06センバツ甲子園大会 1日目

第1試合 神港学園(兵庫) 4−0 南陽工(山口)

(神)林(9回)
(南)仲野(9回)
神港学園
南陽工

開幕試合ということで両投手の立ち上がりが心配されましたが、
南陽工・仲野投手は130前後のストレートを両サイドに散らし、
変化球を低めに集めるコントロール重視の投球で上々の立ち上がりを見せていました。
ただ中盤に内角の厳しいストレートを打たれて先制点を奪われて以降、
徐々に甘い変化球を神港学園打線に捉えられ始め、失点が重なっていきました。
逆に神港学園・林投手は立ち上がりの制球が不安定だったものの、
2回以降は低めに角度のあるストレートが決まり始め、
落差のあるカーブ・フォークを交えて尻上がりに調子を上げていきました。
南陽工業は最後まで突破口を開けませんでしたね。

この試合で特徴的だったのは牽制タッチアウトですね。
南陽工の仲野投手はかなり牽制が上手でしたが、ちょっと凡ミスといった感じの走塁もあり、
やや緊張感が途切れてしまうシーンが見られました。
この点が少し残念でしたね。
ただ守備の方は初戦・雨上がりという良くないグラウンドコンディション・状況の中で、
両チームともにしっかりと守っていたと思います。
負けた南陽工は打線の力を付ければ、夏の大会も勝てると思います。今後も頑張れ!
勝った神港学園は守りを中心にバランスのいいチームという印象。次の試合でも頑張って欲しいです。

目に付いた選手は神港学園の2年右腕・林投手
腕が高い位置から振り下ろされてくる投手で、ボールに角度がありました。
ストレートは130前後ですが、低めに決まった時のストレートは威力がありましたね。
そして同じ高さから繰り出される100キロを切るカーブ、フォークも落差があり。
もう少しスピードが出るようになって迫力が増せば、
ソフトバンクの斉藤和巳投手のような投手になれると思います。
評価としてはなかなか。





第2試合 成田(千葉) 3−0 小松島(徳島)

(小)安達(6回2/3)−福島(2回1/3)
(成)唐川(9回)
小松島
成田 ×

いや〜 成田はよく鍛えられていますね。
エースの唐川投手もショートの西田選手も2年生にも関わらず、動きが良かったです。驚き。
この試合はロースコアのナイスゲームでした。
両チームともに守備が堅く、随所に良いプレーを見せるなど守り勝つ野球をしていました。
派手さはないものの、両チームともよく鍛えられています。

試合は成田が2年生エース唐川投手を中心に、積極的な走塁と堅い守備で守り勝ちました。
小松島も守備が良く、外野から好返球が来たのですが、
上手くタッチを交わして生還するなど、随所で成田の走塁が光りました。
打った瞬間は生還できると思いましたが、それを阻むようなナイス返球ばかりだっただけに…
ホームでの指示などチームプレーが徹底されているなと感じます。
小松島は右サイド・スリークォータと変幻自在にテンポ良く投げる安達投手を中心に守りましたが、あと一歩及ばず、
攻撃面では成田のバントシフトに阻まれたとはいえ、確実に決めていればどうなっていたか分かりません。
それだけに成田の走塁等を見習い、よりチーム力が備わったチームにしていって欲しいです。
勝った成田はショートの西田選手、キャッチャーの古跡選手を始めとして、
サード・ライトが好プレーを見せるなど守備・走塁での動きの良さが目立ちました。
成田は強いですよ。2回戦以降も注目です。

目立った選手は成田の2年生エース唐川投手です。
バランスの良い綺麗な投球フォームから常時130キロ後半の球を投げる右腕投手で、
球離れが遅く、球速以上のキレを感じるタイプです。
足を上げるまでゆっくりでソフトバンク・杉内投手のような入り。フォームの緩急が生きてます。
NHKで145キロがありましたが、誤計測っぽいので最速は142キロとしておきます。
終盤にも140キロ台をマークしてましたから、2年生ながらスタミナもありそうです。
初回から2回にかけての四者連続三振は見事でした。
ただ速いだけではなく、狙った所に投げきるコントロールもあります。
今日の球数は115球。常にストライク先行で、カウント2−1からの勝負が多かったです。
変化球は100キロ台のカーブと110キロ台の縦スライダー。
スライダーは悪くなかったと思いますが、変化球のキレはまだこれからでしょう。
タイプ的にはロッテの清水直行投手。2年生でこれだけの完成度を誇るのは脅威です。
順調に育てば来年のドラフトの目玉になることは間違いないと思います。

あとは成田の3番ショート2年生の西田選手
ポジション取りが上手く、再三の好プレーで唐川投手を盛り立てていました。
セーフになったとはいえ、4回表の守備は見事でした。
二塁寄りに守っていて逆を突かれての三遊間深くのゴロになったのですが、
機敏な動きで正面に入って、ノーステップスローで1塁送球、
少し送球が高かったため、1塁手の足が離れてしまい、結果は内安打。
セーフになったとはいえ、あの位置からのノーステップスローでワンバウンド・悪送球にならなかったのは、
高校生で見たことがありません。
肩の強さ・送球の素早さとレベルの高いショートだと思います。





第3試合 智弁和歌山(和歌山) 4−0 伊万里商(佐賀)

(伊)多久島(7回)−山田(1回)
(智)竹中(9回)
伊万里商
智弁和歌山 ×

伊万里商は緩急で勝負する多久島投手を中心とした守備の力で、
強力な智弁和歌山打線の力を封じたものの、攻撃面で一歩及ばずに惜敗しました。
右サイドの軟投派・多久島投手が相手のタイミングを外しながら上手く投げていたんですがね。
強打者に対して内角を厳しく突いて詰らせるましたが…
それがポテンヒットとなって失点に結びついてしまいました。
やはり打線が早めに得点して、もう少し追い詰めていたら… 攻撃面の課題が大きいですね。

勝った智弁和歌山は強力打線こそ封じられたものの、
竹中投手が完封勝利を飾るなど嬉しい誤算(?)となりました。
130キロ中盤のストレートをコントロール重視で投げ、
100キロ台の落差の大きいカーブ(ドロップ)を武器として伊万里商の攻撃を封じました。
オーソドックスな右腕ですが、それ故に安定感がありそうです。
今日のようにカーブが生きていけば、この先も好投できるのではないでしょうか。
打線の方は伊万里商・多久島投手の緩急にやられてしまい、長打は一本も出ず。
安打数こそ9安打ですが、4番松隈・5番橋本選手の主軸2人は完全に抑えられてしまったので、
伊万里商バッテリーがよく頑張ったというべきでしょう。
それにしても松隈・橋本の両選手は打撃が強引過ぎました。
内角の厳しい球を引っ掛けて内野ゴロ・ポップフライという形ばかり。
長打を狙い過ぎています。もう少しコンパクトな打撃を心がけて欲しいところです。





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