05センバツ甲子園大会 4日目

第1試合 羽黒(山形) 2×−1 八幡商(滋賀)

10 11 12 (八)上田(11回2/3)
(羽)片山マウリシオ(12回)
八幡商
羽黒 1×

八幡商・上田投手、羽黒・片山マウリシオ投手の投手戦は、
両投手が粘り強いピッチングを見せて今大会初の延長戦へ。
終始安定したピッチングを見せていた片山投手と、尻上がりに調子を上げていった上田投手と、
勝負の付く気配がなかった試合は延長12回にまさかのサヨナラ暴投で幕を下ろしました。
試合の優劣を付け難い素晴らしい試合だったと思います。
両投手に拍手を送りたいですね。ナイスピッチング!!

簡単な得点経過です。
1回表 八幡商の攻撃
2アウトから3番三上選手が高めストレートボール球を強引に被せ打つライト前ヒットで出塁するも、
後続が倒れて無得点。

1回裏 羽黒の攻撃
2アウトから3番押切選手がヒットで出塁するも、後続が倒れて無得点。

3回裏 羽黒の攻撃
2アウトから1番中島ユン選手がセンターへヒットを放ち、外野が深めだったのを見て一気に2塁へ。
好走塁で2ベースヒットとするも、後続が倒れて無得点。

4回表 八幡商の攻撃
先頭打者がショートゴロエラーで出塁し、バッテリーの無警戒を上手く付いて2塁盗塁成功。
しかしピッチャーゴロで2塁ランナーが飛び出してしまい、タッチアウト、1アウト3塁。
この後、再び2塁への盗塁を決め、四球があったりで2アウト1・2塁、
ここで6番門出選手が一二塁間を抜くタイムリーヒットを放ち、八幡商が先制点を奪います。

4回裏 羽黒の攻撃
先頭の3番押切選手がレフトオーバーの2ベースヒットで出塁した後、
送りバントのミスでランナーを進められなかったものの、
5番吉野選手が一二塁間抜くヒットを放ち、ライトが処理を誤る間に2塁ランナーがホームイン。
羽黒がすかさず同点に追いつきます。

6回表 八幡商の攻撃
先頭の2番松本選手がヒットで出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、
4番木村選手のミートした打球はセカンド正面のライナー、併殺で得点できず。

6回裏 羽黒の攻撃
2アウトから5番吉野選手がヒットで出塁し、
センターが落球するエラーで2アウト2・3塁のチャンスを掴むも、後続が倒れて無得点。

7回表 八幡商の攻撃
1アウトから6番門出選手がヒットで出塁するも、送りバントを引いた時に、
羽黒のファーストが前に突っ込んだのを見てリードオフを大きく取った所、
セカンドが素早くベースカバーに入り、キャッチャーの1塁への送球がストライク返球でタッチアウト。
羽黒のサインプレーにやられてしまい、得点を挙げることができません。

9回表 八幡商の攻撃
先頭の4番木村選手が外角高めストレートをフルスイングして右中間突破の2ベースヒットで出塁。
ここで八幡商は代走の富原選手を送ります。
送りバントで1アウト3塁とするも、後続の打者が三振に倒れて無得点。

9回裏 羽黒の攻撃
八幡商の上田投手は8回表に肘に死球を受けたものの、逆に変化球の制球がよくなり、
尻上がりに調子を上げていきます。
しかしこの回は先頭の7番佐藤選手にスライダーを上手く打たれるレフト線への2ベースヒットを浴び、
送りバントでランナーを3塁へ進められて1アウト3塁のピンチ。
ここで9番片山投手がセーフティスクイズを敢行するも、
ピッチャー左の打球で上田投手が捕って素早く3塁へ送球。
3塁ランナーは打球判断を迷ってしまい戻りきれずにタッチアウト。スクイズは失敗に終わります。
この後、1番中島選手にヒットが出るも、後続が倒れて0点。

