04センバツ甲子園大会 13日目

決勝戦 済美(愛媛) 6−5 愛工大名電(愛知)

(済)福井(9回)
(名)斎賀(1回2/3)−江上(1/3)−丸山(7回)
済美
名電

創部3年目、春夏通じて初出場の済美がセンバツ初優勝!!
試合終了までしか見てないので、優勝コメントや大会総括に関しては後日に。
今日は試合内容だけを吟味します。

済美はいつも通り戦い、その力を十分に発揮できたことが勝利に繋がりました。
狙い球をしぼった好球必打のバッティング、守備・走塁も堅実にこなすと。
ここ2試合ほどボールが高めに浮きがちだった福井投手も今日はコントロールが安定し、
本来の力を発揮することができました。
いつも通り戦えたことが勝利に繋がったと思います。

逆に愛工大名電は丸山投手の先発回避が痛過ぎました。
斎賀投手も悪くはなかったものの、この大舞台での登板はさすがに酷だったと思います。
バックもエラーしてしまうなどリズムを掴むことができませんでした。
結局は丸山投手に試合の大半を任せることになったのが痛いです。
せめて5回まで持っていれば… 先発起用が悔やまれます。
もちろんこれは「センバツ優勝」を狙うならという意味です。
夏を見据えているのならば、この起用は分からないこともないです。

それではこの試合の簡単な得点経過です。
1回表、愛工大名電の先発は2年生右腕の斎賀投手。
緊張の立ち上がり、1番甘井選手をフォークで空振り三振に打ち取るものの、
2番小松選手の打ち上げたセカンド後方のフライをキャプテン梶田選手が落球。
セカンドのエラーでランナーを出してしまいます。
3番高橋選手をスライダーでセカンドゴロに打ち取ったものの、
4番鵜久森選手に外角スライダーをセンター前に弾き返され、タイムリーヒットで1点を失ってしまいます。

2回表済美の攻撃、先頭の6番野間選手が死球で出塁し、
送ると思いきや7番田坂選手がバスターで三遊間抜くヒットを放ち、ノーアウト1・2塁とします。
ここで名電はファーストがホーム付近まで前進してくる極端なバントシフトを取り、
カウント1−3からヒッティング、サードゴロになって3塁アウト、2塁はスタート良くてセーフ、1アウト1・2塁。
しかしワイルドピッチがあってランナー2・3塁へ。
ここで9番福井投手が甘く入ったストレートを打つセンターオーバー2点タイムリー2ベースで加点します。
その後、セカンドゴロ・四球があって2アウト1・3塁となった所で、2番手の江上投手にスイッチ。
3番高橋選手をセカンドゴロに打ちとって、この回2点止まりとします。

2回裏名電の攻撃、1アウトから6番佐々木選手が高めスライダーをおっつけて打つライト前ヒットで出塁し、
送りバントで2塁へ。しかし内角低めの球を窮屈に打ってしまいセンターフライ、無得点。

3回表済美の攻撃、4番鵜久森選手が緩いカーブを呼び込んで打つレフと前ヒットで出塁し、
江上投手のボーク(セットで静止せず)で労せず2塁へ。
ノーアウト2塁となった所で名電はエースの丸山投手をマウンドに送ります。
5番西田選手は送りバントを決めて3塁へ、
そして6番野間選手が前進守備の一二塁間を抜くタイムリーヒット(セカンド定位置ゴロ)で追加点を挙げます。
その後も四球などでチャンスがあったものの、ここは丸山投手が踏ん張って1点止まり。

3回裏名電の攻撃、1アウトから1番青山選手が四球で出塁し、
2番柴田選手の送りバントをキャッチャーの送球エラーで1点が入り、なおも1アウト3塁となります。
ここで3番梶田選手がセンター左へ犠牲フライを打って2点目。
その後、4番松井選手がバントの構えで死球、5番池田選手のレフト左へのヒットで2アウト1・2塁とし、
6番佐々木選手が初球セーフティーファール後、ヒットエンドラン、三遊間抜くタイムリーとなって3点を返します。

