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2013年10月24日

プロ野球・新人選手選択会議

通称「ドラフト会議」が行われ、
桐光学園の奪三振男の松井裕樹投手は5球団競合の末に東北楽天に、
大学NO1投手の九州共立大・大瀬良投手は3球団競合の末に広島が引き当てました。
単独1位指名はオリックスが指名したJR東日本の吉田投手、
西武が指名した大阪桐蔭の森捕手で、全体的に投手補強重視のドラフトという印象です。

実際に蓋を開けて見ないと分からないだけに、
今からドラフトの成功を論じても意味はないわけですが、
端的に見ると、オリックス・広島・楽天が良いドラフトをした印象です。

オリックスは吉田・東明投手という2人の即戦力右腕を獲得し、
3~6位は将来性のある高校生を獲得するなど、偏りのない完璧なドラフトでした。
例年、極端な指名が多いんですけどね。即戦力のみとか、高校生ばかりとか。
広島は大瀬良・九里投手という大学トップクラスの投手を2人指名、
5人中4人投手で投手王国となるも、補強が必要な野手は??
楽天は松井投手を引き当て、2位で内田選手と将来性溢れる指名、
彼らが投打の軸に育てば、田中投手が抜けても黄金時代を作れる可能性も、
敵ながら手強いと思わせる指名ですね。

逆に迷走したのは3度もくじを外してしまった日ハム。
本来なら即戦力投手が必要だったのですが…2位で浦野投手を指名できたものの…
3位の明大・岡選手は二刀流とかやらんですよね? 野手専門ですよね?
6位の慶大・白村投手とか入団するのかな、慶応高校-慶大、自分なら社会人行く。
同じく花巻東・岸里選手や帝京・石川選手も名門高校なだけに、
大学・社会人行った方が優位に働きそうですが…
そういう昔ながらのプライドとか完全無視だよね、この球団。
最初はそこが新鮮に見えたけれど、今は完全に足を引っ張ってる感があります。


◆ライオンズのドラフト
1位指名は即戦力投手の指名が噂されてましたが、
今朝の日刊スポーツの記事を見て、森選手の指名で決まりだな、と思いました。
だって、炭谷選手を単独1位指名した時と状況がそっくりでしたからね。
多くの球団が即戦力投手に飛びつく中、唯一独自路線で捕手を指名、
今年もヤクルト・小川投手や楽天・則本投手という新人投手が大活躍したこともあり、
多くの球団が即戦力投手補強に走り、逆にライオンズは捕手を指名、同じ形でしたね。
2位以下も他球団に影響されない独自路線という形で、
不安もありますが、上手いことやったなという印象も受けます。

単独1位指名となった大阪桐蔭・森友哉捕手は高校生NO1捕手と打者、
阪神・藤浪投手の女房役として活躍し、170センチと小柄ながらも体幹がしっかりし、
左右に広角に飛ばすパワーは並外れたものがあります。
10年に1人、20年に1人という逸材と見ていただけに、1位指名は嬉しいです。
ライオンズには炭谷捕手というレギュラーがいますが、来年FA権を取得するなど、
もう若手と言っていられる立場ではなくなってきただけに、
ここに来て「打てる捕手」の入団は、炭谷選手に自覚を促せる意味も強く、
年齢は違えども、ライバルとして仲間として切磋琢磨してもらいたいですね。
足もありますから、捕手だけでなく、外野手の起用可能性も十分に考えられます。

2位指名の山川穂高内野手は大学生で唯一日本代表に選ばれたスラッガーのようで、
待望の右の大砲候補の入団となりました。
指名するとすれば、高校生かなと思っていましたが、評判良さそうなので楽しみです。

3位指名のTDK・豊田拓也投手は埼玉出身のようで相思相愛?だったようで。
おそらくリリーフでの起用になるかと思います。
大石・増田投手とともに抑えの座を争ってもらいたいですね。

4位指名の日大藤沢高・金子一輝内野手はよく知らず(^^;
ショートは浅村・金子・永江選手と多くのホープがいるはずなんですが…
まだ補強するのかというのが率直な気持ち。
ただ、身体能力が高そうなので、ショートに限らず色々と挑戦できそうです。

