05センバツ甲子園大会 9日目

第1試合 神戸国際大付(兵庫) 15−1 慶応(神奈川)

(神)大西(4回)−有元(4回)−中野(1回)
(慶)中林(5回)−忠本(1回)−
 福山(1/3)−中林(2回2/3)
(本)正木(1回表・神戸国際大付・1号2ラン)
神戸国際大付 15
慶応

神戸国際大付が1回に猛攻を見せ、慶応に勝利しました。
1回の攻防が勝敗を決めてしまいましたね。
慶応の中林投手、神戸国際大付の大西投手もテンポの良いピッチングが持ち味で、
立ち上がり波に乗る前にどうやって得点するかがポイントでしたが…
神戸国際大付は1回表に初球から打ちに行って、それが好結果に繋がって5得点、
一方の慶応は1回裏にノーアウト満塁のチャンスで見逃し三振・併殺と得点になりませんでした。
この差がそのままスコアに反映されてしまった気がします。
初回の攻防が全てでしたね。

簡単な得点経過です。
1回表 神戸国際大付の攻撃
1番前田選手が初球打ちライト前ヒットで出塁し、初球の送りバントで2塁へ。
3番井内選手が甘いスライダー捉える左中間突破のタイムリー2ベースヒットを放ち先制、
4番正木選手も甘いスライダーを捉えるレフトスタンドへの2ランホームランを放ち、
神戸国際大付が積極的な攻撃であっという間に3点を奪います。
さらにショートのエラー、盗塁、6番長谷川選手がライト前ヒット、盗塁で1アウト2・3塁とし、
7番桜井選手がスクイズを敢行し、中林投手がグラブトスでナイス反応を見せるも、
スライディングが上手くてセーフ、犠打野選で1点を追加し、なおも1アウト1・3塁という場面で、
8番中村選手がスクイズを決め、盗塁・小技で2点を奪います。
この後、9番打者のセーフティバントファールゾーンの小フライを
キャッチャーがダイビングキャッチするファインプレーを見せ、慶応に流れを呼びます。

1回裏 慶応の攻撃
1番新谷選手が初球打ちサードゴロと思いきや、ファーストが捕球できないというエラー。
ここで2番漆畑選手の送りバントを大西投手が無理して2塁へ送球でオールセーフ、犠打野選。
さらに3番高尾選手の送りバントを大西投手が3塁に送球し、
タイミングはアウトだったものの、送球が少し逸れてしまってセーフ、犠打野選でノーアウト満塁。
しかし4番湯浅選手がフルカウントから外角スライダーに見逃し三振、
5番山口選手が低めスライダーを捉えた打球は運悪くショート正面のゴロで併殺に。
慶応が絶好のチャンスを生かすことができません。

2回表 神戸国際大付の攻撃
2アウトから四球でランナーが出て、4番正木選手が3塁線抜く2ベースヒットで2・3塁とすると、
慶応は5番堂本選手を敬遠、6番打者を空振り三振にとって無得点に抑えます。

2回裏 慶応の攻撃
先頭の6番竹内選手がセンター前ヒットで出塁するも、送りバント失敗で無得点。

3回表 神戸国際大付の攻撃
先頭の7番桜井選手がセカンド後方ライト手前のフライをセカンドが捕球できず落球という、
ライト前の2ベースヒットで出塁し、送りバントで3塁へ。
ここでスクイズを敢行するも空振り、3塁ランナーが挟まれてタッチアウト。無得点に。

3回裏 慶応の攻撃
先頭打者が四球で出塁し、ワイルドピッチ・四球でノーアウト1・2塁。
送りバントで1アウト2・3塁とし、3番高尾選手がセンター後方へ犠牲フライを放ち、1点を返します。
この後、ワイルドピッチ・四球で2アウト1・3塁のチャンスがあったものの、
レフトフライに倒れて2点目はならず。

4回裏 慶応の攻撃
2アウトから死球・四球でチャンスを掴むも、ライトライナーで得点ならず。

5回表 神戸国際大付の攻撃
2アウトから6番長谷川選手のヒット、四球、8番中村選手のセカンド内安打で満塁とすると、
9番大西投手がスライダーを叩いてライト右への3点タイムリー3ベースを放ち追加点。
さらに1番前田選手の甘い高さの球を捕らえてライトオーバーのタイムリー3ベース、
2番伊田選手の詰まりながらのセンター前タイムリーが飛び出し、この回に計5点を加えます。

