06センバツ甲子園大会 5日目

第1試合 PL学園(大阪) 9−1 真岡工(栃木・21世紀枠)

(真)西山(6回1/3)−平野(1回2/3)
(P)前田(9回)
真岡工
PL ×

PL学園が投打両面において初出場の真岡工を圧倒し、勝利を収めました。
いやー、PL学園の前田投手は随分良くなりましたね〜
かなり力強さが増したように思います。
駒大苫小牧の田中投手に並ぶ今年の高校生ドラフトの目玉投手の一人でしょう。
打線の方では2年生の戸沢選手が1試合7打点という大会記録タイをマーク。
PL学園の先輩・桑田投手と星稜・松井秀喜選手の記録に並びました。
前田投手が4番を張っていたので、打線はどうなのかなと思っていましたが、ちゃんと良い打者もいますね。
投打に戦力が充実してきており、優勝を狙えるチームになってきてますね。

負けた真岡工は投打で圧倒されてしまいましたが、
ファイト溢れる守備や攻守交替のダッシュなど、全力プレーが目立ちました。
諦めずに攻めて、最後は1点取りましたし、よく頑張ったと思います。
今日登板した西山・平野投手といずれも右サイドハンド、
右打者へのスライダーなど見るべきものが多かったのですが、
7打点と打たれまくった戸沢選手ら左打者には分が悪かったです。
今後は左打者をどう抑えるか、左の控え投手を作ることを課題に取り組んで欲しいです。
守備は安定していますから、あとは投打に力を付けていくのみ。
夏に向けて頑張って欲しいです。

勝ったPL学園は投打に戦力が充実しています。
…と思ったら、ヒットは7安打だったんですね(^^; 四死球による出塁がほとんどだったんですか。
それでもエースで4番の前田投手や6番の戸沢選手など、
中軸がしっかりしていますから得点力は高くなってくるでしょう。
投げては前田投手が、打っては戸沢選手が活躍すれば、優勝も見えてくるかと。
課題は走塁ミス。やや勿体無いプレーが見られたので、次の試合に向けて修正して欲しいです。

目立った選手はPL学園の前田投手と戸沢選手です。
前田投手は綺麗なバランスのいい投球フォームをしている右腕投手で、
左足の使い方などは西武・涌井投手に似ている感じがします。
ストレートは140キロ前後(145)
常時140キロを投げる力を持っており、コーナーをしっかりと突くことができます。
今日は腕がしっかり振れており、一昨年夏の涌井投手のストレートほどではありませんでしたが、
前田投手のストレートにもキレを感じました。
これだけ良いストレートを投げるとなると将来が楽しみ。ストレートは文句なしです。
変化球は100キロ台の大きく緩いカーブが軸。
他にもフォークボールや120キロ台の小さな変化球(カットボール?)を見たような見てないような程度。
ほとんどがストレートで、そこにカーブを交えるという感じでした。
緩急差は凄いんですが、カーブだと決め球には使いづらいです。
結果的にストレートに頼らざるを得なくなり、打者に粘られることもしばしば。
球数が多くなってしまったことで、終盤に球威が落ちるなど疲れが見られました。
9回に失点してしまったのは中盤に球数が多くなりすぎたことが原因でしょう。
ストレート・カーブはいいものをもっているのですから、もっと楽な投球をしてもいいと思うんですが。
あまりにも力押しに行きすぎ。今後は他の変化球の使い方がポイントになりそうです。
使える変化球を増やすことが前田投手の今後の課題となってきそうです。

2年生の6番ファースト戸沢選手は満塁での走者一掃タイムリー2ベース×2と、
タイムリーヒットの1打点で合計7打点をマーク、大会記録タイを打ち立てました。
左打者でややオープン気味に足を開く打撃フォームで、バットの出がいいです。
走者一掃のタイムリー2ベースはどちらも強振したわけではなかったんですが、
思いのほか打球が伸びて外野の頭を越すという結果に。
左右両方向に長打が出ていましたし、今後が楽しみな打者だと思いました。
次の試合はマークが厳しくなるでしょうが、その中でどういう打撃をするのか今から楽しみです。





第2試合 愛知啓成(愛知) 4−3 金沢桜丘(石川・21世紀枠)

