2004年プロ野球シーズン終了結果報告

これが私の今シーズンの予想でした(^^;


セリーグ パリーグ
優勝予想 ジャイアンツ ダイエー
2位予想 中日 西武
3位予想 阪神 近鉄
4位予想 ヤクルト 日ハム
5位予想 横浜 ロッテ
6位予想 広島 オリックス

そして結果です。
〔セリーグ〕
順位 チーム 勝率 打率 防御率
中日 79 56 .585 .274 3.86
ヤクルト 72 64 .529 .275 4.70
巨人 71 64 .518 .275 4.50
阪神 66 70 .485 .273 4.08
広島 60 77 .438 .276 4.75
横浜 59 76 .437 .279 4.46

〔パリーグ〕
順位 チーム 勝率 打率 防御率
ダイエー 77 52 .597 .292 4.57
西武 74 58 .561 .276 4.28
日ハム 66 65 .504 .281 4.72
ロッテ 65 65 .500 .264 4.39
近鉄 61 70 .466 .269 4.46
オリックス 49 82 .374 .283 5.65

当たったような、当たってないような微妙な状況です(^^;
セリーグは巷の中日評価が低かったので、それに反してやるとは思ってましたが…まさかここまでとは。
五輪期間の影響が大きいと見込んで2位予想だったんですが、
結局上位チームで一番の貯金を稼いで首位独走しましたからね、中日が予想以上に強かったです。
セリーグでは五輪期間の阪神の大失速が計算外、ヤクルトの善戦も外しましたね。他はぼちぼち。

パリーグは近鉄があそこまで崩れるとは思っていませんでした。
シーズン中盤には合併問題が生まれ、野球どころではなくなっていましたしねぇ…
ここが予想失敗に繋がった感じ。あとは大体当たったかと。
ただ順位予想自体はほぼ当たりましたが、その内容は完全な予想外でした。
パリーグ消滅の危機が訪れ、近鉄が消え… 一方でプレーオフがあそこまで盛り上がるとは。
今年はパリーグにとって激動の年となりましたね。

〔セリーグ編解説〕
セリーグは中日が安定した力を見せて、ペナントレースを制しました。
4・5月はやや出遅れたものの、6月に首位に立ってからは一度もその座を明け渡さず。
巨人や阪神といったチームに付け入る隙を与えることなく、優勝を飾りました。
昨年優勝の阪神、優勝候補筆頭だった巨人は新監督がチームを操りきれなかった印象が強いです。
最後までまとまりができなかったために、一番盛り返せるはずだった五輪期間に総崩れ。
中日の終盤のもたつきに全く付けこむことができず、3・4位という結果に終わりました。
セリーグは新監督の手腕がペナントレースの勝敗を決めた年となりましたね。

優勝した中日は戦力補強ほとんどなし(ドミンゴ投手のみ)、現有戦力の底上げで優勝を飾りました。
落合監督を始め、首脳陣が選手の能力を見極めて、適材適所で使った結果でしょうね。
春季キャンプの猛特訓がどういう形で出るのか注目していましたが、
6〜8月にかけてそれが出ていたと思います。
猛特訓で自信をつけた若手選手が一気に出てきましたもんね。
主力はマイペース調整させて開幕に備えさせる、若手は中盤から夏場以降にと、
見事キャンプの成果が出たと思います。
試合の方も守備・走塁など総合力で勝つ野球を目指し、
近年のパワー野球(マシンガン打線等も含む)に対して、堅実に1点を奪っていく野球が徹底されてました。
西武黄金時代のような卒のない野球を見せてくれました。
野球はパワーや単純なバッティングだけではない、色々な攻め方があるのだ、それを証明してくれたと思います。
投手にもそれが現れていて、打者を攻めることで1点を守る、そんな野球をしていたと思います。
日本一こそ逃しましたが、なかなかに完成度の高い良い野球をやっていました。
福留選手がいれば日本一まで手が届いていたはず。来季、頑張って欲しいですね。

