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2016年11月03日

埼玉西武・岸孝之投手がFA宣言

ライオンズファンの立場からすると、「まさか…」という感じですねぇ…
栗山選手同様に「生涯ライオンズ」と思っていただけに、動揺は隠せません。
まだ移籍と決まったわけではないものの、西武の残留条件は4年10億前後、
楽天は4年16億円を用意するとの報道もあり、難しい展開が予想されます。
さすがに出来高含めても4年16億は出し過ぎに思えますが…
出せて3年3億、4年契約の提示は西武にしては頑張ったなと思うくらいです。
あとは岸投手の気持ちにかけるしかない感じですね…

逆に岸投手の立場で考えると、FAの機会は今年が最後かもしれない、
引退した広島・黒田投手のように、「故郷で錦を飾りたい」という気持ちもあるかと。
岸投手が逆指名で西武に入団したのが2006年、楽天は創立3年目、
高校生ドラフトでは田中将大投手を楽天は獲得していましたが、チームとしてはまだまだ。
当初楽天はソフトバンク・大隣投手の獲得を優先していたこともあって、
最終的に岸投手は高校時代から目をかけていた西武を逆指名することになりましたが、
もしも高校時代から東北楽天があったとすれば、そちらに入団していたかもしれません。
結果的に、西武に対する義理を通した岸投手は、カーブを武器に球界を代表する投手となり、
一方の楽天も田中将太投手を中心としたチーム作りができ、丸く収まった形ですが、
経緯はどうあれ、地元球団の誘いを断らざるを得なかった罪悪感は残ったはずです。
そう考えると、黒田投手のように「最後は故郷で」と思ったとしても、
何ら不思議なことではありません。

ただ、黒田投手は別に広島県出身者じゃありません。大阪出身です。
「故郷に錦を飾る」と言って、カープを捨てて阪神に移籍していたら、
今のように「男・黒田」と称されていたでしょうか?
つまり、プロ野球界、少なくとも野球ファンにとっては、
最初に入団した球団が「故郷」であって、生まれ育った場所ではないわけです。
その認識の差がある以上、黒田投手と同じような形にはならないし、
逆に楽天が高額条件を積めば積むほど、印象は故郷<金に傾いてしまいます。

また、黒田投手が戻ってきた時、カープが優勝争いをする準備ができていたのに対し、
今の楽天はドラフトを見ても3年後重視の形でしかなく、
外国人選手が当たればAクラス争いができる、といった程度の戦力です。
「勝てば官軍」ではありませんが、黒田投手もチームが勝っていたからこそ、
5億円という球団にとっては高額な年俸が批判されなかったわけで、
Bクラスで最下位低迷していたとすれば、今のような形にはならなかったはずです。
チームが負ければ、高額年俸の新戦力に批判が集まるのは当たり前なわけで、
果たして今の楽天が「故郷に錦を飾る」のに相応しいチームかどうかは疑わしいです。

もっとも、3年後を考えれば、投手陣では松井投手に安楽投手、藤平投手、
野手でもオコエ選手に茂木選手、内田選手に柿沢選手、三好選手と、
楽しみな若手選手が多いだけに、3年後には優勝争い、
5年後には黄金時代を迎える素地はあります。
尊敬する先輩の石井一久氏のように、若手のリーダーとしてチームを引っ張り、
自分が捨て石になっても良い覚悟があるのならば、移籍も十分ありとは言えます。

他にも春先の寒さが故障がちな岸投手に影響しないかも不安ですし、
個人的見解からすると、楽天移籍は「茨の道」といった感が強いです。
最終的に岸投手がどういう決断を下すのか、冷静に残留を選択するのか、
故郷への想いは絶ち難く楽天を選択するのか、注目が集まります。
え? それ以外の球団ですか? それはないでしょう。


◆プロ野球ネタ 日ハム・吉川投手・石川選手と巨人・大田選手・公文投手が交換トレード
また日ハムと巨人のトレードですか…
いつも日ハムが損したように見えて、結果的には得をしている、巨人も懲りないですね(笑)
まぁ、今回も実績的には吉川投手が抜けていて、「格差トレード」なんて言われてますが、
はまった時には全く打てない圧巻のピッチングをする一方で、
打たれだすと止まらない脆さを持つ吉川投手が、
良くも悪くも注目される巨人で活躍できるかというと… 正直、どうなのかなと。
逆に双方が指名したであろう、
石川選手と公文投手の方がチーム需要は高く、活躍の可能性がありそうです。