10回表 八幡商の攻撃
2アウトから2番松本選手がヒットで出塁し、ディレードスチールで2塁に進むと、
羽黒バッテリーは3番三上選手と勝負をせずに歩かせの四球。
2アウト1・2塁で4番の木村選手の代走に出た富原選手が打席に立つも、
サードファールフライに倒れて無得点。

10回裏 羽黒の攻撃
先頭の3番押切選手がレフト前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、
後続が倒れて無得点。

12回表 八幡商の攻撃
先頭の8番荒金選手がヒットで出塁するも、送りバントを失敗、ランナーを進められずに無得点。

12回裏 羽黒の攻撃
先頭の1番中島選手がサード内安打で出塁し、送りバント・セカンドゴロで3塁へ進塁すると、
4番吉田選手を迎えたところで、上田投手がスライダーを叩きつけてしまってワイルドピッチ。
この間に3塁ランナーがホームイン。羽黒がサヨナラ勝ちを収めました。


どちらが勝ってもおかしくない試合ではありましたが、
終盤の展開で僅かに羽黒が上回った気がします。
八幡商は9回に4番の木村選手に代走を出すなど、勝負に出てしまっていました。
それが10回のチャンスに跳ね返ってきてしまいましたね。
逆に羽黒は12回裏は1番打者から始まり、
2アウト3塁の場面で4番の吉田選手に回ってくるなど最後に打順の巡りがよくなりました。
今日の八幡商バッテリーは吉田選手に対して変化球中心で攻め、打ち取っていました。
それが最後の最後でワンバウンドしてしまってワイルドピッチに。
羽黒の方に運が巡ってきた形ですね。
勝負どころを誤らなかった羽黒の勝利といった所でしょう。
(ほんと紙一重。強いて言えばといった感じ。実際は互角だったと思います)

勝った羽黒はブラジルからの留学生3人が勝負所で働いてくれました。
エースの片山投手はコントロールが抜群で、
低めにスライダーを集めるなど終始安定したピッチングを見せてくれました。
ピンチを凌いでマウンドを降りる際、神に祈る仕草をしていたのは異文化を感じました(^^;
(ボンズ選手とかがホームランを打ってホームインした際にやるアレです)
同じブラジル人留学生の1番中島選手はサヨナラを呼ぶ内安打を始め3安打を放ちましたし、
4番吉田選手はノーヒットながらも最後の最後にワイルドピッチを呼び込みました。
片山投手と押切選手のバッテリーも呼吸が合っていましたし、
多国籍軍団というよりは人種のるつぼ軍団(この言い方も微妙だけど)といった印象でした。
要はよくまとまった良いチームだったということです。
守備のエラーなどはありましたが、
サインプレーでタッチアウトするなど随所に良いプレーもありました。
今日のような形で守り勝つ野球ができれば、この後も勝ち上がっていけると思います。
高校野球の国際化の象徴として頑張って欲しいですね。

負けた八幡商は9回のチャンスに得点を挙げられなかったのが悔やまれます。
4番打者に代走を出したことで、絶対に点数を入れないとという雰囲気になってしまい、
打者に硬さが出てしまったのでしょうか、
勝負してこない場面にも関わらずボール球に手を出すなど自らチャンスを潰してしまいました。
12回にもランナーを進められませんでしたし、
状況に応じたバッティングを再確認する必要があるかもしれません。
大事な場面でこそ、良い判断ができるようにしませんと。
エースの上田投手は中盤にストレートがシュート回転、変化球が真中に浮くなど危ない場面もありましたが、
後半には本来のピッチングを取り戻して、安定感のあるピッチングを見せることができました。
最後のワイルドピッチは誰も責められないでしょう。
12回まで投げたことを自信とし、夏に臨んでもらいたいです。