2位のヤクルトは怪我人が多く、苦しいシーズンとなってしまいましたが、
後半戦は石井・五十嵐投手の二枚看板が揃ってチームを立て直し、2位にこぎつけました。
選手会の会長としてストライキを戦った古田選手を中心に、ベテラン選手がよく頑張ったと思います。
若手では岩村選手がホームラン王争いをするなど、豪快な打撃を見せてくれましたしね。
出だしが悪かったわりには、まずまずのシーズンになったのではないでしょうか。
ただまだ高齢化に悩んでいる印象。ルーキーの川島投手や野口・志田選手らが出てきましたが…まだまだ。
投手・野手ともに怪我人が多いチームなだけに、早く若い選手に出てきてもらいたいところ。
世代交代が急務だと思います。

3位の巨人はシーズン最多本塁打記録を更新しましたが… ねぇ?
今年の巨人戦の視聴率低下の一因なんでしょうが、試合内容が極端過ぎるんですよね。
勝つ時は序盤から点数を奪いまくって大勝。もしくは大量リードでリリーフ打たれてヒヤヒヤ。
負ける時は先発が早い回に崩れて打線もサッパリ。そんな両極端の繰り返し。
試合内容の波が激しすぎます。こんなことでは視聴者が見ないのは当たり前ですよ。
巨人戦は巨人ファンだけが見ているわけではありません。一般視聴者や野球ファンも見ているはず。
それがTV放送10分以内に結果が分かってしまう試合やってたらどうします? 見ませんよ、こんなもん。
大勝の試合を巨人ファンが見て喜ぶだけ。それ以外は一切見ず、そんな状況です。
巨人はもっと良い意味での「接戦」をやらなければダメだと思います。中日のような野球を目指すべきでしょう。
守備はザル、点数はホームランのみ、リリーフは打たれまくりじゃねぇ… 面白みがありません。
ただひたすらホームランが出ていれば客が喜ぶ時代はもう終わったんです。
巨人はもっと守備・走塁を見直し、バランスの取れた野球をしていく必要があると思います。

4位の阪神は… 正直よく分からず(爆)
昨年のことを考えると、後半低迷でBクラスに終わったのが疑問なぐらいです。
伊良部投手らベテランの不振、岡田監督の若手偏重の選手起用が祟ったんですかね。
若手切り替えとはいえベテランを大事にしなければチームが壊れるということでしょうか。
チーム内の悪循環を呼んでしまったように思います。
それでも世代交代は進み、杉山・三東・江草・桟原投手らが成長し、打者では関本選手らが伸びています。
今年の反省を踏まえ、若手・ベテランが上手く融合して行けば優勝争いに絡めるかもしれません。

5位の広島は嶋選手の活躍で4・5月と良かったんですが、それ以降は下位低迷。
最下位を免れるのがやっとという成績に終わってしまいました。
打線は嶋選手の急成長・ラロッカ選手の加入・栗原選手ら若手の成長で厚みが増したんですが、
投手力が最後まで落ちつかず。
エースの黒田投手は7勝止まり、左腕エースの高橋建投手は僅か3勝、
昨年活躍したブロック・デイビー投手は怪我でほとんど登板できず、右の速球派・長谷川投手も怪我…
新外国陣のベイル投手が11勝、若手の河内投手が8勝を上げ、
大竹投手が抑え等で防御率3.18の好成績を収めたのが救い、それ以外はうまく行きませんでした。
広島が上位を狙うためには投手陣の整備が最優先。
抑えの永川投手の再生など、いかに投手力を立て直すかが来シーズンの鍵ですね。