まぁ、しかし、日ハムの選手サイクルの速さはどうなっているのか、正直引きます(苦笑)
前回優勝したメンバーで残っているのは、田中賢介選手と中田選手、谷元・宮西投手ぐらい?
選手起用にも偏りがあって、鶴岡選手と小谷野選手は追い出されるようにFA宣言し、
今年は陽選手がFA宣言するかどうか分かりませんが、状況的には同じ感じがします。
最近の日ハムで長らくチームに在籍した選手は少なく、
特に投手は1-2年活躍しては消えを繰り返している印象…
毎年メンバーが変わるので、日ハムの選手は名前を覚えきれません(苦笑)

毎年のように新陳代謝を繰り返しているという意味では強いチームに変わりありませんが、
愛着という意味ではちょっと物足りなさを感じずにはいられない気もしますねぇ…
野手はともかくとして、投手サイクルの早いソフトバンクも同じっちゃ同じなんですが。
ダイエーの頃は地域密着を売りにして良い感じでしたが、
ソフトバンクが定着して以降は、やや選手サイクルが早過ぎるというか、
悪く言えば選手を使い捨てにしている、そんな印象を拭えません。
…もっとも、毎年のようにFAで主力選手が抜けて、
同じ選手を使わざるを得ないライオンズもどうなのかな、とは思いますがorz


◆ライオンズネタ FA流出最多人数が続く西武ライオンズ
1994年 工藤公康、石毛宏典(⇒福岡ダイエー)
1996年 清原和博(⇒巨人)
~
2003年 松井稼頭央(⇒メジャー)
2005年 豊田清(⇒巨人)
2007年 和田一浩(⇒中日)
~
2010年 細川亨(⇒福岡ソフトバンク)
2011年 帆足和幸(⇒福岡ソフトバンク)
    許銘傑(⇒オリックス)
2012年 中島裕之(⇒メジャー)
2013年 片岡治大(⇒巨人)
    涌井秀章(⇒千葉ロッテ)
2015年 脇谷亮太(⇒巨人)
(土肥義弘投手は円満メジャー移籍だったので、省略)

国内移籍組で大成功したのは、工藤氏、和田氏、涌井投手ぐらいか。
当時のチーム状況からして移籍成功だと言えるのは、豊田氏、細川選手。
いまいちパッとしない感じなんですよねぇ…

メジャー移籍組を除けば、それなりに移籍の背景はなくはないです。
若手の台頭が進み、やや成績を落としている中堅選手が移籍すること多々。
和田氏は栗山選手らの台頭、細川選手は炭谷選手の台頭、
帆足投手は菊池雄星投手の台頭、片岡選手は浅村選手の台頭が背景。
それだけ若手が育っている証拠でもあるのですが、
愛着ある選手が最後まで現役を全うできずに移籍してしまう辺りは、
ファンとしては寂しい気持ちになっちゃいます…
それでも、若手の台頭でなんとか凌げる範囲だったという意味で、
日ハムやソフトバンクとは違う形で新陳代謝を繰り返していたと言えます。

今年FA宣言した岸投手が移籍するのか残留するのか分かりませんが、
移籍となればバリバリの主力が抜けるという意味でメジャー移籍並の衝撃です。
穴埋めを期待するのは多和田投手と高橋光成投手の台頭、
結果的に2人が台頭してくれれば、これまでと同じ印象になりますが、どうなりますか。

仮に残留するにしても、岸投手は毎年のように離脱する時期があり、
年齢的にも長期離脱の恐れも残るだけに、
岸投手不在の想定は常にしておかなければなりません。
(ついでに言えば、エースの菊池雄星投手も毎年どっか離脱してるし)
いずれにせよ、若手の先発台頭は必要不可欠であり、
岸投手「不在」の準備はしておく必要があるでしょうね。