<どんなゲーム?> | ||||||||||||||||||||
『BLESS』『21』『それは舞い散る桜のように』などを手がけた旧「BasiL」スタッフを中核とする新規ブランド、 「Navel」の第1作目がこの『SHUFFLE』です。 今まで原画を務めていた「西又葵」氏に加え、「鈴平ひろ」氏が正式に加わったのが新ブランドの最大の特徴です。 シナリオは『BLESS』『21』等を手がけた「あごバリア」氏(現:ういんどみる)が中心となって担当し、 演出等に『それ散る』のシナリオを書いた「王雀孫」氏、 音楽はBasiL時代からの「アッチョリケ」氏が担当しています。 「SHUFFLE」は神族・魔族・人間族とごちゃ混ぜのラブコメディです。 序盤はヒロインとのドタバタ劇、中盤に選んだヒロインとの恋愛、 終盤にヒロインの抱える悩みを解決するという構図になっています。 非常にシナリオのテンポが良く、プレイヤーをSHUFFLEの世界観へと誘ってくれます。 1回目のプレイ時間は5〜6時間と手頃な感じ。 テンポが良いだけに逆に短いと感じるほどでした。手頃に遊ぶには良い感じかもしれません。 このゲームの特徴としてはやっぱり「西又葵」「鈴平ひろ」両氏の共演でしょう。 西又葵氏はBasiL作品の原画、メンズヤングの表紙イラスト等を描いており、 鈴平ひろ氏は『Piaキャロ3−貴子他(F&C)』『あいかぎ(F&C)』の原画、POTの表紙イラスト等を描いています。 同人誌では共同で本を出したりしていましたが、 商業関係での正式タッグはこれが初めてになると思います(BLESS除く) 両氏が別々のキャラを自分のタッチで描いてますので、西又キャラ・鈴平キャラの共演が最大のウリです。 同一画面に両氏のキャラが立ち絵として並び、イベントCGも共にのっている…ファンとしては嬉しい限りです(*^^*) 詳しくはCGの所でどうぞ。 残念なのは「ドタバタアドベンチャー」と言う触れ込みほどではなかったことでしょうか。 序盤で少しドタバタするものの、全体としてはそれほどという感じでした。 どちらかというと普通の純愛ストーリーという感じです。BLESSと似た印象を受ける作品ですね。 |
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<簡単なあらすじ> | ||||||||||||||||||||
主人公「土見稟」はとある事故で両親をなくしており、世話焼き幼馴染の「芙蓉楓」とその父親との三人暮らし。 平凡な生活を送っていた主人公だったが、ある日それが一変する! 幼い頃に出会った想いを胸に主人公を慕って人間界に現われる神王の娘「リシアンサス」と魔王の娘「ネリネ」! 親バカな神王・魔王ごと両隣に引っ越してくるわ、学園ではいきなりの交際宣言をするわの大波乱! 多くの男子生徒の羨望と嫉妬の眼差しを受けながら、主人公は誰の気持ちを受け入れるのだろうか!? |
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<キャラクター性> | ||||||||||||||||||||
メインヒロインは、 神王の娘で明るい気さくなプリンセス、『リシアンサス』(西又葵デザ) 魔王の娘で深窓の令嬢タイプのプリンセス、『ネリネ』(鈴平ひろデザ) 家事も全てこなす主人公に尽くしまくりな幼馴染、『芙蓉楓』(西又葵デザ) 主人公の先輩で明るく元気な料理部部長、『時雨亜沙』(鈴平ひろデザ) 魔界でネリネの話を聞いて人間界に出てきた史上最強の人工生命体、『プリムラ』(西又葵デザ) この5人ですが、他にも多くのサブキャラが登場します。 リシアンサスの父親で筋肉バカで暴力的な、『神王』 ネリネの父親で家事好きの二枚目風、『魔王』 ナンパ上手で女ったらしの主人公の悪友、『緑葉樹』 見た目は美人ながら内面は恐ろしい担任教師、『紅薔薇撫子』(鈴平ひろデザ) 亜沙の親友で神族出身のおっとりした先輩、『カレハ』(鈴平ひろデザ) 主人公のクラスメイトでお調子者な人間と魔族のハーフ、『麻弓=タイム』(西又葵デザ) 相変わらずサブキャラにしておくのが勿体無い布陣(笑) 特にカレハ先輩はイベントCGでの登場が多く、なかなかに萌えるキャラです。ヒロインでないのが残念なほど。 メイン所は基本的に全員「良い子」で、主人公を常に立てようとしています。 ですから最初から主人公への好感度MAXにも関わらず、嫉妬イベントや強引なイベントが少ないんですよね。 もう少し嫉妬してくれた方がヒロインの可愛さが増して良かったような気がします。 私的に一番の萌えキャラは「亜沙先輩」。 友人としての気さくな会話・面倒見の良さと恋人としての甘え上手な二面性が良かったですね。 |
