04夏の甲子園大会 13日目

第1試合 済美(愛媛) 2×−1 中京大中京(愛知)

(中)小椋(8回2/3)
(済)福井(9回)
(本)甘井(済美・1回裏・ソロ)
中京大中京
済美 1×

中京大中京の小椋投手と済美の福井投手の粘り強い投手戦は、
済美のサヨナラ勝ちで幕を下ろしました。
両チームともにチャンスは作るもののあと一本が出ない展開が続き、
雨天中断が2度ありながらも両投手ともに集中力を切らさずによく投げたと思います。
最後は小椋投手が力尽きる形で決着が付いた形です。

両チームともに守備が安定していて引き締まった試合だったわけですが、
どちらかという中京大中京が押していた試合でした。
投球内容としては小椋投手が低めにボールを集めるピッチングで持ち味を出していたのに対し、
福井投手は右打者内角高めに抜けて死球、左打者外角高めにボールが抜ける苦しいピッチング。
まぁ、荒れ球が持ち味の一つでもあるんですが、満足いくピッチングではなかったように思います。
中京大中京が一昨日の東海大翔洋戦のように満塁のチャンスを生かしきれなかったことが、
試合を決めてしまったように思います。
先に一本出た済美が勝利を収めたということですね。

簡単な得点経過です。
1回表 中京大中京の攻撃
1アウトから2番西平選手がショート内安打で出塁し、3番小川選手が死球で1アウト1・2塁。
続く4番中村選手がバットの先で外角スライダーを捉えるもサードライナー…落球、
2塁送球アウトで2アウト1・3塁となります。
ここで5番磯村選手がセカンド右へ良い当たりを放つも、
済美のセカンド野間選手が飛びついて1塁送球アウト。ファインプレー!

1回裏 済美の攻撃
1番甘井選手が外角高めストレートを捉え、風に乗ったこともあり、
左中間スタンドにライナーで飛び込むソロホームラン! 済美が先制点を挙げます。
この後、4番鵜久森選手が四球で出塁するも、ディレードスチール失敗で3アウト。

2回裏 済美の攻撃
先頭の5番西田選手がセカンドゴロバウンド合わずに捕球できない内安打で出塁するも、
バントが決まらずに得点ならず。

3回表 中京大中京の攻撃
先頭の9番小椋投手が四球で出塁するも、1番伊藤選手がバントできずにショートゴロ、1アウト1塁。
2番西平選手にエンドランをかけるも高めストレート抜け球のクソボールで空振り、盗塁失敗。
ノーアウトのランナーを生かせず。

3回裏 済美の攻撃
先頭の9番福井投手が三遊間深くへ緩い打球が飛ぶラッキーな内安打で出塁するも、
またしても送りバント失敗で1アウト1塁。
この後、盗塁を決め、2番小松選手がショート左の内安打を放つも後続が倒れて無得点。

5回表 中京大中京の攻撃
2アウトから9番福井選手が外角スライダーを打つ三遊間抜くヒットで出塁し、
1番伊藤選手も外角スライダーを打つライト前ヒットで2アウト1・2塁のチャンスを作るも、
2番西平選手の打球は良い当たりも上がり過ぎて左中間へのセンターフライ。無得点。

6回表 中京大中京の攻撃
先頭の3番小川選手が初球打ちレフト前ヒットで出塁し、
4番中村選手が外角スライダーを引き付けて打ち返すセンター前ヒットで繋いでノーアウト1・2塁。
ここで5番磯村選手が3塁手前への送りバント、ややファーストベースカバーが遅かった分、
サードの送球が逸れてオールセーフ、バント内安打となってノーアウト満塁。
そして6番竹内選手が初球甘い球を捉えてレフト前へのタイムリーヒット、1点を返して尚も無死満塁。
ややコントロールを乱していた済美の福井投手でしたが、
7番中西選手のノーツーからの内角高めストレートボール球がグリップに当たってファールとなってから一変、
低めにボールが集まり始めて、
7番中西選手をピッチャーゴロ併殺、8番打者はファーストフライに倒れて1点止まりに。

