04夏の甲子園大会 5日目

第1試合 市和歌山商(和歌山) 11−6 宇都宮南(栃木)

(宇)大久保(2回1/3)−稲見(2回2/3)−菅間(3回)
(市)玉置(7回)−田中(2回)
宇都宮南
市和歌山商 × 11

うーん… 日大三−PL戦を見た後にこの試合について書いているわけですが…
………正直、あまり印象に残ってない(爆)
市和歌山商の玉置投手に注目していた記憶はあるんですが…
なんかメモ見るとPL学園の前田投手とだぶっちゃって。
後の試合が濃かっただけに、少し割りを食ってしまった感じがします。

確か試合の方は市和歌山商打線が爆発。バントや盗塁を交えた攻めで序盤に大量リード。
一方の宇都宮南は終盤に玉置投手の疲れが見えてきたところを攻めて反撃していくも、
序盤の失点が大きすぎて追いつくことができず。
といった試合だったと思います。試合展開は富山商の試合に似てるんだよなぁ…
自分の中では違う試合と記憶が混同しちゃってる…
市和歌山商は次の試合で頑張ってください(^^;

一応メモを元にして簡単な得点経過です。
1回裏 市和歌山商の攻撃
1アウトから2番松本選手・3番川端選手の連続ヒットでチャンスを作り、
4番梶本選手が外角低めカーブを打ち返すセンターオーバー2点タイムリー2ベースを放ち、
市和歌山商が先制点を挙げます。

3回表 宇都宮南の攻撃
8番大川原選手が高めストレートを捉えるライト線への2ベースヒットで出塁し、
9番柄目選手がバントして打球はサード右・ショート寄りへの強い当たり、
これを3塁手が3塁タッチアウトを狙おうとして判断を迷ってしまい、
ややスタートが出遅れて1塁へ悪送球。
宇都宮南が相手チームのタイムリーエラーで1点を返します。
この後、スクイズのチャンスがあったものの、カーブを空振りしてしまってランナータッチアウト。
動転には追いつけません。

3回裏 市和歌山商の攻撃
1番センター松間選手がヒットで出塁し、2塁への盗塁成功。
送りバント・四球で1アウト1・3塁となり、4番梶本選手が外角ストレートを捉えるセンター前タイムリー。
さらに代わった稲見投手から5番伊藤選手がレフト前タイムリーヒットを放ち加点。
この後、挟殺プレーで稲見投手がミスをしてしまって3塁ランナーホームイン、
7番小久保選手が右中間へ2点タイムリーヒットを放つなど計5点を奪います。

4回表 宇都宮南の攻撃
1アウト満塁から押し出し四球で1点を返す。しかし後続は倒れて1点止まり。

5回裏 市和歌山商の攻撃
犠牲フライで1点追加。

6回裏 市和歌山商の攻撃
この回から宇都宮南はエースの菅間投手が登板。
1番松間選手の3ベースヒットの後に、スクイズを決めて追加点1を挙げます

7回表 宇都宮南の攻撃
1アウトから四球でランナーを出し、相手チームのエラーと四球で1アウト満塁のチャンス。
ここで3番篠崎選手が高めストレートを捉える左中間突破の3点タイムリー3ベースで反撃します。
さらにサードゴロの間に3塁ランナーホームイン。4点を返します。

8回表 宇都宮南の攻撃
この回から2番手の田中投手が登板。
ヒットと四球で1アウト満塁のチャンスを作るも、後一本が出ずに無得点。

8回裏 市和歌山商の攻撃
9番信下選手・1番松間選手の連続タイムリー2ベースで2点を追加します。

9回表 宇都宮南の攻撃
4番猪瀬選手がヒットで出塁するも、サードゴロ併殺に倒れて試合終了。
11−6で市和歌山商が勝利しました。


負けた宇都宮南はまとまりのあるチームでしたが、投手陣が市和歌山商打線を抑えることができませんでした。
攻撃では玉置投手のストレートに振り負けていなかっただけに、接戦になっていたら試合は分かりませんでした。
エースの菅間投手らは2年生ですから、今回の経験を来年以降に生かして欲しいです。
菅間投手は故障明けだったようですし、次回は万全の形で試合に臨んでもらいたいですね。

