昨日、雨天中止が決定する前に発表されたオーダーでは、
岐阜城北の先発はそれまで一人で投げ抜いていた尾藤投手ではなく、
山下投手と発表されるなど岐阜城北が先に奇襲をしかけていました。
しかし結果的に雨で流れてしまって… 注目された今日の先発は尾藤投手に変更。
この判断がどうなるかと思いましたが… 裏目とは言いませんが、厳しい結果でしたね。
先発の尾藤投手は打ち込まれ、山下投手は四球等で自滅。
両投手ともに横浜打線に掴まってしまいました。
奇襲は奇襲でなければ意味がないわけですから、岐阜城北にとって昨日の雨天中止は痛かったです。
オーダー発表前だったら良かったんですが…
自力に勝る横浜相手に正攻法では及びませんでした。
勝った横浜は走攻守と全ての面においてレベルの高さを見せ付けました。
特に今日目立ったのは攻撃面ですね。
今大会のNO1左腕・尾藤投手を見事打ち崩しました。
尾藤投手が変化球の制球に苦しんでいたこともあり、ストレートに狙いを絞り、
引っ張らずに逆方向にライナー性の打球を打ち返していました。
3回は2アウトから1番白井選手がライトのグラブを僅かに抜き、
フェンスにまで到達、相手がクッションボールの処理を誤る間に一気にホームへ、
ランニングホームランで一点を先制しました。
その後はもう横浜ペースで3番高浜選手のエンドラン三遊間抜くヒットや
6番福田選手のライト前タイムリーといった逆方向の打撃で計7連打!
2アウトから一挙5点を奪い、一気に試合の主導権を握りました。
4回には代わった岐阜城北の山下・種田投手らから四球を誘い出すなどして追加点、
さらに6番福田選手がそれまで打ち取られていた外角低めスライダーを打つ一二塁間抜くタイムリーヒットを放ち、
6点を追加、序盤で11−0として試合を早々に決めました。
これまで長打を狙いすぎていた福田選手が右方向にミート中心の打撃をするなど、
徹底されたチーム打撃が功を奏した形ですね。
狙いが各選手に徹底されるなど、勝ち上がるに連れて、チーム全体のまとまりも強くなってきたように思います。
走塁面では白井選手のランニングホームランなど、隙あらば次の塁へという意識が強いです。
4回の攻撃などは横浜の走塁によるプレッシャーが大きかったと思います。
守りもサード以外はほとんどミスがありませんでした。
岐阜城北も走攻守の揃ったチームでしたが、横浜の方がレベルが上でしたね。
投手陣は早期に決着したことで、4投手を注ぎ込む早めの継投となりました。
エースの川角投手は5回62球2安打5奪三振無四球無失点で降板。
今日はスライダー・カーブが低めに集まり、岐阜城北の打者のタイミングを完全に外していました。
明日への余力を残した降板だったのでしょうが、もしそのまま続投していたら完封していたかも。
それぐらい安定していました。
2番手の西嶋投手は早稲田実戦の続くリリーフ登板。
川角投手と同じく長身から投げる左腕投手で速球が130中盤と力強さはあります。
ただコントロールがやや不安定なところが。決勝はもしもの時の繋ぎ役でしょうか。
3番手の落司投手(2年)は横浜投手陣の中で唯一の右腕投手。
ストレート135前後(137)、投げ方は松坂投手似の本格派タイプ。
今日は1回1/3を投げましたが、3失点と投球の方はイマイチ。
ストレートの勢いはあるんですが、変化球がまだまだ甘いところが。
そこを狙われて崩されてしまいました。
まだ2年生、ストレートがいいだけに今後の成長に期待です。
明日の登板というよりは夏に向けての登板だったのかもしれません。
4番手は2回戦以降ナイスリリーフを続けている2年生左腕・浦川投手。
こちらは1回2/3をピシャリ。左腕らしいカーブが効果的で左打者は打ちづらそうです。
おそらく明日の継投は川角投手から浦川投手に繋ぐ形になるでしょう。
この2人がどういう投球を見せるのか、そして継投のタイミングをどうするのか。
平均的レベルの高い投手を揃えながらも、突出した投手がいない今年の横浜、
決勝でも継投策が試合の鍵を握ってきそうです。
その中でも川角・浦川投手が良い形で決勝を迎えられるのは好材料。
明日も今日同様のピッチングを期待したいですね。
決勝進出は3年前の成瀬(ロッテ)・涌井(西武)投手を擁して以来、
優勝すると8年前の松坂(西武)投手以来となります。
偉大な先輩投手達に負けないよう頑張ってもらいたいです。
負けた岐阜城北は尾藤投手の出来が誤算でした。
今日の尾藤投手は立ち上がりからもう少しでした。
得意のスライダーがストライクに入らなかっただけでなく、
生命線である速いストレートも球速表示で130前半止まり。
130後半をマークしていたそれまでとは明らかにボールの勢い・キレが違いました。
昨日の山下投手先発という作戦も、尾藤投手に限界が来てたからなのかも。
尾藤投手の調子の悪さが最大の誤算でした。
今後の課題としては、更なるスタミナ強化、
そして右打者対策として外へ逃げる球・チェンジアップなどを練習して欲しいです。
チェンジアップを投げるそうなんですが、今大会ではほとんど記憶していません。
夏になると打者が振れてきますから、上手く外す球が欲しいところです。
その後も山下・種田投手ともに、足を意識しすぎて四球で自滅。
一時はどうなるのかと思いましたが、サードのキャプテン太田選手が投手に入り、
ヒットや盗塁を許しながらも5回を1失点と好投しました。
クイックができないなど、投手としてはまだまだですが、
経験を重ねれば尾藤投手のサポートはできそう。
岐阜城北にとっては太田「投手」が収穫でしょうね。
太田選手は投手として登板すると、これまで無安打だった打撃の方も開花。
タイムリーを含む2安打と気を吐きました。
これで投手としても野手としてもチームを引っ張っていけますね。
今日の試合はキャプテンの活躍が最大の収穫でしょう。
今日の試合でミスしてしまった中継処理などを徹底して練習し、
さらに一回り大きくなって甲子園へ戻ってきて欲しいです。
それと打線では1回戦の太田投手、今日の川角投手など左腕投手対策に苦戦しました。
特に左投手のスライダー、これにやられているので左投手対策が課題ですね。
同じタイプ(むしろ上)の尾藤投手がいますから、練習はできるはず。
打線は左投手対策を課題にして打ち込んでいってもらいたいです
負けはしましたが堂々のベスト4入り。
岐阜県勢の野球レベルを示せたと思います。
この岐阜城北の躍進をきっかけとして、
岐阜県全体の高校野球が活性化することを期待したいです。
|