1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | (戸)木下(1回2/3)−矢野(6回1/3) (苫)田中(9回) |
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戸畑 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | ||||
駒苫 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 2 |
昨年夏の大会で優勝し、最後まで甲子園にいた駒大苫小牧がセンバツの第1戦目に登場という なんとも不思議な縁を感じる試合でした。 その駒大苫小牧が僅差で逃げ切り。夏春連覇に向けて第一歩を踏みしめました。 駒大苫小牧の先発は昨年登板した松橋投手でもなく、 吉岡投手でもなく、2年生右腕の田中投手でした。 この起用がどうなるのかと注目してみていましたが、総合力の高いバランス型投手だったようで、 素晴らしいピッチングを見せて戸畑打線を抑え込みました。 一方の戸畑は2年生左腕の木下投手が先発。 こちらは起用が裏目に出てしまい、調子に乗る前に駒大苫小牧打線に得点を許してしまいました。 その後はエースの矢野投手が丹念に外角低めに変化球を集めるピッチングを見せて、 駒大苫小牧打線を手玉に取っていくものの、 戸畑打線はバントミス・走塁ミスなどの拙攻が続いてしまってあと1本が出ず。 結局、駒大苫小牧が逃げ切るという試合になりました。 簡単な得点経過です。
勝敗を分けたのは得点を取るべき所で取れたかどうかでしょうね。 駒大苫小牧は序盤のチャンスを確実に得点に繋ぐことができました。 2番手の矢野投手を打ちあぐんだだけに、序盤の効果的な得点が生きてきた形になりましたね。 逆に戸畑は送りバントやエンドラン・盗塁でランナーを進めることができず、拙攻が続いてしまいました。 ランナーを出してからの機動力が武器だったはずなんですが… それを自らのミスで潰してしまったのが悔やまれます。 駒大苫小牧も得点には昨夏にサイクルヒットを達成した林選手の一打が絡んでいましたし、 甲子園での経験の差が出たんでしょうかね。 勝った駒大苫小牧は投手力が素晴らしいですね。 今日先発した田中投手はセットからのコントロールが乱れるなど課題は多いものの、 ストレートは140キロ前後、変化球もスライダー・カーブ・フォークと多彩、 総合力で勝負できる将来性のあるピッチャーでした。 これに松橋投手と吉岡投手がいるわけですから… 昨夏優勝の3投手以上の力を持つ素晴らしい投手陣だと思います。 打線は林選手を軸にまとまりのある印象。 ただ戸畑の2番手・矢野投手のコントロールのいいピッチングに抑えられてしまいました。 外角低めに上手く変化球を集めていたので無理もないんですが、 ちょっと強引に引っ張る打撃が多かったかなと。 昨年のようなセンター方向に弾き返すバッティングを心がけて欲しいです。 今後勝ちあがっていくためには逆らわない打撃ができるかどうかにかかっていると思います。 負けた戸畑は送りバント・エンドラン・走塁など攻撃のミスが悔やまれます。 機動力を生かした本来の野球をすることができず、拙攻になってしまったのが残念ですね。 ただエースの矢野投手は変則サイドながらも安定感がありますし、 2年生左腕の木下投手も将来性があるなど投手力は伸びてきています。 打撃陣の確実性が増してくれば、夏にもチャンスはあるでしょう。 今日のミスを取り返す野球をしていってもらいたいですね。 目に付いた選手は駒大苫小牧の田中投手と林選手、本間選手。 戸畑の木下・矢野両投手です。 2年生右腕の田中投手は185センチの長身から140キロ前後のストレート(Max142キロ)と 縦のスライダー、カーブ、フォークを投げ分ける総合型のピッチャーです。 オーソドックスながらも腕を大きく使った投球フォームをしており、 縦のスライダーでカウントを稼ぎ、ストレートを見せ球にしつつ、低めのスライダー・フォークで打ち取ります。 これといったボールはありませんが、どの球もそれなりのレベルでまとまりのある投手という印象です。 課題はセットポジションからのピッチング。 ストレート・変化球ともに高めに浮きがちになり、コントロールを乱す傾向があります。 低めにキチンとボールを集められるようになれば、安定感のある素晴らしい投手になれると思います。 あとはスタミナ面でしょうか。 後ろに松橋・吉岡投手が控えていたことで飛ばし気味に入り、 中盤にやや疲れを見せていましたが、8・9回に再び持ち直して142キロをマーク。 投げる力はありそうなので、1試合を考えて投げるスタミナを養って欲しいです。 今後の成長が楽しみな投手です。 1番セカンドの林選手は小柄ながらも打撃センスは抜群。 下半身の軸がしっかりしているので、見た目以上にパンチ力があります。 ボールの捉え方が上手いだけに今後も注目。左投手も苦にしませんし、いい打者だと思います。 2年生の4番センターの本間選手はガッチリした体格でパワフルな印象を受けるバッター。 巨漢という表現がピッタリで、94キロで重たそうに見えるんですが、足は遅くないようです。 