5回裏 慶応の攻撃
この回から神戸国際大付は有元投手にスイッチ。大西選手はレフトへ。
やや力みがちで四球を与えるも、後続を打ち取って無失点。

6回表 神戸国際大付の攻撃
慶応も忠本投手にスイッチ。中林投手がライトへ。
1アウトから5番堂本選手が左中間への2ベースヒットで出塁し、3塁への盗塁決めた後、
7番桜井選手のレフト前タイムリーで1点を追加します。

6回裏 慶応の攻撃
1アウトから7番中林選手が左中間への2ベースヒットで出塁し、
2アウトから9番渕上選手がセンター前ヒットで1・3塁とするも、後続が倒れてしまい無得点。

7回表 神戸国際大付の攻撃
慶応は福山投手にスイッチ。
四球・送りバント・死球・盗塁で1アウト2・3塁。
ここで4番正木選手がライト戦に落ちる2点タイムリー2ベースを放ち追加点。
3塁への盗塁、四球で1アウト1・3塁となった所で慶応は投手交代、再び中林投手がマウンドに上がります。
6番有元投手に一二塁間抜くタイムリーを打たれるも、
三遊間のゴロにショートがよく追いついてワンバウンド送球、ファーストもよく捕るファインプレーが飛び出し、
後続の打者も三振に取り、慶応が点差を意識させない全力プレーを見せます。

9回表 神戸国際大付の攻撃
1アウトから四球でランナーが出塁し、ワイルドピッチ・捕手がボールを見失ってしまって3塁へ、
ここで5番堂本選手がレフトへ犠牲フライを放ち、もう1点を挙げます。

9回裏 慶応の攻撃
神戸国際大付は中野投手にスイッチ。
三者凡退に抑えて試合終了。
神戸国際大付が15−1で勝利し、兵庫県勢4年連続のベスト4入りを果たしました。


勝敗を分けたのは前述の通り、1回の表裏の攻防です。
何が残念かといえば、ノーアウト満塁で4番湯浅選手が見逃し三振に倒れたことです。
狙い球を絞って打席に入っていたのかもしれませんが、それにしてもスイングが少なかったような…
大西投手はテンポで投げる投手なだけに、積極的に打っていって良かったと思います。
自らのミスで満塁としていたわけですし、積極的に行くべき場面でした。
それが見逃し三振で終わってしまったことで、攻撃の流れが途絶えてしまった気がします。
一方の神戸国際大付が初球から打ちに行く積極的な攻撃でビッグイニングに繋げていただけに、
その違いがクッキリと出てしまった形です。

勝った神戸国際大付は最後まで攻撃の手を緩めず、15安打15得点と打線が爆発しました。
積極的な攻撃で中林投手をテンポに乗らせず、一気に畳み掛けたのが見事ですね。
長打あり、スクイズあり、盗塁ありと色々な形で得点を奪うことができました。
ここに来て打線の調子が上がってきたのは好材料です。
ピッチャーでは大西投手がコントロールが悪く、ピリリとしなかったものの、
2番手の有元投手・3番手の中野投手が慶応打線をしっかりと抑え、大味な試合にしませんでした。
2人とも130キロ中盤以上のストレートを投げられる右本格派ですから、
今後の戦いは継投も十分考えられます。
神戸国際大付にとっては選択肢の広がる試合になりましたね。

負けた慶応は初回に得点できなかったことが悔やまれます。
もう少し積極的に攻撃していたら、試合展開も変わっていたかもしれません。
エースの中林投手はコントロールが甘く、リズムに乗ることができませんでした。
2回以降は立ち直りかけたんですが、球数が多く、疲れが見えた5回に再び5点を奪われてしまいました。
まぁ、これまで力投してきたので、仕方ないでしょう。よく頑張ったと思います。
敗れはしましたが、多くのOBに支えられたアルプスの大応援団は甲子園を盛り上げてくれました。
あの応援は今大会NO1でしょう。
応援と攻撃が一体化した素晴らしいチームだったと思います。
神奈川県は強豪揃いで夏の大会の出場は大変だと思いますが、この甲子園の経験を胸に頑張って欲しいです。