6位の横浜は後半戦頑張ったものの、終わってみれば最下位… 上手くいきません。
佐々木投手が復帰するなど投手陣には明るい材料が多かったんですが、
ギャラード投手が5月に帰国、佐々木投手も9月は怪我で登板できず。
シーズン途中に入団したセドリック投手、西武からトレードで獲得した土肥投手が頑張りましたが、
上位進出とまでは行かなかったようです。
打線は多村・内川選手の成長、石井選手の復活など明るい材料が多かったものの、
怪我で選手が揃わないなどベストな打順を組み通すことができませんでした。
打線の形がなかなか固まらなかったことが苦戦の要因の一つだと思います。
来季は牛島監督が指揮を取るようですから、
投手・野手ともに1年間固定したメンバーで戦えるよう頑張って欲しいです。
セリーグでは若手選手の大宝庫。あとは試合でどれだけ力を引き出すか、首脳陣の手腕が期待されます。


今年のセリーグは中日が素晴らしい野球を見せてくれましたが、
巨人を始めとする人気チームは試合内容が大雑把でパリーグに押され気味の地味なペナントとなってしまいました。
来季は他球団が中日が見せた野球をどれだけ吸収できるか、そこに注目したいですね。
ベテラン選手が多く、凝り固まっている印象が強いセリーグ、
来年はなんとか突破口を開いてもらいたいものです。


〔パリーグ編解説〕
近鉄とオリックスの合併問題に始まり、1リーグ制によるパリーグ消滅、
そして選手会のストライキ、合併承認・新規球団参入の2リーグ制維持と、
場外では騒動続きだったパリーグですが、ペナントレースの方はプレーオフ効果もあって盛り上がりました。
なんといってもその主役は北海道日本ハムファイターズ、SHINJO(新庄)選手です。
メジャー帰りの新庄選手が選んだのは北海道移転元年の日本ハム、
その入団会見で「これからはメジャーでもない、セリーグでもない、パリーグです」、まだ記憶に新しいです。
日本ハムを変えるため、パリーグを変えるために現れたスーパースター、それが新庄選手でした。
新庄選手の功績はあらゆるものを「乗せた」ことです。
まずチームメイトを乗せて北海道民・ファンに向き合わせ、北海道のファンを乗せて球場に足を運ばせ、
オールスターでMVPを獲得して入団会見での言葉を復唱して全国のプロ野球ファンを乗せて、
シーズン終盤の盛り上げに貢献して熱いペナントレースにするなど野球の神様さえも乗せました。
新庄選手自身が輝いているのは確かなんですが、その周囲をも輝かせて行った、そんな1年でした。
騒動続きだったパリーグですが、その新庄選手の輝きによって素晴らしいシーズンとなった気がします。

そんなわけでコメントはパリーグを変えた北海道日本ハムから。
新天地の北海道に移転した最初の年、新庄選手を迎えた日本ハム、その1年はとても素晴らしいものでした。
北海道移籍元年ではありましたが、その船出はそれほど順調ではなかったはずです。
昨年、移転前の札幌ドームで試合をやっていましたが、なかなか勝ち星を上げられず、
最後の最後にようやく勝ったという感じ、北海道の人達は「大丈夫なのか?」と不安に感じていたはずです。
それでもパフォーマンスの上手い新庄選手が加入することで宣伝効果は倍増、
また監督が外国人のヒルマン監督ということでファンサービスも旺盛、
そのおかげもあってか球場に足を運ぶ人が多くなっていきました。
ただ一選手の人気だけでお客さんを維持することができません。
選手の素晴らしいプレーがなければ、お客さんを呼びつづけることはできません。
それに対して日ハムの選手は粋に感じてプレーで答え、
プレーオフという新制度も手伝い、ロッテとの白熱した3位争いを繰り広げることで観客を惹きつけました。
最後のダイエー戦では4万人を越す大観衆が詰め掛け、
劇的な勝利に酔うなど移籍元年とは思えない素晴らしい盛り上がりを見せました。
チームとファンが北海道という地で一緒に育っていった、そんな1年でした。

