04夏の甲子園大会 14日目

第1試合 東海大甲府(山梨) 10−3 天理(奈良)

(東)佐野(9回)
(天)柴田(2回)−山下(2回2/3)−小倉(1回1/3)−
 西田修(1回2/3)−槌谷(1回1/3)
(本)仲澤(東海大甲府・1回表・2ラン)
東海大甲府 10
天理

一昨日の試合で逆転サヨナラ3ランで勝利した東海大甲府が勢いそのままに勝利しました。
とにかく打線の破壊力が凄まじい。
今大会、波に乗っているだけに手をつけられない状態です。
山梨県勢初優勝も夢ではなくなってきましたね。

天理が負けたことで、優勝経験のある学校はなくなりました。どこが勝っても初優勝です。
ここまで混戦になるとは思いませんでしたね。
どのチームも優勝目指して頑張ってもらいたいものです。

簡単な得点経過です。
1回表 東海大甲府の攻撃
1アウトから2番瀬口選手が詰まりながらもライト前へのヒットを放ち、
2アウトとなってから4番仲澤選手が外角甘く入ったストレートを捉えて打った瞬間のレフトへの2ランホームラン!
東海大甲府が天理の柴田投手の失投を見逃さずに打って、2点を先制します。

1回裏 天理の攻撃
1番岸田選手が四球で出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、
3番眞井選手の打球は良い当たりもライト正面のライナー、
4番打者は外角低めスライダーに空振り三振に倒れて無得点。

2回裏 天理の攻撃
1アウトから6番西田選手が甘いスライダーをコンパクトに弾き返すセンター前ヒットで出塁し、
7番坂根選手が3塁手前にナイス送りバントを決めて、ピッチャーが滑って送球できず、内安打で1アウト1・2塁。
ここで天理は柴田投手に代打・森田選手を起用。
送りバントで2アウトと2・3塁とし、四球で満塁のチャンスを作ったものの、
1番岸田選手は打ち上げてしまってライトフライ、得点できず。

3回表 東海大甲府の攻撃
この回から天理は2番手の山下投手が登板。
先頭の1番古屋選手が低めスライダーを鬱センター前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
3番清水選手の打席でキャッチャーが少し前にこぼす間に古屋選手は大胆に3塁を狙う好走塁!
清水選手は倒れるも、4番仲澤選手が外の球を逆らわずに打つライト前タイムリーヒットで追加点を上げます。

4回表 東海大甲府の攻撃
1アウトから7番佐野投手がショート内安打で出塁し、送りバントで2塁へ。
ここで9番山田選手が外角低めスライダーに上手くあわせる三遊間抜くヒット、
この打球に対して2塁ランナーの佐野投手が躊躇なくホームを狙う大胆な走塁を見せてホームイン!
東海大甲府が追加点を挙げます。

4回裏 天理の攻撃
先頭の6番西田選手が右中間への2ベースヒットを放ち、この時走塁妨害があってランナー3塁へ。
ノーアウト3塁から7番坂根選手が甘い球を見逃さずにミートするレフト前タイムリーで1点を返します。
さらに8番山下投手が甘く入ったストレートを捉えるレフト左への2ベースヒットを放ち、ノーアウト2・3塁。
9番打者は倒れるものの、1番岸田選手が外角低めストレートボール球を掬い上げてセンター犠牲フライ。
天理が2点を返して追い上げます。

5回表 東海大甲府の攻撃
1アウトから3番清水選手がレフト線への2ベースヒットで出塁し、4番仲澤選手は敬遠で1アウト1・2塁。
5番宮地選手はセーフティーバントがファールになるも、
甘く来たスライダーを叩いて一二塁間抜くタイムリーヒットを放ち加点、
ホームクロスプレーでキャッチャーがタッチに行った時にボールをこぼしてランナー進塁、1アウト2・3塁に。
6番打者は外角スライダーボール球に空振り三振に倒れて2アウトとなるも、
7番佐野投手が初球外角やや甘いスライダーを捉えるレフト前タイムリーで加点、2アウト1・3塁。
8番打者が四球で満塁とした後、9番打者が押し出し死球、
さらに1番打者のショートゴロを天理がタイムリーエラーして失点。
ここで天理は2年生左腕の小倉投手にスイッチするも、ストライクが入らず押し出し四球。
3番清水選手は外角スライダーでセカンドゴロ。
東海大甲府がこの回打者一巡の猛攻を見せて5点を追加します。

7回表 東海大甲府の攻撃
天理は2年生右腕の西田修投手が登板。
6回以降は積極的に選手を代えていき、ついにはベンチ入り全員の選手を使い切ります。
この回、1番古屋選手の2ベースヒットなどで1点を追加します。

