センバツ甲子園大会 4日目

第1試合 近江(滋賀) 4−3 宜野座(沖縄)

(宜)宜野座(8回)
(近)小原(9回)
宜野座
近江 ×

試合展開としては、まず近江が4点先制します。
宜野座高校の宜野座投手が投げる宜野座カーブ(ややこしくてスマン)の制球が定まらない所を突き、
近江が好球必打でチャンスをものにしての先制点。
けれどその後は宜野座投手が立ち直り、終盤に近江の小原投手の疲れが見えた所を反撃!
9回に併殺で一度チャンスを失うも、最後まであきらめずに攻撃しましたが一歩届かず。近江が逃げ切りました。

印象に残ったのが近江の堅実な守備です。
小原投手は低めに丁寧に集めて打たせて取る投手、
そしてそれを支えるのがショートの岡選手やセンター西村選手らの堅実な守備です。
今日はファインプレーを見せるなど終始安定した守備力を見せてくれました。これが今日の勝因でしょう。
負けた宜野座は高いバント技術と打撃の粘り強さが光りました。
派手さはありませんでしたが、全員で繋ぐ野球は健在で夏に頑張って欲しいです。

目立った選手は近江の3番センターを打つ大西選手と宜野座の宜野座投手です。
大西選手は2打席目の上からボールを引っぱたくように打ったタイムリーがお見事!
守備でも良いプレーがありましたし、今日は活躍していましたね。
ただ脇が空いていて、ボールを引っ掛けてしまう場面も見かけたのでそこが課題だと思います。

2年生の宜野座投手はストレートの軌道で鋭い落差を持つ宜野座カーブが武器です。
ただこのカーブ、変化は大きいのですが制球しにくいのがネック。そこを突け込まれ4失点となりました。
後半は粘り強く投げていたと思うので、ストレートの威力を増し、このカーブの制球力が上がってくれば、
楽しみな投手になると思います。夏に向けて頑張って欲しいです。



第2試合 愛工大名電(愛知) 1−0 国士舘(東京)

(国)久古(6回)−新垣(2回)
(名)昆野(4回)−丸山(5回)
国士舘
名電 ×

強打を誇る愛工大名電打線が2安打に抑えられるも、堅い守備力で競り勝ったという印象の試合でした。
登板した4投手とも粘り強い投球を見せ、引き締まった良い試合をしてくれましたね。
テンポのあるナイスゲームだったと思います。

国士舘の2年生左腕投手の久古投手はストレート・スライダーで腕がよく振れていました。
ただカーブの時に腕の振りが緩んだのでそこが課題だと思います。
5回以降はボールのすっぽ抜けが多かったのでスタミナ面も課題になってくると思います。
けれど強打の名電打線にインコースの球を上手に使ってよく抑えていましたね。
名電の昆野・丸山投手は打たせて取るピッチングでナインの堅い守備を上手く生かしていました。
2つの併殺を奪うなどランナーを出してからの粘り強さが光っていましたね。

注目の選手は愛工大名電の4番サードでキャプテンの堂上選手です。
昨夏もレギュラーで、元中日の堂上投手の息子ということで注目を浴びていた選手です。
ただ昨年はやや堅さがあったのかバッティングで良い所は見られませんでした。
けれど今日はノーヒットながらも随所に成長の足跡を見せてくれていたと思います。
まず打撃フォームが非常にゆったりとした貫禄ある構えをしており、雰囲気を持っている選手だと感じました。
そして2打席目、インコースのカーブを引きつけて強烈なスイング!(結果忘れました(^^;)
少し引き付け過ぎだったんですが、バットスイングの速さが伺える打席だったと思います。
ただインコースのボールに対して窮屈な打撃をしていたので、そこらが課題でしょう。
3拍子揃ったパンチ力を秘めた野手ですし、
キャプテンとして何度もマウンドで声をかけているリーダー格の選手ですから、
試合を経験することで大きく育っていってほしいと思います。