この試合でもボテボテのピッチャーゴロが1塁セーフの内安打に。 ポジションもセンターですし、運動能力は高そう。こちらも今後に注目。 戸畑の2年生左腕の木下投手は打たれはしたものの、 体を柔らかく使った投球フォームから120キロ後半のストレートと緩いカーブをコントロールよく投げるなど ピッチング自体はそんなに悪くなかったと思います。 やや高めに変化球が浮いた分だけヒットになってしまったという感じでしょうか。 投球フォームがいいだけに、さらに走りこんでいけば安定感のある良い投手になりそうです。 エースの矢野投手は右サイドスローなのですが、 テイクバックをあまり取らず、腕を折りたたんで投げる変則的な投球フォームをしています。 120キロ前半のストレートなど球威があるようには思えませんが、 110キロ台の緩いスライダーを外角低めにしっかりとコントロールして集めることができるので、 見た目以上に打ちにくいピッチャーのようです。 一発勝負の高校野球ではこういった変則投手を打つのは苦労しそうなだけに、 夏の大会でも活躍できるでしょう。 タイプの違う2投手で夏の大会を勝ち抜いてきてもらいたいです。 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | (甲)三森(8回) (神)大西(9回) |
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甲府工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | ||||
神戸国際大付 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | × | 4 |
終盤まで0行進の神戸国際大付の左腕・大西投手と甲府工の右腕・三森投手の投手戦は、 終盤に疲れが見えた三森投手を上手く攻めた神戸国際大付に軍配が上がりました。 守備に安定感があった神戸国際大付、守備に不安を抱えていた甲府工、 その差が少なからず影響していたのかもしれません。 ディフェンスの面で神戸国際大付が勝ったという感じですね。 簡単な得点経過です。
勝敗を分けたのは、やはり守備力の差でしょう。 どちらかと言えば甲府工業が押していた試合だったんですが、 神戸国際大付のバッテリーはカーブが狙われていると分かると、 中盤からストレート主体のピッチングに切り替え、甲府工打線に狙い球を絞らせませんでした。 また守備陣も安定しており、緩急で勝負する大西投手も安心して投げることができたと思います。 逆に甲府工は三森投手が低めにボールを集めるタイプにも関わらず、内野守備に不安を抱えていました。 同点打を許す直前にもファールフライを捕球できないということがありましたし、 ストレートが甘くなっていたのにも関わらず、それに頼らざるを得ませんでした。 1点を争うゲームだっただけに、投手力・リードを含めた守備力の差が勝敗に現れた気がします。 勝った神戸国際大付はエースの大西投手を中心に守備の堅いチームだと思います。 打線も派手さは欠けますが、バントで着実にランナーを進めるなど堅実な攻めが光っていました。 課題は大西投手のピッチングでしょうか。 ストレートとカーブの組み立てなだけに、どちらかに狙いを絞り込まれると苦労しそうです。 今日の試合の3〜5回辺りはかなり甲府工業に対応されていましたしね。 今日の後半のようにピッチングの組み立てを工夫するなどして投球の幅を広げてもらいたいです。 負けた甲府工業はデイフェンス面の脆さが負けに繋がってしまいました。 エースの三森投手はスタミナ不足で、 ストレートがシュート回転して真中付近に集まってしまうなど、今日も終盤に打ち込まれてしまいました。 あまり身長はないんですから、しっかりと走りこみませんと。 球威のなさ・スタミナ不足をカバーしていかないと夏の大会は厳しいと思います。 打線は悪くないだけに夏に向けての守備面のレベルアップを期待したいです。 目に付いた選手は神戸国際大付の大西投手と甲府工の三森投手です。 大西投手はクイック気味の投球フォームでテンポ良くボールを投げ込む左腕投手。 ストレートは130キロ前後。最高で133キロぐらい。スピードは最後まで変わらず、9回にも133キロ。 変化球は落差のある100〜110キロのカーブ。 投球フォームと大きなカーブとの緩急が見事で、フォームに吊られてカーブについ手が出てしまう感じです。 課題としてはストレートとカーブの腕の振りの差をなくすことでしょうか。 3〜5回ぐらいはその差を見極められたのか、カーブを溜めて打たれていました。 前半だったことでボールに力があり、外野の頭を超えませんでしたが、 これが試合終盤に出ていたならば致命傷になりかねませんでした。 カーブに頼りきらず、上手くピッチングの組み立てをしていくことが必要だと思います。 甲府工業の三森投手は130キロ台後半のストレート(Max139キロ)と キレのいいスライダー、シュートなどをコーナーに投げ分ける安定感あるピッチャーです。 ただ球威はあまりないようで、球速のわりには威力を感じませんでした。 腕が少し下がったスリークォーターで角度もあまりなく、 シュート回転気味で真中付近に集まるケースも多々ありました。 