1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | (名)丸山(9回) (宇)中田(8回)−古和田(1回) |
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名電 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 1 | 0 | 5 | ||||
宇治 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 4 |
「愛工大名電の野球が変わった!」これに尽きる試合でした。 昨年までは中日に入団した堂上選手を中心に昆野選手ら強打の選手が多いチームだったんですが… バントや機動力を絡めるチームに様変わりしました。 あれですかね、やっぱり甲子園で勝てないことが名電を変えたのかもしれません。 地区大会では打線爆発で高い数字をマークしていながら、甲子園ではその打線が不発。 得点能力に乏しく、勝利から見放されていた名電… 名電の不振にあって、ここ数年の東海勢は甲子園で活躍できず…ある種の責任を感じていたのかもしれません。 強打のチームから「甲子園で勝てるチーム」へ。愛工大名電は変身を遂げたのです。 それにしても嫌らしすぎるほどバントやりましたね(^^; 1チーム最多タイ記録犠打10、立命館宇治の4犠打も含めれば1試合最多犠打だそうです。 送りバント以外にもセーフティーバント等を積極的にやってましたから…もうバントばっか。 試合の序盤は初球に必ずバントの構えを見せてピッチャーを揺さぶり、 ファーストストライクは全打者がセーフティーバントを狙う徹底ぶり、凄かったです(^^; 塁に出ると足で立命館宇治バッテリーを苦しめるなど、本当にいやらしい野球を繰り広げていました。 その嫌らしい攻撃の成果が出たのが6回以降。 立命館宇治の中田投手は名電のしつこい攻撃を力投でなんとかかわしていましたが、 ついにそれに耐えられなくなってしまい、ボールが続いて最後には押し出し四球と苦しい投球になってました。 名電の嫌らしい野球、恐るべしという印象の試合でした。 簡単な得点経過。
勝敗を分けたのは愛工大名電の嫌らしい野球です。 開幕直後の第一試合ということで選手の実力が発揮されないと思ったのか、名電はバント攻撃を徹底させてきました。 東海大会でもここまではさすがにやってなかったと記憶してますが… 機動力は見せていましたが、ここまでセーフティー・1アウトからの送りバントを徹底してくるとは正直驚きでしたね。 もしくは立命館宇治の中田投手が力投型でコントロールに不安があることを見通しての攻撃だったのかもしれません。 愛工大名電の読み勝ちといった所ですね。 負けた立命館宇治ですが、2年生の中田投手を中心にバランスの取れた良いチームだったと思います。 名電ほどではなかったものの、送りバントを確実に決めるなど攻撃面の卒のなさが光りました。 中田投手を中心にチームが上手く成長していけば、夏も甲子園に帰ってこれることでしょう。 ライバルと目される同じ京都の平安高校を倒し、甲子園に帰ってきてください! 勝った愛工大名電は見事の一言。 送りバント・セーフティーバント・スクイズバント・盗塁・ホームスチール等々… バントとかは卒のない野球と評するべきなんでしょうが、ここまで徹底されると積極的にさえ思えてきます。 同じバントであってもセーフティーの構えをするだけで攻撃的に見えるんですな…凄い… このバント攻撃は「打てないから」やっているわけではない点にも注目したいです。 終盤は5番の池田選手の2長打を中心に従来の豪快なバッティングもありました。 投手を疲れさせた所で、長打で得点する…そんな新しい攻撃パターンが名電に加わった印象です。 少し力の落ちる投手からは長打で得点し、好投手はバント・機動力で潰す。 2つが上手く組み合わさった新しい愛工大名電の野球、それが見られました。 名電の課題を挙げると、バントの精度がもう少しな点でしょうか。 数多く試みていることもあるでしょうが、中田投手の球威に押され、バントが上手く行かない場面が見られました。 本来ならこれでチャンスを逸しているだけに、勝ちあがるにはバントの精度を上げることが必要だと思います。 あとは丸山投手のセットポジションからの投球です。 セットからだと足のバランスが悪く、コントロールを乱してしまいがち。 今日はそこを立命館宇治に付込まれていました。 致命傷になりかねないだけにセットからの投球を工夫して欲しいです。 目立った選手は立命館宇治の中田投手、愛工大名電の丸山投手の2人です。 立命館宇治の2年生エース中田投手はオーバースローややスリークォーター気味の上体中心の投球フォーム。 昨年センバツで投げ、現巨人の徳島商の平岡投手のイメージです。 球速は130〜135キロぐらい。最速が138キロ。腕の振りが良く、ストレートのキレを感じました。 変化球は100キロ台のカーブ、縦に小さく落ちるスライダー。それとナチュラルにシュートするボールを使ってるようです。 ただこの投手の場合、そのナチュラルシュート、つまりはストレートのシュート回転が命取りになっている印象です。 ボールを押し出すように投げるフォームをしており、肩が開きやすくてストレートがシュート回転しやすい。 左打者の内角にシュート回転して切れ込む分には良いのですが、 右打者の外角にシュート回転してボール球になったり、真中付近に集まってくるとピッチングが苦しくなってしまいます。 