06センバツ甲子園大会 6日目

第1試合 秋田商(秋田) 11−10 東海大菅生(東京)

(菅)薦田(6回1/3)−矢治(1回1/3)−大西(1/3)
(秋)佐藤(4回2/3)−白旗(4回1/3)
菅生 10
秋田商 × 11

前半終わった時点でのスコアは2−8。試合展開からして東海大菅生の快勝かと思いましたが…
秋田商が6回裏・7回裏に4点ずつを返して逆転。終わってみれば11−10でした。
野球は何が起こるか分からないとは言いますが…
高校野球にセーフティーリードというものは存在しないですね。
例え点差がついていても確実にバントして1点を取りにいく、
その大事さが分かったような気がします(^^;

負けた東海大菅生は継投が後手に回ってしまったように思います。
秋田商が佐藤投手から白旗投手へとスパッと変えられたのとは対照的に、
東海大菅生は6回裏に薦田投手が4失点したにも関わらず続投。
結果的に7回途中での降板となってしまいました。
2番手の矢治投手の状態が良くなく、押し出し死球など勝ち越し点を与えていましたし、
ベンチとしては引っ張らざるを得なかったんでしょうが…
激しく追い上げられている展開での登板は難しいです。できれば回の頭から行って欲しかった所。
チームとしては序盤の集中打で打線の繋がりを見せましたし、
守備でもファースト石黒選手の捕球技術やセンター藤井選手の強肩など素晴らしいものがありました。
今日の敗戦の原因である投手力が強化されれば、かなり良いチームになると思います。
この悔しさを胸に切磋琢磨して欲しいですね。

勝った秋田商は後半の集中打が見事でした。
東海大菅生の薦田投手の球威が少し落ちた所で甘い球を見逃さずにヒット。
好球必打で畳み掛けたのが2度の4得点だったのでしょう。
それにしても監督さんの選手起用が見事に当たりましたね。
2番手の白旗投手への継投といい、代打の煤賀選手の起用といいお見事。
白旗投手は東海大菅生打線の反撃を食い止めただけでなく、
自らのバットでも勝ち越しタイムリーを含む3打数3安打。
煤賀選手も3打数3安打とチームの勝利に貢献しました。
監督さんの選手起用が秋田商の大反撃を呼び込みましたね。
チームの課題としては守備。やや守備陣がポロポロする場面が見られました。
一つ一つのアウトを確実に取っていって最小失点で切り抜けてもらいたいです。
打線の方には自信があるわけですからね。序盤をどう乗り切るかが次の試合の鍵でしょう。

今日の試合の先発投手はいずれもアンダースロー投手。そんなわけで簡単に紹介。
秋田商の先発・佐藤投手は長身を生かしたリーチで投げるアンダースロー投手。
サイドからの転向だそうで、時折横から投げることも。まだフォームが一定していない印象です。
ストレートは120前後、100キロ台のスライダーとのコンビネーション。
本来はコントロールがいい投手だそうですが、今日はボールが真中に集まってしまい、
そこを東海大菅生打線に掴まってしまいました。
球威自体はあまり感じなかったので、そこが致命傷となってしまいました。
スライダーに見るべきものがあったので、フォームが安定してくればという感じ。
東海大菅生の先発・薦田投手は投げ方はアンダースローも腕の位置はサイド気味。
その分だけ球威があり、ストレートは125〜130、スライダー・シンカーのコンビネーション。
前半は内角のストレートと外角のスライダーといった感じで、相手打者を手玉にとってましたが、
後半に球威が落ちてくると、コントロールミスの甘い球を痛打されることが多くなり、
6・7回の大量失点となってしまいました。

今大会はロッテ・渡辺俊介投手の影響なのか、今まで見なかったようなアンダースロー投手が多いです。
ただ下半身がしっかりしていないと、上と比べて球威は明らかに落ちてしまいます。
コントロールがしっかりしていなければ、やはり難しいですね。
スピードに頼らない投げ方として、下から投げるのは有効な方法ですが、
ただ下から投げれば打者を惑わすことができるというものでもないかと。
上でも下でもやはり同じ投手なわけで、打者のタイミングを外す工夫が必要です。
北大津の真田投手のように超スローカーブを使い、ストレートを少しでも速く見せたり、
一球一球フォームのタイミングを変えるなど、なんらかの工夫をしませんと。
下半身をしっかり鍛えて速球で勝負する投手になれるのならいいんでしょうけど…
高校生でそこまで行くのも難しいような気も。
下手投げ投手が増えるのは嬉しいんですが、もう一工夫欲しい所です。

他に目についた選手は秋田商・2番手・白旗投手ですね。
最初登板してきたときは名前からして大丈夫なのかと思いましたが(苦笑)
135キロ前後のストレートと100キロ台のカーブ・チェンジアップを駆使し、
低めにボールを集めるなど安定感ある投球を見せてくれました。
この白旗投手が伸びてくると、タイプの違う投手ということで佐藤投手も生きてきます。
2人で切磋琢磨して伸びていって欲しいですね
打者では東海大菅生の1番センター藤井選手と4番ファースト石黒選手の守備が光りました。
藤井選手はセンターから好返球を何度となく見せ、
石黒選手は他の内野手のワンバウンド送球を足を一杯まで伸ばして捕球していました。
大量失点で負けてしまったので、目立たなくなってしまいましたが、
彼らの守備は素晴らしかったです。
打者としてもチームを引っ張り、夏に再び甲子園へと戻ってきてもらいたいです。