6回裏 済美の攻撃
1アウトから4番鵜久森選手が外角少し甘いストレートを捉えるレフト線の2ベースヒットで出塁するも、
後続が倒れて無得点。

7回裏 済美の攻撃
先頭の7番田坂選手が甘いストレートを捉えるセンターオーバー2ベースヒットで出塁するも、
タイムを取った後の直後の2塁けん制でタッチアウト!
そのまま後続も倒れて無得点。

8回表 中京大中京の攻撃
先頭の3番小川選手が死球で出塁し、4番中村選手が送りバントを決め、
5番磯村選手が初球外角スライダーを上手くはじき返すセンター前ヒットで1アウト1・3塁とするも、
6番竹内選手がピッチャーゴロ、7番中西選手の打球は良い当たりもショート正面のゴロに倒れて無得点。

8回裏 済美の攻撃
先頭の1番甘井選手のサード右の当たりを中西選手がよく捕球するも、
送球が少し逸れてグラブタッチに行ったときにファーストが落球、内安打となります。
2番小松選手のカウント1−2となった所で急激な豪雨。9分間の試合中断となります。
試合再開後に小松選手が送りバント成功、1アウト2塁。
しかし3番水本選手は外角低めスライダーに空振り三振、
4番鵜久森選手を敬遠した後、5番西田選手にストレートの四球で2アウト満塁、
6番野間選手が外角低めチェンジアップに三振に倒れて無得点。

9回表 中京大中京の攻撃
先頭の8番小向選手が死球で出塁し、送りバントを福井投手が悪送球でオールセーフ、ノーアウト1・2塁。
さすがの済美・上甲監督の笑顔も止まる。
1番伊藤選手が送りバントを決めて1アウト2・3塁となるも、
2番西平選手が甘いスライダーを打ち上げてショートフライ、2アウト2・3塁。
ここでまたしても雨が激しくなって雨天中断。5〜6分試合中断となります。
再開後の初球を3番小川選手が打つもファーストゴロ、チャンスを生かせません。

9回裏 済美の攻撃
1アウトから8番新立選手がライト前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
1番甘井選手を敬遠して1アウト1・2塁。
2番小松選手をカウント2−1となった後の内角際どいストレートがボール、
直後の外角スライダーを打って左中間フェンス直撃のサヨナラタイムリーヒット!
済美が2−1でサヨナラ勝ちを収めました。


こうやって試合を振り返ると、中京大中京に対して「何で?」と思うシーンがありますね…
8・9回ともに1アウトでランナーが3塁にいるのにも関わらず、単純な強攻策で凡退。
スクイズをしていたら… こういう結果になってしまうとそう思わざるをえません。
済美の福井投手は荒れ球で右打者の内角高めにシュート回転のストレートが来るので、
バントしづらい面はありましたが… ちょっと勿体無かったなと。
特に9回は先頭打者への四死球に相手のミスと条件が揃っていただけに、
そのチャンスをものにできなかったのは悔いが残ると思います。

あとは9回裏の小松選手への配球ですよね。
カウント2−1からの内角際どいストレートが外れた段階で相手の狙い球は外角低めの変化球一本。
その場面でやや甘くスライダーを投げてしまったのが…
次の3番水本選手が小椋投手のスライダーに全くタイミングが合っていなかっただけに、
ボールになってもいい気持ちで投げて欲しかったです。
最後の1球の甘さが致命的なものとなってしまいました。


負けた中京大中京は上記のようにチャンスを逸してしまったことに悔いが残ります。
勝てた試合だっただけに、負け試合となったのが勿体無いです。
エースの小椋投手を中心に堅い守りで頑張ったんですが…残念。
2〜5番の中軸打者は1・2年生と若いわけですし、
この苦い経験をバネに一回り大きくなって甲子園に帰ってきて欲しいです。