4〜6回は両チームともにチャンスを作ることができず。
名電の丸山投手はカーブ・スライダー・チェンジアップといった緩い変化球を中心に緩急のピッチング。
済美打線の打ち気を上手く外して行きます。
一方の済美の福井投手は3回の攻撃で少し崩れそうになったものの、
名電のバント攻撃に対して済美の内野手が機敏に反応するなどして、福井投手を盛り立てて行きます。
これでリズムを取り戻した福井投手はリズムを取り戻し、
ストレート・スライダーのコンビネーションで名電打線を封じて行きます。

7回表済美の攻撃、先頭の3番高橋選手がストレートを選んで四球で出塁し、
4番鵜久森選手が内角入ってくる変化球を打つ三遊間抜くヒットで繋ぎ、送りバントで1アウト2・3塁。
ここで名電は守りのタイム、そして1球投げた後に済美が攻撃のタイムを使います。
6番野間選手は外角カーブを当てただけのセカンドゴロ、
しかし前進守備だったのでセカンドが飛びついてキャッチするのが精一杯、ホームに送球できず1塁のみ。
ランナーがホームインして1点を追加、さらに2アウト3塁とチャンスが続き、
7番田坂選手が外角ストレートを打つ右中間突破のタイムリー3ベースを放ち、名電を突き放します。

7回裏名電の攻撃、先頭の9番丸山投手がセンター左の2ベースヒットで出塁し、
送りバントで3塁へ進めたところで名電が攻撃のタイムを使って打者・走者に指示を送るも、
外角ストレートに空振り三振、内角スライダー空振り三振に終わって得点を挙げられません。

8回表済美の攻撃、四球・エラーなどでチャンスを貰うも、ランナー飛び出すなどミスもあって得点できず。

8回裏名電の攻撃、先頭の4番松井選手がセンター前ヒットで出塁し、
5番池田選手がバントファール後にバスターでレフト前ヒット、ノーアウト1・2塁のチャンスを作ります。
6番佐々木選手が送りバントで進めるも、7番鈴木選手がファースト正面のゴロに倒れて、2アウト2・3塁。
ここで名電は攻撃のタイムを取ります。
そして8番長尾選手が四球で歩いて満塁とし、
9番丸山投手がピッチャー返しの2点タイムリーヒットを放ち、1点差とします。
さらに2アウト1・2塁のチャンスがあったものの、1番青山選手が外角スライダー空振り三振。追いつけません。

9回表済美の攻撃、先頭打者をファースト内安打で出すも、後続が倒れて無得点。

9回裏名電の攻撃、1アウトから3番梶田選手が死球で出塁し、4番松井選手が送りバント。
2アウト2塁としますが、5番池田選手がサードゴロに終わって試合終了。
済美が愛工大名電を下し、初出場初優勝を遂げました!


「やればできると〜♪ 魔法の合いことば〜♪
 腕を取り 肩を組み 信じてみようよ〜♪」  思わず歌ってしまいました(爆)
福井投手を信頼してマウンドに送った上甲監督、
追い上げられても笑顔で選手をリラックスさせた上甲監督、そしてその信頼感に答えた選手たち…素晴らしかったです。
今日の勝利はチーム全員で勝ち取ったものですね。おめでとうございます、済美の皆様。

愛工大名電としては悔いの残る試合でした。
「最初から丸山投手で行っていれば…」序盤の結果を考えるとそう思ってしまいます。
もし1〜2回の失点を最小限にしていたなら、これほど点数は取られてなかったはずです。
3回と7回の失点はいずれも前進守備が災いした形。
点差がそれほど開いていなかったら…そう考えてしまうと丸山投手の先発回避は失敗だったように思います。
ただあまりの熱戦で意識してませんでしたがこれはセンバツなわけで、
この先に夏の大会があることを考えるとエースに負担をかけすぎてしまうのも考えものです。
2番手以降の投手にも甲子園を経験させ、今後に生かして欲しいと考えたのなら、この策は理解できます。

