センバツ甲子園大会 1日目

第1試合 斑鳩(奈良) 2−1 柏崎(新潟・21世紀枠)

(柏)須田(8回)
(斑)牛島(9回)
柏崎
斑鳩 ×

21世紀枠出場の柏崎は拉致被害者の蓮池氏で騒がれたため、
学校自体を知りませんでしたが、文武両道で私服登校と特色ある県立高校だったんですね。
報道も蓮池氏中心な所があったので、実は柏崎高校にとってはいい迷惑だったかも?
野球・学校の特色以外で騒がれてしまう報道体制にはやや釈然としないものがあります。
 (NHK中継ではそうではありませんでしたが…スポーツ紙がやっぱり蓮池氏中心で…)

試合展開の方はスコアで考えるほどの面白みはありませんでした。
1回裏に斑鳩が果敢に三盗をしかけて柏崎のミスを誘う素晴らしい攻撃が見られましたが、
その後はどうも斑鳩打線に工夫が見られず、8回裏の水田選手のタイムリーが出るまでは、
淡白な攻撃が続いていたように思います。
本当ならもう少し早く攻略できたはずですが…初出場で開幕戦ということで堅さが目立っていました。
逆に柏崎の須田投手は球速がないものの、遅いカーブを駆使して上手く打たせてたと思います。
斑鳩打線はボールが来ないのでポイントが前のめりになり、体が傾いてポップフライの山。
ようやく対処できたのが8回裏の水田選手のタイムリー2ベース。この打撃は見事でした。

目立った選手は斑鳩の牛島投手、林捕手のバッテリー、そして森嶋監督の采配です。
牛島投手はサイドハンドからコントロール良く、コーナーを上手に突く投球が光りました。
スライダー・シュートの出し入れで打者を揺さぶる頭脳的なピッチングをしていたと思います。
そしてそれを支えているのが林捕手のリードです。
このバッテリーで近畿大会を勝ち抜いたのでしょう。息の合った頭脳的なバッテリーです。
攻撃面では森島監督の采配が印象に残りました。
1回の三盗、8回の盗塁、相手を良く見た采配が、効果的に得点に繋がっていたと思います。
負けた柏崎は実力で一歩及ばなかったものの、
バントの上手さや積極的な打撃は見ていて気持ちが良かったです。



第2試合 桐蔭学園(神奈川) 3−2 福井(福井)

(福)藤井(8回)
(桐)平野(9回)
福井
桐蔭 ×

1回戦の好カードとにらんだ通りの試合展開、
両投手の素晴らしいピッチングが光る好ゲームでした。
やや守乱があったのは残念ですが、これぞ甲子園大会という熱戦を繰り広げてくれました。
福井の藤井投手、桐蔭の平野投手ともに140キロオーバーのストレートを持ち、
切れ味鋭いスライダーで三振を奪うナイスピッチングを繰り広げていました。
惜しむならば藤井投手が投げ込み不足で終盤にスタミナ切れをしてしまったことでしょう。
負けた藤井投手はまだ夏があるので、ここで勝ちあがって無理するよりも
万全な状態で夏に臨んで欲しいです。

試合展開はエラーなどで平野投手が失点するも粘り強く投げ、
藤井投手のスタミナが切れた7回以降に畳みかけて桐蔭が競り勝ったという感じでした。

目に付いた選手は藤井・平野両投手、打者では金森・新谷選手(福井)です。
昨夏も素晴らしい投球を見せてくれた藤井投手は調整不足ながらも好投してくれました。
170センチと小柄ながらも、体全体を使ったバネのある投球は健在です。
ストレートは140キロ前後で制球良く決めていき、
落ちるスライダーやチェンジアップを決め球とする本格派右腕です。
フィールディングの良さも定評があり、8回のスクイズバントのグラブトスは見事でした。
投手として体は小さいですが、間違いなく素晴らしい投手だと思います。
ジャイアンツの桑田投手のような高い野球センスを感じます。
昨年の宮本(関西)・荒瀬(新湊)投手に続く小兵の本格派投手、
こういう投手がプロで活躍すると少年も夢見れるんですがね。

