≪痕(きずあと)≫
夢と現実、欲望と理性、
そして、癒されぬ痕…
<どんなゲーム?> |
Leaf Visual Novel(LVN)シリーズ第二弾「痕」…リーフの最高傑作とも歌われる作品ですね。 ビジュアルノベルというゲームはシナリオをその中核に置き、CG・音楽を効果的に混ぜて作り上げられる作品です。 この3つの調和が量られることで初めてゲームが成り立つジャンルであるため、 並みのアダルト美少女ゲームのように18禁CGだけで押し通すことができません。 ただストーリーや音楽・効果音が重視されるので、シナリオが良ければ感動もひとしお。 当たり・ハズレがシビアなジャンルであると言えるでしょう。 「痕」はリーフの前作「雫」の流れを組んだミステリアスな伝奇ストーリーです。。 この後、リーフは「To Heart」のような現代純愛ストーリーのゲームに路線が変わるので、 現実と非現実との間の危うさを描いたゲームはこれが最後となっています。 それだけにファンの間では「これぞ、リーフのゲーム」「リーフのNO1作品」と呼ばれています。 ストーリーはというと、 別居中だった父親の死を知らされた主人公「柏木耕一」が、 その父の死によって身寄りを失った柏木本家に夏休みの間滞在することになり、 そこで起こる悪夢と現実の狭間の事件に巻きこまれていく…となっています。 事件を追ううちに「鬼」の姿が浮かんできたりと、伝奇的要素も多いに含んでいます。 ゲームシステムは選択肢を選んでストーリーを進めます。 ただしあるシナリオをクリアしなければ出てこない選択肢もあり、何度もプレイする必要があります。 1シナリオが1時間弱。全17シナリオです。 一度見た文章はスキップ可能なので、2回目からは30分以内でプレイできます。 簡単にプレイできるのもこのゲームの長所かもしれませんね。 CGに関しては微妙な所です。 イベントCGは満足いくものであるかもしれませんが、立ち絵CGに違和感を感じざるをえません。 特に長女の千鶴のスーツ姿の立ち絵はかなり浮いていたように感じました。 もう少し善処してもらいたかったように思います。 背景は実写取り込みなのですが、ゲームの雰囲気に合っていて良かったように思います。 音楽はゲームの雰囲気によく合った素晴らしい内容です。 伝奇物ということで恐ろしい曲や和風の激しい曲などが主体なのですが、 そのどの曲よりも際立っていたのが月光に照らされているような美しい静かな旋律の「ためいき」という曲でした。 ゲームの中でも良い場面で使われており、とても印象的な曲だったように思います。 これらの音楽がストーリーを高め、プレイヤーを痕の世界へ引きこんだのは間違いないでしょう。 この音楽を無くして、痕は語れないという感じがしますね。 シナリオに関しては言うことなしです。これは是非ともプレイして実際に感じてもらいたいです。 選択肢で色々と話が分岐していくのですが、各シナリオとも事件を別の角度から追っており、 色々な局面から物語が楽しめるようになっています。 またそうでありながらも、各シナリオともに矛盾点がなく、プレイヤーが納得いくものに仕上がっています。 分量も短過ぎず長過ぎずといった感じでちょうどよく、プレイヤーにじっくりと読ませるものでした。 オマケの部分は本編とは違った面白い展開やお約束な展開が続いたりといい気分転換になります。 痕四姉妹のキャラが素晴らしいだけにオマケシナリオも実に良い味を出していました。 もうかなり昔の作品になるのですが、古臭さを感じさせない名作です。 一部陵辱シーンや残虐なシーンがありますが、それらに目を瞑っても余りある内容を持っています。 伝奇物語が好きな人はもちろんのこと、そうでない人を含めて是非プレイしてもらいたい作品ですね。 |
<ゲーム評価> |
CG | 7点 | 立ちCGが…で賞 |
シナリオ | 10点 | シナリオ素晴らしいで賞 |
音楽 | 10点 | 音楽良いで賞 |
システム | 9点 | おまけシナリオ笑えるで賞 |
総合 | 9点 | 陵辱シーンがやや多いで賞 |
合計 | 45点 | バランスがいいで賞 |
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