05夏の甲子園大会 3日目

第1試合 京都外大西(京都) 4−1 菰野(三重)

(外)北岡(4回)−本田(5回)
(菰)岡本(9回)
(本)薮内1号(5回表・京都外大西・ソロ)
外大西
菰野

この試合は所要であまり見ることができず。
ダイジェストな感じで試合経過を(^^;

簡単な得点経過です。
3回表 京都外大西の攻撃
四球で出たランナーを送りバントで進め、
2番高原選手がタイムリー3ベースを放ち先制。
さらに送球が逸れる間にホームを狙うもこれはタッチアウト。

3回裏 菰野の攻撃
1アウトから1番竹内選手が2ベースヒットで出塁するも、セカンドゴロ2つで無得点。

4回表 京都外大西の攻撃
先頭の3番平林選手が2ベースヒットで出塁し、6番五十川選手のタイムリーヒットで追加点。

4回裏 菰野の攻撃
8番岡本投手の三遊間抜くタイムリーヒットなどで1点を返す。

5回表 京都外大西の攻撃
8番薮内選手が外角ストレートを捉えるレフトスタンドへのソロホームランを放ち、1点追加。

5回裏 菰野の攻撃
この回から京都外大西は2番手の本田投手にスイッチ。
力のあるストレートを中心に菰野に付け入る隙を与えません。

6回表 京都外大西の攻撃
4連続安打などで1点を追加。

9回裏 菰野の攻撃
三者凡退。
試合終了、京都外大西が4−1で菰野を下しました。


勝った京都外大西は2番手の1年生右腕・本田投手が良かったですね。
130キロ後半のストレートでぐいぐいと押すピッチングは見事でした。
京都外大西が勝っていくためには本田投手のピッチングが必要不可欠。
将来が楽しみなのと同時に、今大会でどういったピッチングを見せてくれるのか、注目です。

負けた菰野はエースの岡本投手を中心に最小失点で凌いでいたんですが…
それを攻撃のリズムに繋げることができませんでした。
京都外大西の本田投手のストレートに押されてしまい、
5回以降はチャンスらしいチャンスが作れませんでした。
ただ岡本投手のストレート・スライダーのコンビネーションの良さ、
バックの堅実な守りと光るものを見せましたから、
今大会の経験を生かし、新しい伝統を作っていって欲しいです。



第2試合 関西(岡山) 6−5 高岡商(富山)

10 (高)細川(9回0/3)
(関)西所(7回0/3)−ダース(3回)
(本)西村1号(2回裏・関西・ソロ)
高岡商
関西 1×

関西が延長戦を制し、勝利を収めました。
1・2年生主体で若いチームである高岡商もよく食い下がったんですが…
バントミスが痛かったですね。一歩及ばなかったのはそこらの差でしょう。
甲子園での経験の差が出た試合だったと思います。

簡単な得点経過です。
2回裏 関西の攻撃
7番西村選手の2ランホームランで関西が先制。

3回表 高岡商の攻撃
2アウトからエラー・ヒット・死球でチャンスを作るも、4番井上選手がファーストゴロに倒れて無得点。

4回表 高岡商の攻撃
先頭打者が死球で出塁するも、送りバント小フライをファーストの西村選手にダイビングキャッチされてアウト。

4回裏 関西の攻撃
2アウトから1番上田選手が三遊間抜くタイムリーヒットを放ち1点追加。

5回表 高岡商の攻撃
この回も送りバントが失敗してチャンスを広げられず。

5回裏 関西の攻撃
3番船引選手の痛烈なライト前ヒットでチャンスを作り、
4番松本選手のレフト線抜くタイムリー2ベースなどで追加点。

7回表 高岡商の攻撃
この回も送りバント失敗などで一時チャンスを潰すも、
改めてチャンスを作って犠牲フライとライトオーバー3点タイムリー3ベースで1点差に追い上げます。

8回表 高岡商の攻撃
2番手のダース投手のワイルドピッチでランナーホームイン。同点に。

9回表 高岡商の攻撃
ヒット・盗塁でチャンスを掴み、3番有沢選手のライト前ヒットでホームを狙うも、好返球が来てタッチアウト。

10回裏 関西の攻撃
先頭の船引選手が3ベースヒットで出塁し、高岡商は満塁策。
ここで6番平井選手が左中間へのタイムリーヒットを放ち、サヨナラ勝ち。
関西が6−5で高岡商に勝利しました。


