2005年プロ野球前半戦の結果報告


交流戦終了後〜7月までの戦力補強です。駆け込み外国人補強がちらほら。
(巨人)
ミアディッチ 投手 新外国人選手(6月下旬)
姜建銘 投手 新外国人選手(6月下旬)
(広島)
レインボーン 投手 新外国人選手(6月下旬)
(日ハム)
リー 投手 新外国人投手(6月下旬)
(オリックス)
スチュワート 投手 新外国人選手(6月下旬)
サイモン 内野手 新外国人選手(6月下旬)


それでは7月20日現在のチーム順位を見てみましょう。

〔セリーグ〕
順位 先月 チーム 勝率 先月 打率 先月 防御率 先月
阪神 53 34 .609 .571 .272 .273 3.14 3.40
中日 48 39 .552 .538 .269 .265 4.18 4.37
横浜 41 40 .506 .508 .263 .267 3.80 4.00
ヤクルト 40 44 .476 .516 .271 .268 4.03 3.91
巨人 39 46 .459 .459 .262 .259 4.73 4.61
広島 33 52 .388 .393 .273 .273 4.72 4.59

セリーグは交流戦後、全く見ていないので分からなかったり(^^;
パリーグがデーゲームの時は多少なりとも見れるんですが。
夏休みも近いということでナイターも多く、あまりチェックできませんでした。

そんな自分でもはっきり分かるのは上位3チーム、阪神・中日・横浜の躍進の理由でしょう。
交流戦は投手戦が多く、全般的に防御率が低めだったにも関わらず、
この上位3チームは交流戦後の方が防御率が良くなっています。
一番大きいのは日程が空いたことでしょう。
これによってリリーフ投手陣が使いやすくなり、思い切った継投ができたはずです。
よってウィリアムス・藤川・久保田投手という必勝リレーが確立した阪神が大きく勝ちを伸ばし、
投手力に定評のある中日が後に続き、
クルーン投手を始めとして投手陣が整備された牛島ベイスターズが上位に来たのでしょう。
投手陣、とりわけリリーフ投手の良さがここに来て大きく影響しています。

阪神はウィリアムス−藤川−久保田投手の必勝リレーを中心とした協力投手陣で、
大きく白星を積み重ねることに成功しました。
開幕時から考えると、このリリーフ投手陣の再整備、
鳥谷選手をショートに据えて藤本選手をセカンド、今岡選手をサードにしたコンバートといった
岡田監督の決断が生きましたね。
現在、セリーグを走っている阪神ですが、不安要素がなくはありません。
ここまでフル回転してきた投手陣に疲れが見えた時に打線が援護できるかどうか。
今の阪神は若い投手が多く、本当の意味で1シーズンを戦い抜いたことのある投手は少ないです。
これまで頑張ってきた若手投手陣に疲れが見えた時に凌げるかどうか、そこがポイントでしょう。
まだ打線は本当の意味で爆発していませんから、優勝のポイントはそこだと思います。

中日は同一リーグの対戦となって、少しずつリズムが戻ってきたようですね。
打線の状態も少し上がってきたようですし、交流戦突入前のような強さを発揮できるかもしれません。
一時、広がりかけた阪神との差も縮まってきていますし、
後半戦の中日の戦い方に注目が集まりそうです。

横浜は昨年までのことを考えると、投手陣の出来が雲泥の差ですよね。
まさかここまで良くなろうとは。
クルーン投手以外にはこれといった新戦力もないのですが、
既存投手陣を上手く再生させて強力な投手陣を作り上げてきました。
阪神に比べると消化試合数が少なく、上り調子で来ているだけに、
横浜までは優勝圏内にいると言っていいと思います。
後半戦の台風の目、横浜の追い上げに注目です。

ヤクルトはやや失速しているようですね。
チームの要である古田選手が怪我がちで出たり出なかったりというのが苦しんでいる理由でしょうか。
やや決め手に欠けているだけに、優勝争いに加わるのは難しそうですが、
若い現在首位打者の青木選手やフレッシュオールスターで優秀賞に輝いた梶本選手など、
楽しみな若手も出てきていますから、新しいチームになっていくことを期待したいです。

巨人は低迷した時の恒例行事が既に…
次期監督問題やらオフの選手補強の話が前半戦前に出てしまいました。
もう完全にダメでしょうね。これでは野球に集中できません。環境悪すぎ。
矢野選手や亀井選手、内海投手や野間口投手といった若手をどれだけ育てられるかが課題でしょう。
優勝争いから完全に転落しており、緊張感に欠けてしまうでしょうから、
少し成績を残したからといってそれが成長に繋がるとは限りません。
上手く選手を使い分けながら、選手の成長を促していって欲しいです。