(桜)太田(8回2/3)
(啓)水野(9回)
桜丘
啓成 3×

野球は何が起こるか分かりません。特に高校野球では。
1−1で迎えた9回表、愛知啓制は2アウトを取るも、まさかのトンネルエラーでランナーを出してしまい、
そこから3連打で2失点、
やっぱり終盤のエラーは怖いな〜と思いつつ、これで試合は決まったと思ったんですが…
9回裏に先頭打者が四球で出塁し、9番永田選手のセンター前ヒットで1・2塁とし、
送りバントの処理を金沢桜丘の太田投手がミスしてオールセーフ。
2番山下選手のタイムリーヒットで1点を返した後、
1アウトからサードボテボテのゴロを金沢桜丘の野手がボールに手がつかずオールセーフの同点内安打、
そんでもってレフトへサヨナラ犠牲フライという形でしたから…
ホント何が起こるか分かりませんよねぇ。
一発勝負なだけに終盤のプレッシャーはかなり大きいのでしょうが…
それに負けてミスしてしまっては悔やんでも悔やみきれないです。
ある意味では、高校野球らしい、残酷な試合でした。

負けた金沢桜丘は勝利目前でミスを連発してしまいました。
先頭打者への四球、送りバントの打球処理、その後のレフト・ショートの衝突(一時中断あり)、
サードボテボテのゴロの打球処理と… 1イニングでこれだけミスが重なってしまうと勝てません。
緊張する中で自分達のプレーができなかったために負けてしまいましたね。
全般的にはエース太田投手が130キロ後半の力強いストレートで好投し、
バックがしっかり守るという野球ができていただけに、9回のミスは勿体無いです。
もうこんな悔しい思いはしたくないでしょうから、
イメージトレーニングを重ねて、平常心でいられるよう練習していって欲しいです。

勝った愛知啓成も9回表にエラー絡みで失点しているため、金沢桜ヶ丘同様のことが言えます。
それでも9回裏はきっちりした送りバント、犠牲フライと攻撃面でミスをしませんでしたから、
その分が勝利に結びついたのかなと思います。
劣勢の中でも粘り強くプレーしたことが生きた形です。
エースの水野投手も打たれながらも、なんとか粘りましたし、
ミスがあってもそれを引きずらずにプレーする精神的な切り替えの早さが愛知啓成にはあった気がします。
エラーをしても最小失点に食い止める、アウトを確実に取っていく、
そういった野球ができたことが今日の勝因だと思います。
次の試合も粘り強い野球で食らいついていって欲しいですね。





第3試合 今治北(愛媛) 12−9 延岡学園(宮崎)

(延)大西(5回2/3)−山田(2回1/3)
(今)西原(9回)
(本)山本(今治北・4回裏・1号2ラン)、桧垣(今治北・6回裏・1号3ラン)
延岡
今治北 × 12

もうここまでいくと何が何だか(苦笑)
5回表に延岡学園は1イニング9得点、今治北は6回裏に7得点。
もうどうなっているんだと(^^;
どちらの回もアウトを取るべきところでアウトが取れていませんでした。
5回表の方は今治北にとって不運なヒットが続きましたが、
それでもアウトに取る方法やランナーの進塁を阻むことはできたはず。
不運なヒットと思ってしまったが故に、やるべきことが疎かになっていました。
ポテンヒットでもヒットはヒット、それは覆すことはできません。
もうそれは割り切って考え、余計な進塁を与えないことをしなければいけないのに…
もう浮き足立って歯止めが利かず。その結果が1イニング9失点です。
6回裏は長打が多かったんですが、その合間に四死球が絡んでしまっています。
ホームランを打たれた後の切り替え、それができていなかったのでしょう。
試合展開こそ逆ですが、第二試合同様に精神的弱さが露呈されてしまう試合でした。
もっとピッチャーは粘り強く、野手はしっかりと守って欲しかったです。

負けた延岡学園はエース大西投手の出来が誤算だったのでしょう。
右アンダースローの本格派投手(ストレート120後半も力あり)なのですが、
肘に痛みがあったことで、本来のボールのキレやコントロールがなかったようです。
緩い球がないので緩急差が付けられませんでしたし、一度打たれ始めるともう止まりませんでした。
もう一度投手を中心とした守備面を鍛え直していってもらいたいです。

勝った今治北は3番赤宗選手や4番山本選手、1番桧垣選手の長打など、
打線に見るべきものがありましたが、守備面では上記の通り問題大有りでした。
はっきり言って勝ったのが奇跡的です。
あれだけ余計な進塁・失点を与えておいて勝つというのも滅多に無いでしょう(^^;
今日の試合で野球は何が起こるか分からないということが身に染みて分かったでしょうから、
どんなに打たれてたとしても最小失点で抑えられるよう、
守備面の集中力を切らさないでもらいたいです。
次の試合に向けてはそこが課題ですね。





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