シーズン1位のダイエーですが、先発投手陣の誤算が最後まで響きました。
昨年20勝の斉藤投手は10勝挙げたものの防御率は6.26と大幅な期待外れ。
和田投手も10勝は挙げたものの、大事な8・9月には勝ち星を挙げられず。
杉内投手は自分の不甲斐ない投球に切れてベンチ殴打で怪我、ほとんど登板できず。
自慢の若い先発投手陣が思うように機能しませんでした。
抑えにルーキーの三瀬投手が入り、倉野投手が先発・リリーフに奮闘するなど、
投手陣の層自体は厚くなりましたが、全体的としては昨年よりも劣るという展開になってしまいました。
その分がプレーオフでの敗戦になってしまったんだと思います。
野手陣は松中選手が三冠王を獲得するなど、一見充実していたように思えますが、
FA移籍となった村松選手の穴は最後まで埋められず。
大事な場面で送りバントが全く決まらないなど、接戦での脆さを見せていました。
頑張りはしたものの、打線は昨年よりも見劣りしました。
シーズン1位で西武に4.5ゲーム差という数字ほど磐石ではなかった気がします。
失礼ながら、近鉄の岩隈投手がダイエー戦回避になった分、オリックス戦の大勝分だけ上回ったという感じです。
一見磐石に見えながらも、チームの綻びを埋めきれなかった、そんなシーズンだったと私は見ています。
今オフもバルデス選手を解雇、ズレータ選手の去就が未定、井口選手がメジャーへと選手流出が続いているだけに、
その穴をいかに埋めていくかが鍵になってきそうです。
本社ともどもチームも正念場です。

ロッテは日ハムと壮絶なプレーオフ争いを繰り広げるも一歩及ばずの4位。
それでも優勝争いの雰囲気を味わえたというのは大きなことでしょう。
ロッテが一歩及ばなかったのは、やはり打線のひ弱さ。
シーズン前半にフランコ選手が、中盤以降はベニー選手が頑張ったものの、
期待された李選手は思うような成績を上げることができませんでした。
若手に西岡・今江選手が頑張りはしたものの、他の野手はもう少し。
野手陣の選手層の薄さに苦しんだような気がします。
それとシコースキー投手の流出でリリーフ陣の層が薄くなってしまったのも敗因の一つ。
小林雅英投手の負担が大きくなり、リリーフ失敗が多かったのも誤算と言えるでしょう。
来季、上位進出を狙うためにはいかに選手層を厚くするか。そこがポイントですね。

近鉄はローズ選手の穴を最後まで埋めることができませんでした。
磯部・北川選手らが頑張ったものの、主砲の中村選手は19本塁打止まり。
バーンズ・マリオ選手といった外国人選手も期待外れに終わってしまい、打線に厚みがありませんでした。
投手陣はエースの岩隈投手が開幕からの連勝記録を作るなどチームとしても安定感が出てきたんですが、
抑えを期待していたカラスコ投手を信頼し過ぎてしまい、最後の最後で落としてしまう試合が多かったです。
もう少し早い段階で見極められていたなら、それらの穴を埋める選手が早くでてきていれば展開は違ってたでしょう。
合併によって近鉄バファローズというチームは消えてしまうので、今年が近鉄の最終年となってしまったわけですが、
あまりにも寂しい内容のペナントレースでした。
もう少し近鉄の意地が見たかったです。90年前後の強いチームを知っているものとしては…

オリックスは場外が五月蝿過ぎてもう話になりません。このチームは試合をする以前の問題に苦しみました。
伊原監督とエース候補の具台晟投手と長打力のある山崎選手の確執が噂され、
シーズン中盤以降はブラウン選手が完全に袂を分かった感じ、チームは最後までまとまりませんでした。
それに加えて、近鉄との合併問題が急浮上。
後半戦は野球に全く集中できず、前半戦はまだマシな方だった勝ち星がずるずると落ちていって最下位決定。
最後までチームとして機能することがありませんでした。
中村GMを迎えての伊原新体制1年目、村松選手をFAで獲得するなど変化を見せていたはずです。
それが1年も経たずに合併ですからね。
誰が悪いのか知りませんが、よほど忍耐力のない人なんでしょうな。最悪のチームになってしまいました。
近鉄との合併を機に再生するのか、それともともに朽ちていくのか。オリックスバファローズの行く末が心配です。

