06センバツ甲子園大会 4日目

第1試合 日本文理(新潟) 4−3 高崎商(群馬)

(高)石川(8回)
(日)栗山(5回)−横山(4回)
高崎商
日本文理 ×

日本文理がセンバツ大会新潟県勢初勝利を収めました。
先発の2年生右腕・栗山投手が打たれながらも5回まで粘り、
2番手の3年生右腕・横山投手へと繋ぎ、見事に高崎商打線を抑えきりました。
また打線は中盤以降にシャープな打撃を見せて、高崎商・石川投手を攻略。
投打両面において良い試合運びを見せる快勝でしたね。

負けた高崎商はエース左腕・石川投手の調子が良くなかったそうです。
それでも悪いなりに4失点で抑えたのですから、好投した部類だと思います。
中盤に球威が落ちたところをやられてしまいましたね。
打線は日本文理の2番手・横山投手の変化球の見極めができず、
なかなか反撃の糸口を掴めませんでした。
9回にチャンスを作ったものの、最後はやはり変化球に二者連続三振で終わってしまいました。
バント・守備が正確で卒のない野球はできているようなので、
夏に向けて個々の力を伸ばしていって欲しいです。

勝った日本文理は序盤こそ石川投手に抑えられたものの、
中盤以降はセンター方向を意識したシャープなバッティングと確実なバントで着実に得点。
さすがは.400打線というところを見せてくれました。
投手陣では2年生右腕の栗山投手が縦横2種類のスライダーを武器に粘投、
2番手の横山投手はスライダー・カーブを軸に上手く相手打者のタイミングを外しました。
やや変化球に頼りがちな所がありますが、2人ともいい投手です。
この初勝利を弾みとし、さらに上を目指していってもらいたいです。
これまでセンバツでは不利と言われた雪国では東北・北海道勢が躍進、
今度は北陸地方のチームの出番でしょう。
投打のバランスがいいだけに、日本文理の活躍に期待がかかります。

目に付いた選手は日本文理の栗山・横山両投手です。
2年生右腕の栗山投手はストレートが130キロ中盤、縦横2種類のスライダーが武器の投手です。
スライダーの切れはなかなかのものがあったと思います。
ただややコントロールが甘くなる場面が見られ、まだ能力は発揮し切れていないかなと。
制球と投球術を磨き、スライダー投手として大成して欲しいです。

3年生右腕の横山投手は力強さでは栗山投手にやや劣るものの、コントロールが安定しています。
コンパクトな投球フォームで下半身は巨人・上原投手のような捻り型、
テイクバックが小さく、速いモーションで投げていきます。
ストレートは130中盤ぐらいは出るようですが、配球のほとんどが変化球。
縦のスライダー・カーブなどを多投し、打ち気にはやる高崎商打線を上手くかわしました。
今後は見極められる可能性もあるので、
ストレートを上手く使って狙い球を絞らせない投球をして欲しいです。





第2試合 清峰(長崎) 11−2 岡山東商(岡山)

(清)有迫(6回)−富尾(2回)−木原(1回)
(東)秋山(9回)
(本)池野(清峰・4回表・1号2ラン)
清峰 11
東商

清峰打線が6回に相手の四球やエラーに乗じて集中打を見せ、
一挙8得点を奪って試合を決定付けました。
それまでは清峰・有迫投手と岡山東商・秋山投手ともに制球に苦しみ、
四死球でランナーを出すという苦しい投球が続いていただけに、この8点は大きかったですね。
清峰打線の集中力の勝利といったところでしょう。

しかし両チームとも四死球多すぎ。
これまでの試合はテンポの良い投手戦だっただけに尚更。
清峰は有迫投手が7四球、富尾投手が2四球、木原投手が1四球とイニングに1個の計算。
岡山東商の秋山投手は8四死球。ちょっと四死球が多すぎました。
野球は投手が試合を決めてしまうだけに、四死球はできるだけ少なくして欲しいっす。

負けた岡山東商はエース・秋山投手の出来が誤算でした。
中盤辺りから甘い球を長打にされ始め、なかなかストライクを取りに行けなくなってしまい、
四球を出してランナーを溜めては、失投でランナーを返してしまうという悪循環に。
コントロールのアバウトさが失点に繋がってしまいました。
小柄ながらも強い腕の振りでストレートは130中盤まで出ますし、
スライダーもボールのキレ・変化自体はいいのですから、
夏に向けてコントロールを磨いていってもらいたいです。
打線の方は四球で貰ったチャンスを生かせませんでした。
ランナーが出ていたので気付きませんでしたが、結果を見ると2回以降ノーヒット。
打線が力を発揮できずに終わってしまいました。
個々の打撃能力のアップも必要不可欠となりそうですね。
岡山には関西という強力なライバルがいるだけに、負けないよう頑張って欲しいです。

