センバツ甲子園大会 9日目

今日は用事があったので試合の全てを見られたわけではないと断っておきます。
一応ビデオチェックはしていますが、不十分かもしれないので、そこらはご容赦ください(ぺこり)


第1試合 徳島商業(徳島) 13−0 智弁和歌山(和歌山)

(智)坪内(5回)−滝谷(3回)
(徳)平岡(9回)
智弁
徳商 × 13

ここまで大差つく試合ではなかったはずなんですが…これだけ点差が付くと残念な気分になってしまいます…
点差が付いた理由は智弁和歌山らしくない守備のミスをしてしまったことでしょう。
3回裏の1点目は上手く打たれたので仕方ないとしても、
その後のワイルドピッチは阻止できたでしょうし、
5回裏のバント処理、続くピッチャー後方小フライの4人お見合いも声をかけてれば回避できたはずです。
そういったミスをしてしまったことで、元々打撃の良い徳島商業打線を気分良く打たせてしまったんだと思います。
もう一度チーム内連携を見直して、智弁和歌山には夏に帰ってきてもらいたいです。

逆に平岡投手には大きな自信になった試合でしょうね。
話によると智弁和歌山が甲子園に出場して53試合(?)になるそうですが、
完封負けは今まで一度もなかったとのことです。
今大会も浦学の須永投手を打ち崩しましたし、今までも数多くの好投手と対戦してきたチーム、
そのチーム相手に公式戦初の完封勝利を達成したのですから、これは自信になることでしょう。
今日のピッチングで多くの野球ファン・スカウトマンにその実力を知らしめたと思いますし、
平岡投手にとって大きな一戦だったと思います。

試合展開を説明すると、2回裏に先頭の平岡投手がヒットを放ち、
続く打者が3バント失敗するもヒットで立て直して1アウト1・3塁のチャンスを作りますが、
セーフティースクイズを失敗(2塁進塁なので一応犠打) 後続も倒れて徳島商業が無得点に終わります。
けれど3回裏にもチャンスを作り、今度は平岡投手が変化球を上から叩いて1塁線タイムリー2ベースで先制。
智弁和歌山の坪内投手は打たれたものの、次打者をサードゴロで打ち取るなど粘りの投球を見せますが、
キャッチャーがミットに当てたものの…というワイルドピッチでもう1点献上してしまいます。
ボールが逆球だったので仕方ない面はありますが、ミットだけでボールを止めようとして弾いてしまうのはいけません。
止められない球ではなかっただけに、勿体無いワイルドピッチだったと思います。

先制された智弁和歌山は4回表に先頭の堂浦選手がヒットを放ち、四球でチャンスを拡大したものの、
本田選手がインサイド直球の後の外角低めスライダーで三振、
山崎選手がライト前ヒットで繋ぐものの、山本選手はショートゴロ併殺打で無得点で終わります。
逆に徳商は5回裏に2番の大田選手がヒットで出塁し、3番土井選手がピッチャーへの送りバントを決めるのですが、
ここで1塁ベースにファースト・セカンドのどちらが入るのかはっきりせず、
送球できないまま山なりボールを投げて、オールセーフになるというミスを犯してしまいます。
その後は送りバントを決めて、平岡投手を敬遠気味の四球で歩かされた後に、ライトへ犠牲フライで1点追加。
そして再び智弁和歌山にミスが出ます。
ピッチャー後方に打ち取った凡フライが上がるのですが、
これをファースト・セカンド・ショート・ピッチャーの4人がいたのにも関わらず誰一人取りに行かず、
お見合いという形でヒットにしてしまい、
さらにはセカンドベースががら空きで打者走者が2塁まで達するという大きなミスを犯します。
もうこうなってしまったら流れは完全に徳島商業ペース。
火のついた打線は留まることなく、先発全員安打の17安打13得点という結果を招き、
投げては平岡投手が完璧な内容の完封勝利を収めました。

甲子園初先発となった智弁和歌山の2年生右腕の坪内投手は好投していた方だと思います。
やや失投が多くヒットは打たれていましたが、要所は縦スライダーを武器に踏みとどまっていましたから、
味方守備の乱れがなければ5回2失点ぐらいでまとめられたと思います。
ストレートは130キロ前後で力強さを感じる投手ですが、やや上体重視で手投げな感がありますから、
もっと下半身を使っていけばコントロールも良くなって失投も少なくなるでしょう。
今日の悔しさをバネに大きく育ってもらいたいです。