目に付いた選手は羽黒の片山マウリシオ投手と八幡商の上田投手です。
片山投手は170センチと上背こそないものの、腕を強く振った投球フォームから、
コントロールよく低め・コーナーに集められる安定感のあるピッチャーです。
ストレートは120キロ前半ですが、縦のスライダー・シュート気味に逃げるチェンジアップを
ストライクからボールにするなどコントロールが抜群でした。
試合後半ではカーブを交えてスライダーと緩急を付けたりと上手いピッチングをしていました。
大崩れしない好投手だと思います。

八幡商の上田投手は一度伸び上がるように足を上げ、腕をコンパクトにして振り切る右腕投手です。
ストレートは130キロ中盤、最高で141キロをマーク。
終盤のピンチでも139キロを計測するなど力強い球を投げていました。
腕の使い方は速球派投手のものでなく、コンパクトに振る感じで、
リリースポイントが打者寄りで、見た目以上に切れを感じる投手です。
どちらかといえばスライダーで勝負する投手でしょうか。
今日は立ち上がりからスライダーが浮き気味で苦しいピッチングだったんですが、
8回ぐらいから低めに決まり始め、ピッチングに幅ができていきました。
当面の課題としてはコントロールでしょうか。
いや、本来はコントロールがいい投手だと思うので、
状態が悪い時にどうピッチングを修正するかでしょうね。
ストレートがシュート回転した時、変化球が定まらなくなった時にどうするか、
改めて投球フォームを確認し、安定したピッチングができるようになって欲しいです。



第2試合 東海大相模(神奈川) 8−3 三本松(高松・希望枠)

(相)小泉(9回)
(三)宮崎(9回)
(本)田中(1回表・相模・1号2ラン)、小林(5回表・相模・1号2ラン)
東海大相模
三本松

投打に渡って東海大相模が希望枠出場となった三本松を圧倒しました。
初回に4番の田中選手が2ランホームランを打ったことで、
一気に試合の流れが決まってしまいました。
三本松の宮崎投手はインステップで打者寄りに踏み込んでくる左腕投手なのですが、
それを左打者の田中選手が苦もなくホームランにしてしまったことで、
試合の計算が立たなくなってしまった気がします。
東海大相模の強力打線が三本松を飲み込んでしまいましたね。

簡単な得点経過です。
1回表 東海大相模の攻撃
1アウトから2番竹内選手がヒットで出塁すると、
4番田中選手が外角高めに来たスライダーを完璧に捉えてライトスタンドへの2ランホームラン!
東海大相模がホームランで2点を先制します。

4回表 東海大相模の攻撃
先頭打者がセカンドのエラーで出塁し、ヒットエンドラン内野ゴロで2塁へ。
けれど2塁ランナーが牽制に刺されてタッチアウトに。
しかし8番鈴木選手がヒットでチャンスを作り直し、死球で2アウト1・2塁とすると、
1番岩崎選手が外角ストレートを捉える左中間突破の2点タイムリー3ベースを放ち、
東海大相模が追加点を挙げます。

4回裏 三本松の攻撃
ここまでストレートばかりの小泉投手。ようやく三本松打線が掴まえます。
先頭の1番大山選手がレフトオーバーの2ベースヒットで出塁すると、
2番打者の送りバントを小泉投手が処理を誤ってノーアウト1・3塁に。
3番打者はセカンドゴロ併殺コースに飛ぶも、ショートが落球してオールセーフ。
1点を追加して、なおノーアウト1・2塁というチャンスが続きます。
しかし後続が倒れてしまい、1点止まりに終わってしまいます。

5回表 東海大相模の攻撃
1アウトから4番田中選手が四球で出塁して盗塁を決めた後、
5番小林選手が低めのスライダーを捉えてレフトスタンドへの2ランホームラン!
東海大相模が一発で2点を追加します。
この後、6番兵動選手がヒットで出塁し、
送りバントを三塁手・投手が呼吸合わずに内安打にしてしまう三本松のミスが出るも、
2塁へ達したランナーが3塁を狙っていて、ピッチャーが落ち着いて3塁へ送球、タッチアウトに。
後続も倒れて東海大相模のこの回3点目はないrません。