先発起用以外で勝敗を左右した点を考えると… 7回の配球、9回のバントですかね。
7回表の6番野間・7番田坂選手の場面、この2人は左バッター。
丸山投手は左投手で大きなカーブを持っていますし、本来ならば投げやすいはずなんですが…
投げやすいからこそ打たれてしまったという所でしょうか。
名電バッテリーは左打者の外角にボールを集め過ぎました。
済美の左打者がベースにギリギリに立っていたのにも関わらず外角攻め…これじゃダメですよ。
あの場面は完全に山を張られていました。投げやすいからこそ配球が単調になってしまった…悔やまれる場面です。
1球でいいから肩口から入ってくるカーブを投げていれば変わってたんですが…残念な場面です。

そして9回裏最後の攻撃。
愛工大名電は自分達の野球をしたと思います。
送りバントで進めて、当たっている池田選手に任せる。間違ってはいません。
ですが、それはこの試合が決勝戦でなければの話です。
今大会の特徴として9回の大逆転劇が多くありました。それはいずれも思いきった作戦に基づいたもの。
スチールでミスを誘ったり、セーフティーバントをやったり、当たってない打者に強行させたり…
思いきった作戦がドラマを生んできたのにも関わらず、送りバントという安全策を取ってしまっては…
逆転の可能性はここまでスクイズ以外で目立てなかった4番松井選手の強行以外なかったと思います。
自分達のスタイルを貫くか、ここまでの大会の流れを読むか…難しい所ですね。
昨日の済美は「今大会は3盗悪送球が多い」ということを頭に置いて作戦を成功させました。
愛工大名電はそういう流れを読む博打が足りなかった…そう思います。

逆に済美としては流れに乗って自分達の野球をすることができました。
愛工大名電のバント作戦もファースト・サードなど内野陣がしっかり守ることで、
セーフティーバントを無効化し、福井投手の負担を軽減させることができました。
キャッチャーの送球ミス以外はエラーありませんでしたし、守備で崩れなかったことが勝利を呼び込みましたね。
独特の校歌で注目を集め、東北戦の逆転サヨナラで勢いに乗った済美、
今大会の済美の活躍は球史に残ることでしょう。
記憶に残る素晴らしい野球、ありがとうございました!


最後に目に付いた選手を少しだけ。
愛工大名電の2年生斎賀投手はストレート130前後、大きいカーブ・縦スライダー・フォークと多彩な投手。
少ししか見れませんでしたが、バランスが取れている印象。見ていてそれほど悪くなかったように思います。
1つ問題があったとすれば、ランナーを気にし過ぎたことでしょうか。
牽制球があまりにも多かった。
エースの丸山投手はそれを自分の間にできてましたが、斎賀投手は自らのリズムを崩してしまった感があります。
投げ急いでボールが高めに浮かないように。ランナー出してからの投球を磨いて欲しいです。
今日の悔しさを胸に頑張って行けば、夏には2枚看板になれるはず。注目したい投手です。
エースの丸山投手は変化球が多かった印象。今日はストレートが少なかったですね。
ここの所は変化球よりもストレートが良かったんですが…残念ながら今日はイマイチだった気がします。
それでもカーブ・スライダー(スラーブ)・チェンジアップと緩急をつけた投球をし、済美打線を封じていました。
夏の大会までにコントロールを磨き、さらに投球の幅を広げていって欲しいです。

済美の2年生エース福井投手はストレートの球威・スライダーと文句なし。
ここの所、ボールが高めに上ずる傾向があったんですが、今日は3・4回以外はコントロールよく投げていたと思います。
終盤でもストレートが139キロを計測するなど球威が衰えてなかった感じ。
スライダーのキレもいいですから、今後の成長が楽しみです。
心配なのは今大会投げ過ぎたこと。夏までに疲労が癒えずなんてことにならなければいいですが…
順調に成長して行くことを期待しています。
4番の鵜久森選手はやはり内角が少し弱点の模様。
それでも昨日・今日と詰まりながらもヒットにしたりと、弱点をカバーできる技術がある感じ。
夏の大会には内角を長打にして、成長した姿を見せて欲しいです。
3番の高橋選手同様、新たな甲子園のスラッガーとして成長していくことを祈ってます。




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