コントロールは基本的にいいだけに勿体無い… スタミナをしっかりと付け、勝てるピッチャーになって欲しいです。 打者ではTV実況の解説のタイミングも相まって神戸国際大付の2年生3番井内選手が目立ちました。 守備では2度のファインプレー、打っては貴重な同点タイムリーと大活躍! 10年前の震災で母親と弟を亡くし、自身も足に大怪我を負ったそうで、 元気に野球ができていることを多くの人に見せたいという旨のコメントが紹介されていました。 内角高めのそれほど甘くない球を弾き返す気持ちのこもった一打でした。素晴らしい活躍だったと思います。。 次の試合でも大暴れし、同じ心の痛みを抱えている人々を勇気付けて欲しいですね。 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | (関)西所(8回1/3) (慶)中林(9回) |
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関西 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 3 | 1 | 0 | 7 | ||||
慶応 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1× | 8 |
4回ぐらいから雨・風が激しくなり、2時半に夕方のように暗くなって早々と点灯試合に、 その後も強い雨などで試合中断を挟むような悪天候の中で行われた試合は、 45年ぶりの出場となった慶応高校が執念を見せてサヨナラ勝ちを収めました。 もう執念ですよね。 超エリート高校とは思えない、いや、そうだからこその精神的強さがありました。 「Enjoy Baseball!」、野球を楽しむことで辛い場面も立ち向かっていける、 自分の好きな野球をやっているから苦しくない、楽しいんだ、そんな強さが現れていました。 8回に打球を直接頭部額付近に受けたエースの中林投手、最後まで投げきった姿は感動的でした。 攻撃ではダブルスチールでの本塁盗塁を決めるなど野球をよく知っているチームですよね。 神奈川の強豪校を破ってきただけはあります。 またそんな慶応に負けじと頑張った関西も見事。 中軸打線の鋭い打球は強豪校の意地を垣間見た気がします。 エースの西所投手も悪いながらもよく投げました。 悪天候ながらも最後まで集中力の切れない素晴らしい試合だったと思います。 簡単な得点経過です。
勝敗を分けたのは慶応の卒のないワンプレーでしょうね。 終盤の猛打も光りますが、3回裏の攻撃も見事だったと思います。 あのダブルスチールは見事でした。 相手の隙を付く素晴らしいプレーでした。かなり勇気のいるプレーだと思うんですがね。 その後の山口選手の走塁といい思い切りの良さが光りました。 そういったプレーが慶応ナインを奮い立たせ、終盤の猛打に繋がったんだと思います。 あとは中林投手のピッチングですよね。 頭部に打球が当たった時は正直ダメかと思いました。多少逃げながらも直撃でしたからね。 そのまま続投したというのは驚きです。 9回にコントロールを乱したものの、最後まで投げきりましたからね。 その精神的強さには感服するばかりです。素晴らしいピッチングだったと思います。 勝った慶応は上記のように試合巧者ぶりが目立ちました。 エンドラン・ダブルスチール・バントと卒なくこなせており、 一つ一つのプレーが丁寧かつ思い切りが良かったように思います。 バントする時はバント、打つ時は打つ、ランナーを進める時は進めると目的意識がはっきりしていましたね。 守備やバッテリーのピッチングの組み立てにもそれらは見られ、 野球をよく知っているチームだと感じました。 今大会の台風の目となる可能性を秘めているチームだと思います。 負けた関西は3番船引・4番松本選手を中心とする強力打線は見事でしたが、 エースの西所投手が攻守に渡ってブレーキとなってしまいました。 ピッチングでは変化球のコントロールが定まらず不安定なピッチング。 上下の連動が上手くできず、最後までフォームに苦しんでしまっていたように見えました。 打撃でも中林投手にタイミングが合わず、3三振を喫するなどチャンスで悉く凡退してしまいました。 ただ調子が悪いなりに悪天候の中、よく踏ん張ったと思います。その点は評価したいです。 敗因を挙げるとすれば、継投のタイミングを掴めなかったことでしょうか。その点だけが残念です。 目に付いた選手は慶応の中林投手です。 慶応の左腕エースの中林投手は一度体を縮こませてから腕を大きく使って投げるスリークォーター投手。 ストレートは130キロ前後、最高で135キロぐらい。カーブ・スライダーで緩急をつけて勝負します。 ストレートの威力自体はそれほどですが、緩急がしっかり付けられているので、 130キロ前半のストレートがより速く見えました。 今日は変化球が高めに浮くなど危ないシーンも多かったんですが、 関西打線がそれを空振りするなど逆にプラスに作用していたようです。 そして何といっても頭部に打球を受けながらも最後まで投げきる精神力が素晴らしいですよね。 次の試合のピッチングも楽しみです。 |