■顧 元歎

名は雍。

立派な文官。誰がなんと言おうと文官。文官の鏡みたいな人。
後に張昭を差し置いて、呉の丞相になるほど。

若い時に、戦乱を避けて江南へ来ていた大学者・蔡邕に見込まれ、
同じ読みの名前を譲ってもらったほど、文才があるらしい。琴の才もあったという。
蔡邕は、顧雍が訪ねてきたというだけで、大慌てして出迎えるほどだった。余程の才人なのだろう。
字の「歎」も、蔡邕が顧雍の才に感歎した事に由来している。

で、その顧雍だが、孫権には「顧君」と呼ばれていたらしい。
感情に左右されない判断などが、張昭に比べると、君子のように見えていたのだろうか?
孫権の会稽太守時代に、実質的に顧雍が政治を執っていたという関係でもあるので、
正史や演義以外にも、何らかのエピソードがあるのでは…と邪推する。

寡黙で真面目。昇進しても家族にすらそれを告げない人物だったらしい。
さらに、息子たちに厳しい一面も、正史のエピソードに残っている。
そして下戸。あの孫呉の宴会で、どのように時間をやり過ごしていたのか謎である。


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