広島は新井選手がホームランを量産し、4番に据わるなど軸ができてきましたが、
チームの成績は残念ながら伴っていないようです。
昨年と比べても思うようにか戦力の上積みができていないのが辛いですね。
交流戦開始直後の尾形選手の怪我、ラロッカ・緒方選手の欠場が響いていますね。
ここからの追い上げは少々厳しいので、巨人同様に若い選手を育てていって欲しいです。


後半戦のセリーグは上位3チームの優勝争いに注目が集まりそうです。
阪神がこのまま逃げ切って優勝を飾るのか、
中日が前半戦の勢いを取り戻して2年連続の優勝を成し遂げるのか、
それとも上り調子の横浜が逆転優勝をするのか、
まだ優勝は分かりませんから、この3チームの戦い方に注目しましょう。





〔パリーグ〕
順位 先月 チーム 勝率 先月 打率 先月 防御率 先月
ソフトバンク 62 29 .681 .657 .287 .280 3.24 3.13
ロッテ 56 32 .636 .716 .284 .293 3.01 2.65
オリックス 42 45 .483 .462 .264 .258 3.85 3.92
西武 44 50 .468 .471 .269 .266 4.65 4.51
日ハム 37 51 .420 .439 .251 .250 4.54 4.51
東北楽天 28 61 .315 .261 .248 .235 5.52 5.63

パリーグは交流戦で優勝を決めるなど、圧倒的な強さを見せてきた千葉ロッテが失速し、
それに代わってソフトバンクが自力を発揮して一気に飛び出してきました。
また戦力不足で勝率2割台と低迷していた新球団・東北楽天がここに来て力を発揮し出し、
交流戦後のパリーグの台風の目となってきています。
それもそのはず、これまで楽天は西武以外のパリーグ4球団からは大幅に負け越し、
1〜2勝ぐらいしか勝てていませんでしたから、
その楽天が調子を上げてくるとなるとパリーグの勢力図は大きく変わってきます。

既に90試合以上消化しており、2/3の日程を消化しているパリーグではありますが、
後半戦はソフトバンク・ロッテの1位争い、オリックス・西武・日ハムの3位争い、
台風の目になるであろう東北楽天の勢いと見所の多い戦いが続きそうです。

ソフトバンクはそれまで苦手としていたロッテに2連勝して首位を奪うと、
その勢いのままに白星を積み重ねて、15連勝を飾るなど独走態勢に入りました。
ソフトバンクの強さはやはりそのバランスの良さでしょう。
打線は1・2番の大村・川崎選手が俊足巧打で出塁し、
3番バティスタ・4番松中・5番城島・6番ズレータ選手の長打力ある中軸とバランスが取れています。
投手陣もエースの斉藤和巳投手を始め、杉内・和田・新垣・星野・田之上投手と豊富。
リリーフも新守護神の馬原投手と戦力的に穴がありません。
これだけ白星を積み重ねられるのも当然の結果と言えましょう。
ただソフトバンクの悩みは対西武戦の弱さ。
15連勝後に西武に2連敗、その後の3連戦も負け越すなど、相性の悪さから抜け出せていません。
また交流戦後のロッテに連勝したとはいっても、まだ負け越している状態。
打線も少し投手陣がいいと全く打てなくなるなど、例年以上の脆さもあります。
短期決戦のプレーオフを考えると、不安要素は数多くあります。
抑えの馬原投手に疲れが見えてきましたし、戦力の再整備が必要かと。
城島選手が怪我でマスクを被れない試合もありますし、数字ほど順調ではない印象です。
今後のソフトバンクの課題としては貯金を生かして無理をせず、
どれだけプレーオフを考えた戦い方ができるかでしょう。

千葉ロッテは前半戦の勢いが感じられなくなってしまいました。
交流戦直後に打線が淡白になってしまい、
そのうちに主軸のベニー選手を怪我で欠いてしまうなど得点力が大きく落ちました。
自慢の投手陣にもやや疲れが見えており、
好調だった渡辺俊介・小林宏之・セラフィニ・久保投手といった先発投手の失点が増えてきました。
交流戦前に見られた積極的な攻撃、
盗塁やエンドランといったイケイケムードが失われているのが一番気がかりです。
このオールスターブレイクでもう一度気持ちを入れ替えることができるかどうか、そこがポイントでしょうね。
ロッテの場合は戦力面よりも気持ちが成績に大きく左右すると思うので、
前半戦のようなポジティブな気持ちで戦っていけば、1位通過・優勝も狙えると思います。

