2003年プロ野球3・4月の結果報告


まずはシーズン開始からここまでの新戦力・トレード情報からいきましょう。
(巨人)
クリス・レイサム 外野手 ヤンキースから新外国人選手と契約(来日は先)
(ヤクルト)
ベバリン 投手 新外国人選手獲得(3月下旬)
(中日)
大塚晶文 投手 近鉄から金銭トレード(3月下旬)
(阪神)
吉田篤史 投手 ロッテから橋本武広投手と交換トレードで獲得(4月下旬)
(広島)
ブロック 投手 新外国人選手獲得(3月上旬)
(近鉄)
マレット 投手 新外国人選手獲得(4月下旬)
(ロッテ)
フェルナンデス 内野手 新外国人選手獲得(4月中旬)
橋本武広 投手 阪神から吉田篤史投手と交換トレードで獲得(4月下旬)
(日ハム)
野村貴仁 投手 3月下旬に契約


では4月30日現在のチーム順位を見てみましょう。

〔セリーグ〕
順位 チーム 勝率 打率 防御率
阪神 17 10 .629 .288 4.03
ヤクルト 15 12 .555 .300 3.87
巨人 13 11 .541 .288 4.68
中日 15 13 .535 .252 4.75
広島 12 11 .521 .244 4.61
横浜 20 .200 .248 4.52

しかし改めて数字を見ると、横浜の勝率が大変なことになってますね…
他チームは5割以上、横浜が借金全てを背負ってる形になっています。
あとはチーム防御率3点台がヤクルトだけ…春先としては珍しい感じがします。
最終回の大逆転劇やビッグイニングが多かった印象がありますし…
リリーフの防御率を出すと大変なことになりそうです。
どうやらセリーグには珍しく内容的に「荒れた4月」になったように思います。

それにしても対戦成績を見ると、ほとんどのチームが横浜の分を貯金にしていますね。
それに加え、阪神が巨人から、中日が阪神から、広島が中日から、この勝敗関係で順位ができています。
ヤクルトのみ他チームと5割、横浜の貯金で上がってきているようです。


阪神は強いですね。上位打線、下位打線ともに繋がりがあり、走攻守とバランスが取れています。
昨年は投手力で4月首位でしたが、今はチームの総合力で勝っているように思います。
ただ残念ながら飛び出て強いというわけでもありません。
貯金相手のジャイアンツは怪我人続出ですし、他チームからもう少し勝たないと抜け出せないでしょう。
課題はリリーフの整備。接戦でも耐えうるリリーフ陣を早く整えたいですね。

ヤクルトは岩村・藤井選手など主力を欠いて苦戦が予想されましたが、
鈴木健・ベバリン選手らが上手くカバーして4月を乗り切っています。
ただ怪我人の多さは相変わらずで、主力打者の調子が落ちた時にどう立て直すかが鍵でしょう。
早い段階での岩村選手の完全復活を望みたい所です。

ジャイアンツは怪我人だらけ。清水・高橋・清原・元木・仁志・工藤・入来選手と…
主力にこれだけ怪我が出ると厳しいですね。
とはいえ、この順位を維持できるのですから、選手層の厚さは相変わらずです。
打者は主力が帰ってくれば計算できますが、精細を欠いている投手陣が不安材料。
特に上原・高橋尚投手らがチームを引っ張る形にならないと苦しいように思います。
先発ピッチャーの建て直しを早く進めなければなりません。

中日は開幕から打線爆発…だったような… あれれ? 普段パリーグ見てるから、いつのまにか…
原因はクルーズ選手の不振でしょう。
井端選手が怪我をしてしまったようですし、打撃陣の再編成の必要が出てきました。
投手陣も野口・バルデス・朝倉投手らがピリリとせず、先発の再編成が必要になっています。
リリーフ陣が安定していますし(抑えギャラード投手を除く)、早く戦力を整えたいところでしょう。
開幕時のように戦力が整えば強い事は証明済みなので、これからの建て直しに注目が集まります。

広島は序盤打撃不振で苦しみましたが、後半になってから打撃陣が打ち出して借金を返済しました。
4番の新井選手が予想以上に苦しんだのが痛手でしたね。
幸い先発・リリーフとコマが揃ってきたので、投打が噛み合えば浮上も狙えると思います。
ルーキーの永川投手が計算できるようになったのは大きいですね。

横浜は…試合自体は悪くないんですが、終盤に逆転負けばかり…これはコメントのしようが…
大事なところで競り負けてしまいますし、リリーフ投手陣が1点を守れませんし…やや悪循環気味。
正直脱出を図るのは難しいように思います。
早い段階で若い選手を育てる事、これが今の横浜には大切な事でしょうね。
古木選手や村田選手といった楽しみな選手がいますから、
投手陣も若返りを図って新生ベイスターズを見せてもらいたいです。
成績はエース三浦投手、4番候補のコックス選手の復帰を待ってからでしょう。