勝った済美は守備陣のナイスプレーが光りました。
岩国戦も再三のファインプレーで福井投手を盛り立てましたが、
今日も地味ながらも好守で失点を防いでいたように思います。
野手陣の球際の強さが済美の勝因ですね。
ただ福井投手のピッチング、攻撃陣に関しては課題が多いです。
攻撃陣は送りバントでランナーを進められず、序盤のチャンスを生かせませんでした。
準決勝以降の戦いはこういったミスが致命傷となるので、しっかりと修正してもらいたいです。
あとは福井投手… 荒れ球が酷過ぎます。
右打者に対しては死球の危険性があるものの、シュート回転で際どく入るのでいいんですが…
左打者に対しては甘くなったり、抜けてボール先行となってしまうので要注意。
準決勝の相手である千葉経大付も修徳も中軸に良い左打者が揃っているので、
注意して投げていってもらいたいです。
春夏連覇は福井投手次第だと思います。



注目の済美・鵜久森選手ですが、外角低めの変化球が穴のように見えました。
2回戦・3回戦ともにホームランにしたのは内角の球。
課題といわれていた内角高目を見事克服しましたが、
その分だけ外角低めに届きにくくなっています。
少しでも高くくると長いリーチを生かして長打を打てるわけですが、ボール気味の変化球は厳しいように見えました。
ただセンバツに比べると選球眼もよくなっていて、スケールアップしているので、
今年の高校生野手の中では大注目の存在だと思います。

中京大中京の小椋投手は140キロ前後のストレートを安定して低めに集められるのがいいですね。
今日の最速は143キロ。縦のスライダー・チェンジアップも低めに投げられていました。
ちょっと甘く入った所を済美打線に痛打されてしまいましたが、まとまりのある好投手だと思います。

済美の2年生エース福井投手ですが… 正直ちょっとダメかなぁと。
元々荒れ球ではあったんですが、センバツの時のような唸ってしまうコントロールがありません。
今は140キロ前後の球威あるストレートで誤魔化せていますが、
そのメッキが剥がれてしまうと大量失点となってしまいそうです。
やや腕の位置が下がってるせいなのか、
右打者の内角高め・左打者の外角高めにシュート回転気味にボールが抜けやすくなっています。
四死球の多さはこれが原因でしょう。これが直らないと厳しいと思います。
ここまで全く直る気配がないので、この先もちょっと心配です。




第2試合 駒大苫小牧(南北海道) 6−1 横浜(神奈川)

(駒)岩田(7回0/3)−鈴木(2回)
(横)涌井(7回)−千葉(2回)
(本)林(駒大苫小牧・2回表・ソロ)
駒大苫小牧
横浜

神風が吹いた…
台風の影響で風向きが安定しない甲子園球場、試合はそうとしか思えない展開でした。
確かに駒大苫小牧の打者は振りきっていたし、横浜の涌井投手はボールが高かった。
それでもあまりにも不可思議な当たりばかりで…
横浜にとってはあまりにもアンラッキーな、駒大苫小牧にはラッキーな試合でした。
まさに駒大苫小牧の方に風が吹いた、という感じです。

ただ今日の涌井投手の調子が良くなかったのも事実。
高めに行ってしまったとはいえ、今までなら切れのあるボールで空振りを奪えたはずです。
奪三振が僅かに4だったことからも、ボールの切れを欠いたことが分かります。
今日のピッチングは昨年までの涌井投手に近い形だったように思います。
連投の疲れもあったんでしょうか。キレのない球がいくと容赦なく打たれてしまいますね…

簡単な試合経過です。
1回表 駒大苫小牧の攻撃
1アウトから2番沢井選手がヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
4番原田選手は四球で歩いて2アウト1・2塁。
5番糸屋選手は内角高めストレートに詰まるも、投手・3塁手・遊撃手の真ん中に落ちるラッキーな内安打。
2アウト満塁とチャンスを広げるも、ここは涌井投手が外角134キロシンカーでショートゴロに打ち取って0点。

1回裏 横浜の攻撃
1番佐藤選手がカーブを捕らえるセンター前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
3番石川選手がストレートの四球で歩いて1アウト1・2塁のチャンスを作るも、
4番橋本選手がボールを見てしまって内角低めストレートに見逃し三振、
5番赤堀選手が外角低めボール球に手を出してしまってファーストゴロ。