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<CG> | ||||||||||||||||||||
このゲームの一番の売りはやっぱりCGでしょう。 西又葵氏と鈴平ひろ氏という人気イラストレーターが共存していることですね。 西又氏は強調を重視し、顔を特徴的に描く動きのあるキャラデザで、 鈴平氏はバランス感を重視し、全体を整えて目をぱちくりさせた静物的キャラデザ、 その2つをキャラによって上手く配分しており、2人の絵の魅力が上手く発揮されてたと思います。 個人的には2人の描くキャラの違和感はありませんでした。 顔がほっそりしてるのが鈴平キャラ、やや肥えた感じなのが西又キャラと違いははっきり分かりますがね。 どちらかの絵が嫌いな人は違和感あるでしょうが…そこら辺はNavelのHPで確認するなりしてください。 もはや恒例となっている西又猫人形はプリムラで出てきます。 「白玉・黒玉・虎玉」と今回は名前まで付いています。次回はどういう形で出てくることやら。 私はCD版の初回分を買ったので、DVD初回の白玉・黒玉ストラップを持ってないんですよね…あれ欲しい… |
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<シナリオ> | ||||||||||||||||||||
シナリオの感想としてはBLESSという感じです。 シナリオテンポ・内容ともにそんな感じ。選んだヒロインの問題を解決してEDというオーソドックスな形。 神族・魔族・人間とが平和的に共存するという特殊な世界観だけに、 特殊なキャラ設定にどこまで感情移入することができるか…ここがポイントでしょうか。 特殊なキャラ設定ではありますが、一応現実の社会問題をヒントにしてるんでそこに気付けば何とかかな? 長所としてはシナリオテンポが良いことです。 最近のゲームは中盤に中だるみして途中放棄したくなるものが多かったんですが、 このSHUFFLEはテンポ良いだけにそういうことが全く感じられませんでした。 ホントあっという間に終わった感じです。それが良い事か悪い事なのかまでは分かりませんが(^^; 非常にプレイしやすく、シナリオがすっと入ってきたのは評価したい所です。 欠点としてはストーリー設定が十分に生かされておらず、各ヒロインの絡み合いが不十分だった点でしょうか。 主人公を慕って転校してくる神魔のプリンセス、しかも神王・魔王の公認済み…そして同居している幼馴染の楓と… こうなったら普通主人公の取り合いのドタバタコメディをイメージしますよねぇ… だけどヒロインは「いい子」なので強引さがなく、常に主人公を立てようとするため、嫉妬的展開が少ないと… ヒロインの内面重視・ラブラブ基本路線は分かりますが、 それをやるならBLESSのようにヒロイン同士の関係を希薄にしておいた方がいいと思います。 ヒロイン同士の関係がそれなりにあるんだから、それに準じたストーリーも組んで欲しかったです。 オマケシナリオで良いからハーレム的ドタバタコメディを入れたりすると良かったように思います。 あとはシナリオの切り方ですかね。通常イベントもラストイベントも盛り上がった所で切れてしまってる感があります。 こういう所は勿体無いと言わざるをえず… テンポ良いのは好感持てますが、ラストぐらいはじっくり行っても罰当たらなかったと思います。 結論としては良い意味でも悪い意味でもあごバリア氏らしいシナリオだったなと。 一対一の構図は上手ですが、複数構図がイマイチだった印象。 複数構図という点ではそれ散るのシナリオを書いた王雀孫氏の方が上手い印象があります。 |
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<音楽・音声> | ||||||||||||||||||||