目に付いた選手は神戸国際大付の正木選手と有元投手、中野投手です。
4番サードの正木選手はホームランを含む3安打と今日も大当たりでした。
脇が閉まった基本に忠実な打撃フォームで無駄がありません。
それがどんな投手でも打ち返すことができている理由でしょう。
今大会は勝負強いバッティングを見せ、神戸国際大付を引っ張っています。
この調子で頑張って欲しいですね。

有元投手は140キロ以上のストレートを投げる右本格派投手です。
大西投手が素晴らしいピッチングをしていたため、すっかり忘れていましたが、
神戸国際大付は大西投手とこの有元投手との2枚看板だったんですよね(^^;
ピッチングを見ると、ここまで登板がなかったのが不思議なくらいのピッチャーでした。
非常に上体が柔らかく、腕のしなりがいいです。球速は130キロ中盤〜140キロ前後(Max142キロ)。
変化球は100キロ台カーブ、110キロ台スライダー、フォークもあるそうです。
上体の使い方がいいので、ストレートと変化球の腕の振りの差が少なく、非常にキレのいいボールが行きます。
巨人の木佐貫投手のようなイメージでしょうか。
有元投手の場合は下半身があまり使えていないので、そこを修正すれば良い投手になると思います。
とにかく上体の使い方が非凡。素質溢れる投手で、まだまだ伸びると思います。
あと癖なのか分かりませんが、ストレートの時に帽子を飛ばす癖は直した方がいいかも…ちょっと気になります。

2年生右腕の中野投手も130キロ中盤(Max137キロ)のストレートを投げる本格派です。
1イニングだけだったのでよく分かりませんが、ストレートには力がありましたね。
変化球は120キロ台のスライダー、バランスのいい投手という印象です。
他のチームなら十分エースになれそうな投手だと思います。



第2試合 愛工大名電(愛知) 5−2 天理(奈良)

(名)斉賀(9回)
(天)小倉(6回2/3)−藤井(2回1/3)
(本)堂上(7回表・愛工大名電・1号ソロ)
名電
天理

愛工大名電が逆転勝ちを収め、2年連続のベスト4入りを果たしました。
試合は序盤に天理が先行するなど天理ペースだったものの、
6回のスクイズ失敗時に併殺が取れなかったことで試合の流れが一気に名電に傾き、
堂上選手のホームランなどで試合を決定的なものにしました。
斉賀投手は4イニング連続で先頭打者を四球で出すなど、苦しいピッチングが続いていたんですが、
守備のポジション取りの良さもあって、天理の反撃を食い止めました。
愛工大名電にとっては苦しい試合でしたが、それだけに収穫の多い試合になった気がします。

得点経過です。
1回裏 天理の攻撃
1番松原選手が低めスライダーを引っ掛けるも斉賀選手が弾き、
サード堂上選手がカーバーするも悪送球となり、内安打+送球エラーでノーアウト2塁。
送りバントでランナーを3塁へ進め、
3番眞井選手がスライダーを流し打つレフト前タイムリーヒットを放ち、天理が先制点を挙げます。

2回裏 天理の攻撃
先頭の6番東選手がストレート詰まりながらも運ぶ三遊間抜くヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
ここで3塁への盗塁を試み、タイミング的にはアウトだったものの、
捕手の送球が高く外野を転がる悪送球が飛び出してランナーがホームイン。
天理が機動力で相手のミスを誘い、1点を追加します。

3回裏 天理の攻撃
先頭の1番松原選手がヒットで出塁し、送りバント・ワイルドピッチでランナー3塁へ。
ここで3番眞井選手に打席が回るも、外角低め138キロのシュート回転ストレートに空振り三振、
4番田中選手は内角シュート回転ストレートで攻められ、スライダーにサードゴロで無得点。
このピッチングを境に斉賀投手は立ち直っていきます。