第2試合 神港学園(兵庫) 2−0 成田(千葉)

(神)山口(5回1/3)−林(3回2/3)
(成)唐川(9回)
神港
成田

神港学園の山口・林投手が完封リレーを見せて勝利し、2回戦突破を果たしました。
一回戦で見た時は、成田は上位進出可能だと思ったんですがねぇ…
神港学園がそれ以上の野球を見せました。
成田の唐川投手は一回戦ほどストレートが走っていなかったものの、
スライダーを軸になかなかいいピッチングをしていたんですが…
欠点であるゆったりしたクイックを攻められ、4つの盗塁を決められたのが痛かったです。
神港学園の卒のなさが光った試合でした。

勝った神港学園は攻守に隙がありませんでした。
投げては先発の山口投手がスライダーを有効に使い、相手打線を3安打に抑え、
2番手の林投手もピンチで登板しながら、しっかりと後続を断つナイスピッチングでした。
能力的には唐川投手に一歩及びませんが、その若い2年生投手を芋坂選手がしっかりとリードをし、
ストレート・変化球を上手く混ぜて狙い球を絞らせない投球を見せました。
守備陣も3回にライト森下選手が好返球で相手のタッチアップを防ぐなど堅い守りを見せました。
投手を中心とした守りの野球ができていることが神港学園の強さですね。
打線の方も後半に唐川投手の変化球に狙い球を絞り、
ランナーに出ては2塁盗塁を決めるなど、相手の攻め・弱点に対応した野球ができていました。
試合の中で攻め方を変えられるのは見事ですね。
好投手・唐川投手を上手く攻めました。

負けた成田も守備面では神港学園に負けていなかったんですが…
唐川投手のクイックの遅さが響いてしまいました。
キャッチャーの古跡選手の肩が強いといっても、あのクイックでは刺せません。
1点を争う試合だっただけに、あそこまで自由に走られたら打つ手がありませんね。
夏に向けて唐川投手はクイックを練習し、弱点を克服してもらいたいです。
一方の打線は勝負どころであと一本が出ませんでした。
チャンスは結構あったんですがね。バントミスなどもあって、点には結びつかず。
投手戦の時にどう点数を取るのかも課題になってきそうです。
2年生に良い選手が多く、伸び盛りのチームですから、
さらに練習を積み、一回り大きくなって甲子園の舞台に戻ってきて欲しいっす。

今日の唐川投手のピッチングに関してですが、
球速は終盤にも140キロをマークするなど常時130中盤から140前後(最速145)と
スピード自体は出ていたようですが、一回戦の時ほどボールのキレは感じませんでした。
そこが今日の試合の奪三振の少なさじゃないですかね。
コントロールが良かったので、崩れませんでしたが、やや物足りない内容でした。
ただ変化球の方は一回戦より良かった感じがします。
今日はストレートではなく、縦横2種類のスライダーが軸で、
コース・キレともになかなか良かったです。
ただ終盤にそのスライダーを狙われてしまい、
甘くなったところをヒットにされては盗塁されるといった形で、
ワンチャンスをものにされての失点となってしまいました。
ゆったりしたフォームは唐川投手の大きな武器ですが、
だからといってクイックができないというのは厳しいです。
あちらを立てればこちらが立たずという感じで難しいでしょうが、
なんとか克服し、さらに一回り大きな投手になってもらいたいです。


この試合で一つ気になったのは、3回裏のライトフライのホームタッチアップの判定です。
上でも書いたようにライト森下選手の好返球でタイミングは完全にアウトでした。
ですが、ランナーがタッチをかいくぐろう回りこんだため、判定は微妙に。
えー、ぶっちゃけ、私の目にはセーフに見えました(^^;
ランナーがかわしたのでキャッチャーが追いタッチ気味になり、
タッチをよけたランナーがホームベースに手が触ったように見えました。
んー、タッチをよけたように見えた時に触れたんですかねぇ…
でもどちらにしろ審判にそのシーンは見えていなかったと思います。
見えたのはホームベースの後ろ側、バックネット方向にいた次の打者だけ。
審判は三塁側から見ていたので、キャッチャーの影に隠れて見えなかったんじゃないかと。
私は審判のジャッジの位置に関してよく知りませんが、
(ライトからの返球なので三塁方向で見るのかな?)
結果的に見えない位置にいるわけですから、やや不満の残るジャッジでした。
近年はランナーのスライディング技術が上がっていますし、
審判もそれに対応できるようにして欲しいです。

そういう意味ではキャッチャーの方も気をつけませんと。
昨日の今治北−延岡学園戦でも同じようなシーンがありました。
その時はセーフ判定、タイミングがアウトだったので守備側は不満顔でしたが(苦笑)
ランナーが上手く滑ってくるのに、キャッチャーは何の対応もできてないんですよね。
ベースの手前でお地蔵さん、走者によけられて慌てて追いかけるという形に(^^;
もう少し積極的にタッチにいってもいいんじゃないかと。少し構えすぎのようにも思えました。
際どいタイミングなら分かるんですけど、はっきりアウトのタイミングですからねぇ…
ホームのクロスプレーを少し考える必要があるように思いました。





第3試合 岐阜城北(岐阜)−智弁和歌山(和歌山)
雨天順延となりました。




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