今日はその悪い方になってしまったようで、右打者の外角がことごとく見極められ、四球を連発してしまいました。 もし今以上の投球を求めるなら、このシュート回転の癖=投球フォームを直さないと厳しいでしょうね。 右の本格派投手で良さそうなだけに勿体無いです。今後の取り組みに期待。 愛工大名電のサウスポー丸山投手はダイエー杉内投手のイメージです。 ワインドアップからの足の上げ方なんかそっくり。バランスの良い投球フォームをしていて安定感があります。 ストレートは125キロ〜130キロ前半、100キロ台のカーブのコンビネーションが武器。 他にもチェンジアップやフォークも持っており、変化球が多彩な投手です。 武器となるのはカーブですね。立ち上がりはストレートに落ち着きがなかったこともあり、カーブを連投していました。 大きく変化するカーブとスライダーのように縦に落ちるカーブの2種類。 どちらもコントロールが安定していて、自由自在にストライクを取ることができていました。 丸山投手は昨年の春夏も見ているわけですが、その時と比べるとストレートに力感を増した印象がします。 どちらかというとひ弱なイメージのある投手だったんですが、ストレートが良くなってその悪いイメージがなくなりました。 課題は前述のようにセットポジションからのピッチング。 ワインドアップではゆったりと上げていた足が所在無げにしているため、フォームのバランスが取れていません。 そのせいかコントロール定まらずに四球連発。満塁になってゆったりと足を挙げて0点に抑える。そんなパターン。 もう少しセットポジションの投球をなんとかしないと、この先は難しい感じ… ここまで変わる投手も珍しいっス(苦笑) セットのフォームが固まり、ストレートがさらに力強くなってくれば、 本家杉内投手のような本格派左腕になれるかもしれません。 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | (城)出原(9回) (作)板橋(5回1/3)−磯(3回2/3) |
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城東 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | ||||
作新 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
岡山城東のリズムの良さが作新学院を勝った試合でした。 地方大会の成績を見た限りでは作新学院の方が優位かと思えたんですが、 数字に現われない「試合の流れを掴む力」が城東にはありましたね。 簡単な得点経過。
試合の勝敗を分けたのは、岡山城東のリズムの良さですね。 先発の出原投手は立ち上がりこそコントロールが定まらず、ボールが先行していましたが、 中盤はストライク先行で打たせて取るナイスピッチングを見せていました。 バックも堅い守備でピッチャーを盛り立て、外野手も大きなヒット性の打球を好捕するなど、 非常にテンポの良いピッチング・守備をしていました。 また攻撃では初球から積極的に打ちにいき、送りバントは初球から確実に決めるなど、 リズムの良い攻撃を見せてくれました。 野球の試合における「流れ」の掴み方をよく知っているといいますか、 攻守に積極性が見られる整った試合をしていました。 ここらが岡山城東の強さなんでしょうね。数字に現われない強さを感じます。 負けた作新学院は岡山城東のペースに飲まれ、野球をさせてもらえていませんでした。 エースの板橋投手は城東の積極的な打撃にペースを乱し、コントロールに苦しんでいた感じがします。 打線も出原投手のテンポの良い投球の前に攻めあぐね、 捉えたとしても野手の好捕でヒットにならずと運もありませんでした。 岡山城東の試合運びの上手さにやられたという感じですね。 投打のバランスは悪くないと思うので、厳しい試合展開を逆転する力が欲しい所です。 夏に向けて良い試合を経験できたと思いますから、これを生かしていって欲しいですね。 勝った岡山城東は試合運びの上手さが光りました。 突出した選手はいないものの、攻守にテンポがある良いチームです。 確か昨年もこういったチーム力で勝負するチームだったような… …えーっと東洋大姫路戦ですか、なるほど。今日と同様、テンポの良い好ゲームでした。 課題としては攻撃が淡白にならないことでしょうか。 積極的なバッティングはいいのですが、凡打になってしまえば相手投手を楽にしてしまうだけ。 勝ち上がるにつれて好投手との対戦が多くなってきますから、攻撃の一工夫が欲しい所です。 目立った選手は岡山城東の出原投手と作新学院の板橋投手です。 出原投手はやや担ぎ込むような投球フォームからテンポ良くストレート・カーブ・フォークを投げる好投手。 ストレートは130キロ前後、縦横2種類のカーブが武器です。 球持ちがよく、上手くバックスイングが取れている点が良さのようです。 今日はコントロールが抜群にいいというわけでもなく、 (ストライクを取れる)大まかなコントロールが良いという印象です。 変化球は縦横2種類のカーブに低めに落ちるフォークと安定感あり。 全体的にまとまりのあるピッチャーですね。 板橋投手はオーソドックスな投手という印象。 ストレートが130キロ前後、スライダー・カーブ・フォークと変化球が多彩なものの、 肩の開きが早い感じでボールがシュート回転してしまうのが残念です。 開かない時は良いストレートを投げていましたし、その修正がポイントだと思います。 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | (日)中萬(8回) (甲)三森(9回) (本)井上結貴(日南:4回表:ソロ) |