最後に12球団1、選手・首脳陣がが若いフレッシュな西武ライオンズ
シーズン2位ながらもプレーオフを制し、12年ぶりの日本一になるなど素晴らしい結果を残しました。
今年の西武は成長の1年だったと言えますね。
開幕前に解説者がBクラス予想をするなど、巷の評価は高くありませんでした。
それもそのはず、チームの顔である松井稼頭央選手がメジャー移籍、
伊東監督が現役を退いたことで正捕手不在、さらにOP戦でカブレラ選手が骨折して前半戦絶望、
昨年までの主力選手が揃わないという危機的な状況にありました。
その予想通りの形で開幕から6試合は1勝5敗の最下位スタート。厳しい船出でした。
しかし野田捕手に代わって細川捕手がマスクを被ってからチームは快進撃。
バットの方ではサイクルヒットを記録するなどチームを活性化させ、チームを首位へと押し上げて行きました。
その後も抑えの豊田投手が腰痛でチームを離脱したり、ベテランの西口・石井貴投手が怪我に苦しんだり、
エースの松坂投手も5月後半から6月まで登板できなかったり、
五輪期間に松坂・和田選手といった投打の中心が抜けてしまうなど苦しい時期が続いたわけですが、
その度に若手が活躍するなどチームを救っていきました。
4・5月の先発投手不足の時期には大沼・山崎投手が、リリーフでは小野寺投手が、6月からは長田投手が、
五輪期間には東・岡本投手が先発として出てくるなど常に新しい投手が出てきていました。
野手の方ではカブレラ選手の長打力を貝塚選手の繋ぎのバッティングで埋め、
松井稼頭央選手の穴を長打力・守備で中島選手が埋め、リードオフマンを赤田・佐藤選手が埋めていきました。
前半は首位ターンしたものの、後半戦に若手が疲れを見せて2位に終わってしまいましたが、
それまで揃わなかった戦力が全て揃ったプレーオフを見事戦い抜き、日本一を勝ち取りました。
苦境をバネにし、チャンスに変えたことが西武ライオンズ日本一の理由だと思います。


パリーグを盛り上げた理由の一つに対戦カードの充実があったと思います。
今までのパリーグにはセリーグの巨人VS阪神のような目玉カードがありませんでした。
強いてあげれば西武VSダイエー。他の対戦カードは失礼ながら、注目を浴びるようなことはありませんでした。
けれど北海道日本ハムの移転、プレーオフの実施で多くの目玉カードが生まれていきました。
1つが西武VS日本ハム。
それまで北海道は西武が準フランチャイズを置くなどファン拡大を目指していました。
そういう理由もあってか、シーズン序盤から北海道での西武VS日本ハム戦の客入りは多かったです。
北海道における新旧の戦い、西武VS日本ハムが熱いカードになりましたね。
プレーオフの激闘も忘れられません。今年1年のこの対戦カードの総決算があの激闘だった気がします。
次に日ハムVSロッテ。
当初はヒルマンVSバレンタインという外国人監督の対決だったんですが、
シーズン終盤にはプレーオフ3位を争う白熱した対戦カードになっていました。
特に最後の千葉マリンの直接対決は満員となるなど盛り上がりましたしね。注目を集めるカードとなりました。
最後にやや番外編ですが、近鉄VSオリックスというのも…
こちらは合併球団同士で反対運動の中心になったカードでしたが… マスコミには注目されましたね。
このように注目の対戦カードが多く生まれたことが今年のパリーグが盛り上がった理由だと思います。
そういう意味ではプレーオフ制というのは好カードを多く生んだといえます。
今までになかった新しい展開を呼びこめたことは評価に値すると思います。

