートで空振り三振!

7回表 横浜の攻撃
2番玉城選手が3塁線突破の2ベースヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
ピッチャーゴロで3塁に進んで2アウト3塁となるも、ここで3塁ランナーが大きなリードオフで牽制、
これで少し意識したのか低めボール球がワイルドピッチ、横浜高校が追加点を挙げます。

7回裏 報徳の攻撃
最後は外角145キロストレートで見逃し三振に打ち取るなど三者凡退。

8回表 横浜の攻撃
6番石川選手が外角低めストレートを上手く叩く左中間突破の2ベースヒットで出塁し、送りバントで3塁へ進むも、
セーフティースクイズ空振りでランナーが少し飛び出してしまって3塁タッチアウト。
この後、代打の伊藤選手が2ベースヒットを放つも無得点。

8回裏 報徳の攻撃
先頭の9番林選手が少し高く入った142キロストレートを打ってセカンド左抜くヒットで出塁。
しかし1番打者は外角低めシンカーで空振り三振、2番打者はレフト後方のフライで2アウト。
3番宮崎選手が甘いストレートを打つ三遊間抜くヒットで2アウト1・2塁とするも、
4番片山投手に対して涌井投手は142・141・143キロストレートで球威で押していき、
最後は外角低め136キロの沈む球で空振り三振! 無得点。

9回表 横浜の攻撃
先頭の1番佐藤選手が内角ストレートを打つライト線への2ベースヒットで出塁し、送りバントで3塁へ。
ここで3番橋本選手が少し甘く入ったスライダーを捉えるレフト前タイムリーヒット!
横浜高校がダメ押し点を挙げます。

9回裏 報徳の攻撃
先頭の途中出場5番佐藤選手が低めスライダーを打ち、
風に乗って打球が伸びていく打球がセンターへと飛んでいき、頭を越す3ベースヒットで出塁!
この後、7番黒田選手の飛んだ所がいい三遊間深くへのタイムリー内安打で1点を返すものの、
後続が涌井投手を打てずに試合終了。
8−3で横浜高校が勝利しました。


上の試合経過を見ても分かる通り、この試合は横浜VS報徳という対決以外にも、
涌井投手VS打者としての片山投手という対決も見物でした。
涌井投手も意識はしていたようで、片山投手に対しては速いストレートをどんどん投げ込んでいました。
なかなかに見所の多い対決でしたね。
逆に涌井投手は打者として片山投手から先制ホームランを放つし。楽しませていただきましたわ。
他にも横浜高校には1・2年生の打者が多いので、それらの選手と2年生エース片山投手との対決も注目点でした。
試合は横浜高校が快勝したものの、実に見所の多いナイスゲームでしたね。


負けた報徳学園は力負けでしょう。接戦にもつれさせすことができなかったのが敗因。
涌井投手の豪快なホームランで一気に飲まれてしまった形ですね。
牽制球でアウトを稼ぎ、流れを持ち込めそうだったのに勿体無し。攻撃の仕様がありませんでした。
報徳は2年生エースの片山投手がいるので来年も期待できますが、
ややワンマンチームという印象が強いので全体的なレベルアップを図らないと厳しいかもしれません。
ただ伝統校らしい堅実な攻めは見事で、バントやスクイズの精度は高いものがありました。
卒のない野球にパワー・技術をつけるなどして一回り大きくなって、甲子園に帰ってきてもらいたいですね。

勝った横浜高校は見事な勝利だったと思います。
攻守に隙がない横綱相撲。
ただ1点、片山投手の牽制に何度も誘い出されたのが反省材料ですね。
積極的な走塁が持ち味の横浜ですが、アウトになってしまっては元も子もありません。
暴走にならないよう冷静な判断力を持っていて欲しいです。
あとはチームの力が合わされば大丈夫でしょう。個々人の能力はかなり高そうですからね。
次の試合も期待しています!



横浜高校のエース涌井投手に関しては日記でも再三書いてきたので、詳細はそちらの方に。
(簡単に野球関係の記事をまとめておきました)
とにかくバランスのいい投球フォームから繰り出されるストレート・スライダー・その他の変化球が素晴らしいの一言です。
コントロールも良くなり、安定感が抜群になっています。
それは下半身がしっかりとしてきて、片足1本で立った時のバランスが良くなり、
腕をしっかりと振り下ろせるようになったからなのでしょう。
昨年までは上体の良さだけで投げていましたが、今は体全体をしっかりと使って投げられています。
投球フォームは文句なし。ゆったりとしているし、素晴らしいというしかありません。

甲子園大会ということでスピードガンに注目していたんですが、予想以上に出てましたね。
神奈川県大会で投げていた時はかなりコントロール良かったんで、少しセーブしてるのかと思いきや、
今日のピッチングを見る限りでは140キロ前後のストレートをガンガン投げ込んでいたんですね。
アウトロー一杯に146キロの伸びあるストレートなんか投げられてしまったら、バッターは打てませんよ。
これだけのスピードを持っていながら、内外角をしっかりと攻められるというのは素晴らしいですね。
もちろん高めに行ってしまう球もありますけどね。高校生でこれだけ投げ込める投手はそういないでしょう。
松坂投手以降の甲子園投手では涌井投手のみ。あとはダルビッシュ投手や佐藤剛投手がどういう投球するか。
スピードは松坂投手の方が上でしょうが、外角低めのコントロールで言えば涌井投手の方が上かもしれません。
ピッチングスタイルは今の松坂投手に近い印象。
荒々しさよりもまとまりを重視し、見た目ではっきりと分かる力みまくりの剛球ではなく、
ゆったりしたフォームから手元でスッと伸びてくるストレート、それを外角低目へコントロール、
そういったピッチングが既にできています。
威圧感はないのでしょうが、こういうピッチャーの方が嫌らしいものです。良い投手ですね。