勝った市和歌山商はエース玉置投手を中心としたバランスの良いチームという印象です。
ミスがあったものの、守りは全般的に堅く、守備力は安定しています。
攻撃陣も主軸を中心に振りが鋭く、バントや機動力を交えて色々な攻めができるチームです。
問題はピッチャーのスタミナ。
玉置投手は疲れてくると体の開きが早くなって制球を乱しがちになってしまいますから、
2番手田中投手の頑張りが鍵になってきそうです。
どんな系統を見せるのか、次の試合に注目していきたいです。



目立った選手は市和歌山商の玉置投手です。
足を上げてワンテンポ置き、胸をそらしてゆったりしたモーションから強い腕の振りで投げる本格派投手。
西武の許銘傑投手みないな投球フォームをしています。
ストレートは130キロ前半〜135キロ、110キロ前後の縦に落ちる鋭いカーブが持ち味の投手です。
コントロールは安定している方だと思いますが、疲れてくると左肩の開きが早くなって、
ボールが抜けやすくなったり、シュート回転してしまう癖があります。
そこをどう修正していくかが今後の課題になってくると思います。

野手では市和歌山商の1番松間選手、2年生4番セカンドの梶本選手、
1年生5番ファーストの伊藤選手が目に付きました。
ただ詳しくは見ていないので、次の試合でチェックしたいと思ってます
(松間選手、5打数3安打1打点。梶本選手、4打数2安打3打点。伊藤選手、3打数2安打1打点)



第2試合 聖光学院(福島) 6−0 鳥取商(鳥取)

(鳥)山本(6回)−巽(2回)
(聖)本間(9回)
(本)舟田(聖光・6回裏・2ラン)
鳥取商
聖光学院 ×

聖光学院の本間投手が外角低めにテンポ良く投げ込んで完封勝利を果たしました。
これで福島県勢久々の初戦突破。
3年前に大差で負けた苦い経験を胸に、甲子園で勝てるチームとなって聖光学院が戻ってきました。

聖光学院の良さはエース本間投手を中心としたディフェンス。
今日は2つほどエラーがありましたが、全般的には堅く守れており、安定感がありました。
本間投手は投球テンポが速かったので、守備のリズムがかなり良い感じでした。
守りからリズムを作れること、これが甲子園で勝つための1つの条件です。
そして素晴らしいバントの精度、ミスは県大会からほとんどないようでかなり自信を持っているようです。
ランナーを確実に進める堅実な野球ができるから、大きいのがなくとも点数を着実に入れることができます。
これが甲子園で勝つための2つ目の条件。
接戦をものにできるだけの強さが今年の聖光学院には備わっていそうです。

簡単な得点経過です。
1回表 鳥取商の攻撃
1アウトからサードの低い送球をファーストがこぼすエラーでランナーを出すと、送りバントで2塁へ。
ワイルドピッチで3塁へ進塁するものの、オーバーランした所でキャッチャーから素早い送球が来てタッチアウト。
走塁ミスで先制のチャンスを逃してしまいます。

1回裏 聖光学院の攻撃
2番安田選手が外角高めストレートを捉える左中間突破の3ベースヒットで出塁し、
4番橋川選手はスクイズバントを決めて1点を先制します。
この後、5番舟田選手の一二塁間抜くヒット2塁ランナーがホームを突くも、
ライトの巽選手から好返球が来てタッチアウト!