勝った関西は投打のバランスが取れています。
投げてはエースの西所投手は右サイドから130キロ中盤のストレートをマーク、
左打者の膝元のスライダーや外角にシンカー気味に落ちるナックルなど投球に幅があります。
ナックルは腕の高さが変わったりしてしまうので、後半はなかなか決まらなくなってしまいましたが、
初対戦の選手にとっては難しい球の1つでしょうね。この球が磨かれると面白い投手になれるかと。
2番手の2年生右腕・ダース投手も191センチの長身から135キロ前後(139キロ)の角度あるストレート、
切れのあるスライダーを投げるなど良いピッチングを見せていました。
まだ日ハムのダルビッシュ投手のような威圧感はないものの、将来が楽しみな投手です。
打線では3番ショート船引選手と4番セカンド松本選手が中心。
速いスイングスピードで無理なく打っている所は見事かと。
松本選手はセンバツ大会で活躍していたこともあって印象深いものがありましたが、
今日の試合では船引選手のバッティングに目を引くものがありました。
高校生離れした鋭い打球速度、方向に逆らわない柔軟なバッティング、
バットにボールを乗せるのが上手い打者という印象を受けました。
守備の方はまだ分かりませんが、打撃のいい大型ショートとして注目の存在かと。
ただこれだけ選手が揃っているのにも関わらず試合は苦戦。
継投のタイミングなど試合運びが上手くいきませんでした。
初戦ですし、思うようにはいきませんよね。今日の苦戦を次の試合に生かしていって欲しいです。

負けた高岡商はバントミスが痛すぎました。
ランナーを出しても進められずという展開ばかり。
バントが決まっていれば、さらにチャンスが広がっていたでしょうから勿体無かったです。
1点差の試合だっただけに、点数を取れるところで取れなかったのが敗因でしょう。
1・2年生主体のチームでまだ先がありますから、
今日の敗戦を生かし、チームプレーを徹底するようにしてもらいたいです。



第3試合 大阪桐蔭(大阪) 9−7 春日部共栄(埼玉)

(共)難波(4回1/3)−今井(3回2/3)
(桐)辻内(4回2/3)−中田(4回1/3)
(本)鶴岡1号(3回表・春日部共栄・ソロ)
  中田1号(7回裏・大阪桐蔭・ソロ)
春日部共栄
大阪桐蔭 ×

んー… 試合、荒れすぎ… もう少しまとまった試合をして欲しい(^^;
注目の辻内投手は1回と2回以降は別人。話には聞いていましたがここまでとは。
初回は最速152キロをマークするなど、スピードガンの数字に相応しい威力ある球で攻め込んでいたのに、
2回以降はどこかボールを置きに行くような形とってしまい、
初回はボール球で吊ることができていましたが、それ以降はサッパリ。
初回のボールはプロでも見られない素晴らしい球だと思いましたが… うーん、脆い。
何が分からないかって2回のノーアウト2塁で簡単に送りバントをやらせちゃう所ですよねぇ…
145キロ以上の球を高めに投げればバントもできなかったでしょうに。
簡単に低めに130キロ後半の球を投げてしまえば、バントも決められちゃいますよ。
ピッチングというのがまだ分かっていないような気も。
もう少し安定感が出てくると全く評価も変わってくるんですけど…
ただ速い球を投げるのは他の人に真似できない才能ですから、それを大切にしてもらいたいです。
次の試合に注目ですね。

試合の方はひたすら打ち合い。
大阪桐蔭の1年生中田選手の投打に渡る活躍で勝利を収めた形です。
投げては常時140キロ以上をマーク、145キロ前後の球を投げながらも、
全体的にまとまりがあり、安定感がありました。
1年生とは思えないピッチングであったことは確かです。
ただ辻内投手のように大きな武器がまだないので、さらに大きな投手になるにはそこが課題かと。
バッティングでも豪快な打撃を見せていましたし、今後が楽しみです。
バッティングではもう少し柔軟性を、ピッチングではもう少し豪快さを、
それぞれ出てくるようになるとトンでもない選手になると思います。
面白い選手が出てきたことは確かかと。

