■張 徳容
名は既。
鐘繇とともに西方を安定させた人物。
若い頃から地元の有力者に隠れた才能を見抜かれており、何かと優遇されたこともある。
鐘繇の推挙で曹操に仕えてからは主に西方の政治・外交を担当。
官渡に始まる袁紹との争いでは、馬一族と韓遂を説得して、袁氏に対抗させた功がある。
後に劉備との漢中争奪戦にも参軍として参戦。
漢中以西の異民族や住民を率先して長安に移住させている。
地味な働きが多いが、張既や郭淮が居なければ、西方の異民族は挙って馬超に従った可能性が強い。
そのように考えるとかなり重要な人物と言うことが出来るだろう。
事実、曹操死後に刺史の任を外れたが、その隙に異民族や西方の太守が一斉に蜂起。
結局、「張既以外に適任者は居ない」という曹丕の信頼を受けて再任している。
張既もその信頼に応え、自ら軍を率いて反乱を鎮圧。後々まで西方を安泰に導いている。
正史を見ると、意外に軍事行動が多く、その中身は政治を理由にしたものが目立つ。