2回表 鳥取商の攻撃
その4番巽選手がライト線への2ベースヒットで出塁するも、後続が倒れて無得点。

3回裏 聖光学院の攻撃
先頭打者がサードの悪送球で2塁へ行き、送りバントで進めた後にワイルドピッチ。1点を追加します。

4回裏 聖光学院の攻撃
サードの悪送球でランナーを出すも、ショート後方のフライをジャンプキャッチするファインプレーが飛び出して併殺。

6回裏 聖光学院の攻撃
3番松崎選手がヒットで出塁した後、ディレードスチール・ピッチャーの牽制悪送球で3塁へ。
ここで5番舟田選手が高めストレートボール気味を引っ張ってレフトポール際に飛び込む2ランホームラン!
聖光学院が2点を追加して突きはなします。

7回裏 聖光学院の攻撃
この回から2年生のライト巽選手がマウンドに。
ヒット・送りバント・ファーストのエラー・盗塁で1アウト2・3塁として、
2番安田選手がピッチャー強襲の2点タイムリーヒットを放ち追加点を挙げます。

その後、鳥取商はランナーを出すものの、聖光学院の本間投手の前に連打は出ず。
あと一本が出ない状態が続き、結局は4安打のみ。
試合終了、6−0で聖光学院が勝利しました。


負けた鳥取商はエース山本投手を中心に良い選手が揃っていたんですが…
本間投手の抜群のコントロールの前に打線が工夫なく無得点に終わってしまいました。
守りでは送球ミスや捕球ミスが頻出し、それが得点に結びついてしまうという悪いパターンが続いてしまいました。
聖光学院のような卒のない野球・守りの野球ができるよう練習を重ねていって欲しいです。
4番の巽選手を始め、鳥取商には1・2年生の選手は結構います。
今日の経験を胸に、甲子園で勝てるチームへと成長しいって貰いたいです。

勝った聖光学院は見事な勝利でした。
送りバントの精度は素晴らしく、着実にランナーを進めて得点する攻撃はお見事。
守りも本間投手を中心に安定していました。甲子園で勝てるチームに成長しましたね。
今日のような野球をやっていれば接戦をものにできるはず。
センバツは東北旋風が吹き荒れましたが、その流れに聖光学院も乗れそうです。次の試合も注目ですね。



目立った選手は聖光学院の本間投手、鳥取商の山本投手、巽選手です。
聖光学院の本間投手は腕の振りがいいオーバースローの本格派右腕。
130〜136キロの力強いストレートを投げるピッチャーで、縦スライダーとともに低めにボールを集めるピッチャーです。
とにかくコントロールが抜群に良く、130キロ前半ながらも外角低めに完璧にコントロールする様は圧巻でした。
またテンポが大変早く、相手打者に考える間を与えないぐらいテンポ良く投げ込むピッチャーで、
奪三振率の高さはこの速いテンポに起因しているような気がします。
力強いストレートと抜群の制球力を持ち合わせ三振も多く奪える投手なので、次回のピッチングも楽しみです。

鳥取商の山本投手はセットポジションから135キロ前後のストレート(137キロ)を投げ込む本格派投手。
縦のスライダーとカーブにもキレがあり、良い球を投げていたように思います。
コントロールも悪くなく、ストライク先行で投げられます。
細かいコントロールがついてくれば、振りかぶって投げられるようになって球威も増すでしょう。
招待が楽しみな投手です。今後の成長を期待したいです。

2年生で4番ライトの巽選手は隙のない打撃フォームからフォローの大きいスイングができる強打者。
今日は4打数2安打と一人本間投手に対して気を吐きました。
守備でもライトで好返球を見せるなど活躍。
投手としては残念な結果でしたが、野手としてはなかなかの存在だと思います。
来年、再び甲子園に帰ってくることを期待しています。




第3試合 日大三高(西東京) 8−5 PL学園(大阪)

(日)浅香(9回)
(P)前田(5回)−中村圭(4回)
(本)佐々木(日大三・7回表・ソロ)、
  神戸(PL・8回裏・2ラン)、藤井(PL・9回裏・ソロ)
日大三
PL