4回表 愛工大名電の攻撃
先頭の2番柴田選手が足を生かすセカンド内安打で出塁し、
3番佐々木選手は不運なショート正面のライナーに倒れるも、
4番堂上選手が内角スライダーに詰まりながらも力で運ぶレフト線に落ちる2ベースヒットを放ち、
1アウト2・3塁とチャンスを広げます。
ここで5番小島選手が低めカットボールを捉える一二塁間を抜くヒットを放ち、
3塁ランナーがホームイン、2塁ランナーもホームを狙い、ライトから好返球が来てタイミングはアウトも、
ランナーの堂上選手が上手くスライディングしてタッチをかわしてセーフに。
愛工大名電が2点を返し、同点に追いつきます。

5回表 愛工大名電の攻撃
先頭打者が四球で出塁し、送りバント・盗塁で3塁へ進塁するも、後続が倒れて無得点。

6回表 愛工大名電の攻撃
先頭の3番佐々木選手が高めストレートに詰まりながらもセンター前に落ちるヒットで出塁し、
4番堂上選手がサードのグラブを弾くレフト線への2ベースヒットでノーアウト2・3塁とするも、
5番打者はライトへの浅いフライで返れず。
四球で1アウト満塁となった場面で、スクイズを試みるも打ち上げてピッチャーフライ。
しかしこの時に天理の内野手が打球に集まりすぎて、3塁ベースを空けてしまうミスを犯し、
併殺を取ることができません。
すると8番井坂選手の当たりは三遊間真中に飛び、
ショートがよく追いついて送球するも足が速くてセーフとなるタイムリー内安打となって、
愛工大名電が1点を勝ち越します。

6回裏 天理の攻撃
先頭の3番眞井選手が四球で出塁するも、
4番田中選手の低めの球を捉えた大きな打球を予め深めに守っていたセンターがフェンス手前で捕ってアウト。
送りバントでランナーを2塁へ進めた後、
6番東選手のピッチャー返しのヒット性の打球は、斉賀投手の足に当たってショート手前に転がってアウト。
愛工大名電の守りが天理の反撃を封じ込めます。

7回表 愛工大名電の攻撃
先頭の1番山田選手がライトオーバー2ベースヒットで出塁し、
2番柴田選手が木のバットで送りバントを決めて1アウト3塁に。
ここで3番佐々木選手が外角ストレートを右に運ぶライト後方の犠牲フライを放ち、1点を追加します。
さらに4番堂上選手が高めストレートボール球を捉えるセンターバックスクリーンへのソロホームランを放ち、
この回2点目を追加します。
天理はここで投手交代、2番手の藤井投手をマウンドに送り、愛工大名電の反撃を堰き止めます。

7回裏 天理の攻撃
先頭打者が四球で出塁するも、セカンドゴロ併殺で得点ならず。

8回表 愛工大名電の攻撃
先頭の1番斉賀投手がセンター前ヒットで出塁し、送りバント処理ミス・盗塁などがあって1アウト2・3塁。
ここでスリーバントスクイズを試みるも失敗。追加点はなりません。

8回裏 天理の攻撃
先頭打者が四球で出塁するも、エンドランがショートゴロ併殺となって無得点。

9回表 愛工大名電の攻撃
1アウトから3番佐々木選手がレフト前ヒットで出塁し、5番小島選手のヒットなどで2アウト2・3塁とするも、
6番斉賀投手が140キロストレートに空振り三振に倒れて追加点ならず。

9回裏 天理の攻撃
先頭打者が四球で出塁し、死球でノーアウト1・2塁のチャンスを貰うも、
6番東選手の右中間を抜けるような打球をライトがナイス反応を見せてキャッチ、アウト。
7番打者が空振り三振に倒れた後、パスボールで2・3塁となるも、
森川監督の息子・8番森川選手が空振り三振に倒れてゲームセット。
愛工大名電が5−2で勝利し、2年連続のベスト4入りを決めました。