2回表 駒大苫小牧の攻撃
この回先頭の7番林選手が外角高め甘い138キロストレートを捉え、
上空の風に乗ったこともあって予想以上に伸びてセンター右へ飛び込むソロホームラン!
駒大苫小牧が先制点を奪います。
このショックを引きずったのか、8番打者をセカンドゴロに打ち取った後、
9番五十嵐選手に甘いスライダー打たれて一二塁間抜くヒット、1番桑島選手にはストレートの四球。
2番打者は内角139キロストレートで詰まらせてレフトフライ、2アウト1・2塁。
3番桑島選手は低め140キロストレートで詰まらせるも、緩い打球が三遊間を抜いていくヒット、
これはレフトの赤堀選手がダイレクトの好返球を見せてホームタッチアウト!
2点目は与えません。

3回表 駒大苫小牧の攻撃
4番原田選手の所で外角低め145キロストレート計測。この回はややスピードが上がってきます。
簡単に2アウトを取って涌井投手が立ち直ると思いきや、
6番佐々木選手が外角低めシンカーを当ててレフト前に落ちるアンラッキーなヒット、
7番林選手には外角やや高めに入ったシンカーを捉えられて三遊間抜くヒット、
この打球をレフトが少し処理を誤って前にこぼす間に2塁ランナーホームイン。
打者走者も2塁に達し、記録はタイムリー2ベースに。
8番打者は空振り三振にとって3アウトチェンジ。

3回裏 横浜の攻撃
先頭の9番久米選手がカーブを捉える左中間への2ベースヒットで出塁し、送りバントで3塁へ。
ここで2番玉城選手がカウント1−1からスクイズ、外されるも何とかバットに当ててファール、
直後のカウント2−1からまたしてもスクイズ、しかしこれは駒大苫小牧バッテリーが予測していてウエスト、
スクイズバント空振り三振となり、3塁ランナーを挟んでタッチアウト。
三振ゲッツーという形で得点を挙げることができません。

4回表 駒大苫小牧の攻撃
涌井投手が三者凡退に抑えて立ち直りの兆しを見せます。

4回裏 横浜の攻撃
先頭の3番石川選手が低めストレートを叩いて鋭く一二塁間抜くヒットで出塁し、
4番橋本選手が送りバントを決めて1アウト2塁。
さらに5番赤堀選手の初球に2塁ランナーの石川選手が盗塁を決めて、1アウト3塁に。
しかし5番赤堀選手の外角低めカーブを払うようにしてミートした打球はセカンド正面のライナー、
6番伊藤選手はフルカウントから外角高めストレートボール球に手を出してしまって空振り三振。無得点。

5回表 駒大苫小牧の攻撃
先頭の3番桑島選手がスライダーを叩いて高いバウンドのセカンド手前のゴロ、
セカンドがよく追いつくも1塁への送球が逸れて内安打に、ノーアウト1塁。
4番原田選手が送りバントで2塁へ進めた後、5番糸屋選手は外角146キロストレートでピッチャーゴロ、
涌井投手がナイス反応でこの打球をキャッチ、2塁ランナーを追い込もうとするも送球が低くいってしまうも、
これはショートが上手く捕って3塁送球タッチアウト、2アウト1塁に。
しかし6番佐々木選手の外角140キロストレート、振り切ったものの鈍い音で当てただけという打球は、
上がった瞬間レフト手前のフライかな〜と思いきや、
打球が驚異的な伸びを見せて誰もが目を疑うレフトオーバータイムリー2ベース。中西太かよ。風?
そして7番林選手が甘く入ったカーブに詰まりながらも振り切ってライト線抜くタイムリー3ベース。
8番打者は高め142キロストレートで空振り三振。
駒大苫小牧が2点を追加します。

5回裏 横浜の攻撃
1アウトから8番村田選手が外角ストレートを捉えるライト前ヒットで出塁するも、
9番久米選手の外角低めカーブを上手く切り払った打球はセカンド頭上のライナー、
これをセカンドが落球するも落ち着いて2塁に送球してアウト。
1番佐藤選手もセカンドゴロに倒れて無得点。

6回表 駒大苫小牧の攻撃
涌井投手が高めスライダー・高め145キロストレートで二者連続三振を奪うなど三者凡退に。

6回裏 横浜の攻撃
2アウトから4番橋本選手が四球で出塁し、
5番赤堀選手外角ストレートを捉えるレフトオーバーのタイムリー2ベースを放ち、1点を返します。
この後、代打の久保木選手が打席に入り、1塁ベンチ手前にファールフライを打ち上げるも、
キャッチャーとファーストが交錯して落球するファールがあったものの、
外角136キロストレートに詰まってセカンドゴロ。