簡単な得点経過です。
1回表 春日部共栄の攻撃
大阪桐蔭の辻内投手がいきなり148キロをマーク、
その後も150キロをマークし、左腕最速の152キロをマーク。
2三振を奪うなど上々の立ち上がりを見せます。

1回裏 大阪桐蔭の攻撃
1番篠原選手がショート内安打で出塁し、送りバントで2塁へ。
2アウトとなるも4番平田選手が三遊間抜くタイムリーヒットを放ち、1点を先制。
続く5番中田選手が外角カーブを強引に引っ張ってサード右抜くタイムリーヒットを放ち、
大阪桐蔭が2点を先行します。

2回表 春日部共栄の攻撃
順調な立ち上がりを見せた辻内投手だったものの、
四球やワイルドピッチなど大荒れとなってしまい3失点。

3回表 春日部共栄の攻撃
4番鶴岡選手のセンターへライナーで飛び込むソロホームランを放ち1点を追加。

3回裏 大阪桐蔭の攻撃
5番中田選手が左中間へのタイムリー2ベースを放ち追加点。

5回表 春日部共栄の攻撃
牽制悪送球などでランナーホームイン。大阪桐蔭は中田投手にスイッチ。
コントロールが定まらず押し出し四球を出して1失点。

5回裏 大阪桐蔭の攻撃
4番平田選手が外角低めストレートを引っ張るレフト左抜くタイムリー3ベースで1点返し、
6番米川選手のレフト左抜くタイムリーヒット、ワイルドピッチで同点に追いつき、
ライトへの犠牲フライを放ち1点を勝ち越します。

7回表 春日部共栄の攻撃
4番鶴岡選手の2ベースヒットでチャンスを作り、6番渡辺選手のタイムリーヒットで同点に。

7回裏 大阪桐蔭の攻撃
5番中田選手の高めストレートを捉えるレフトスタンドへのソロホームランで勝ち越し。
さらに9番林選手のあわやホームランかというレフトフェンス直撃のタイムリー2ベースで追加点。

9回表 春日部共栄の攻撃
2アウト満塁のチャンスを作るも最後は空振り三振。
試合終了、9−7で大阪桐蔭が春日部共栄を下しました。


勝った大阪桐蔭はバッティングが見事ですよね。
4番の平田選手は対応範囲が広くなったなという印象が。
外角低めのストレートを引っ張って、もの凄い当たりを放った時は格が違うなと思いました。
その後は相手投手が逃げずに勝負してきたので、やや結果が残りませんでしたが…さすがかと。
次の試合にも注目です。
平田選手以外にも5番中田選手を始め、先発全員安打の17安打。切れ目がありません。
スイングスピードが速くどこからでも長打が出そうな打線。強力です。
問題は投手力でしょうか。
辻内投手はコントロールが大荒れ、中田投手は変にまとまっている所あり。
相手投手が良い場合に、いかにして失点を防ぐか。優勝するためにはそこが課題でしょうね。
辻内投手が大会の中で育ってくれることを期待したいです。

負けた春日部共栄は4番の鶴岡選手を中心に最後まで食い下がりました。
辻内・中田投手と超高校級のストレートを投げるのにも関わらず、全く振り負けていませんでした
敗れはしたものの、最後まで諦めずに頑張ったと思います。ナイスゲームでした。



第4試合 藤代(茨城) 3−2 柳川(福岡)

10 11 12 (藤)湯本(12回)
(柳)渡辺(12回)
藤代
柳川

今大会は乱打戦となったり、守備のミスもあったりで試合が荒れるケースが多いんですが…
いやー、こういった投手戦は締まりますね。守備も再三のナイスプレー、気持ちが高ぶります。
これでこそ高校野球! そんな気持ちになりますね。
…乱打線になると試合経過の所が長くなって嫌なんですよ…(ぼそっ)
ここまでの試合で一番良い試合だったと思います。
両投手、両チームともによく頑張りました。改めて賛辞を送りたいです。