オリックスはセリーグの阪神同様、リリーフ投手陣が整備されてきました。
タフなサウスポー・菊地原投手から始まり、
150キロを超える剛速球を投げる加藤大輔投手に繋ぎ、
防護率0.36と安定感抜群のストッパー・大久保投手と必勝リレーが確立しています。
後ろが固定されたことによって、エースのパウエル投手にも安定感が戻り、
投手陣がこれまでと比べ物にならないほど良くなりました。
合併したとはいえ、昨年のオリックスも近鉄も投手力は弱かったんですが…
仰木監督の選手起用が光っていますよね。
ただ先発投手は若干不安。
ルーキー光原投手は怪我、ケビン投手は勝てず、川越投手も不安定。やや駒不足です。
ただそこは遣り繰り上手の仰木監督ですから、なんとかしてくることでしょう。
問題は打線、中軸の谷選手は最悪な時期を脱しましたが、例年にない低打率に苦しんでいます。
新外国人のガルシア選手の調子は上がってきたものの、ブランボー・サイモン選手はやや期待外れ。
打線がどれだけ得点力を増せるか、そこがポイントでしょう。

西武は相変わらず。強いのか弱いのか分からない状態が続いています。
先発3本柱の松坂・西口・帆足投手では勝ちを収められるんですが、
それ以外の投手では投打の噛み合いの悪さもあって、なかなか白星を掴めません。
調子に乗れそうで乗れないのが今年のライオンズの辛い所でしょう。
チームの状態自体は交流戦後から上がってきています。
打線はカブレラ選手が絶好調、和田・フェルナンデス選手も状態を上げてくるなど調子が上がっています。
中軸以外にも2番赤田選手、中島選手も調子を上げており、打線自体は良くなっています。
課題だった守備もセカンドに高木浩之選手が入ることで安定感が出てきています。
あとは併殺。守備では併殺が取れず、打線は内野ゴロ併殺の山(^^;
この試合運びのリズムの悪さが今の成績になっています。
8月になれば抑えの豊田投手や昨年1番でプレーオフ・シリーズで活躍した佐藤友亮選手が帰ってきますし、
なんとか5割に復帰してプレーオフ出場を決めてもらいたいです。
首位のソフトバンクに対して勝ち越していますし、集中力の高まる試合では強さを発揮します。
上位チームを苛めるのはやはり西武しかいないでしょう。
後半戦・プレーオフのポイントは西武が3位以内に入るかどうか、そこになってくると思います。

日本ハムはダルビッシュ投手がしっかりと試合を作り、
未だに負け星がないなど勢いが出てきてもおかしくないんですが…
新庄選手が怪我がちで出たり出なかったりと、なかなかチームが盛り上がってきません。
このオールスター休み前にはヒルマン監督の母君がお亡くなりになり、
監督不在の期間が続いてしまうなど不運な面もあります。
まだヒルマン監督が不在など、苦しいチーム状態ですが、
ダルビッシュ投手を始め、鎌倉投手や森本選手、小谷野選手など、
若い力の台頭で元気を取り戻してもらいたいです。
小笠原・新庄選手に頼らない新たなチームが作れるかどうか、
日ハムはちょうど生まれ変わりの時期に来ていると思います。

東北楽天は山崎選手らセリーグ出身の選手が交流戦でリズムを取り戻し、
交流戦後は吉岡選手ら元近鉄の選手が調子を上げてくるなど、
チームがようやく一つになってきたかなという気がします。
セリーグの緻密な野球に近鉄のいてまえ野球、その2つが上手く融和しているのが今の楽天でしょう。
投手陣では吉田豊彦−福盛投手といった勝ちパターン継投も完成し、
エースの岩隈投手が再び勝ち出すなどリズムが良くなってきています。
もう東北楽天は戦力不足の弱小球団ではありません。
パリーグ後半戦の台風の目になることでしょう。


今後のパリーグは前述の通り、プレーオフを巡る1・2位争い、3位争いに焦点が集まると思います。
とりわけプレーオフを考えると大きいのは、西武が3位以内に入るかどうか。
西武が3位以内に入るとソフトバンク・ロッテは戦いにくくなりますが、
逆に西武以外の球団が入ってくれば、ソフトバンク・ロッテはかなり有利に戦えることでしょう。
3位を巡る攻防と思惑がパリーグ後半戦のポイントだと考えます。





≪前半戦のMy最優秀選手≫

MY最優秀投手 MY最優秀野手
セリーグ 藤川球児
(阪神タイガース)
鳥谷敬
(阪神タイガース)
パリーグ 渡辺俊介
(千葉ロッテマリーンズ)
西岡剛
(千葉ロッテマリーンズ)



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