04センバツ甲子園大会 8日目

第1試合 東北(宮城) 3−2 大阪桐蔭(大阪)

(桐)岩田(4回)−菊川(4回)
(東)ダルビッシュ有(6回)−真壁(3回)
(本)中村桂司1号(1回表・大阪桐蔭・ソロ)、2号(6回表・ソロ)
   横田崇幸(2回裏・東北・ソロ)
大阪桐蔭
東北 ×

今大会屈指の好カード、優勝候補同士の熱い闘いは東北に軍配が上がりました。
強打者のホームランといい、好投手のピッチングといい、見所が多く、テンポが良くて見てて楽しくなる試合でした。
是非ともこの両校の対決を再び見たいところ。
気が早いですが、夏での再選を期待したいです。
今日は小雨が待ってましたしね。天気の良い中での対決を見てみたいです。

簡単な得点経過です。
1回表、大阪桐蔭の3番中村選手がダルビッシュ投手の高めストレート(143キロ)甘めを見逃さずに打ち、
右中間スタンドに入るセンターへのソロホームラン!
大阪桐蔭が1点を先制します。

2回表、大阪桐蔭の5番山地選手がセンター寄りに守っていたレフトに飛ぶ2ベースヒットで出塁するものの、
送りバントを打ち上げてしまってランナー進められず。
後続も倒れて無得点に終わります。

2回裏、東北の4番横田選手が真中付近のストレートを見逃さずに打って、
ライナーでセンターバックスクリーン左に突き刺さるソロホームランで同点に追いつきます。

3回裏、東北は8番森選手がヒットで出塁し、盗塁を決めて2塁へ。
さらに送りバントでランナーを進めて、1アウト3塁のチャンスを作ります。
ここで1番家弓選手が鋭いライナー性の打球をライトへ打つも、
前のめりになりながらキャッチするナイスプレーでアウトを稼ぎます。
けれど2番伊藤選手がセンター前タイムリーを放ち、勝ち越し点を奪います。

4回表、大阪桐蔭の3番中村選手がセンター前ヒットで出塁するも、
4番平田選手がセンターフライに倒れ、送りバント失敗で2アウト1塁。
ここで6番高島選手が三遊間深くを抜くヒットで繋ぎ、
1塁ランナーが3塁空いてるのを見て滑り込む好走塁で2アウト1・3塁とチャンスを広げます。
しかし空振り三振に倒れてしまい、無得点。

5回表、大阪桐蔭は先頭打者を死球で出し、9番岩田投手に代えてピンチバンターを起用。
確実に送りバントを決めて1アウト2塁とするも、後続が倒れて無得点。

5回裏から大阪桐蔭は2番手の菊川投手がマウンドに。
1アウトからセカンドエラーでランナーを出し、1番家弓選手に一二塁間抜くライト前ヒットを許すも、
ライトの送球を受けた三塁手が判断良くベースから前に出て捕り、2塁へ送球!
打者走者をタッチアウトにする好守備で菊川投手を助けます。
ここから菊川投手のコントロールが安定していき、東北打線を抑えていきます。

6回表、3番中村選手が1打席目と同じような球を右中間スタンドへ運ぶソロホームランを放ち、
大阪桐蔭が同点に追いつきます。

7回表から東北は2番手として真壁投手がマウンドに。レフトにダルビッシュ投手が廻ります。
真壁投手は四球を出すもののピッチャーゴロ併殺打に打ち取ります。

8回表、大阪桐蔭は1アウトから3番中村選手がレフトへの2ベースヒットを打つも、
ショートゴロ・三振と後続が倒れて点数を奪えません。

8回裏、東北は1番家弓選手がヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。1アウト2塁。
ここで3番大沼選手が追い込まれてから際どいコースのストレート手が出ず見逃すも判定がボール。
その後の変化球を打って、ライト線へのタイムリー2ベース!
東北が勝ち越し点を奪います。

9回表、エラーのランナーを出したものの後続を打ち取って試合終了。
3−2で東北が接戦を勝利しました。


まさに力と力のぶつかり合い。
8回裏の大沼選手の勝ち越し打の場面はカウント2−3で2塁が空いていたんですが、そのまま勝負!
結果的に打たれてしまいましたが、清清しい勝負でした。
見ている方としては満足いく対決でしたね。