7回表 駒大苫小牧の攻撃
この回先頭の3番桑島選手をスライダーで引っ掛けさせて1塁線の弱いゴロ、
しかしセカンドのファーストベースカバーが遅く内安打にしてしまいます。
4番原田選手の送りバントはピッチャー前で2塁ナイス送球アウト、1アウト1塁。
けれど5番糸屋選手の外角スライダーでバットの先打ち取った打球は三遊間に飛ぶラッキーなヒット、
6番打者はカットボールでセンターフライに打ち取って2アウト1・2塁とするも、
7番林選手に外角高め甘く入ったシンカーを打たれて三遊間抜くタイムリーヒット。
これで林選手はサイクルヒット達成!(2ベース怪しいが)
続く8番岩田投手は内角低めストレートに詰まりながらもセンター前に落ちるタイムリーヒットで2点目。
9番打者は良い当たりのライトライナーに倒れるも、この回2点を追加、6−1と駒大苫小牧がリードを広げます。

8回表 駒大苫小牧の攻撃
この回から横浜は2番手の千葉投手にスイッチ。涌井投手はベンチに。キャッチャーも福田選手に交代。
先頭の1番桑原選手にピッチャー返しのセンター前ヒットを許し、
2番沢井選手の送りバントを内安打としてしまってノーアウト1・2塁となるも、
3番打者の送りバントを3塁に送球してアウト、続く4番原田選手をセカンドゴロ併殺に打ち取って3アウトチェンジ。

8回裏 横浜の攻撃
先頭の2番玉城選手がセンター前ヒットで出塁し、
3番石川選手がショート右を抜くセンター前ヒットでノーアウト1・2塁のチャンス。
ここで駒大苫小牧は2番手の鈴木投手にスイッチ。
4番橋本選手の捉えたライナー性の打球はライト正面で1アウト、
5番赤堀選手もストレートを捉えるもこれまたライトライナー正面で2アウト、
6番相沢選手が四球で満塁のチャンスを作るも、
7番福田選手が内角スライダー当てただけのショートゴロに倒れて無得点。

9回表 駒大苫小牧の攻撃
先頭打者に四球、送りバントで2塁へ。
7番林選手が5打数5安打となるヒットを放ち、
8番鈴木投手も続いて1アウト満塁とするも、後続が倒れて無得点。

9回裏 横浜の攻撃
先頭の代打・小関選手がヒットを放つも、後続が倒れて無得点。
試合終了、6−1で駒大苫小牧が勝利を収め、76年ぶり北海中学以来のベスト4を決めました。


いや、なんつーか…
私が横浜高校を応援していたこともあるんですが、こう振り返ってもイライラする試合ですなぁ。
駒大苫小牧のヒットでまともな当たりは何本あったんでしょう?
1回の2番沢井選手のヒットは手話ニュースが入ったので分かりませんが、それを合わせても…
2回の7番林選手のホームラン(当たり自体は悪くなかったので)、
同じく2回の9番五十嵐選手の1・2塁間抜くヒット、
3回の7番林選手の記録上のレフト前2ベースヒット、5回の7番林選手のライト線3ベースヒット、
7回の7番林選手の三遊間抜くタイムリーヒット… 同じ名前ばかりだなぁ(苦笑)
涌井投手がまともに打たれたヒットは計6本(うち4本が林選手)。えー、残りの変なヒットが8本ですか(苦笑)
得点シーン全て変なヒットで始まっているんですよねぇ… こんなんで失点したらぶち切れます(爆)
それでも淡々と投げていた涌井投手を褒めるべきなのでしょうか。
高めに行ってしまった分だけ良い所に打球が飛んでしまったとも言えるのでしょうが、
なんともやるせない試合でしたね。