完封勝利を収めた平岡投手は胸元ストレート、外角低めストレートと完璧に投げ分けていました。
縦の緩いカーブを見せることで135キロ後半のストレートをより速く見せ、
切れ味鋭いスライダーを振らせるピッチングをしていきます。
それに体全体を上手く使えている投球フォームなので球威もありますし、今後が楽しみな投手です。
7〜8分の力でコンスタントに140キロ出せるようになればプロでも十分やれるでしょう。
準決勝、さらには決勝での好投を期待しています。




第2試合 横浜(神奈川) 3−0 平安(京都)

(横)成瀬(9回)
(平)服部(9回)
(本)吉田真(横浜9回表)
横浜
平安

キャプテンで主軸の荒波選手を骨折で欠き、不利な展開が予想された横浜ですが、
打撃に、走塁に、守備にとチーム全員が結束して見事勝利をあげました。
やっぱり野球はチームプレイなんだなと思わせる素晴らしい試合展開でしたね。

横浜の勝因は平安の服部投手をリズム良く投げさせなかったことでしょう。
序盤から機動力をちらつかせることで、ゆったりした投球フォームで投げさせないようにしていました。
それが服部投手の微妙なコントロールを狂わせ、カーブのキレを落としていたんだと思います。
攻撃面では2つのスクイズを決めるなど、じわじわと相手を追い込んでいく辺りがお見事。
守備面では成瀬投手がコントロール良く投げ、
平安の強力クリーンアップを完全に抑えていたことが大きかったと思います。
平安側にはほとんどチャンスがありませんでしたし、ここ一番でナイスピッチングができるのはエースの証拠でしょう。

得点経過は3回表に9番吉田斉選手がライトオーバーの3ベースヒットを放ち、
1アウト3塁の場面で3バントスクイズを敢行、これが見事に決まって先制点を上げます。
5回表には7番村田選手がレフトオーバーの2ベースヒットを放ち、送りバントで3塁へ。
再びスクイズバントを決めて1点追加します。

一方の平安は8回裏に今日最大のチャンスを作ります。
まず横浜のサード西江選手が送球エラー、ノーアウトでランナーが出ます。
さらにセーフティーバント気味の送りバントをファーストが処理するも送球が高くなり、オールセーフ、ノーアウト1・2塁。
しかしここで横浜は完全なバントシフトを敷いて、平安にプレッシャーをかけます。
それは一・三塁手が前進し、ショートがサードベースカバーに入るという形です。
一度バントが三塁線ファールになりましたが、サードの前進は打者に大きなプレッシャーになっていたと思います。
打者はなんとか打球を転がしますが、成瀬投手が猛ダッシュを見せ、見事な三塁送球でフォースアウト!
続いて中京戦で代打逆転打を放った竹原選手が登場しますが、スクリューボールで空振り三振。
2番の原選手のピッチャー返しの当たりはセンター前に抜けると思いきや、
ショートの吉田真選手が飛び込んで打球を止め、そのままセカンドへグラブトス、アウト!
守備の乱れでピンチを作った横浜が、今度は好守備によってピンチを逃れるという守りでした。
そしてファインプレーを見せた吉田真選手がライナーでスタンドへ飛び込むホームラン!
最後は成瀬投手が平安クリーンアップを抑え、横浜が勝利を収めました。

今日の試合は横浜の卒のない野球、成瀬投手のピッチングが印象的でした。
2つのスクイズバントに、ピンチでのファインプレーと高校野球らしい全力プレーが目立ちましたね。
明徳にサヨナラ勝ちした「力の横浜」も素晴らしかったと思いますが、
今日見せてくれた「小技・守りの横浜」も素晴らしいと思います。
怪我人が多くてベストオーダーを組めない状況でしたが、その状況に応じたオーダーを組んで勝ったのは見事です。
横浜のチームとしての素晴らしさを感じる試合でした。




第3試合 広陵(広島) 4−2 近江(滋賀)

(広)西村(9回)
(近)小原(9回)
広陵
近江

両投手が機動力に警戒しすぎたのか、なかなかエンジンが上がりきらず、
最後まで苦しいピッチングが続いた試合でした。

近江の小原投手は立ち上がりに変化球のコントロールが甘く、
高めに入ったところを広陵の1番上本選手、2番片山選手が見逃さずに連続3ベースヒット、
さらに3番藤田選手のタイムリーヒットで2点を失ってしまいます。
けれど3回辺りからは低目を丁寧に突く本来の投球ができるようになり、立ち直っていきました。
一方の広陵:西村投手は変化球がほとんど入らず、ストレートに頼る苦しいピッチングが続きました。
3回表には内安打・エラーでランナーを出し、5番前田選手にライト前2点タイムリーを打たれて追いつかれます。
けれどその後は打たれながらも粘りの投球を見せ、無得点で抑えていきます。

