05センバツ甲子園大会 5日目

第1試合 沖縄尚学(沖縄) 16−3 青森山田(青森) 

(尚)前嵩(9回)
(青)柳田(1回2/3)−野田(4回1/3)−柳田(1回2/3)−
 伊勢田(1/3)−小堀(1回)
(本)比嘉(2回表・沖縄尚学・1号ソロ)
沖縄尚学 16
青森山田

沖縄尚学の4割打線が炸裂し、屈指の投手力を持っていた青森山田投手陣を粉砕しました。
エースの柳田投手も2年生右腕の野田投手もプロ注目のピッチャーで、
見ている感じではそんなに悪い球を投げていたとは思えないんですが…
135〜142、3キロの速いストレートをいとも簡単に打ち返していました。
いやー、恐ろしい打線です。
打つだけではなく、盗塁やスクイズで得点を挙げるなど多彩な攻撃をしていましたし、
昨日の東海大相模の強力打線に匹敵する恐ろしい打線だと思います。

簡単な得点経過です。
1回表 沖縄尚学の攻撃
1アウトから2番兼屋選手が3ベースヒットで出塁し、
3番比屋根選手のレフトへの犠牲フライで1点を先制します。

1回裏 青森山田の攻撃
1番谷川選手が左中間への3ベースヒットで出塁し、
1アウトとなってから3番加守田選手のファースト内安打でノーアウト1・3塁。
ここで4番柳田選手がシンカーを捉えるセンターオーバー2点タイムリー2ベースを放ち、
青森山田があっさり逆転します。
柳田選手は3塁を狙うもこれは悠々タッチアウトに。

2回表 沖縄尚学の攻撃
先頭の5番比嘉選手が内角低めストレートを捉え、左中間スタンドに飛び込むソロホームラン!
このホームランが呼び水となって沖縄尚学打線が爆発します。
1アウトから7番小泉選手がストレートを打つ右中間への2ベースヒット、
8番前嵩投手はカーブを拾ってレフト前へのヒット、これはレフトから好返球が来てホームタッチアウト。
9番与儀選手はストレートを捉えるセンター前ヒットで2アウト1・3塁。
1番山内選手は低めストレートを捕らえる三遊間抜くタイムリーヒット、2アウト2・3塁。
2番兼屋選手はカーブを捉えるライトオーバー2点タイムリー3ベース。
3番比屋根選手は低めストレート捉えるセンター前タイムリーヒット。
6連打が飛び出し、さすがに青森山田もたまらずに投手交代、野田投手をマウンドに送ります。
沖縄尚学は2塁への盗塁を決め、さらに3塁を伺おうとするもスタートが早くて牽制で挟まれてタッチアウト。
ようやく沖縄尚学の攻撃が終わります。

3回表 沖縄尚学の攻撃
先頭の4番松田選手が四球で出塁すると、
5番比嘉選手が真中低めストレートを捉える右中間突破のタイムリー3ベースが飛び出して1点追加。
6番小泉選手の打球はピッチャー返し、これを野田投手がナイスフィールディングで処理してアウト。
7番赤嶺選手は叩きつけて三遊間のゴロ、サードが飛びつくも弾いてタイムリー内安打、2点目を追加。
続く打者のミートした打球は同じくナイス反応を見せてピッチャーゴロで併殺に。

4回表 沖縄尚学の攻撃
先頭打者が四球で出塁すると、1番山内選手がヒットエンドランでショートの逆を突く内安打で無死1・2塁。
送りバントで1アウト2・3塁、3番打者は外角低めスライダーに空振り三振に倒れるも、
4番松田選手が外角高め135キロストレートを弾き返すセンター左への2点タイムリーヒットを放ち追加点。
盗塁で2塁へ進むも、後続は倒れて無得点。

4回裏 青森山田の攻撃
先頭の4番柳田選手のセンターオーバー2ベースヒット、5番本田選手のレフト前ヒットでノーアウト1・3塁とし、
1アウトから7番野田投手が左中間レフトへの犠牲フライを放ち、1点を返します。
この後、3塁線への内安打があるも、後続が繋がらずに1点止まり。

6回表 沖縄尚学の攻撃
1アウトから山内選手が右中間への2ベースヒットを放ち、中継が乱れる間に3塁へ。
すると2番兼屋選手の初球にスクイズを決めて1点を追加。
この後、3番比屋根選手の内安打・2塁への盗塁・四球で2アウト1・2塁とするも、
5番の比嘉選手が打ち上げてライトフライ。