勝った東北高校はクリーンアップの強力さが目を引きました。
前回は熊本工業の岩見投手に抑えられてしまいましたが、
今日は4番横田選手の強烈なホームラン、3番大沼選手の勝ち越しタイムリーと結果を残しました。
1番家弓選手も2安打と結果を残していますし、上位打線が打ち始めたのは好材料ですね。
投手ではダルビッシュ有投手の調子が良くなかったものの、2番手の真壁投手が好投。
投手層の厚さを見せてくれました。
次の対戦は神宮大会でコールド負けしている済美が相手。
ダルビッシュ投手の成長度合いを知るには絶好の機会ですね。
この試合同様、良い試合を期待しています。

負けた大阪桐蔭は4番平田選手に当たりがなかったのが残念です。
今日は3番中村選手が2本のホームラン、2安打と活躍していましたから、
平田選手が良い形で続いていたら試合展開も変わっていたと思います。
まだ新2年生であまり多くのことを期待してはいけないんでしょうが、
平田選手には試合の流れを変えるだけの力がありますから、自覚を持って取り組んでいって欲しいです。
他にも送りバントのミスなど攻撃の繋がりがイマイチだったので、
そこを課題に取り組んでいって欲しいです。


今日目立った選手は大阪桐蔭の中村選手、東北の横田選手、真壁投手です。
大阪桐蔭の3番ファースト中村選手はややオープン気味ながら足を内側に上げて踏み込んでいく左打者です。
かなりベース寄りに立っていたので、インコースの対応はどうかな〜と見ていたら、
最終打席で真壁投手の勢いある内角ストレート上手くレフト線に打ち返していました。
左右広角に打てる打者のようですし、今後の成長に期待したいです。
東北の4番サード横田選手は大柄で力強さを感じるスラッガー。
打撃フォームの粗さがなく、スラッガーにありがちな欠点をあまり感じさせません。
やや引っ張りを意識しすぎたせいか前回はダメだったようですが、今日はセンター方向に素晴らしいホームラン!
今後の活躍が期待されます。
東北の2番手真壁投手は腰痛が治ったばかりで万全ではなかったようですが、
それでもサイドスローから140キロ近い威力あるストレートを投げるなど非凡さを見せていました。
ストレートはいいようなので、あとはスライダー・シンカーなどの変化球がどうか。もう少し見てみたい投手です。

今日のダルビッシュ有投手ですが、初回に143キロストレートをホームランにされたせいか、
随分と変化球が多かったような気がします。
ただ前回よりもスライダー・シンカーの変化は小さかった印象。やや苦しいピッチングに見えました。
中村選手に2本目のホームランの後は、全く腕が振れず。
力が入ってるように見えず変化球を投げるんだなということが丸分かりでした。
なんとなくスライダーやカーブを投げる時に腕の振りが緩い印象あるんですよね。
あまり変化球を多投するとストレートが走ってこないような気がします。
前回のように調子が良い時はスライダーの腕の振りも同じなんですが…
今日のようにストレートに力がない・狙い打たれている時にどうするか…課題になってきそうです。
某所でストレートの球威が話題になってましたが、
ダルビッシュ投手の場合は長身で成長痛が長かったので仕方ないことだと思います。
昨年よりも鍛えてありそうですが、まだ下半身は鍛えられていけるはず。
下半身の育成がこれからなので、ストレートの球威は若干不足してるのかもしれません。
そういう意味では「未完の大器」とも言えます。完成された時にどんな投手になるのか…楽しみ。
逆に現時点でプロに行ってしまうと、人気面で即1軍に使われて潰されかねないような気がして心配です。

大阪桐蔭の4番平田選手は4打数ノーヒットで結果を残せず。
やや変化球を引っ掛けてしまうなど、狙い球を絞りきれなかった印象。力みすぎたのかもしれません。
ただセンターの守備は安定していましたし、
3打席目の弱いサードゴロでは1塁ヘッドスライディング間一発アウトと足もある模様。
長打力だけではない、全般的に能力の高い良い選手のように思えました。
今後の成長に期待します。



第2試合 明徳義塾(高知) 4−2 八幡商(滋賀)

(八)上田(8回)
(明)鶴川(9回)
(本)久保田健二(明徳・5回裏・3ラン)
八幡商
明徳 ×

雨の中で行われた試合は明徳義塾が4−2で勝利しました。
八幡商は明徳義塾を上回る10安打を放ったものの、あと1本が出ませんでした。
最後は鶴川投手の粘り勝ちといった所ですね。
一方の上田投手は失投を久保田選手に打たれたのが悔やまれます。
内角を上手く攻めて明徳打線を6安打に抑えたんですが…1球に泣きました。

簡単な得点経過です。
1回表、八幡商は1番三上選手がライト前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ進むも、
セカンドフライ、良い当たりのショート正面のゴロで無得点。