横浜としてはその失点は仕方ないとして攻撃ですよね。
チャンスがありながらも1点止まりというのはいただけません。これでは勝てませんよ。
今日は1・2年生がブレーキになってしまった印象。
石川選手や赤堀選手は頑張ったんですが… つーか、今日ヒット打ったのは3年生ばかりですか。
横浜は予選から1・2年生の活躍で活性化していただけに、これでは得点を取れません。
痛かったのは1回の無得点と3回のスクイズ失敗。ここで点数が入っていれば試合は分かりませんでした。
3回のスクイズ失敗は悪くない策だったんですが、駒大苫小牧のほうが一枚上でした。
カウントが有利だったとはいえ、スクイズを2度外すとは…
普通は一度外して安心するものですが、バッテリーが集中していました。冷静だった駒大苫小牧の勝ちでしたね。
次の打者がチームで一番信頼できる3番の石川選手だっただけに、このスクイズ失敗三振ゲッツーは痛かったです。


負けた横浜は前述の通り。一言で言うと「運が悪かった」わけですが、それでは片付けられないんで…
先発の涌井投手は3回戦までのボールのキレ、コントロールの良さがありませんでした。
球が高かった分だけ相手打者に当てられ、キレがなかった分だけ振り切られてしまい、ヒットにされました。
疲れからか、これまでの調子ではなかったのが悔やまれます。
攻撃陣ではミートした打球を放ってはいたものの、振り切れなかった分だけ野手の頭を超えませんでした。
これまでのような戦い方をできなかったのが横浜の敗因でしょう。
敗れはしたものの、1・2年生が多いチームなので、
この悔しさを胸にチーム一丸となって強いチームを作っていってもらいたいです。

勝った駒大苫小牧は思い切りの良さが光りました。
詰まろうが空振りしようが最後まで思い切りよく振り切るバッティングが功を奏しましたね。
積極的な打撃が涌井投手の甘い球を捉え、振り切った分だけ野手の頭を超えていきました。
準々決勝で勝てば76年ぶりのベスト4となる重圧がかかる中で、
思い切り良くスイングできたことが駒大苫小牧打線の強さなのでしょう。
守備では岩田投手が打たせて取るピッチングを見せ、
鈴木投手が力あるストレートで相手打線を封じる完璧な投手リレー。
投球パターンが違う左腕2人が切磋琢磨し、成長してきています。
駒大苫小牧の左腕コンビは相手チームの脅威でしょうね。
優勝候補の横浜を破ったのですから、この勢いで駒大苫小牧には優勝してもらいたいところ。
白川の関を一気に越えて、北の大地に優勝旗を届けてしまいましょう!
それだけの力があるバランスの取れたチームです。



注目の選手は… って、今日はその注目選手がイマイチ。
サイクルヒットを放った駒大苫小牧の2年生7番セカンドの林選手がいますが、意識して見てなかったし…
なんか一生分の運を使ってしまったような当たりっぷりだったんで、
これで却って調子を崩していかないかが心配です。
まだ2年生ですし、これを自信へと変えて頑張って欲しいです。

今回はコメントなしですが、駒大苫小牧の選手で注目なのは…
4番レフトの原田選手、5番キャッチャーの糸屋選手。岩田投手と鈴木投手の左腕コンビです。
次の試合も要チェックですね。
横浜高校の1・2年生では4番ライトの橋本選手、1年生キャッチャーの福田選手に注目。
今後大きく成長することを期待したいです。

横浜高校でドラフトを意識できそうな選手は、エースの涌井投手とサードの石川選手の2人。
涌井投手は今日のピッチングは正直イマイチだったものの、
これまでのピッチングはダルビッシュ投手に並ぶ今大会NO1投手に相応しい内容だったと思います。
私がスカウトなら一番欲しい投手。チームのエース、お手本になれる好素材です。
(ダルビッシュ投手はお手本にはできない、彼だけの個性派なんで)
プロ志望ならドラフト一巡で消える投手だと思います。
石川選手は走攻守三拍子揃った選手。
どれもまだ粗っぽさが残るものの、バットコントロールの良さが素晴らしいです。
横浜高校の先輩・ベイスターズの鈴木尚典選手のようなアベレージヒッターを目指して欲しいです。




夏の甲子園TV観戦日記のTOPへ戻る

〔FTcomのindexへ〕