東京VS大阪の対決は西東京代表の日大三高が制しました。
試合は終始日大三高ペースで進んだものの、「逆転のPL」という名の通りじわじわとPLが反撃。
それでも日大三高は打ちまくって突き放そうとしますが、PLが食い下がって追い上げ。
最終回もチャンスを作り、あわやという場面を作りますが、最後は日大三高の浅香投手の粘り勝ち。
両チームとも一発長打があり、常に点数が入りそうな雰囲気があり、最後まで目の離せない試合でした。
点数が入りそうで入らなかったことが逆に試合を面白くしたような気がします。
1回戦(といってもこの試合から2回戦ですが)屈指の好カードらしい素晴らしい試合でしたね。

日大三高の試合は西東京大会決勝でも見たんですが、その時よりも一回り大きくなったようにさえ感じました。
特に先発した浅香投手がここまで良い投手だとは思いませんでした。
決勝もリリーフして好投しましたがね。強力打線のPL学園をほぼ完璧に抑えるとは正直予想してませんでした。
辛目の甲子園のスピードガンで139キロ出しましたからね(それも一度ではなく4〜5回はマークしていたはず)
おそらく自己記録更新してるんじゃないでしょうか。それだけ今日は良かったんでしょう。
投手力で勝った分だけ日大三高が勝利を収められましたね。

投手力はもちろんのこと、打線の方も日大三高が上だったように思います。
日大三高は強力打線で長打力があるというイメージが強いんですが、
それを支えているのが抜群の選球眼の良さ、ボール球は絶対に手を出しません。
際どいコースも自信を持って見送るから、次第に相手投手は投げるところがなくなってしまい、
ストライクゾーンで勝負せざるをえなく、そこを見逃さずに痛打される打線です。
送りバントも上手いですし、かなりレベルの高い攻撃陣のように見えました。
そういえば決勝で対戦した頴名館の山田投手は右左の違いこそあれ、前田・中村投手とタイプが似ていたような…
西東京大会決勝で苦戦した分だけ今日の試合が楽になりましたね。

一方のPL打線は浅香投手のスライダーに狙いを絞ったまではいいんですが、
ボール球のスライダーまで追いかけてしまって三振の山。
強引な引っ張りのバッティングをする打者が多かったために、浅香投手の思う壺になっていました。
センターから逆方向に対する意識の少なさが打線沈黙の理由だと思います。
もう少し工夫が欲しかった所です。

試合経過です。
1回表 日大三の攻撃
PL学園の先発は1年生の前田投手。
1番松島選手が外角ストレートを打つ一二塁間抜くヒットで出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、
3番江原選手を99キロカーブでキャッチャーファールフライ、4番佐々木選手に四球を出した後、
5番後藤選手を外角カーブで見逃し三振にとって3アウトチェンジ。
前田投手が大きなカーブを武器に立ち上がりを凌ぎます。

2回表 日大三の攻撃
1アウトから7番山中選手が内角低めストレートを振りぬくレフト前ヒットで出塁し、
8番秦選手の痛烈なライナー性の打球は前田投手の腰に当たって地面に落ち、2塁送球アウト。
前田投手の状態が心配されるも、投球練習をして無事が確認されます。
その後、9番打者を外角カーブで空振り三振に取って3アウトチェンジ。

2回裏 PLの攻撃
先頭の4番中倉選手が四球で出塁し、5番吉原選手がスリーバントを決めて1アウト2塁。
ここで6番藤井選手が137キロストレートに詰まりながらも、
滞空時間の長いフライがレフト線に落ちるタイムリー2ベースとなってPLが先制点を挙げます。
この後も、7番前田投手が甘く入ったスライダーを捉えるも、サードが好捕して1塁送球アウト!
続く8番打者を外角スライダーで空振り三振に取るなど、浅香投手が波に乗り始めます。