今日の試合展開を左右したのは… 延長11回の藤代の守備でしょうか。
柳川の守備も安定しており、延長12回のセカンド山口選手の守備など光るものがあったんですが、
印象深かったのは11回のレフト高柳選手のプレーでした。
ファールフライなわけですから、別に無理してまで捕りに行かなくても良いような場所でした。
それを最後まで諦めずに追いつ続け、勢い余ってフェンスに当たっても笑顔。
これぞ高校野球だという全力プレーを見せてくれました。
こういったファイト溢れるプレーが藤代の選手達を勇気付け、試合の流れを持ってきたんだと思います。
守備のリズムは試合のリズム。チーム一丸となるなど野球の基本です。
それを改めて感じる試合でした。

簡単な得点経過です。
1回裏 柳川の攻撃
1アウトから死球でランナーを出し、2アウトから4番松尾選手のヒットでチャンスを広げ、
5番沢田選手のライトオーバー2点タイムリー2ベースで2点を先行。

6回表 藤代の攻撃
先頭の8番過ぎの選手のライトオーバー2ベースヒット、送りバントでランナーを3塁へ進めるも、
スクイズがピッチャー真正面に行ってしまい、ホームタッチアウト。得点ならず。

7回表 藤代の攻撃
先頭の3番田辺選手がヒットで出塁するも、強い当たりのショートゴロ併殺で2アウト。
この後、ヒット・四球で満塁のチャンスを作り直すも、後続が倒れて無得点。

8回表 藤代の攻撃
先頭打者が四球で出塁し、ワイルドピッチ・送りバントで3塁へ。
2アウトとなるものの、3番田辺選手がセンター前タイムリー、
4番大塚選手が左中間抜くタイムリー2ベースを放ち、同点に追いつきます。

10回表 藤代の攻撃
先頭の9番村上選手が3ベースヒットで出塁するも、
後続打者への強攻策が裏目に出て凡退。得点ならず。

10回裏 柳川の攻撃
先頭の1番山口選手が2ベースヒットで出塁し、送りバントで3塁へ進めるも、
後続が倒れてこちらも得点ならず。

11回裏 柳川の攻撃
レフト高柳選手がファールフライをフェンスにぶつかりながら捕ったり、
セカンド田辺選手が難しい打球を上手く処理するなど堅い守備が機能して三者凡退。

12回表 藤代の攻撃
先頭の8番杉野選手がショートのグラブを抜いていくヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
1番中津川選手が三遊間抜くヒットで続いたりして、2アウト1・3塁。
ここで3番田辺選手がライト前に落ちるタイムリーヒットを放ち、藤代が勝ち越します。
この後の4番大塚選手はセンターへ抜けるかという打球を放つも、
柳川のセカンド山口選手がダイビングで止めて1塁送球アウト!

12回裏 柳川の攻撃
セカンド田辺選手のナイスランニングスローアウトなどもあって三者凡退。
試合終了、藤代が延長戦を制し、3−2で柳川を下しました。


勝った藤代はエースの湯本投手を始め、ディフェンス面がしっかりしたチームです。
エラーこそ2つありましたが、レフトの高柳選手のファイト溢れるプレーを始め、
9回のライトからの好返球、セカンドの田辺選手の的確なプレーと良く鍛えられています。
とりわけ球際に強いですよね。ボールに対する執念を感じさせてくれます。
湯本投手は初回こそ変化球が高めに入ってしまい、2失点しましたが、
2回以降は135キロ前後のストレート、2種類のスライダーを低めに集め、
柳川打線に付け入る隙を与えませんでした。
終盤にもボールの勢いは衰えていませんでしたし、スタミナもありそうです。
打線では2年生の3番田辺選手がシュアな打撃を見せるなど活躍。
田辺選手のプレーでむしろ印象深かったのはセカンドの守備です。
難しいバウンドでも前に行きながら捕球し、安定したスローイングで湯本投手を盛り立てていました。
2回戦以降も湯本投手のピッチング、田辺選手の守備に注目したいです。

負けた柳川もエースの渡辺投手を中心に安定した守備力を誇っていたんですが…
あと一歩及びませんでしたね。
初回の2得点以外ではなかなかチャンスを作れず。
立ち上がりの湯本投手が不安定だっただけに、できるだけ畳み掛けておきたかった所です。
負けたとはいえ、渡辺投手の左腕から繰り出される135キロ前後のストレート、
110キロのカーブコンビネーション、そしてバックの安定した守備は見事でした。
藤代とともに素晴らしい試合を見せてくれたことを称えたいです。ありがとう。



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