1回裏、明徳義塾は1番森岡選手がセンター前ヒットで出塁し、送りバントで2塁へ。
ここで3番梅田選手が内角高めストレートを高々とレフト方向に打ち上げるものの、
これを八幡商のレフトが風に流されたのか落球、2ベースヒットとなって1アウト2・3塁。
4番久保田選手がレフトへの浅いフライを打ち上げ、3塁ランナーがタッチアップでホームへ!
レフトがナイス送球を見せるもキャッチャーが捕れずにセーフ。
明徳義塾が1点を先制します。

2回表、八幡商は5番伊藤選手がピッチャー返しのセカンド内安打で出塁し、送りバントで2塁へ進めるも、
明徳のライト赤瀬選手がライトファールフライフェンス際をナイスキャッチ!
2塁ランナータッチアップで3塁へ進むも、ピッチャーゴロで3アウトチェンジ。

3回表、八幡商は1アウトから1番三上選手がレフトオーバー3ベースヒットで出塁し、
セーフティースクイズを試みるも明徳のファースト久保田選手がナイスダッシュでホームタッチアウト!
この回も無得点に終わってしまいます。

5回裏、明徳義塾は9番赤瀬選手が出塁し、2アウトとなるものの3番梅田選手が四球で出塁。
ここで4番久保田選手が高め甘い球を打ってライトスタンドへ3ランホームラン!
明徳義塾が追加点を奪います。

8回表、八幡商の1番三上選手が甘いスライダーを打つライト線抜く2ベースヒットで出塁し、
2番北川選手がバスターでショートの逆を突く三遊間抜くヒットでノーアウト1・2塁とチャンスを広げます。
送りバントで1アウト2・3塁とし、4番種村選手があわやという大きなセンター犠牲フライ。
1点を返すものの、後続が三振に倒れてしまいチャンスを生かしきれません。

9回表、八幡商は6番梅陰選手がセンター前ヒットで出塁し、センターが雨で少し滑っている間に2塁へ。
記録は2ベースヒットとなり、ノーアウト2塁のチャンスを作ります。
この後、ランナーを進められず2アウトとなってしまいますが、
代打の門出選手が1塁線抜くタイムリーヒットを放ち、2点差とします。
ここで今日3安打と当たっている1番三上選手に廻ってくるも、ショートゴロに倒れて試合終了。
明徳義塾が4−2で逃げ切りました。


この試合は雨の中だったので、選手もやりにくかったことでしょう。
それでも両チームがしっかりと守っていたこともあり、締まった試合となりました。
明徳義塾はやや大振りだったのか、八幡商の上田投手の球威に押されたのか、フライが多かった気がします。
それでも久保田選手が甘い球を見逃さずに本塁打にするなど、ワンチャンスをものにしていました。
逆に八幡商は鶴川投手の外角の球に狙いを定め、スライダーを上手く打って転がしていました。
その分だけ安打が多くなったんだと思います。
けれど要所要所で鶴川投手が三振を奪うなど好投したため、チャンスを十分生かず…
常葉菊川戦で見せた脅威の粘りは発揮されませんでした。

勝った明徳義塾は鶴川投手の安定感が素晴らしいです。
今日は緩いカーブが少なかった印象があります。ストレート・スライダーのコンビネーション。
八幡商は外角のボールに狙いを定めていたこともあり、
得意のスライダーをヒットされるなど苦しいピッチングが続いていましたが、
ランナー出してからも、得点を許してからも落ち着いて投げ、ピンチを三振で乗り切っていました。
この気持ちの切り替えの上手さが鶴川投手の安定感に繋がってるんでしょうね。百戦錬磨の投手です。
またバックも鶴川投手を盛り立て、ライトの赤瀬選手のファールフライキャッチや
セーフティスクイズ時の久保田選手のダッシュなど雨の中しっかりと守っていました。
今日の試合は守りの良さで勝ったという感じがします。
バッティングはやや中軸の大振りが目立つ印象。次の試合では繋ぎのバッティングを期待します。

負けた八幡商はチャンスを何度も作りながら、あと一本が出ませんでした。
常葉菊川戦の劇的な勝利の勢いを持続するとはいかなかったようです。
それでもエースの上田投手を中心に結束して戦い、
優勝候補の明徳義塾に対して押し気味に試合を進められたのは誇っていいでしょう。
甲子園で善戦したことを自信とし、今後に繋げていって欲しいです。


なお、予定された第3試合は31日に順延。
31日は1試合のみ。4月1日にベスト8の試合と日程が1つずれるそうです。


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