3回表 日大三の攻撃
1番松島選手がカーブを上手く打つライト前ヒットで出塁し、
2番中山選手がエンドラン叩きつけて1・2塁間のゴロ、セカンドが逆を突かれるもよく追い付いて1塁送球アウト!
1アウト2塁となった所で3番江原選手がカーブを叩く痛烈な一二塁間抜くヒットで繋ぎ、1アウト1・3塁。
4番佐々木選手は死球を受けて1アウト満塁。
ここで5番後藤選手が低めカーブを打つ球足の速い打球を放つもショート正面のゴロで併殺。
スタメン起用の期待に答えられずブレーキ気味に…

3回裏 PLの攻撃
PL打線はスライダーを狙うも、日大三の浅香投手のコントロールが安定してきて、
外角のスライダーで頻繁に三振を奪っていきます。
ストレートも139キロを計測し、130キロ台後半のストレートを内外角に投げ分け始めます。

4回表 日大三の攻撃
先頭の6番千田選手がカーブを叩いてサード手前で高く跳ねるラッキーなレフト左への2ベースヒットで出塁し、
7番山中選手の送りバントに前田投手が良い反応を見せるも、3塁への送球が高くてタッチが遅れてセーフ。
記録は犠打とフィルダースチョイス、ノーアウト1・3塁となります。
ここで8番秦選手が一塁線ギリギリにスクイズを決めて同点に追いつきます。
さらにこのスクイズの打球に対してPL守備陣が連携ミスをしてしまって1塁もセーフ、ノーアウト1・2塁。
送りバントで1アウト2・3塁とした後、
1番松島選手が外角高め135キロストレートを見事に捉える右中間突破の2点タイムリー3ベースを放ち、勝ち越します。
この後、2番打者がスリーバントスクイズを試みるも高めカーブに空振り三振、
3塁ランナーが挟まれてタッチアウト、三振ゲッツーで4点目はなりません。

5回表 日大三の攻撃
先頭の3番江原選手が四球で出塁し、4番佐々木選手がレフト線へ痛烈な2ベースヒットを放ち、ノーアウト2・3塁。
5番後藤選手がカーブを叩いて痛烈な打球を放つもサードが上手く掬い上げて1塁送球アウト、ランナー動けず。
6番打者は前田投手がフルカウントから外角低めにフォークを落として空振り三振。
7番打者もショートゴロに倒れて無得点。絶好のチャンスを生かせません。

6回表 日大三の攻撃
この回からPL学園はエースの中村圭投手にスイッチ、前田投手がレフトに。
2アウトから1番松島選手が外角カーブをあわせるセンター前ヒットで出塁し、
2塁への盗塁を成功させるも後続が倒れて無得点。

6回裏 PLの攻撃
先頭の1番松嶋選手が外角スライダーを叩くセンター前ヒットで出塁し、2番打者にバスターエンドランをかけるも、
外角低めスライダーに空振り三振、2塁へ送球されてタッチアウト、三振ゲッツーとなってしまいます。
しかし3番神戸選手が外角の甘い球を捉えるライトオーバー3ベースヒットで出塁し、
4番中倉選手の外角ストレートを捉えるレフト前タイムリーで1点を返します。
続く5番吉原選手も良い当たりを放つもレフト正面のライナー。

7回表 日大三の攻撃
1アウトから4番佐々木選手が外角低めカーブに合わせ、左中間スタンドに飛び込むソロホームラン!
PL学園に傾きかけた流れを再び日大三に戻します。
さらに2アウトから6番千田選手がショート内安打で出塁し、2塁への盗塁を決め、
7番打者が四球を選んで2アウト1・2塁としてから、
8番秦選手が高めカーブを捉えるレフト前タイムリーヒットで2点目を挙げます。