5回裏 三本松の攻撃
先頭打者が四球で出塁し、
代打の稲沢選手が低めストレートを捉える右中間抜くタイムリー3ベースヒットを放ち、1点。
さらに1番大山選手がレフト後方のタイムリー2ベースを放ち、計2点を返します。
ただこの後は3塁への盗塁を決めるなどしたものの、あと一本が出ずに得点なし。
2点を返しただけで終わります。

9回表 東海大相模の攻撃
先頭の2番竹内選手のライト後方のフライを落球するエラーがあり、ノーアウト3塁。
ここで3番角選手がカウント2−2からスクイズを1塁線に決め、1点を追加します。
さらに4番田中選手がセンターオーバーの2ベースヒットで出塁し、
5番小林選手が一二塁間抜くタイムリーヒットを放ち、もう1点を追加します。
ただこの後は送りバント失敗・盗塁失敗とミスが続いて3アウトチェンジ。

9回裏 三本松の攻撃
小泉投手が変化球を交えて三者凡退に。東海大相模が8−3で勝利しました。


この試合は東海大相模のホームランが三本松を圧倒した形ですね。
三本松は圧倒的な打力の差の前になす術がなかった感じです。
強豪校が早い段階からペースを握ってしまうと、覆すことは容易ではありません。
初回からペースを掴んだ東海大相模の勝利ということでしょう。
初戦とは思えない試合運びでした。

勝った東海大相模は投打に戦力が充実しています。
打線は1番岩崎、3番角、4番田中、5番小林選手と長打力のある打者が揃っています。
どの打者も軸回転が基本で崩されにくい打撃フォームをしています。
この打線を抑えるのは相当苦労しそうです。
投げてはエース小泉投手が球威あるストレートを武器に完投勝利と投打に戦力が充実しています。
敢えて課題を挙げると、積極さが裏目に出た走塁でしょうか。
接戦ではこういうミスが命取りになりかねないだけに、判断をしっかりして欲しいです。
あとは小泉投手のピッチング。
今日はほぼストレート一本で抑えられたので、
スライダー・カーブといった変化球があまり見られませんでした。
変化球がどうなのか、そこを次の試合では見てみたいです。

負けた三本松は自分達の野球をすることができませんでした。
無理もない試合展開だったわけですが… うーん、残念。
ピッチャーは仕方ないとしても、もう少し打線には頑張って欲しかったです。
小泉投手はほぼストレート一本で来ていたわけですから、
もっと積極的に打っていって欲しかったです。
ちょっと積極性を欠いたというか、後手後手に回っていた印象が強いです。
夏は打撃陣のパワーアップを計り、今度こそ甲子園で自分達の野球を見せてもらいたいです。

目に付いた選手は東海大相模の小泉投手、田中選手、三本松の宮崎投手です。
東海大相模のエース小泉投手はコンパクトに腕を使う右腕投手です。
速球派と聞いていたんですが… 今日はそんなに良いピッチングではありませんでした。
ストレートは130キロ〜135キロ前後ですが、腕の振りが速くボールに力はあるようです。
ただ変化球もほとんど投げず、スライダー・カーブを終盤に少し投げただけ。
今日見ただけではちょっと判断できません。次回登板に期待したいです。
2年生の4番ファースト田中選手はホームランとタイムリー、四死球・バントで2打数2安打。
左打者ですが、左投手の球にも崩されることなく、踏み込んで打っていました。
次の試合にも注目です。

三本松の宮崎投手は腕を大きく使ってインステップで打者に踏み込んでくる左腕投手。
腕が遠くから来るので左打者は苦労すると思うんですが…
東海大相模の打者には通用しませんでした。
ストレートにはそれなりに力はあるんですが、スライダーのキレがもう少しだった印象。
スライダーというよりもストレートがおじぎする感じになっていました。
もう少しキレがないと厳しいかも…変化球が良くなってくれば面白い投手になりそうです。



第3試合 東邦(愛知) 1−0 育英(兵庫)