ただ終盤、小原投手のスタミナが切れたのか、コントロールが甘くなり、
さらに大事な場面で近江守備陣のエラーが出てしまい、8・9回と失点してしまいます。
8回表は4番白濱選手が高めに入る球を打ちショート強襲ヒット、送りバントの後に、
一二塁間の打球にセカンド追いつくも弾いてタイムリーヒットで1点。
9回表はサードゴロエラーでランナーが出て、バスターエンドランでノーアウト1・2塁のチャンスを作り、
2番片山選手が一二塁間を抜くタイムリーヒットで追加点。
後続は小原投手が粘りの投球で抑えますが、近江の反撃は及ばずゲームセット。

この試合は両投手が悪いながらの粘りの投球が光りました。
ただ裏を返すと両チームともに攻めあぐんでいたとも言えます。
広陵の残塁11、近江の残塁10という数字が試合を象徴していました。
そう考えると勝敗を分けたのは終盤でのエラーだと言えます。
両チームともにこれまで堅い守備を誇っていましたから、それが崩れてしまうのは大きな痛手です。
近江の堅守が崩れたこと、これが今日の試合の全てです。
負けた近江は守備力をもう一度鍛え直し、小原投手は終盤の失点が目立つのでスタミナ強化し、
再び甲子園に帰ってきてもらいたいと思います。
勝った広陵はベストなゲームではなかったと思うので、次の試合で実力を発揮して欲しいですね。




第4試合 花咲徳栄(埼玉) 2−2 東洋大姫路(兵庫)

10 11 12 13 14 15 (徳)福本(15回)
(姫)アン(15回)
徳栄
姫路

花咲徳栄の福本投手、東洋大姫路のアン投手の投げ合いは、
延長15回に両チームがエラー絡みで失点するという痛み分けで終わりました。
この試合は10日目に再試合と言う形で行われるようです(となると準決勝は1日順延ですか)
引き分け再試合は延長15回になってからでは初めてとのこと。
18回時代を含めても41年ぶりらしく、春では珍しい熱戦だと思います。

今日のアン投手は立ち上がりこそ不安定でしたが、
1回・2回と2つの外野捕殺に助けられて、尻上がりに調子を上げていきました。
一方の福本投手は課題の立ち上がりを安定した形で切り抜け、
中盤のピンチを粘り強く投げながら終始素晴らしいピッチングを披露していました。
両投手ともに球威が抜群で、スタミナも衰える事がなく、最後まで良いピッチングをしていたと思います。

試合展開を説明していくと、かなり細かくなってしまうので省きます(爆)
得点経過だけを説明すると、10回表、9番鈴木選手が一二塁間を抜くヒットを放ち、
1番田中選手の所でランエンドヒット、空振り三振も盗塁成功。
2アウト2塁となって2番水谷選手が叩きつけるバッティング、これをショートがバウンドに合わずエラーで1点。
10回裏には代打佐藤選手が詰まりながらセカンド後方にヒットを放ち、送りバント成功、
さらに1番原選手が高めに浮いた変化球を打ってライト前ヒット、1アウト1・3塁のチャンスを作り、
2番の上野山選手がセンターへ犠牲フライ、同点に追いつきます。
続いて2アウト2塁の場面で3番アン投手に廻りますがショートゴロでサヨナラにはなりません。

15回表は1アウトから1番田中選手が大きなライトフライで、
ライトが落下点に入っていたものの最後に落球し、さらに中継が乱れてランナーが一気に3塁まで達します。
続く2番水谷選手はサードゴロに打ち取りますが、
3番川島選手のセカンドゴロを回り込んで捕球するも送球が逸れて1点が入ります。
15回裏、追い詰められた東洋大姫路は1番原選手が高めに入ったカーブを打ってライト前ヒット、
送りバントで進め、3番アン選手がファーストゴロでランナー3塁へ。
2アウトランナー3塁で4番前川選手を迎えますが、当たりはショートゴロ。
ゲームセットと思いきや、ショートがこれをこぼしてしまい花咲徳栄が同点に追いつかれます。
そのショックがどう出るか注目してましたが、死球を挟んでピッチャーゴロに打ち取り、熱戦は小休止を迎えました。

全体的には両投手の好投が目立ったナイスゲームでしたが、延長15回の両チームに出た守備の乱れが残念です。
よく守っていたと思うのですが、終盤の大事な場面で出てしまったのが痛かったと思います。
両投手ともに良い投球をするので、最後まで集中力を切らさずに守ってあげて欲しいですね。
明日の試合は両チームともに疲れが取りきれていないでしょうが、素晴らしい熱戦を期待してます。
両チームとも頑張ってください!




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