勝敗を分けた…というよりも試合のポイントとなったのは3回裏と6回表でしょう。
愛工大名電の先発・斉賀投手は立ち上がり変化球中心のピッチングでしたが、
その肝心な変化球が高めに浮いてしまうなど苦しいピッチングになっていました。
天理打線が1回戦の柳ヶ浦・山口投手の速球を打ち返していることで警戒したのか、
ストレートの回転が悪いと判断していたのか分かりませんが、ストレートを避けていたような感じでした。
ですから、変化球でかわすような、逃げのピッチングになっていました。
しかし3回裏のピンチで3番眞井・4番田中選手の天理の中軸打者を迎えたところで、
名電のバッテリーが開き直れたのか、以降はストレートを軸に組み立てていくことになります。
おそらく眞井選手が外角低めのシュート回転のストレートを空振りしたことや、
田中選手が内角のシュート回転ストレートに手を出してこなかったことで、
回転の悪いストレートが逆に効果的だと判断することができたのでしょう。
今日の斉賀投手のストレートはボールを動かすなんていう生易しいものではなく、
ボールが荒れ狂うような感じでやたら滅多に変化していました。
ストレートがシュート回転するのはもちろんのこと、スライド回転で極端に外れたりと制御しきれないほど。
四死球が5と普段よりも多かったのもそこらが理由でしょう。
ただそれが却って天理打線を惑わし、狙い球を絞りにくくしたような気がします。
3回裏のピッチングが斉賀投手の立ち直りのきっかけになったと思います。

6回表は天理にとって痛いミスでした。
スクイズが小フライになり、本来ならば併殺でチェンジという所だったんですが、
フライが打ちあがった嬉しさのせいか、内野手が一斉にボールに対して飛び出してしまいました。
ショートがそれに気づいて3塁のベースカバーに入ろうとはしたんですが、
さすがにそれからでは遅く、3塁への送球をすることができませんでした。
これが結果的に愛工大名電を助け、三遊間へのタイムリー内安打というラッキーな得点、
天理にとってはアンラッキーな失点となりました。
ほんの一瞬の隙なんですが、強豪校の天理らしくないミスだったと言えます。
この6回表の得点が1つのターニングポイントとなりましたね。

勝った愛工大名電は序盤の送球ミス・中盤のスクイズ失敗とミスが相次ぎ、
先発の斉賀投手のコントロールが定まらずに4イニング連続で先頭打者に四球を与えてしまうなど、
これまでとは比べものにならない苦しい試合となりましたが、収穫も多い試合でした。
斉賀投手はここまで2試合連続完封と状態が良かったんですが、
今日は立ち上がりからコントロールが荒れ気味で良くありませんでした。
それでも荒れ球を駆使したピッチングの組み立てにするなど、悪いなりに粘り強く投げることができました。
ここから先は中1日・連投と投手にとっては調整しづらい日程となりますから、
悪いなりに抑えられたことは一つ自信になったことでしょう。
苦しいピッチングではありましたが、斉賀投手にとっては大きな試合となった気がします。
打線の方では3番佐々木選手に当たりが出てきたのが収穫です。
ここまで1番で出場することが多かった佐々木選手、ノーヒットと打撃の調子が上がってませんでした。
ヒット欲しさに大振りになってしまうなど悪循環気味だったんですが、詰まりながらのヒットが出たことで、
その次の打席は1アウト3塁で外角の球を無理せずに右方向へ流して犠牲フライ、
最終打席では良い当たりのレフト前ヒットを放つなど本来の打撃ができるようになりました。
佐々木選手に当たりが出てきたことで打線も繋がりましたし、愛工大名電にとってはかなり大きいですね。
3番佐々木・4番堂上選手と強力な中軸ができたことで、
昨年優勝の済美のような強力なクリーンアップが形成されつつあります。
足りなかった最後の1枚が埋まり、愛工大名電は優勝に向けて万全な形になった気がします。

負けた天理は6回のスクイズの処理が悔やまれます。
全体的に守備は堅かったんですが… 一番大事な場面でやってはいけないミスが…
その直後に1点を奪われてしまいましたし、やはりアウトは取れる時に取っておかなければダメですね…
これで打線が焦ってしまったのか、6〜9回まで先頭打者を四球で出したものの、
じっくりとボールを選ぶことができずに打たされて内野ゴロ併殺… 打線も繋がりませんでした。
今日は守備のリズムの悪さが攻撃に出てしまうという形だったので、
もう一度守備を鍛え直し、確実にアウトを積み重ねられるようにして欲しいです。
ただ大会前は調子が悪かったという小倉投手が好投し、2年生の藤井投手も結果を残すなど、
投手陣にとっては収穫の多い大会でしたから、夏に向けて弾みはついたと思います。
強力打線と安定感ある投手陣で夏の甲子園に帰ってきてもらいたいです。



センバツTV観戦日記のTOPへ戻る

〔FTcomのindexへ〕