5位指名のトヨタ・山口嵩之投手と第一工大・福倉健太郎投手もよく分からず。
情報を見る限りでは、3位の豊田投手を含め、速球派右腕タイプのようで、
リリーフ起用が主体になってきそうです。
6位指名の大阪ガス・岡田雅利捕手は大阪桐蔭出身で中田選手と同期、
正直、森選手を指名した時点で捕手は十分だったと思うので、どうなのかなと。
思ったよりも指名人数が多かったですし、今年は捕手の解雇者が多そうですし、
場合によってはトレード要員として使われる可能性もありそうです。

ドラフトには戦力補強の意味合い以外にも、現有戦力への刺激という意味もあり、
西武黄金時代に伊東勤氏に対して、大久保氏や髙木大成氏を1位指名したことは、
有名なエピソードして残されています。
今のライオンズは若手中心で大きな補強ポイントがないのが現状で、
強いて挙げれば先発左腕が必要ですが、松井投手と田口投手以外は候補者が少なく、
来年は浦和学院・小島投手に注目しているでしょうから、次に回したのでしょう。
ですから、補強という意味合いよりは現有戦力への刺激の意味合いが強く、
炭谷捕手に森捕手と岡田捕手、大石・増田投手に豊田・山口・福倉投手、
金子侑・永江選手に金子一選手をぶつける形で、競わせる方針なのでしょう。
先に挙げたライオンズの選手は若手のホープですが、
彼らもその立場に安心していられる状況ではなく、
いち早くチーム内の立場を築きあげることが求められますね。


◆ライオンズネタ 伊原監督の就任とコーチ人事を発表
22日に伊原春樹氏の2度目となる監督就任が発表されました。
個人的にはもう1~2年後なら文句なしといったところですが、
世代交代が再び進む中で、厳しさを前面に出すのは正直どうかと…
浅村・秋山・金子・永江選手らがもう少し育ってからと思わなくもなし。
まぁ、決まってしまったことは仕方ないので、
厳しさと共に柔軟性を持って若手選手と接してもらいたいです。

驚いたのはヘッド兼バッテリーコーチに袴田コーチが就任したことですね。
マンガ『ドカベン』で里中・瓢箪のスカイフォークバッテリーの生みの親?ですが、
ロッテ一筋でキャッチャー・バッテリーコーチを歴任してきただけに、
まさか外様OBを持ってくるとは予想していませんでした。
チームとしては、炭谷捕手を名実ともに日本一の捕手に育てねばならず、
その意味でも数々の名投手の球を受け、また、多くの捕手を指導してきた
袴田コーチの入団はプラスに働くように思えます。

投手コーチもOB外から清川コーチというのは完全予想外でした。
ただ、こちらは正直不安の方が大きいです。
広島やオリックスでコーチ経験が長いものの、結果が出ないとすぐにサイドスローに…
ブルペン担当の石井丈裕コーチも前回は評判芳しくなかったですし、
こちらの方は大いに不安が残ります。
まだ杉本コーチが留任した方が良かったんじゃないかと…

他は次期・潮崎政権を見据えた若いコーチが多いので、
伊原氏に彼ら若いコーチを育ててもらう形になるような感じです。
将来的には高木浩之コーチがヘッドになるんですかね? そんな布陣のようにも思えます。

2013年10月21日

日本シリーズは、楽天vs巨人

プロ野球はクライマックスシリーズのファイナルステージが行われ、
セリーグでは優勝チームの巨人が3勝0敗で3位から勝ちあがった広島を下し、
パリーグでは優勝チームの楽天が3勝1敗で3位から勝ち上がったロッテを下し、
それぞれ日本シリーズへと駒を進めました。

パリーグの方はロッテが善戦はしたものの、結果から言えば、終始楽天ペース。
やはり、エース田中投手の存在感は非常に大きく、
今日の試合もリリーフ登板するのではないかという可能性だけでも、
相手のロッテにプレッシャーを与えていたことは間違いありません。
まぁ、それより何より、無事に試合が終わって本当に良かったですね。
台風の進度が遅くなったので、中止の可能性は低くなっていましたが、
万が一、試合がもつれ、悪天候中止も重なっていたら、
ダブルヘッターどころか、試合打ち切りなんてことにもなりかねず、
日程的に非常に危ない橋を渡るところでした。
無事に開催できてホッとしているのではないでしょうか。