勝った清峰は攻守にレベルの高いチームという印象を受けました。
昨夏は好投手の古川投手が一人目立つような形でしたが、今年はチーム全体に力がありますね。
攻撃では選球眼が良く、逆方向へも長打を放つだけの能力があります。
各打者がシャープなスイングをし、繋ごうという意識を持っていたのが大きかったと思います。
そこらがチャンスを生かせた理由でしょう。
守備でも随所でナイスプレー。
特に初回制球が定まっていなかった有迫投手を助けるサード・佐々田選手のプレーは大きかったです。
課題としてはピッチャーのコントロール。
能力的には昨年の古川投手に負けないものを持っているのですが、
さすがにチーム全体で四球9個というのは多すぎます。
バックがいいだけに、もっと大胆に攻めていって欲しいですね。

目立った投手は清峰の有迫投手です。
昨年の古川投手に似た投球フォームで、上体の倒しで投げるんですが、
立ち上がりからどうも上半身が固いというか… 上手く倒れずに腕が振り切れていませんでした。
甲子園のマウンドで緊張したというのもあるんでしょうが、
フォームが不安定なのは少し気になります。
ただボール自体はストレートが130キロ中盤、
スライダー・カーブもなかなかと能力自体は古川投手に負けていません。
投球フォームが安定してくれば、かなり期待できる投手になれるのではないでしょうか。
次の試合ではテンポの良い投球を期待したいです。





第3試合 東海大相模(神奈川) 4−1 京都外大西(京都)

(外)大野(3回2/3)−北岡(2回)−本田(2回1/3)
(相)長谷川(7回1/3)−高山(1回2/3)
外大西
相模 ×

東海大相模の先発が長谷川投手、京都外大西の先発が大野投手と、
秋季大会ではあまり出番がなかった投手がスターターを務めたこの試合は、
両投手のテンポのいい投球と、それに触発されたような好守備の連発で緊迫した投手戦となりました。
しかし先に動いた京都外大西の継投が裏目に出てしまい、
昨夏1年生リリーフとして大活躍した本田投手がストレートを狙い打たれて失点。
東海大相模が勝利を収めました。

まぁ、しかし良い試合でした。
プロ野球の試合と重なっていたため、じっくり見ていたわけではありませんが、
四死球が少ないテンポの良い試合で、
両チームのサードが素晴らしいプレーを見せるなど、なかなかに興奮する試合でした。
一回戦屈指の好カードだっただけはありますね。レベルの高い好ゲームだったと思います。

負けた京都外大西は最後までリードする展開に持ち込めなかったのが敗因でしょう。
初回に甲子園初登板ということで緊張したのか大野投手がボークをしてしまい、内野ゴロで失点。
その後、大野投手は堂々としたピッチングを見せるも、なかなか打線が援護できず。
2番手・北岡投手にスイッチし、なんとか同点に追いついたものの、
6回裏のピンチで我慢しきれずに本田投手を投入。
四球を出すなど、コントロールが甘く、勝ち越しを許す2失点… 
得意の継投が生きる展開にできなかったのは残念です。
本田投手の投入で勢いを付けようと思ったのでしょうが…夏の神通力は春まで続きませんでした。
やはり同点・負けている展開での継投は難しいです。
そういう意味では打線が繋がらず、援護できなかったのが痛かったです。
期待された昨夏活躍の1番平林選手はマークが厳しくノーヒットに終わるなど、
なかなかチャンスを作れませんでした。
試合展開的には失点後の7回表のバントミスが痛かったです。
先頭の4番吉田選手がレフトオーバーの2ベースで出塁するものの、送りバントで3塁タッチアウト。
その後、ヒットで再びチャンスを作ったものの、得点できず。
本田投手の投入で勝負をかけていただけに、この回のチャンスを生かせなかったのは大きかったです。
昨夏見せた投打の勝負強さが見せられなかったのが残念です。
もう一度再スタートですね。
各選手の能力は高いのですから、夏に向けて実戦感覚を磨いていって欲しいです。

勝った東海大相模は長谷川投手の好投が光りました。
秋季大会ではほとんど出番がなかったようですが、
130前半〜中盤のストレートとスライダー・カーブをコントロールよく投げる投球は見事でした。
緊張する甲子園の初戦でこの長谷川投手の安定感を買ったのでしょう。
打たせて取るテンポの良い投球でチームに良い流れを呼び込みました。
そしてそれを支えたのが東海大相模の守備力。
特にサードの村瀬選手は再三の好守備。
速いライナー性の打球に飛びついたり、ボテボテのゴロを素早く捕球して投げたりと大活躍でした。
今日の試合は村瀬選手の守備がなければ成り立たなかったぐらい。
この鍛えられた守備が東海大相模の大きな武器でしょう。
打線は期待された4番の田中大二郎選手はノーヒットだったものの、
8番の長谷川隼也選手が本田投手のストレートを弾き返すなど、
各打者に速球に振り負けないだけの力がありました。
投打にまとまりのある良いチーム、上位進出を目指して頑張って欲しいです。





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