そのプレーオフ制度に関しては、賛否両論あるでしょうが私は良かったと思います。
シーズン1位ながら破れたダイエーホークスには悪いと思いますが、
プレーオフという制度の上での戦いですから仕方ありません。
プレーオフでなかったらなかったで別の戦いをされていたはずですしね。
もっとダイエーのマークがキツクなり、西武のマークが緩んでいた可能性もありますから。
納得できない気持ちも分かりますが、結果は結果と割りきるしかないでしょう。
さて私自身のプレーオフの評価ですが、今シーズンに限れば「良かった」と思います。
前述のような対戦カードの充実、優勝争いに多くのチームが絡めて盛り上がり消化試合がなくなる点、
一発勝負のプレーオフということで素晴らしい緊迫感・緊張感が生まれて選手・観客の集中力が増したこと、
以上の点から素晴らしい結果を生んだように思います。
プロ野球が失いかけていた「野球というスポーツそのものが持つ魅力」、それを思い出させてくれた気がします。
贔屓球団とか好きな選手とか関係ない、ただ目の前で素晴らしい試合がある、それだけで楽しい、
勝敗を超えた野球の魅力を見せてくれました。
ちょうどプレーオフがセリーグの消化試合時に組まれたことで、
メディアや一般の人の目に触れる機会も多かったですしね。
これまでのパリーグだと優勝決定試合さえも目立たない始末、一般の人の目に触れる機会はほとんどありませんでした。
そういう機会があったというだけでも、パリーグとしては良かったんじゃないですかね。
負けたダイエーの松中選手が涙を流したのが印象に残っていますが、
これまでのプロ野球ではそれだけ悔しさを表すようなことはなかったはずです。
スポーツの勝者と敗者がよりはっきりするからこそ、喜怒哀楽もはっきりするんですよ。
今までのプロ野球になかった新たな可能性が生まれたような気がします。

ただ1位チームのアドバンテージなど見なおさなければならない点は多いです。
現行制度では2位チームが圧倒的に不利。
3位とのアドバンテージはないし、3試合戦ってしまうと勝ち抜いたチームの休みはほとんどなし、
投手の疲れが残ったまま1位チームと戦わなければなりません。
かなり日程的に厳しいというか、過酷な内容。
第2ステージが5戦まで行ったこともあり、日本シリーズまでの期間も短いものでした。
よくこれだけの短期間の激闘を西武ライオンズは戦い抜きましたよ。
ある意味、若いチームだからこそできたことなのかもしれません。
1位チームに無条件にアドバンテージ1勝を与えるという案もあるそうですが、
それではプレーオフという制度自体の面白みがなくなってしまう気がします。
もしもダイエーと西武が5ゲーム差以上離れ、ダイエーにアドバンテージ1勝が与えられていたなら、
ここまでプレーオフは盛り上がっていなかったと思います。
それならプレーオフをやらない方がマシ。
どうしても1位チームのアドバンテージを与えたいなら、
全球団勝ち越し・5ゲーム差以上など一定の条件を取り決めてプレーオフなしとした方がいいと私は考えます。
来年に向けて見直す点は多いし、将来に渡ってこの制度に作用するかと言えばそれも無理な話です。
随時チェックしていく必要はあると思います。今回の試みに関しては高く評価しています。


来年は近鉄とオリックスが合併、宮城を本拠地とする新球団が加入するなど新しいパリーグとなります。
西武ライオンズが2年連続の日本一となって黄金時代を確実なものにするのか、
ダイエーホークスがプレーオフの悔しさをバネにチャンピオンフラッグを奪うのか、
それとも3位争いを繰り広げて大きく成長した日ハムとロッテが優勝するのか、
合併球団・新球団はどんなチームになるのかなど興味は尽きません。
ダイエー本社の産業再生機構入り、西武グループの不祥事など多くの火種を抱えてはいますが、
今年終盤のような面白い野球を見せられればファンの関心を惹きつけられるはず。
パリーグとしての自信と誇りをもっていってもらいたいです。
来年も熱いペナントレースを期待しています!


≪2004年ペナントレースMY最優秀選手≫

MY最優秀投手 MY最優秀野手
セリーグ 岡本真也
(中日ドラゴンズ)
荒木雅浩
(中日ドラゴンズ)
パリーグ 星野智樹
(西武ライオンズ)
中島裕之
(西武ライオンズ)



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