まぁ、それにしても、クライマックスシリーズは何時まで続けるんでしょ?
いい加減、ファンも「出来レース」であることに気付き始めたし、
日本シリーズのオープン戦のようなものに熱くなるのも…
優勝チームへのアドバンテージ1勝という、
強いものへのハンディキャップマッチがゲーム性を破綻させています。
現状では優勝チームが圧倒的有利なのは間違いないので、
「あなたは本当に優勝チームですか?」という確認作業程度のものかと…
クライマックスシリーズの実施自体は賛成ですが、
アドバンテージはいい加減廃止した方がスッキリするかと思います。


◆ライオンズネタ 渡辺元監督のSD就任を発表、そして石井貴投手コーチが辞任
…なんかキナ臭くなってきた(苦笑)
今回のはさすがに邪推し過ぎかもしれませんが、一応触れておきます。

先日、今季限りで監督を辞任した渡辺久信氏がオーナーに挨拶しに行った後、
「シニアディレクター」への就任が発表されました。
SDというと、阪神タイガースで星野仙一氏が就いていた役職で、
よく分からない名誉職ですが、将来的にはGMも視野に入れているとのこと。
この報道にはさすがに驚かされましたね。
なぜなら、ライオンズでは事実上、球団本部長がGMの役割をしているからです。

ライオンズの球団本部長はスカウト編成部から上がることが多く、
主に球団OBが務めてきています。
もっとも、現在の鈴木葉留彦本部長は編成部にいた時期よりも、
現場にいた時期の方が長いので、その意味では流れが変わりつつあると言えますが、
実際にGMとして機能している球団本部長と、
GMを目指すSDという二極分立状態になる恐れがあります。

過去の経緯を見るに、渡辺久信氏とフロントはコーチ人事で何度か対立してます。
一番分かりやすいのが、デーブ大久保コーチの処遇で、
最終的に球団を去らざるを得なかった同コーチと、庇いきれなかった渡辺氏との関係、
また、近鉄OBの小野投手コーチが責任を取らされて2軍降格・フロント入りしたり、
逆に渡辺氏が粘る形で光山コーチの作戦コーチへの格上げに成功、
球団主導で招聘した黒江ヘッドや土井正博ヘッドが若い首脳陣に浮く形で退団したりと、
そんな形で、少なからずコーチ人事を巡る水面下の対立があったことは事実です。

渡辺久信氏からすれば、気心の知れた人物をコーチとして傍に置きたいと思いますし、
逆にフロントからすれば、異端のデーブ大久保氏や外様の小野・光山コーチの重用など、
西武OBに対するコーチ人事の配慮が十分にできないという思いがありそうです。
もっとも、これは両者が悪いのではなく、監督の世代交代が早過ぎたのが原因です。
伊東勤・渡辺久信氏と40代前半の監督が続いていしまったために、
西武ライオンズ黎明期から黄金時代初期の50代のOBが取り残されたのが原因です。
ですから、ここに来てコーチ人事に煩くない伊原氏が監督の名前に上がったり、
松沼博久氏の投手コーチ就任の話が出てくるのは、フロント主導の人事の証しでしょう。

そんな形で世代交代の揺り戻しがある一方で、
次期監督として潮崎哲也氏を用意していることも間違いなく、
NTT西日本で監督経験のある佐々木誠氏のヘッド起用案や、
田辺打撃コーチ、石井貴投手コーチといった球団が育ててきたコーチを残留させ、
2~3年後の始動に向けて準備万端で整え始めているのも間違いありません。

しかし、ここに来て急転直下、石井貴コーチが辞任を申し出たそうです。
しかも、渡辺久信氏のSD就任発表直後、タイミングがあまりに良すぎる気もします。
石井貴氏と言えば、渡辺久信・清原和博氏らの先輩グループと仲が良かったことは有名で、
誤解を生みかねない表現ですが、そういう意味では「渡辺久信派」です。
無論、監督が責任を取るのだから、原因の一端を作った自分もという気持ちはあるでしょうが、
それも見方によれば球団本部長とSDの派閥争いにも見えなくはありません。

