04夏の甲子園大会 12日目

第1試合 東海大甲府(山梨) 9×−8 聖光学院(福島)

(聖)本間(6回)−佐藤(1/3)−本間(1回2/3)
(東)穴水(2回2/3)−岩倉(1回)−三井(1回1/3)−佐野(4回)
(本)清水(東海大甲府・9回裏・逆転サヨナラ3ラン)
聖光学院
東海大甲府 3×

東海大甲府がまさかの逆転サヨナラ勝ちで見事勝利を収めました。
試合は聖光学院ペースに進んでいたんですが…
東海大甲府の4番手の佐野投手、7回の佐藤投手への投手リレーが流れを変えてしまいました。
それでも8回は両チーム無得点で試合は決まったかに思えたのですが…
まさかこんな劇的な結末が待っているとは…全く予想していませんでしたね。
センバツの済美−東北戦での高橋選手の逆転サヨナラ3ランホームランを思い出される劇的な一発でした。
春夏ともに逆転サヨナラ3ランが東北勢優勝の夢を散らすとは…因果なものです

簡単な得点経過です。
2回表 聖光学院の攻撃
1アウトから5番舟田選手が3塁線抜く2ベースヒットで出塁し、
6番斉藤選手の一二塁間のゴロにファーストが良く追いつくもベースカバーがおらず内安打、1アウト1・3塁に。
ここで7番打者がスクイズを試みるもファールで、ヒッティングキャッチャーファールフライ。
2アウトとなるもディレードスチールを決めて2・3塁とチャンスを広げ、
8番堺選手がショート右を抜く2点タイムリーヒットを放ち、聖光学院が先制点を挙げます。

3回表 聖光学院の攻撃
2アウトから二者連続四球を与えたところで、東海大甲府は投手交代。
2番手の岩倉投手がマウンドに。
その岩倉投手から5番舟田選手が外角カーブを上手く当てるライト前タイムリーを放ち、追加点。
この後、6番斉藤選手のナイスセーフティーバントで満塁のチャンスを作るも、後続が倒れて無得点。

4回表 聖光学院の攻撃
先頭の8番堺選手がレフト前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ進めるなどして2アウト2塁。
続く打者のショートゴロを東海大甲府のショートがお手玉するエラーがあって2アウト1・3塁、
ここで3番松崎選手が三遊間抜くタイムリーヒットを放ち追加点。
さらに4番橋川選手のセンターオーバー2点タイムリー2ベースが飛び出して得点を重ねます。
ここで東海大甲府は3番手の三井投手にスイッチ。後続を抑えます。

4回裏 東海大甲府の攻撃
先頭の2番瀬口選手、3番清水選手の連続ヒットが飛び出してノーアウト1・2塁のチャンス。
4番打者は倒れるも、5番宮地選手がライト後方に落ちるヒットを放ち、1アウト満塁のチャンス。
ここで押し出し四球が飛び出して1点を返し、代打の郷州選手のライト犠牲フライでこの回計2点を返します。

5回表 聖光学院の攻撃
先頭打者がヒットで出塁するも、送りバント失敗でランナー進められず。
しかし盗塁で2塁へランナーを進め、ピッチャーの脛に当たる強襲内安打で
2塁ランナーが一気にホームを突く好走塁を見せて1点を追加します。

6回表 聖光学院の攻撃
この回からエースの佐野投手がマウンドに。
先頭の2番安田選手にライトが落球する3ベースヒットを打たれ、
3番松崎選手にセンター前タイムリーを打たれて1点を失うも、その後のピンチはしのいで点止まりに。

7回裏 東海大甲府の攻撃
この回から2番手の佐藤投手が登板。
その佐藤投手から8番佐野投手がレフトフェンス直撃の2ベースヒットを放ち、
代打の町田選手の1塁線突破のタイムリー2ベースで1点を返します。
四球等で1アウト1・2塁となった所で、3番清水選手が一二塁間抜くタイムリーヒットを放ち2点目。
ここで聖光学院は投手交代。再び本間投手がマウンドに戻ります。
4番打者の打球はライトライナーだったものの、
5番宮地選手がライト前タイムリーヒットを放ち3点目。
さらに聖光学院の守備が乱れる間に1点を追加、この回4点を返します。

9回裏 東海大甲府の攻撃
先頭の1番古屋選手が左中間抜くヒットを放つも、1塁ベースを踏んでおらず戻ってシングル止まり。
これで試合が決まったかのように思われたものの、2番打者は四球、ノーアウト1・2塁に。
ここで3番清水選手。送りバントさせるかと思いきや、強攻策。
ストレート、シュート回転で真ん中に入る球を捉えて打った瞬間入ると分かる
右中間スタンドへの逆転サヨナラ3ランホームラン!
東海大甲府がまさかの逆転サヨナラ勝ちで勝利を収めました!


東海大甲府は4番手佐野投手の好投が打線に活気をもたらし、
逆に聖光学院の7回の投手交代による失点で自分達にプレッシャーをかけてしまいました。
投手の継投が勝敗を分けた試合となりました。
ただこれだけの劣勢を跳ね返すなんて、東海大甲府は凄いと思います。
最後まで諦めない選手達の粘り強さ、
そして9回に打者を信じてバントをさせずに打たせた監督の信頼感と勇気、
バッティングの強さと精神的強さがあってこその逆転、素晴らしいですよ。
物事は最後まで分からない、それを改めて教えてくれる試合でした。

負けた聖光学院は7回の継投が悔やまれます。
交代理由は本間投手が4・5・6回とヒットを打たれていて相手チームに合ってきたからということですが…
結果的に交代は裏目に出てしまいましたね。
本間投手がテンポのいいピッチングで好投していましたが、
ランナーを出した時に投げ急ぐ面があり、詰めの甘さがあったように思います。
そこを上手く東海大甲府打線に攻められて失点してしまいました。
チーム全体としても巧手に隙がなく、総合力の高い素晴らしいチームでしたが、
ここまで完璧に決めていたバントをミスするなど今日の試合は若干の乱れがありました。
その僅かな乱れが勝利を意識した9回のサヨナラ負けに繋がってしまったのでしょう。
2年生が多いチームなので、新チームはこの悔しさを胸に、
最後まで油断せずにきっちりとした野球ができるチーム作りをして欲しいです。

勝った東海大甲府は驚異的な粘り強さを見せてくれました。
1回戦からリリーフ投手陣が試合を作り直し、劣勢を跳ね返すバッティングで勝利をものにしています。
リリーフ投手陣の良さと最後まで諦めない打撃陣が光っています。
このサヨナラ勝ちの勢いに乗って、センバツ優勝の済美同様快進撃を見せて欲しいです。




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