04センバツ甲子園大会 9日目

第1試合 東海大山形(山形) 6−1 金沢(石川)

(東)佐藤淳(9回)
(金)浜森(8回)−干場(1回)
東海大山形
金沢

東海大山形の佐藤投手と金沢の浜森投手の投げ合いは佐藤投手に軍配が上がりました。
2人ともコントロール重視の良いピッチングをしていたんですがね。
東海大山形は絶対的なエースである佐藤投手がいるのに対して、
金沢は継投で勝ちあがってきたチームだけにやや継投に悔いが残る試合となってしまいました。
疲れの見えた浜森投手を東海大山形が集中打で5点、試合を決めてしまいました。
もう少し早く継投していたなら…野球に「たられば」は禁物ですが、どうしてもそう思ってしまいます。

東海大山形はこの勝利で山形県勢初のセンバツ・ベスト8。
先にベスト8入りした秋田商・東北とセンバツ初の東北勢が3校入ることになりました。
東北大会通常選考の東北・東海大山形はもちろんのこと、希望枠の秋田商もベスト8。
初戦敗退したものの21世紀枠の岩手・一関一も木村投手の速球が目に付くなど、
東北勢の実力がいかんなく発揮されています。
東北・ダルビッシュ・真壁、秋田商・佐藤、東海大山形・佐藤淳といった好投手の存在が印象的ですね。
冬の寒さを乗り越えての活躍…嬉しい限りです。
プロ野球でもファイターズが北海道に移転したことですし、
新しい野球の地として東北・北海道が活性化することを期待したいです。

この試合の簡単な得点経過です。
4回表、東海大山形は1番石井選手がレフト前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
ショートゴロで2アウトとなるも、2塁ランナーの石井選手が3塁盗塁成功!
2アウト3塁となったところで、4番土谷選手が三遊間抜くタイムリーヒットを放ち、先制点を挙げます。

4回裏、金沢は先頭打者が死球で出塁し、送りバントでランナー2塁へ。
ここで3番池田選手が高めストレートを打ち返すセンター前ヒットで1アウト1・3塁とし、
4番北川選手がセーフティースクイズ!
1塁方向へ上手く転がして3塁ランナーホームイン。金沢が同点に追いつきます。

5回裏、金沢は先頭打者を四球で出し、送りバントで2塁へ、
さらに8番大浜選手が三遊間抜くヒットを打ち、1アウト1・3塁のチャンス。
ここで9番浜森投手が高めストレートボール球を打ち上げるも、セカンド後方ライト前への面白い当たり。
この微妙な打球をセカンド橋本選手が追いかけていき、
一度グラブに当ててこぼれそうになるも地面に落とす前に止めて後ろ向きのままキャッチするナイスプレー!
3塁ランナーも動けず。後続もライトフライに打ち取り、東海大山形がピンチを脱します。

8回表、東海大山形は先頭の7番近藤選手が外角ストレートを打ち返す三遊間抜くヒットで出塁するも、
送りバントを上げてしまってキャッチャーファールフライ。
けれど9番清野選手がバントの構えにも関わらず、浜森投手がコントロール乱して四球。
続く1番石井選手がセーフティー気味の送りバント!
打球を上手く殺したことと、ピッチャーがボールを握りなおしたこともあって1塁セーフ! 1アウト満塁。
ここで2番橋本選手がスクイズを試みるもファール、追い込まれてから高めストレートを打ってレフト犠牲フライ。
東海大山形1点を勝ち越します。
この後ワイルドピッチで1アウト2・3塁となり、3番島貫選手のショート深くへの打球をショートが悪送球して1点、
4番土谷選手がレフト前タイムリーヒット、5番佐藤選手が左中間抜く2点タイムリー2ベースで計5点を挙げます。

8回裏、金沢は2アウトから1番山田選手・2番杉畑選手の連続ヒットでチャンスを作るも、
当たっている3番池田選手がセンターフライに倒れて無得点。

9回裏、東海大山形の佐藤投手は2アウトから四球を出すも、最後はセンターフライに打ちとって試合終了。
東海大山形が6−1で勝利しました。


この試合の勝敗の分かれ目はやっぱり8回の継投のタイミングでしょう。
先頭打者にヒットを打たれるも、相手がバントミスをしてくれて1アウト1塁。
ここで相手がバントの構えなのにも関わらず、ボールが抜けて四球を出してしまうんですよね。
ここが1つの交代時期だったかなぁと。
最悪でも2番橋本選手の犠牲フライの場面で変えて良かったと思います。
もちろん浜森投手を夏に向けてエースとして育てるつもりだというなら、分かるんですが…
少し点差が付いてしまっただけに残念です。

今日の東海大山形・佐藤淳投手ですが、1回戦の報徳学園戦ほど良くありませんでした。
コントロールの良いピッチャーなんですが、今日はボールが高めに浮くことが多かったように思います。
目に付いたカーブも高めに浮いたりするなど、あまり抜けていなかった印象です。
自軍の攻撃時にブルペンで投げていましたし、調子自体はそんなに良くなかったのかもしれません。
けれどストレートの走りが良く、125キロ前後だったものの球威がありました。
今日は力で押し切った感じ。しっかりと試合をまとめられる辺りは見事です。

勝った東海大山形は終盤の猛打が見事でした。
特に4番の土谷選手は報徳戦でホームラン、今日もタイムリー2本と結果を残しています。
軸がしっかりしていることで、上手く得点できているのが強みです。
ただ打線全体としては当たっているわけではないので、勝ち上がるには他の打者の奮起が必要だと思います。
守備の方は安定していますね。
佐藤投手の好投はもちろんのこと、島貫選手は強肩で今日も盗塁を刺し、
守備陣もノーエラーで佐藤投手を盛り立てています。
今年の東北勢は基本が徹底されてますよね。まとまりのある良いチームです。

負けた金沢は高めのボール球に手を出してしまったのが残念。
チャンスがありながら得点できず… やや荒っぽい印象を受けました。
打線はシャープなスイングを心がけ、課題の守備面をしっかりと鍛えていくことが求められます。
課題の投手陣は浜森投手という軸ができたのが収穫。
コントロールが安定している投手ですから、エースとして成長することが期待されます。




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