6回裏 青森山田の攻撃
6番金子選手がヒットで出塁し、代打の山崎選手がファーストゴロ悪送球エラーでノーアウト1・2塁と繋ぐも、
2塁ランナーが牽制に挟まれてタッチアウト。
後続の打者も空振り三振に倒れて無得点。

7回表 沖縄尚学の攻撃
代打の関係でファーストに下がっていた柳田投手が再びマウンドへ。ここは三者凡退。

8回表 沖縄尚学の攻撃
先頭打者がエラーで出塁し、ファーストゴロ併殺崩れで1アウト1塁となった所で、
柳田投手の牽制が悪送球で2塁へ。
さらに3塁への盗塁を決めて柳田投手をかき回します。
四球・2盗で1アウト2・3塁とすると、3番比屋根選手の所で四球になった球がワイルドピッチに。
3塁ランナーがホームインし、なおも1アウト1・3塁。
ここで4番松田選手が右中間へのタイムリーヒット、
5番比嘉選手が倒れた後、6番小泉選手がセンターオーバーの2点タイムリー3ベース、
7番赤嶺選手が一二塁間抜くタイムリーヒットを放つなどこの回5点を追加。
四球を出した所で柳田投手が再びKO、伊勢田投手が登板し、後続を断ちます。

9回裏 青森山田の攻撃
9回表は小堀投手が登板して無得点に抑えます。
1アウトから代打・五十嵐選手がヒットを放ち、
同じく代打の浅黄選手の所でフィルダースチョイスがあってランナーが溜まるも、後続が倒れて無得点。
試合終了、沖縄尚学が青森山田に大勝しました。


この試合はとにかく沖縄尚学の猛打が光る試合でした。
試合後の角田監督のインタビューで「ストレートと変化球のサインを出したぐらいで」というコメントがあったことから、
おそらく柳田投手の癖を掴んでいたんじゃないでしょうか?
沖縄尚学の打者はストレートだろうがカーブだろうが全く崩されていませんでしたし、
これだけ連打が続くのはちょっと偶然では片付けられません。
多少ボールの切れを欠いたとはいえ、ボール自体は悪くなかったですし… そう考えるのが自然かと。
それでも打線が強力なことは間違いありません。
2番手の野田投手は130キロ中盤のストレートにキレのあるスライダーを持つ好投手でした。
そのピッチャーから機動力を絡めて5点を奪っていますから、本物でしょう。
それぞれの打者のスイングスピードが速く、恐ろしい打線です。

勝った沖縄尚学はバッティングが見事でした。
どの打者もスイングスピードが速く、柳田投手の140キロを超えるストレートを完璧に打ち返していました。
また選球眼も良く、2番手の野田投手が外角低めの良い所にスライダーを投げても、
ボールになる球をきっちりと見極め、甘い球を待つことができていました。
足も速く、6盗塁していますし、相手チームにとっては嫌らしい打線でしょうね。
投げては前嵩投手が打たせて取るピッチングをするなど安定感がありました。
ピッチャー次第だとは思いますが、前回出場のセンバツ優勝に続いて上位進出を狙えるのでは?
なかなかチーム力が高い良いチームだと思います。

あ、そうだ1つ書き忘れていたことが。
沖縄尚学の内野守備が少し特殊でした。
サードとショートが深めに守り、ショートが定位置よりもセカンドベース寄りに、
サードが3塁線を大きく開けて三遊間寄りに守るなど極端な守りをしていました。
理由は3塁線を破る確率よりも、三遊間抜く打球が多いためだとか。
それでも3塁線を抜ければ2ベース・3ベースと長打になってしまうだけに、
これだけ極端なシフトを敷く勇気は凄いと思います。
今日の試合では1球だけ3塁線にゴロが飛び、サードが飛びついて落とす内安打がありましたが、
それ以外は三遊間のゴロ、ショート右のゴロが多く、
普通の守備位置なら抜けてるんじゃないかという打球に追いついてアウトにしていました。
次の試合でもこの守備シフトがどう出るのか、注目が集まります。