8回表 日大三の攻撃
先頭の1番松嶋選手が内角ストレートを捉える三遊間抜くヒットで出塁、これで5打数5安打。
2番打者がスリーバントを試みるも死球気味のボールをかわした時にバットに当たってスリーバント失敗三振。
しかし3番江原選手の打ち上げたセンターフライを長打警戒で下がっていたセンターが追いつけずにヒットに、
4番佐々木選手は四球、1アウト満塁となります。
ここで当たっていない5番後藤選手に代えて代打の高木選手を起用。押し出し死球で1点を追加します。
しかし後続は倒れて1点止まりに終わります。

8回裏 PLの攻撃
2アウトランナーなしから2番山田選手がストレート打つレフト前ヒットで出塁し、
3番神戸選手が外角低め137キロストレートを捉えるセンターバックスクリーンへの2ランホームランを放ち、
2点差として一気に追い上げムードを作り上げます。
この後、4番中倉選手が死球で出塁して、清原選手に並ぶ大阪大会5本塁打タイ記録の吉原選手に回りますが、
甘いシンカーを打ち上げてしまってキャッチャーファールフライ。
PLは畳み掛けることができません。

9回表 日大三の攻撃
先頭の9番浅香投手が甘い変化球を捉える3塁線突破の2ベースヒットで出塁し、
1番松島選手が甘く入った外角変化球をおっつけるセンター右へのタイムリーヒットを放ち、再びPLを突き放します。
これで松島選手は6打数6安打! 1試合個人最多安打記録タイの6安打に並びます。
続く2番中山選手が痛烈な一二塁間抜くヒットで出塁し、3番打者のピッチャーゴロなどで2アウト1・3塁。
ここで4番佐々木選手がフルカウントから甘く入った球を叩いてセンター前へのタイムリーヒット!
2塁ランナーもホームを狙うも、これはセンターからの送球が良くてタッチアウト。

9回裏 PLの攻撃
先頭の6番藤井選手が低め変化球を捕らえるレフトスタンドへのソロホームランを放ち、
再びPL学園の反撃ムードを盛り上げます。
代打の才田選手の死球で出塁し、代打の浅い選手は外角シンカーに空振り三振に倒れてしまうも、
9番後路選手のセカンド左への当たりを日大三の中山選手が飛びついて2塁へトスするプロ顔負けの超美技が出るも、
1塁ランナーのスライディングが早くてセーフ、1アウト1・2塁のチャンスを作ります。
しかし1番打者は外角低めスライダーを打ち上げてセカンド後方のフライ、
2番打者は左中間へのフライに倒れて反撃及ばず。
8−5で日大三高が勝利しました。


日大三高は18安打放つも、8得点止まり。
拙攻に思えるんですが、ある意味仕方ないでしょう。普通のヒットがほとんどありませんでしたもん。
どの打球も痛烈で球足が速いライナー性の打球、当たりが良すぎてシングルになってしまって、
ランナーもホームに突っ込むことができずといったそんな打球ばかりでした。
効率が悪かったとは思いますが、そういった面もあったことを補足しておきます。


負けたPL学園は「逆転のPL」の異名どおり、地区大会で驚異的な逆転劇を見せていて、
今日の試合でも追い上げムードが漂いましたが、あと一本を放つことができませんでした。
右打者が多かったことで、右サイドスローの浅香投手にかなり苦労し、
スライダー狙いがボール球を振る結果を生むなど策が裏目に出てしまいました。
強力PL打線ですが、一番相手しづらい投手と当たってしまったかもしれません。
それでもホームランを放つなど力強さは見せてくれました。
守りでも随所にいいプレーが見られ、
打ち込まれたものの、1年生の前田投手はその才能を見せてくれましたから、来年以降も楽しみです。
今年の経験を糧に、再び強いPL学園を作っていってもらいたいです。

勝った日大三高は打線が素晴らしいですね。
選球眼が抜群で、センターを中心に打ち返す無理のないバッティング、送りバントも確実に決めるなど隙がありません。
バッティングの素晴らしさは打球の速さからして段違い。
日大三高に金属バットは反則です(笑) それほど低いライナーで強い打球を飛ばすチームです。
投手陣に若干の不安を抱えていましたが、
西東京大会決勝に引き続き10番をつけた浅香投手が好投するなど軸になってきているので、不安も解消されてきています。
これでもう押しも押されぬ優勝候補でしょう。
次の試合も注目ですね。