ファンとしては、あまりフロントをゴタゴタさせることはして欲しくないのですが…
ここははっきりと球団本部長の下にSDを置き、
SDとして渡辺久信氏がフロント業務を学び、
鈴木本部長の後任として、渡辺久信GM+潮崎哲也監督体制とはっきりさせるべきです。
オーナーとしては、ヤクルトの監督候補や楽天・大久保監督就任の事態に備えて、
球団に囲い込んでおく狙いがあるのでしょうが… 余計な火種にならないことを祈りたいです。


◆ライオンズネタ 伊原新監督? 新首脳陣は依然不透明なまま
クライマックスシリーズが終了したので、近日中に発表されるとは思いますが…
新監督が未だ正式発表されないままです。
コーチ陣も当初は松沼博久氏ら経験のあるコーチの名前が挙がっていたものの、
石井丈裕氏や鈴木健氏の名前が挙がってきたりと、若返りがさらに進む印象も。
こればっかりは蓋を開けてみないと分からないという感じですねぇ…

個人的にネックになっていると感じるのは、巨人との関係ですね。
巨人の首脳陣を見ると、西武に在籍した選手も結構いまして…
清水コーチは巨人時代の方が長いので別としても、
豊田コーチや小関コーチ、江藤コーチらは西武でも活躍した選手です。
特に前伊原政権時代の中核だった豊田コーチや小関コーチは、
本来なら連れてきたいのでしょうが…
中日の落合GM誕生で森ヘッドを取られた影響よりも、
こちらの方がネックになっているような印象は受けます。

個人的には投手コーチに松沼博久氏と豊田清氏、
打撃コーチは田辺コーチと宮地コーチ、となって欲しいのですが…
守備走塁コーチはどうなるんでしょうかね?
奈良原コーチは侍JAPANのヘッドになってますが、退団となるのでしょうか?
そこら辺もまだよく分かりませんねぇ…

2013年10月15日

西武・CS敗退、そして渡辺監督辞任

パリーグのクライマックスシリーズは、ライオンズがロッテに1勝2敗で破れ、
逆転2位の勢いを繋げずに、早々と敗退が決定してしまいました。

敗因は難しいですが、第一にキャッチャーの差、
第二に2戦目に岡本洋介投手を完封させた渡辺監督の親心でしょうか。
今や炭谷選手は不動の正捕手に育ったものの、
まだ中日・谷繁選手や巨人・阿部選手のように存在感を示すまでには至らず、
チームの中心は片岡・栗山・中村選手らで、まだその影響力は大きくありません。
今年は送球難が影響して盗塁阻止率が低かったですし、
守備でもっと炭谷選手が存在感を示さないと、短期決戦では勝てないように思えます。

あとは2戦目にリリーフの調整の機会を逸したことでしょう。
ウィリアムス投手は故障明けでどれだけ投げられるか未知数だったことが、
3戦目に投入のタイミングが遅れた最大の理由でしょうし、
涌井投手の登板感覚も空いていたこともあり、調整のタイミングを作れませんでした。
勝負に徹するのなら、2戦目はウィリアムス-涌井投手と繋ぐべきだったのですが、
そこは渡辺監督が先発投手に優しい故に、完投・完封を優先したのでしょう。
考えてみますと、その甘さ・優しさが渡辺監督の長所でもあって、
逆に勝負所で勝ちを逃して、目前で優勝を逃した甘さだったのかもしれません。


そんなCS敗退でシーズンを終えた翌日の今日、渡辺監督の辞任が決まりました。
本人も語ったように、5年連続V逸とあっては責任を取らざるを得ないわけですが、
今年に関して言えば、戦力補強を失敗した影響が非常に大きく、
中村選手の長期離脱と中島選手のメジャー移籍が分かっていたにも関わらず、
連れてきた外国人選手はスピリー選手、途中入団のカーター選手で、
オーティズ選手を含めて戦力にならず、3人とも解雇では勝てるわけないです。
そんなわけで、フロントのバックアップが不十分だったこともあるものの、、
長期政権になっていたこともあって、ここらが潮時と判断したのかもしれません。