音楽は全部で23曲、そのうち歌つきのものが3曲あります。 音楽の出来は上々でしょう。 アッチョリケ氏の曲に関してはそれ散ると似た曲も多かったですけど(笑) OP曲もゲームに合っていていたと思いますし、音楽に関しては問題なかったと思います。 ただそれ散ると比べると…若干劣るかなと。 真新しさがない分と曲調の幅が狭い(明るいのが多く、切ない・暗い系が少ない)点で劣る感じがします。 けれど新ブランドの一作目として客観的に評価すれば、かなり良い部類と言えるでしょう。 お気に入りはOP主題歌の「Mirage Lullaby」。イントロ部分が好きです。 BGMでは「Purple Moon」「滲む鏡像」。 今作では明るい曲が多いのですが、この2曲はやや暗めのシリアスの感じがする曲です。 終盤の良い場面で使われていましたし、印象の残る曲でした。 音楽に関連して音声面も触れておこうと思います。 声優陣は佐々さんと籐野さんが「それ散る」から引き続きの登場となってます。 「それ散る」ほど豪華ではありませんが、どの声優さんもキャラにマッチしていて良かったと思います。 「それ散る」から引き続きの御二方はキャラが似てたので差を出すのが大変だった気がします。 でも佐々さんはリシアンサスの二面性を、籐野さんはポンコツぶりを上手く表現してたので問題ないでしょう。 プリムラの北都南さんは最初無口でどうなることかと思いましたが、シナリオに入ると喋り捲りで(笑) 最後には北都南キャラらしくなってました(^^; この中で一番ダークホース的な存在が亜沙役の宝塚すみれさんでしょう。 偽名っぽい名前ですが…まぁ、深くは突っ込まないということで(^^; 特に上手い演技をしているというわけじゃないんですが、妙に惹かれる所がありまして… ポンコツさんの籐野さん風と言えば分かりやすいのでしょうか。なんとなく「癖になる声」を出していました。 最初はどうってことないのに、いつのまにかこの声以外では満たされなくなってるという(爆) プレイした人で宝塚さんの声にはまった人は多いんじゃないでしょうかね? リシアンサス(CV:佐々留美子) ネリネ(CV:松永雪希) 芙蓉楓(CV;籐野らん) 時雨亜沙(CV:宝塚すみれ) プリムラ(CV:北都南) 神王(CV:浜五郎) 魔王(CV:司馬嵯峨乃) 緑葉樹(CV:小池竹蔵) 紅薔薇撫子(CV:織田マリ) カレハ(CV:日向裕羅) 麻弓(CV:香取那須巳) 注:最近声優情報に疎くなってるからなぁ…偽名破り自信なし。 一応、司馬さん=お前らのためだろの片割れというのは分かりましたが。 追加:とある方から情報をいただき、宝塚さん=ロサ・キネンシスだとか。最近耳ダメだなぁ(苦笑) |
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<基本システム> | ||||||||||||||||||||
ゲームシステムはほぼ完璧に近いでしょう。 メッセージスキップ、メッセージ自動送り機能(速度設定可能)、 履歴機能は音声読み返し可能も備えています。 クィックセーブが3つ、セーブ数も31あり、さらに拡張セーブとしてPCに保存が可能になってます。 おそらくシステム面で苦労することはほとんどないと思われます。 クリア後はCG鑑賞・音楽鑑賞・シーン回想(Hシーン・ED)が追加されます。 さらにオールクリア後に表情鑑賞モードというものが追加されます。 これはゲーム中で使用されたキャラの立ち絵・表情が見れるというものです。 ゲームで使用された表情パターン・衣装パターン・ポーズなどを見ることができます。 |
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<ゲーム性・演出面その他> | ||||||||||||||||||||
特になし | ||||||||||||||||||||
<まとめ> | ||||||||||||||||||||
良くも悪くも新規ブランド1作目らしい無難な出来という感じです。 明るい話でテンポが良く、クリア時間も短めですから、気軽にプレイするには良いゲームだと思います。 ただ「それ散る」が好きな自分としてはグレードが落ちたことに不満残る所です。 まぁ、それはゲーム設定とライターがういんどみるに移ったあごバリア氏だと分かった時から覚悟してたことですが(爆) 今回は西又&鈴平コンビのCGを前面に出したユーザー獲得ということでしょう。 そんなわけで本領発揮は2作目に期待ということにします。 今回はメーカー評価保留ということで。これからも頑張ってくだ〜い。 |
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<評価点> | ||||||||||||||||||||
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<動作環境等ゲーム詳細> | ||||||||||||||||||||
「BLESS」(別ブランド:レビュー・攻略有) 「21」(別ブランド:レビュー・攻略有) 「それは舞い散る桜のように」(別ブランド:レビュー・攻略有) |