10 (育)若竹(9回2/3)
(東)木下(10回)
育英
東邦 1×

ともに140キロを越すストレートを持つ、東邦・木下投手と育英・若竹投手の壮絶な投手戦は、
延長10回に若竹投手が力尽き、木下投手に軍配が上がりました。
若竹投手は立ち上がりから飛ばしていたせいか、9回終了の時点で軸足に痛みを感じたそうで、
それまでとは明らかに球威・コントロールが落ちていました。
その分だけ東邦打線に掴まってしまったのでしょう。
もしそのまま9回のピッチングが続いていたなら、
延長15回引き分け再試合になっていたかもしれません。
それだけ素晴らしい両投手の投げ合いでした。

この試合は最初に両投手の特徴から述べさせていただきます。
東邦の木下投手はオーソドックスなオーバースローのフォームから、
140キロ前後のストレート(Max144キロ)をコースに投げるピッチャーです。
変化球はスライダーとカーブ。それをコーナーにキチッと投げ分けるタイプのようです。
今日は力みがあったのか、速球を投げる際にシュート回転してしまい、高めに抜けがちでした。
中盤以降は八分ぐらいの力で投げられるようになったのか、
キレのいいストレートを低めに投げることができていました。
大崩れしないバランスのいい速球派投手だと思います。

一方の育英の若竹投手は巨人・上原投手のようにグラブを体に抱え込むようにして動作に入り、
お尻を打者方向に見せるように体を捻り、
鋭い腕の振りで体を回転させる独特なフォームをしていました。
イメージ的には上原投手に野茂投手のようなダイナミックさを足した感じ。
とにかく豪快な力投型の投球フォームです。
ストレートは常時140キロ以上(Max145キロ)、
終盤は疲れからか130キロ後半のストレートもありましたが、ほぼ140キロ前後で投げられます。
ストレートの威力が凄まじく、初回の全力投球のボールの切れは圧巻でした。
球速や重さでは柳ヶ浦の山口投手に敵わないかもしれませんが、
ストレートの切れは若竹投手の方が上でしょう。
変化球は100キロ台カーブ、120キロ台のスライダーとSFF。
変化球は発展途上ですかね。特にSFFはまだ試作段階といった印象。
落ちたり落ちなかったりと変化が少なかったです。
コントロールの方はフォームのわりに安定しています。
低めにバシバシ決まりますし、自滅するピッチャーではありません。
スタミナもあるようで、前半飛ばし気味に入ったわりには9回にも力のある球が行っていました。
9回を見た時点では若竹投手の方が余力があったように見えました。
それだけに軸足の痛みというのが残念でなりません。

両投手ともにお互いをかなり意識していたようです。
1回表・木下投手は抑え気味に入ったんですが、1回裏に若竹投手が全力投球を見せると、
2回表は木下投手が負けじと全力投球で140キロを越す球をバンバン投げるなど一気にヒートアップしました。
またお互いの直接対決時は速球一本で勝負するなど、自慢の速球をぶつけ合っていました。
速球派投手同士の意地と意地のぶつかり合いになったわけですが、
力投型の投球フォームだった分だけ、若竹投手に体の疲れが蓄積してしまったのでしょう。
甲乙付け難い素晴らしい投手戦でした。

簡単な得点経過です。
1回表 育英の攻撃
東邦の木下投手は130キロ中盤のストレートでやや抑え気味にピッチング。
先頭の1番近藤選手にヒットを許し、送りバントで2塁へ進められるも、後続を打ち取って無失点。

1回裏 東邦の攻撃
育英の若竹投手はいきなりの全力投球。
豪快なフォームから140キロ以上のストレートをバンバン投げて球場をどよめかせます。
最速145キロをマーク。東邦の木下投手を一歩リードします。

2回表 育英の攻撃
今度は木下投手が全力投球。腕の振りが速くなり、140キロ以上のストレートをマーク。
最速144キロで若竹投手に負けないピッチングを披露します。