7回裏 天理の攻撃
1番岸田選手がヒットで出塁するなどして1点を返します。
しかし反撃はここまで。東海大甲府が10−3で勝利しました。


4回裏終了時までは試合は分からなかったんですが…
5回の東海大甲府の猛攻で試合は決まってしまいました。
ヒットによる失点は仕方なかったものの、四死球での失点は余計でしたね。
これでもう天理は試合を諦めざるを得ませんでした。
5回表の投手交代時にキャッチャーも2安打と当たっていた西田選手に代えて
2年生の橋間選手を起用したことからも勝敗が決してしいたのは明らかでしょう。
東海大甲府の打線の勢いに天理投手陣が飲まれてしまいましたね。


負けた天理は投手陣の不出来が誤算でした。
ここまで頑張ってきた柴田・山下両投手ともにコントロールが甘く、
波に乗っている東海大甲府打線に失投を完璧に捉えられていました。
守備の乱れも見られるなど、天理にとっては厳しい試合になってしまいましたね。
収穫としてはベンチ入り全員を試合で使えたことでしょうか。
今日の経験を糧に強いチームを作って行って欲しいです。
2年生の眞井選手や4番手で登板した西田修投手など良い選手がいますからね。
この伝統を繋いでいき、天理復活をアピールしてもらいたいです。

勝った東海大甲府は打線の勢いが凄まじいです。
クリーンアップの長打力はもちろんのこと、一気に畳み掛ける強さがあります。
また送りバントも確実に決めるなど、ただ打つだけのチームではない多角的な攻撃が展開できるのが強みです。
投手陣は若干の不安がありますが、バックの野手陣が頑張りましたし、
今日は佐野投手が粘り強く投げて完投勝利を収めました。
この勢いを明日の試合へと繋いでいって欲しいですね。



注目選手に関して簡単に。
天理の柴田投手の今日のピッチングはイマイチ。
ストレートの走りが悪く、カーブ・スライダー・フォークなどの縦変化球も高めに行きがちで、
コントロールが安定していませんでした。
低めにボールを集められなかったことで、早めの継投になってしまったんだと思います。
それでも長身からゆったりしたモーションで腕を振り切れる辺りは非凡。
今後も注目していきたい投手の一人です。

東海大甲府の打者では3番セカンド清水選手と4番サード仲澤選手をチェック。
聖光学院戦で逆転サヨナラ3ランを放った清水選手は5打数1安打。
すり足でしっかりとした構えをしており、無駄な動きがないなかなかの打者です。
強くボールを叩けるようですし、この後の試合も注目ですね。
今日先制ホームランを放った仲澤選手は長身でシャープな構え。けれどスイングは豪快という強打者。
先制ホームランは打った瞬間の完璧な当たり。素晴らしいホームランでした。
タイプ的には東北高校の横田選手に近い印象。
高校生のスラッガー候補としてドラフトでも注目させるかもしれません。

2年生では東海大甲府の5番センター宮地選手に注目。
50m6秒0の俊足ですが、5番を打つだけの長打力も持っているという楽しみな存在。
天理では3番レフトの眞井選手に注目。
足を体のほうへ引き上げて体全体でボールを呼び込むような打撃フォームをしています。
今大会はあまりヒットが出なかったようですが、当たりは悪くなかったと思います。
来年、甲子園に帰ってくることを期待しています。




第2試合 千葉経大付(千葉) 4−2 修徳(東東京)

(修)斉藤(8回)
(経)松本(9回)
修徳
千葉経大付 ×

千葉経大付が安定した試合運びを見せて見事勝利を収めました。
千葉経大付は序盤のミスで1点を失ってしまいましたが、
その後は外野手がナイスプレーを見せるなど安定した守備力を発揮し、
エースの松本投手も丁寧にコースを狙う打たせて取るピッチングで修徳打線を封じました。
一方の2試合連続完封の修徳・斉藤投手はコントロールが荒れ気味で7四死球の苦しいピッチング。
千葉経大付打線がその四死球を生かして得点に結び付けるなど、
ピッチャーのコントロールの差が試合の勝敗を分けたように思います。

簡単な試合経過です。
1回表 修徳の攻撃
2アウトから3番磯部選手がレフト前ヒットで出塁し、4番長島選手の当たり損ねのサードゴロは
打球の勢いが弱すぎてセーフティーバントのようになり、サードがあわてて1塁へ送球するも悪送球。
カバーも間に合わず、1塁ランナーが一気にホームイン。
修徳が千葉経大付のエラーで1点を先制します。

1回裏 千葉経大付の攻撃
1番平野選手が死球で出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、後続が倒れて無得点。