渡辺監督の評価ですが、ライオンズを立て直した名監督と言っていいと思います。
黄金時代の終焉以降、最初に東尾監督が就任して積極的に若返りを進め、
選手の高齢化とFAによる選手流出に悩んでいたパリーグの中で、
若手を試合で使いながら育てる新しいモデルを構築して連覇を果たしたものの、
慢性的な得点力不足に悩まされ、徐々に大砲志向が露骨になってしまい、
鈴木健・高木大成といった中距離打者を生かせなくなり、
松坂投手というスターが入団したことで、個人志向が強くなっていきました。
次いで就任した伊原監督は、松井稼頭央選手らが円熟期を迎えつつある時期で、
3番に犬伏・宮路選手という苦労人を置くことで、緩んだチームを引き締め直し、
勝てるチームで勝てる野球をして優勝したものの、伊東監督が既定路線で勇退。
伊東監督は松坂投手が円熟期を迎え、中島選手という新たなスターも生まれたことで、
シーズン2位から日本一となったものの、親会社の経営問題によって緊縮路線となり、
満足な補強がない中では思うような成績を残せず、
それを選手の責任に転化してしまったことで、若い選手の心が離れて内部崩壊。
そんな中で渡辺監督は就任したわけで、親会社の経営再建と共に、
「埼玉」西武ライオンズとして新たな球団再建を託された監督でした。

結果としては優勝は初年度の1回のみで、5年連続V逸に終わってしまったものの、
この間に、豊田投手と和田選手、細川選手に帆足投手、中島選手と、
毎年のようにFAで主力選手が流出しながらも、若手を試合の中で育て上げ、
かつ、混戦パリーグの中で優勝争いを繰り広げるなど、
育成と勝利の両立を図ることができた名監督でした。
また、発信力にも優れ、マスコミへのリップサービスは勿論、
常にファンを大事にする姿勢を貫いたことで、観客動員数も飛躍的に回復、
球団再建に大きな尽力を果たしてくれました。
黄金時代以降のライオンズの中では、球団を再建した大恩人と言えましょう。

そんな名監督に相応しい渡辺監督でしたが、唯一課題だったのが継投でしょうね。
先発完投投手を理想とする余りに、
継投のタイミングや1年を通した投手のやり繰りに不得手な面がありました。
同じ投手出身の監督でも、そこは東尾監督とは大きく異なり、
指揮官として少し優しすぎた印象もあります。
当初は「寛容力」でチームをまとめたものの、成熟するに連れて厳しさも必要で、
それを発揮してくれるヘッド格がいなかったことが、V逸の原因でしょう。

いずれにせよ、ライオンズを再建してくれた恩人であることは間違いなく、
今はゆっくりと静養し、いずれ監督としての再登板を果たしてもらいたいです。


後任監督に関しては、基本的に渡辺監督の路線を継承してくれる人物、
時期尚早の感はあるものの、潮崎2軍監督の昇格を推します。
片岡・栗山・中村選手が円熟期に入り、浅村・秋山選手ら若手が花咲く中では、
改革・刷新よりは継承・発展をすべき、と私は考えます。

2013年10月04日

消費税増税を考える

10月1日に安倍政権が来年春から消費税を8%に上げることを正式発表しました。
世間的には「仕方ないな」と済まされがちですが、本当にそうでしょうか?
今回はあからさま過ぎたので、「大企業優遇では?」とマスコミも気付きましたが、
根本的に民主党・野田政権と自民党・安倍政権では増税に関する考え方が真逆です。
野田政権で決まったから、今回も「仕方ない」では済まされない問題があります。

まず、最初に民主党の野田政権の消費税増税の論理を一言で現せば、
「景気回復のために消費税を増税する」という考え方です。
一見すると、矛盾しているように思えますが、
民主党の基本的なスタンスとして、社会に問題があると考えますので、
長引くデフレの原因は「年金・医療・福祉・労働環境といった社会不安」と考えました。
国民が漠然とした将来不安を抱えているから、安心してお金を使うことができない、
自己防衛のための消費者選択の末がデフレだったと考えたわけです。
そこで深刻化していた日本の財政問題にメスを入れる必要があり、
日本は将来的にも大丈夫と示すことが増税による財政健全化策なのです。
つまり、日本社会に潜む病巣そのものを取り除くための「増税」でした。