2回裏 東邦の攻撃
若竹投手は少しペースダウン。抜群のキレはなくなります。
それでもストレートは常時140キロ。カーブを交えて安定感あるピッチングを見せていきます。

4回表 育英の攻撃
先頭打者が四球で出塁するも、送りバントを打ち上げてしまってアウト。
続いてヒットエンドランをかけるも、ショート瀬戸川選手が逆を付かれながらも、
ナイス反応を見せてダイビング好捕!
素早く2塁へ送球し、1塁へ転送、併殺とします。

4回裏 東邦の攻撃
先頭の4番西村選手がライト前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
しかし最後は外角低めいっぱい144キロストレートに手が出ず見逃し三振。無得点。

7回表 育英の攻撃
1アウトから3番原選手がバスター打法で三遊間抜くヒットで出塁し、
ワイルドピッチ・四球・ワイルドピッチで1アウト1・3塁のチャンス。
しかしバスターで打った打球は3塁線上のサードゴロで、3塁ランナーは帰塁できず、
挟殺プレーでタッチアウト、さらに2塁を回った1塁ランナーまでも挟まれてタッチアウト。
育英は走塁ミスでチャンスを潰してしまいます。

7回裏 東邦の攻撃
2アウトから9番丸山選手がヒットで出塁し、ボークで2塁へ進むも、
1番瀬戸川選手のミートした打球はファースト正面のゴロで無得点。

8回裏 東邦の攻撃
先頭の2番奥村選手がラインドライブがかかってレフト線へ落ちる2ベースヒットで出塁するも、
送りバントを打ち上げてしまって1アウト2塁。
4番西村選手がサード強襲のヒットを放ち、1アウト1・3塁とするも、
セーフティスクイズファールの後、キャッチャーファールフライ、
四球で満塁となった後、内角低めストレートに手が出ず見逃し三振、無得点。

9回表 育英の攻撃
1番近藤選手がレフト前ヒットで出塁し、2番林選手のエンドランショート強襲ヒットでノーアウト1・2塁とするも、
送りバント空振り時に2塁ランナーが飛び出してしまって戻れずにタッチアウト。
その後、ライトフライ、2塁への盗塁失敗となり、3アウトチェンジ。

10回表 育英の攻撃
1アウトから途中出場の5番浜川選手が三遊間抜くヒットを放つも、
エンドランの打球がセカンドゴロ併殺となってチャンスを広げられず無得点。

10回裏 東邦の攻撃
若竹投手は2アウトから四球でランナーを許すと、
5番水野選手に甘く入ったストレートを捉えられて右中間突破の2ベースヒットに。
スタートを切っていた1塁ランナーは一気にホームイン。
東邦がサヨナラ勝ちを収めました。


この試合は両チームに攻撃のミスがあり、両チームに守備のナイスプレーがあったんですが、
どちらかといえば育英のミスの方が目立ち、東邦の好プレーが目立った気がします。
育英は嫌な攻撃のミスが多かったです。東邦はミスの後にワンクッションあっただけに目立ってしまいました。
その分だけチャンスが来たのかもしれません。
まぁ、紙一重ですよね。やっぱり。

勝った東邦は木下投手を中心に守備が堅かったです。
キャッチャーの水野選手は盗塁を見事に刺しましたし、ショートの瀬戸川選手は良い打球反応をしていました。
このディフェンス面の優秀さが東邦の武器ですね。
打撃面でも若竹投手のストレートに振り負けていませんでした。
今日の勝利を自信とし、次の試合では猛打爆発といって欲しいです。

負けた育英は攻撃のミスが悔やまれます。
ミスをしたままイニングを終わってしまうことが多く、攻撃の嫌な流れを引きずってしまった気がします。
エースの若竹投手は素晴らしい球を投げていましたが、最後に疲れが出てしまいました。
フォームがフォームなだけに、今後はスタミナが1つの課題となってきそうですね。
素晴らしい投手ですから、もう一回り大きくなって夏の甲子園に戻ってきてもらいたいです。



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