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日南 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | ||||
甲府 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | × | 3 |
驚きました…まさか甲府工業が逆転するとは… 8回裏、宮下選手のセンターオーバーの当たりがホームランからエンタイトルになった時は、 これで逆転の芽は潰えたかに思えたんですが… なんといっても代打に出てきたエースナンバーの水野選手の一打が素晴らしかった! あの一振りが試合の勝敗を決しました。 水野投手は右肘を手術をしたそうで、ベストではないということで今日の登板は見送ったそうです。 それがこの一番大事な場面で結果を出すとは… 素晴らしいの一言です。 9回表にはその水野投手の一打で励まされたのか、2年生の三森投手が気迫の投球を見せてくれましたし、 エースの一振りが沈みかけていたチームに魂を吹き込んだという感じですね。 いやー、素晴らしい試合でした。高校野球って素晴らしい♪ 簡単な得点経過。
勝った甲府工業は後半の攻撃が見事でした。 それまで日南学園の中萬投手が好投していましたから、その攻撃の鮮やかさは素晴らしかったです。 1つ目のポイントは7回裏の3バント。 それまで送りバントの素振りを見せていませんでしたから、追い込まれてからの作戦変更だったのでしょう。 それだけ選手のバント技術があるということなんでしょうね。 思い切った作戦とそれを可能にした選手の技術の高さ、素晴らしかったです。 2つ目のポイントは8回裏の代打策。 エースの水野投手を一番大事な場面で代打起用したことですね。 起用した監督、その起用に答えた水野投手…お見事でした。 「外角のストレートを狙え」という支持もドンピシャ。完璧に作戦がはまりましたね。 負けた日南学園はエースの中萬投手を中心に守りが堅く、 打撃でもコンパクトなスイングを見せるなどレベルの高いチームでした。 それでも負けてしまったのは一瞬の油断…ホームランにならなかったという油断があったのかもしれません。 非常に紙一重の試合でした…完全に日南ペースで進んでいただけに残念。 夏の大会には台湾からの留学生、控えにいた「蕭投手」「呉捕手」が出られなくなってしまいますが、 チーム一丸となって頑張っていって欲しいです。 エースの中萬投手がスタミナ面で不安を見せましたが、能力があるだけに体力が付いていけば楽しみです。 夏に帰ってくることを期待したいです。 勝った甲府工業は勝負強い打撃が見事。地方大会でも見られた打撃の良さは健在でした。 また送りバントの技術も正確で堅実にランナーを進めることができるのが強みですね。 2年生の三森投手は粘り強い投球ができ、バックも堅い守備を誇っていますから、今後の試合が楽しみ。 この勢いを次の試合に繋げていって欲しいですね。 目立った選手は甲府工業の宮下選手・三森投手、日南学園の中萬投手・杉田選手です。 甲府工の1番ショート宮下選手の打撃はあまり見ていなかったんですが、 8回裏のエンタイトル2ベースの打球は見事でした。ホームランと勘違いするような完璧ぶり。 次の試合に詳しく打撃をチェックしてみたいです。 守備も軽快でスローイングも安定しており、好守備を連発していました。今後の試合も期待です。 2年生右腕の三森投手はオーソドックスなオーバーハンド投手。肘を柔らかく畳める辺りが良いです。 ストレートは130キロ前後(132?)、スライダーとのコンビネーションで抑える投手です。 序盤を見ていた印象ではもう少しボールにキレが欲しいかなと。 特に終盤はスライダーの切れがなくなって打球を捉えられていただけに、そこが課題かなと思います。 日南学園の中萬投手はワインドアップの投球フォームがいいですね。 左足をゆったりと上げてタメを作り、バネの効いたストレートを投げる好投手です。 ストレートは130キロ台前半(134キロ)でコントロールが抜群。コーナーへしっかり投げ分けられています。 ボールの球威もあるようで、高めのストレートで空振り・ポップフライを奪っていました。 変化球はカーブが主体。110キロ前後の縦に落ちるカーブです。上手く緩急を付けられていました。 課題はセットポジションの投球。ワインドアップの時にあった「良さ」威圧感のようなものが消えていたのが残念。 もう少しセットの投球の工夫が欲しい所(コントロール安定してるので大崩はないと思いますが) あとはスタミナ。7回から高めストレートが捉えられていたので、スタミナを増やすことが課題かと。 低目を安定して攻められるコントロールも欲しい所です。なかなかの好投手、夏にも見てみたい投手です。 3番センター杉田選手はバッティングの良さが目立ちました。 日ハムの坪井選手のような振り子打法でタイミングの取り方・バットコントロールが上手。 1打席目の内角スライダーを捉えた右中間突破の3ベースヒットは見事でした。 上背が167センチとないのが残念ですが、シュアなバッティングをこれからも披露して欲しいです。 |