第3試合 東北(宮城) 2−1 浜名(静岡)

(浜)松下(8回)
(東)ダルビッシュ(9回)
浜名
東北 ×

浜名は善戦したんですがねぇ…懸念されていた守備の乱れが出てしまいました。
ただこれで抽選でカードが決まった時に「もう負けた〜」と思ったような有名校に対する気後れはなくなったでしょう。
東海大会決勝では中京というレベルの高いチームと当たっていますから、
順調な成長を見せてきている浜名高校には夏を期待したい所です。
静岡県大会では春優勝校が夏に勝てないというジンクスがあるのですが、それを覆す野球をしてもらいたいと思います。

試合の方はというと序盤にエンジンがかからないダルビッシュ有投手を浜名が攻めるも無得点。
 (1回表 センター前ヒット、パスボール2塁進塁、バント失敗凡打、サードファールフライ、凡打)
同じく東北も浜名の守備の乱れを突いて攻撃するも、全く同じような形で無得点。
 (1回裏 サード送球エラー出塁、バント失敗三振、キャッチャーファールフライ、凡打)
浜名は引き続き調子が上がってこないダルビッシュ投手を攻めるも、良い当たりが正面だったり、あと1本が出ずに無得点。
逆に東北は浜名のエラーを見逃さずに3回・4回と1点ずつ加点します。
 (3回裏 1死からショート送球エラー出塁、ライトオーバータイムリー3ベースで1点)
 (4回裏 死球、送りバント、セカンドゴロ進塁、ショートゴロエラーで1点)
7回に浜名はダルビッシュ投手の甘い変化球を見逃さずに打つも1点止まり。
打てそうで打てないまま浜名が負けてしまいました。エラーがやっぱり痛かったですね…

目立った選手は東北のダルビッシュ有投手、浜名の松下投手、3番打者の小粥選手です。
前評判の高かったイラン人ハーフの194センチ長身の2年生右腕ダルビッシュ投手はイマイチ。
序盤は緊張したためにストレートの走りが悪く、変化球に頼りっぱなしで制球が定まらず苦しい投球でした。
けれど味方が先制してくれた後は心理的余裕ができたのかストレートに威力が出てきたように思います。
球速は140キロオーバーの球がなく、言われているほどではありませんでしたが、力強さを見せてくれました。
私が見た感じでは投球フォームが非常にいいですね。
長い腕を利用した大きなバックスイングに体全体を上手く使った柔らかさを感じる投球フォームです。
力強いというよりもしなやかという感じ。そこら辺が西口投手(西武)が好きな理由なのかも?
また長身投手にありがちな守備面の緩慢さがないので、評判高いのは十分頷けます。
変化球はスライダー、カーブ、フォークと豊富に持っているようです。
ただ決め球となるとどれもイマイチ。変化が少ないので、「これだ!」という変化球が欲しいところです。
精神面の成長も含め、変化球に磨きをかけていってもらいたいですね。

浜名の松下投手はストレート・変化球ともにコースにキッチリ決めて打たせて取る投手です。
ほとんどの打球が内野ゴロというのが素晴らしかったです。
1回は少し腕が縮こまってたかなと思いましたが、それ以降はナイスピッチングをしていたと思います。
投球フォームは足でワンテンポ挟み、体重移動を巧にこなし、腕が折りたたんで出てくる下半身中心フォームです。
ストレートは130キロ前後ですが、コースにしっかりと投げられますし、威力もなかなかにあったと思います。
外角で変化球・ストレートでカウントを取っていく投手ですが、時折ズバッとインコースに決めるストレートがよく生きていました。
課題は時折高めに甘くなるストレートでしょうか。
失点にはなりませんでしたが、長打になる危険性が高いのでそこに気をつければ夏も活躍できると思います。

打者では3番ファーストの小粥選手の打撃フォームが良かったです。
打席では7回に追いこまれても粘り、外角の変化球をカットするように打った3ベースはお見事でした。
夏に向けて成長を期待したい選手の1人です。




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