一方、自民党・安倍政権の消費税増税の論理を一言で現せば、
「お金を使うために消費税を増税する」という考え方です。
先日は東京電力の柏崎原発再稼動申請を「自転車操業」と称しましたが、
一番「自転車操業」が得意なのは自民党であることは間違いなく、
過去にも60年償還ルールによる建設国債の乱発、
公共事業中心の一時的な経済活性化策による財政悪化など、全て「自転車操業」です。
今回の消費税増税もそれと同じで、景気回復のための財源が欲しい、
それが消費税増税に繋がっていることは否定できない面があります。
そもそも、自民党がデフレの原因が何にあると考えているのか判然とせず、
おそらく「国民の気のせいである=デフレマインド」と考えている節があります。
ですから、国民一人一人の地道な節約とたまにのプチ贅沢の努力を完全無視し、
数字上で景気が回復しているから、増税できるね、と簡単に判断しちゃうわけです。
ある種の軽さ、病気の原因分からないけど、
とりあえず手術してお金集めよう的な嫌らしさを禁じ得ません。

報道では過去に橋本政権の5%増税が再度の不景気を招いたと紹介されがちですが、
逆の見方をすれば、橋本政権の5%増税による財政健全化策を、
その後の小渕政権と森政権が国債大量発行の公共事業投資で無駄遣いし、
財政健全化の道筋ができるどころか、財政破綻の懸念が出るまで追い込んだとも言えます。
また、消費税が導入された3%の時も、相次ぐ反対に遭ったために、
大幅な減税措置とセットにされたため、この時も財政健全化には繋がりませんでした。
今回もまた同じ過ちを繰り返すのは間違いなく、トウキョウ五輪でそれに拍車をかけ、
日本の財政が本格的に破綻するのも時間の問題になったと言えると思います。
貧富の格差も拡大し、トルコやブラジルでの暴動が日本で起きるようになっても、
何ら不思議なことではありません。

増税に伴う減税措置も国民には納得のいかないものばかりでしょう。
復興法人税の前倒しの廃止は意味が分かりません。
政治家や霞ヶ関の官僚以外は、余っているなら復興をスピーディにやれよ、と思っています。
10年の間にどれだけの人間が故郷の復興を見ずに亡くなっていくのか。
それを考えずにして、余りそうだから戻すね、では困るわけです。
何のために復興増税したのか、自民党政権は勘違いしていると言わざるを得ません。
賃金アップの企業に支援金という制度にしても、
健常者に歩いたらお金をくれると言っているようなものです。
企業が儲かっているなら、社会に還元するのは当たり前で、
身内の社員の生活を支えずして何のための企業活動なのか、当たり前のことに金出すって?
それよりは労働環境を改善すべく、労働基準監督官の増員や監視強化に割くべきで、
自由の名の元に好き放題やらせていて良い話ではありません。
前にも書きましたが、自民党が見ているのは「人間」ではありません。一人の人間なんて見ない。
自民党が見ているのは「物を言う集団」です。経済で言えば経団連しか見てません。


では、消費税増税問題をどうすればいいのか、根本的な制度改革が必要です。
結局、自民党や公明党が考えている「逆進性」対策は単なる「バラマキ」で、
消費税の負担が大きくなる家計を本当の意味で支えられるかは疑問です。
制度的にも最終消費する人間が損をする制度なので、
生産性のない子どもや年金生活者の負担が最も大きくなり、
労働者でも中小企業のサラリーマンは負担が大きく、個人事業主や農家、大企業という順に。
そもそも、消費税で問題なのは、負担しているのは消費者なのに、
支払っているのは事業者であることに問題があるわけで、
そこが「軽減税率」が導入できなかったり、
小規模小売店では消費税を免れる「益税問題」に繋がってくるんですよ。
上げる・上げないの議論ばかりで、中身の改善に全く触れようとしない、
これでは効率の悪い消費税が導入され、税率が上がっていくばかりで、
その隙間で得をする人間がいて、国は上げた分を簡単に使ってしまう、
消費税1000%になっても財政は健全化しないんじゃないかな(苦笑)