2回表 修徳の攻撃
先頭打者をショートトンネルエラーで出して送りバントで2塁へ進めるも、後続が倒れて無得点。

2回裏 千葉経大付の攻撃
先頭打者が四球で出塁し、送りバントで2塁へ進めるも後続が倒れて無得点。

3回裏 千葉経大付の攻撃
先頭の1番平野選手が死球で出塁し、2塁へ盗塁成功! 2番打者のピッチャーゴロで3塁へ。
ここで3番井原選手が滞空時間の長いレフトオーバータイムリー3ベースを放って同点。
そして4番松本選手が低めスライダーをしぶとく運ぶ一二塁間抜くタイムリーヒットで勝ち越します。
さらに5番井上選手がサード右を抜くヒットを放ち、2アウト1・2塁。
6番細田選手はヘルメットのつばに当たって顔に当たる死球、2アウト満塁(左目下打撲、交代)
これで動揺したのか修徳・斉藤投手が押し出し四球。
この回、3点を奪って千葉経大付が逆転します。

4回表 修徳の攻撃
1アウトから6番佐藤直樹選手がセンターやや左のヒットを放って2塁を狙うも、
レフトからの中継が良くて2塁タッチアウト。
千葉経大付の守備がピンチの目を紡ぎ取ります。

5回表 修徳の攻撃
先頭の8番斉藤選手がセンター前ヒットで出塁し、送りバントで1アウト2塁とすると、
千葉経大付のファーストがボールをこぼすエラーをして1アウト1・3塁に。
ここで2番高山選手がセンター前に落ちるタイムリーヒットを放ち、1点を返します。
しかしこの時、3塁を狙った1塁ランナーがセンターのナイス送球に刺されてタッチアウト。
千葉経大付の外野守備に阻まれて同点に追いつくチャンスを作れません。

6回裏 千葉経大付の攻撃
先頭の代打・福原選手がセンターに抜けるかという打球のセカンド内安打を放って出塁。
送りバントでランナーを進めるなどして、2アウト2塁となったところで、
3番井原選手がセンター前に落ちるタイムリーヒットを放って1点を追加。
この後、井原選手が盗塁を決めてキャッチャーの悪送球の間に3塁へ達し、4番松本選手が四球で歩くも、
5番井上選手が高めストレートに詰まってショートゴロ。

7回表 修徳の攻撃
先頭の7番長野選手がレフトへの2ベースヒットで出塁し、送りバントで1アウト3塁のチャンスを作るも、
代打の関野選手が空振り三振、1番田母神選手がセカンドゴロに倒れて無得点。

9回表 修徳の攻撃
8回裏にセンター・ライトとナイスプレーを見せて反撃ムードが高まるも、
1アウトからファインプレーを見せた6番佐藤直樹選手がライト前ヒットを放っただけ。
最後はショート正面のゴロで併殺。
試合終了、4−2で千葉経大付が勝利しました。


エラーはあったものの、両チームともに守備が堅く、
素晴らしいプレーを連発するなど凄く引き締まった試合でした。
惜しむならば斉藤投手の四死球の多さ。7四死球というのはさすがに…
元々コントロールはいい方で、こんなに四死球を出すピッチャーではないんですがね。
疲れからかボールが散り気味でした。
死球3つというのは千葉経大付の打者がかなりベース寄りに立っていたからだと思います。
死球退場となったボールも少しベースから離れていれば避けられる位置。頭部死球にはならないはずです。
千葉経大付の打者の作戦勝ちといったところでしょうね。


負けた修徳は斉藤投手の出来が誤算でした。
これまでとは違ってボールが散らばりすぎたのが痛かったですね。
攻撃陣は打線の繋がりを欠いて松本投手を攻め切れませんでした。
ただスタメン全員が1・2年生という若いチームですから、ここまでよく勝ち上がってきたと言うべきでしょう。
負けはしたものの、守備ではナイスプレーが目立ち、1・2年生のチームとは思えない熟練ぶりでした。
あとは打線の繋がりと2番手投手の育成を行い、来年も甲子園で暴れて欲しいです。

勝った千葉経大付は試合前半に3つのエラーが飛び出してどうなるかと思いましたが、
その後は固い守備力を見せ、
外野手はナイス送球を見せたり、ナイスポジショニングをしたりで松本投手を盛り立てました。
ベンチのサインなのか極端なシフトを取ることが多い千葉経大付の外野守備陣、今日は上手くはまりましたね。
攻撃ではベース寄りに立って、斉藤投手のクロス気味にくる内角の球を封じようとし、
高めの勢いあるストレートに手を出さないなど、高いチーム力を見せてくれるチームです。
特別に強いわけでも、凄い目玉選手がいるわけでもありませんが、
このまとまったチーム力が千葉経大付の最大の武器ですね。
この調子で準決勝以降も勝ち抜いていって欲しいです。
松本監督が現役時代に桜美林で達成した初出場初優勝をやり遂げましょう!




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