目立った選手は日大三高の浅香投手、松島選手、佐々木選手、山中選手。PL学園の前田投手です。
日大三の浅香投手は腕の振りのいいサイドスロー投手。
勢いのある投球フォームから130キロ台後半(135〜139)のストレート、
120キロ台の鋭いスライダーを投げ込むピッチャーです。
変化球は他にも130キロ前後のシュート系ボールも投げてました。
立ち上がりはコントロールはもう少しでしたが3回以降は両コーナーにビシバシ決まるようになり、
キレのあるボールでPL打線を手玉に取っていました。
今日のピッチングを続けられれば、日大三高も勝ち進めるはず。
チームのエース格として頑張って欲しいです。

打者では1番ファーストの松島選手、4番サードの佐々木選手、7番センターの山中選手が目に付きました。
松島選手は6打数6安打の大当たり!
大きくしゃがみ込むフォームから巧みなバットコントロールで打球を飛ばすバッター。
力強さも兼ね備えているので、全国優勝した時の都築(現中日)よりも上かもしれません。
今後の試合でもどれだけヒットを量産するのか、注目して見ていきたいですね。
佐々木選手はホームランを含む3打数3安打2打点3四死球と全て出塁しました。
前にバットを掲げる打撃フォームで、小笠原選手と落合選手の中間辺りに構える選手です。
スイングスピードが速く、飛距離は抜群。それでいて振りはセンター方向にコンパクトと隙のない選手。
パワフルさと器用さを兼ね備えている素晴らしい選手に見えました。
山中選手は3打数1安打。西東京大会決勝のホームランを見ているので、どうしても好印象に(^^;
元巨人・横浜の駒田選手のように膝を折って構える打撃フォームで、7番ながらも鋭い打球を飛ばせる選手です。
下位に山中選手が控えている辺りが日大三高打線の恐ろしい所。切れ目がありません。

それと日大三高の選手の特徴として、全体的に重心を低くして構える選手が多かったように思います。
下半身がどっしりしている選手ばかりで、低めの変化球を打ち返すためにかなりの練習を積んだのでしょう。
バッティングに対してどういう姿勢で臨んできたのかが打撃フォームからして現われています。
かなり振り込んでいますね。どの選手も選球眼抜群で、打球の勢いも速い。素晴らしい選手ばかりだと思います。

PL学園の1年生前田投手は評判どおりの素晴らしいピッチャーですね。
やや上を仰ぎ見るような上体を逸らす投球フォームをしていますが、左腕のグラブの使い方が上手なので、
腕を振り切ることができて低めにボールを投げ込むことができます。
これはセンスなんでしょう。もうこれだけで素晴らしいですよ。
なんとなく投げ終わった後の形とかを見ていると、近鉄の岩隈投手に似ていたような気がします。
フォーム全体は似てないんですが、グラブの使い方や腕の振りに共通点を感じました。
ストレートは130キロ前後〜136キロ、持ち味は緩い縦のカーブです。
この縦のカーブはその投球フォームの性質上、やや浮き上がってから落ちるような感じがする変化の鋭いボール。
ストレートで打者の懐を強気に攻められるんで、このストレートとカーブの2種類で十分抑えられる投手です。
他にも120キロ前後のスライダー、縦にスッと落ちるフォークボール(SFF?)も持っているので、
トータルバランスの高い素質溢れるピッチャーとして注目したい存在です。
今後の課題としてはスタミナ面でしょうか。
中盤ボールが高めに浮いてしまった所を日大三高打線に捉えられてしまいました。
1試合を通して低めにボールを集められるだけの体力を付けることが必要になってきそうです。
今日の悔しさを胸に、より一層練習に打ち込んでもらいたいですね。




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