〔パリーグ〕
順位 チーム 勝率 打率 防御率
ダイエー 16 11 .592 .279 3.07
近鉄 14 13 .518 .259 4.82
西武 14 14 .500 .269 4.03
日ハム 12 13 .480 .261 4.42
ロッテ 12 13 .480 .237 4.21
オリックス 10 14 .416 .286 4.12

まぁ、なんというか…月末の3連戦の前と後では全く様相が変わってしまいましたね。
それまではダイエー・近鉄が走りがちになっていたんですが、
下位に位置したオリックス・西武がこの2チームを叩いたことでパリーグは混戦となってきました。
…終わってみれば下馬評通り? ここからが勝負でしょうね、間違いなく。

ダイエーは斉藤和己・寺原・ナイト投手らに加え、杉内・新垣・和田投手という松坂世代3投手を揃え、
若い先発投手陣の活躍で勢いに乗って一気に貯金を増やしていきました。
打線も小久保選手の穴を井口・城島選手が埋めるなど、チームバランスが良い状況です。
ただ実績の少ない若手投手陣でどれだけいけるか…
そこが課題でしょうね、と書こうと思ってたんですが、もう西武3連戦でそれが現実のものに。
和田投手は良いピッチングをしましたが、リリーフ投手陣の不安さを少なからず露呈してしまったことで、
思った以上に早く投手陣再編が必要となるかもしれません。
ダイエーにとっては5月の戦い方はかなり重要になってくるでしょうね。

近鉄は開幕時は好調だったんですが、リリーフ・先発投手陣と崩れるうちに順位も落としていきました。
先発は岩隈・高村投手以外は計算できない状況で、抑えの切り札も未だに決まらない状況。
残念ながらチーム状態は下がり気味です。
まずは投手陣を再編成し、打線では水口・中村選手が引っ張る形にしたいところ。
そうすれば優勝を狙える戦力が整ってくるはずです。

西武ライオンズは開幕からカブレラ選手を欠き、復活と同時に和田選手を欠くなど苦しい状況でした。
さらに伊東捕手のケガで若い細川捕手がマスクを被ったこともあり、
リーグナンバー1の投手陣も崩壊状態に陥り、一時はリーグワーストとなるほどでした。
ただ4月最後に投手陣が立ち直り始め、打線もライオンズらしさが出てくるなど、
一気にチーム状態を上げていきました。
実質1軍1年目の細川捕手を使いながら5割をキープできたことは意義深いです。
8月の連戦をベテラン伊東捕手に頼り切ることは難しいですし、
早い段階から実戦で使えているのは大きいですね。
やはり今年もパリーグの中心は西武だと思わせるような最後の戦いぶりでした。

日ハムはヒルマン監督の機動力野球がチームに浸透したのか、活気溢れています。
ただヒルマン監督の采配についていけるだけのリリーフ陣を持っていないことが悩みです。
ミラバル・シールバック・金村・吉崎・正田投手と先発がある程度揃っているだけに、
早くリリーフ投手陣を整備し、必勝パターンを確立したいところです。
野球の内容としては伊原西武に近いものがありますから、
リリーフ陣が固まれば上位進出は可能、優勝争いに加わる事ができるでしょう。

ロッテは今年も打線で苦しみがちの4月でした。
投手陣は先発・リリーフともに枚数はあるのですが、得点力が上がってきません。
ただフェルナンデス選手の加入がプラス材料。
長打力を持っていますし、打線が良い方向に向きつつあります。
しかしその分と言うか、ミンチー・シコースキー投手の一方しか登録できず、
チームを引っ張っているミンチー投手が不調など例年のような投手力はありません。
特に先発陣が苦しい状況だけに、早い段階で黒木投手が復活してほしいところです。

オリックスは石毛監督解任の憂き目に遭うなど、
チームが一時混乱しましたが、ようやくチームのまとまりが出てきました。
今年に関してチーム状態は悪くないと思います。
バントやエンドランもできてますし、葛城・平野選手らの調子が良く、得点力は上がっています。
ただ投手陣が怪我人だらけで、ユウキ・大久保・山口投手らがいないことが痛手です。
新監督であるレオン監督は豪快野球なようですから、外国人選手3人の出来が成績を左右するでしょうね。
はっきり言ってダメでしょう。残念ながら。活躍する臭いないし。
…と散々貶すのはやっぱり監督交代が納得いかないから。オリックス球団嫌いです。
ヤフーBBスタジアムはいいんだけどねぇ…





≪3・4月のMy最優秀選手≫

MY最優秀投手 MY最優秀野手
セリーグ ムーア
(阪神タイガース)
藤本敦士
(阪神タイガース)
パリーグ 和田毅
(福岡ダイエー)
城島健司
(福岡ダイエー)



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