負けた青森山田は自分達の野球ができませんでした。
ピッチャーがチームの中心なだけに序盤の大量失点に立ち直ることができませんでした。
柳田投手は小雨交じりの天気なせいか、ボールのキレはもう少しでしたが、
140キロ前後の威力あるストレートに縦の大きなカーブを上下に投げ分けるなど内容は悪くありませんでした。
2回、比嘉選手に内角低めのストレートをホームランにされたことで、投げる球がなくなってしまった気がします。
2番手の2年生右腕の野田投手は頻繁に走られたことで、ピッチングが窮屈になってしまった気がします。
まぁ、ただこんなに打たれた経験は2人ともないでしょうし、
この挫折を新たな力として成長してもらいたいです。
松坂投手は2年夏に県大会でサヨナラを許すなど屈辱を味わいましたし、
涌井投手は2年春のセンバツ決勝で広陵打線に打ち込まれる苦い経験をしています。
2人はそれを乗り越えて真に素晴らしい投手になったわけですから、
プロを望める素質があるだけに柳田・野田両投手には頑張ってもらいたいです。
夏の甲子園に大きくなって帰ってくることを期待しています。



第2試合 西条(愛媛) 4−3 浦和学院(埼玉)

(西)津島(9回)
(浦)井上(9回)
西条
浦和学院

この試合は諸事情のため、7回からしか見ていません。
得点シーンの大部分を見ていないので、
試合を語るとボロが出るでしょうから、結果だけにしときます(苦笑)

得点経過です。
1回表 西条の攻撃
1番野村選手が四球で出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、後続が倒れて無得点。

2回表 西条の攻撃
1アウトから四球でランナーが出るも牽制タッチアウト。
しかし四球で再びランナーが出て、9番加地選手が外角低めスライダーを流し打つライト前ヒットで繋ぎ、
ライトが雨で滑る間に1塁ランナーは3塁へ。
1アウト1・3塁から1番野村選手が外角低めカーブを上手く合わせ、ライト前へのタイムリーヒット!
西条高校が1点を先制します。
この後、2番越智選手がレフトの頭を越すようなフライを打つも、フェンスを怖がらずにレフトが好捕!
ファインプレーで最小失点に抑えます。

5回表 西条の攻撃
1アウトから1番野村選手が3ベースヒットを放つも、牽制タッチアウト。
続く2番越智選手のレフト左を抜くかというフライをまたレフトの都築選手が飛びついてキャッチ!
ファインプレーで浦和学院が流れを引き戻します。

5回裏 浦和学院の攻撃
1アウトから8番井上投手が2ベースヒットで出塁し、
9番前野選手がライト前タイムリーヒットを放ち、浦和学院が同点に追いつきます。

6回表 西条の攻撃
先頭の3番三谷選手がセンターへのヒットで出塁し、
1アウトから5番飯田選手がエンドランで左中間抜くタイムリー2ベースを放ち、勝ち越し。
この後、四球などで2アウト1・2塁とし、8番津島投手が甘い変化球を捉えセンター左への
タイムリー2ベースを放ち、1点を追加。
さらに四球で満塁となった後、1番野村選手がタイムリーヒットを放ちもう1点を追加します。
2塁ランナーはホームでタッチアウト。

7回裏 浦和学院の攻撃
2アウトから8番井上選手がヒットで出塁し、9番前野選手のタイムリー2ベース、
1番堀越選手のタイムリー3ベースが飛び出し、2点を返します。

8回表 西条の攻撃
先頭の6番田口選手が3ベースヒットで出塁するも、井上投手が踏ん張って0点に抑えます。

9回裏 浦和学院の攻撃
先頭の8番井上投手がヒットで出塁するも、
当たっている前野・堀越選手に回ってきて打たせるもランナー進められず。
試合終了、西条が4−3で勝利しました。


ざっと結果だけを見るとこんな感じですが…
西条は2回の攻撃が見事でした。
松本投手の外角低めの変化球をいずれもヒットにして得点。
打たれるような球までなかっただけに、この先制点で試合を優位に運べたような気がします。
投げては津島投手が低めにボールを集めるナイスピッチング。
浦和学院の3〜7番の中軸打者をノーヒットに抑えたのが大きかったですね。
先頭打者を出しませんでしたし、安定感あるピッチングが光りました。

今年は特別枠を含めて、四国から4チーム出ているんですが、
この日までに同じ愛媛の新田、21世紀枠の高松、希望枠の三本松と敗退していただけに、
西条高校の勝利はホッと一息といったところでしょう。
敗退した3校の分も西条には頑張って欲しいです。



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