変化球はスライダーが主。あとはカーブと縦に落ちる変化球。
はっきりいって何が何だか分かりません。縦変化は130キロ台のボールで見分けが付かないんです。
左打者外角にシュート気味に落ちるシンカーを投げているのは間違いないんですが、
縦にスッと高速で落ちるのはチェンジアップ?、ややスライダー軌道の130キロ台中盤の球はカットボール?
ちょっと見分けが付きません。球種はどうあれ、軌道の違いで縦の130キロ台変化球は3種あることのは間違いなさそう。
多彩な変化球を投げられるのも1つの魅力ですね。
私はシンプルにストレートとスライダーだけで抑えられると思いますが。どれもいい球です。

それにしてもあのアウトローの速いストレートはいいなぁ。惚れ惚れしますわ。
次回登板時でもこの鋭いストレートをガンガン投げ込んで欲しいです。
以前はやや荒っぽく才能だけで投げている感じの2年生投手ですが、
今は見ている人を楽しませてくれる素晴らしいピッチャーに成長してくれましたね。


できることなら、このピッチングを刺激に報徳学園の2年生左腕の片山投手に成長して欲しい所。
センバツと印象は変わっていません。長身左腕という以外には少し特徴に乏しい印象。
涌井投手のピッチングに刺激され、さらなる成長を遂げることを期待しています。
幸い関西には社の大前投手、大阪桐蔭の坪内投手など良いライバルが揃っていますから、
彼らと切磋琢磨しながら成長して言って欲しいです。



第4試合 京都外大西(京都) 2−1 日本文理(新潟)

(西)大谷(5回1/3)−田中(0/3)−大谷(3回2/3)
(日)海津(1回)−小柳(8回)
(本)桑原(日本文理・4回裏・ソロ)
京都外西
日本文理

1点を争う緊迫した好ゲームは7回に機動力を絡めて逆転した京都外大西が勝利しました。
両チームとも守備がしっかりしていて、バックが上手く盛り立てていました。
予想以上のナイスゲームとなりました。面白い試合になりましたね。

簡単な得点経過。
2回表 京都外大西の攻撃
この回のマウンドにはなぜか1回登板して好投した海津投手ではなく、10番を付けた小柳投手。
海津投手は1回のピッチングで右肘に痛みが走り、筋肉の炎症と判断されたのこと。
アクシデントで緊急的に小柳投手がマウンドに上がります。
その小柳投手、いきなりの登板ながらもサイドから投げたりスリークォーターで投げたりと
相手をかく乱させながら、見事0点に抑えていきます。

4回裏 日本文理の攻撃
先頭の3番桑原選手が内より甘いストレートを腰の回転で打ち返す
センターバックスクリーンへのソロホームランを放ち、日本文理が貴重な先制点を奪います。

以降は両投手ともに打たせて取るピッチング。
両チームともに守備が堅く、再三のナイスプレーでアウトを積み重ねていきます。
特に日本文理のキャッチャー小林選手は素晴らしい肩を何度も見せ、
牽制アウトにしたり、盗塁を刺すなどしてナイススローイングを連発します。

7回表 京都外大西の攻撃
1アウトから9番藤井選手が内安打で出塁し、1番北村選手のヒットで1アウト1・2塁に。
ここで2番田中選手がレフト前タイムリー、3番大塚選手のセカンドゴロの間に1点ずつ奪います。
これで京都外大西が逆転、1点リードします。

8回裏 日本文理の攻撃
ヒット・バント・敬遠等で2アウト1・3塁の場面で、4番干し選手の打球はセンター手前へのライナー。
これが落ちるかと思われるもセンター田中選手がダイビングキャッチアウト!
ファインプレーが飛び出して京都外大西が1点を守ります。

9回裏 日本文理の攻撃
2アウト1・3塁とチャンスを作ったものの反撃はここまで。
最後はリリーフで好投した小柳選手がファーストファールフライに倒れて試合終了。
京都外大西が2−1で勝利を収めました。


負けた日本文理はエースの海津投手のケガという苦境を乗り越えながらもよく戦いました。
今年は新潟で集中豪雨がありましたし、予選も大変だったことでしょう。
それだけに今日は負けたとはいえ、1点を争う好ゲーム、新潟の人を勇気付けたのではないでしょうか?
日本文理の活躍は多くの野球ファンの目に止まったはず。良いゲームを見せていただきました。
来年以降も今年のチームをお手本としてチームを作り上げていってもらいたいです。

勝った京都外大西は日本文理同様、ピッチャーを中心に守りが安定したチームという印象。
なかなか攻守に思い切ったプレーをしてきますし、チーム力の高い良いチームだと思います。
次の対戦相手は強豪の横浜ですが、この守備力を持っていれば接戦に持ち込めるはず。
今日のような緊迫した試合展開を期待しています。



目立った選手は数人いましたが、特にチェックしていません。
次の試合で確認してみたい所。
京都外大西の2年生4番の西下選手、1年生5番平林選手が気になっています。
西下選手は2打数1安打1四球、平林選手は4打数1安打と試合に貢献しています。
平林選手は近鉄の磯辺選手のような打撃フォームだった記憶あり。
ピッチャーでは下半身を上手く使えるサイドスロー投手の大谷投手に注目。
125〜130キロのストレートはありますが、球速以上に威力がある印象。
横浜打線に通用するかどうか、楽しみです。

敗れた日本文理では1番レフトの2年生、柳選手が4打数4安打の大当たり。
大柄で大きな打撃フォームをしていて、なかなかに威圧感を感じるバッターという印象を受けました。
来年、甲子園に帰ってくることを期待したいです。




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