平野投手はスリュークォーターで140キロオーバー、最速146キロの右の本格派投手。
最後までストレートが140キロオーバーと球速が落ちないのは素晴らしいの一言でしょう。
ただ藤井投手とは違い、上体中心のフォームに見えました。
スライダー投手というよりもシュート投手だと思います。
ライオンズの石井貴投手の投球フォームイメージでしょうか。
ならば課題も一緒という事で、肩の開き具合が気になります。
上手くまとまっている投手だけに、
打者から見え難い投球フォームになればもっと良くなると思います。
両投手ともに言える事ですが、コントロールの良さが光っていました。
四球を出さずに速いストレートとスライダーでカウントを取れるのは一線級の証拠。
今後の活躍に期待したいですね。

選手宣誓をした福井のキャプテン金森外野手は昨夏の活躍が印象深いです。
肩が開かないで最短距離でバットが出てくる打撃フォームは将来性を感じます。
守備範囲も広く、1回の大飛球の処理を見れば、ピッチャーも安心して投げられるでしょう。
打撃面では福井の4番打者の新谷一塁手が目立ちました。
平野投手の落ちるスライダーをバットに乗せて右中間フェンスダイレクトの2ベース。
軸がぶれない強さを感じました。

それにしてもこの試合、1イニングで2つも回避不能な珍しい内安打が見られました。
打球回転数が物凄く高くて、それが地面に叩きつけられることで砂との間で強い摩擦が生じ、
その場所から一歩も打球が動かず止まってしまう殿馬(ドカベン)顔負けの秘打です(^^;
その秘打が1イニングで2つも出るとは…藤井投手はアンラッキーでしたね…



第3試合 智弁和歌山(和歌山) 6−5 東邦(愛知)

10 (智)滝谷(6回1/3)−本田(3回2/3)
(東)三浦(10回)
智弁
東邦

滝谷・本田投手は昨夏も投げていた記憶があります。
滝谷投手は1年生ながらも好投した記憶があるのですが、本田投手はたしか…
なんだかその事が思い出される試合でした。
智弁和歌山が優勢に試合を進めるものの、
東邦は本田投手の制球定まらないところを反撃し一気に同点。
ただその後はしっかりと抑え、最後に競り勝つ辺りは智弁和歌山らしいいうべきでしょう。

この試合は実に終盤の展開が目まぐるしかったです。
中盤見ていた時には智弁和歌山がそのまま勝つだろうと思っていたのですが、
智弁和歌山が滝谷投手から本田投手へと継投した途端、流れがガラッと変わりました。
元々コントロールに難がある投手ですが、
途中登板だっただけにより一層、落ち着くのに時間がかかったようです。
それでも本田投手は最後低めにストレートが行くようになり、
しっかりと立ち直ったようなので2回戦以降の活躍を期待したいですね。
試合の方は終盤の一進一退の攻防が見事でした。
代打策や敬遠策など監督の采配勝負も随所で垣間見えるなど、
甲子園常連校らしいレベルの高い攻防を繰り広げていたと思います。

目に付いた選手は智弁和歌山の滝谷投手と本田選手の2人です。
滝谷投手はタイガースの井川投手の投球フォームイメージです。
球持ちが長く、腕がよく振れた良い投球フォームをしていると思います。
他に目に付いたところはありませんでしたが、まだ新2年生なので成長を期待したいです。
4番打者の本田一塁手・投手の打撃は昨夏同様、非凡なものがあります。
バットコントロールが抜群で、どんなボールにでも対応できる素晴らしさを持っています。
今日はカーブに、低めのストレートにと完璧なバッティングを見せてくれました。
おっつけて右に持っていったタイムリーも技ありでお見事。
打者としての活躍に注目していきたいところです。



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